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この恋に気づいて
狼にはご用心
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体が痛いと言う顔見知りの猫に治癒魔法もとい、「痛いの痛いの飛んでゆけ」をかけてあげると、頼んでいないのにお礼に仕入れたばかりだという噂話を聞かされた。
『行方不明だった隣町の少女が戻ってきた』
しっぽをたゆんたゆん揺らして目を細める猫爺さんの言葉に私は怪訝な顔をしてしまった。
彼が聞いた話によると、その少女は2年前に魔法魔術学校を卒業したばかりの時期に忽然と姿を消して行方不明だったそうだ。ただ一人の肉親が捜索依頼を出していたが見つからず……
今回見つかった女性がその行方不明だった少女だと判明したのだそうだ。
見つかった直後、衰弱した状態で地面に転がっていたそうだ。病院で検査後判明したのは、彼女は出産直後だったということ。しかしそばに赤子はいなかった。
行方不明以前はお父さんとふたり暮らしだったが、女性が行方不明の間にお父さんは事故で亡くなってしまい身元引受人がいない。頼れる人がいない女性を救済するために、この国の最高神職者である大巫女様が手を差し述べたそうだ。女性の回復を待って神殿の職員として雇うとのこと。
魔術師として教育を受けた女性だが、精神的肉体的に衰弱した影響で魔法が使えなくなってしまっているのだそうだ。何者かの手によって怪しい薬か魔術にかけられたようで、女性の身になにが起きたのかもわからず、事件は暗礁に乗り上げるという曖昧な終わり方をしたとか。
ちなみに、似た事件は各地でも起きている。
そのどれも迷宮入りしてしまっているそうだけど。
私はふと、入学前に耳にした嫌な話を思い出した。
魔法魔術省の職員さんたちが捜索していた行方不明の少女たちって、これとなにか関係あるのかなって。
この間ブローチの点検に来てくれたキューネルさんの忠告を思い出す。彼はその事件を知っていたから、私に注意してくれたのだろうか。
あの不気味な貴族の男性を思い出してなんだか寒気がした。
◆◇◆
新学期にむけて身の回りのものを新調してもらった。
いつの間にか体が大きくなっていたみたいで、手持ちの服が小さくなっていたので新しい洋服や靴を仕立ててもらった。
流行を取り入れたワンピースを身に纏った私はくるりと回って両親にお披露目した。いろんなデザインの服を何着か仕立ててもらった。新しいお洋服を着るとわくわく楽しい気分になるから大好きだ。
「リナリアはお母さんに似て本当に美人さんだなぁ」
ニコニコと笑うお父さんは私をベタ褒めして来る。
それにむずがゆい気持ちになっていると、お母さんがドンと箱を机に置いた。その箱は商会でも取り扱っている、お茶や日持ちするお菓子だ。
「これも持って行きなさい。イルゼさんと一緒に食べるのよ」
トランクには入るだろうけど……これ全部をか。流石に二人じゃ消費しきれないよ。
「寮の同室者やルーカスにもあげていい?」
「もちろんよ」
私に人間の友達が出来たことが相当嬉しいみたいで、お母さんは満面の笑顔を浮かべた。これだけじゃ足りないかもとさらにお代わりを持って行かせようとしていたがそれは止めておく。たくさん人間の友達がいるわけじゃないからいいよそれは。
「リナリア、くれぐれもルーカス君とやらには用心するんだぞ!」
ずずいと顔を近付けさせてきたお父さんが目を血走らせて言った。
……ルーカスに用心する? どういう意味?
私が理解できずに怪訝な顔でお父さんを見上げると、お父さんは私の肩をがしっと握りしめ、あたかも深刻な宣告をするように言った。
「13歳だとしても、男は狼なんだぞ!」
「はぁ……? お父さん、ルーカスは人族よ。狼獣人じゃないの」
「リナリア! 父さんはそういうことを言いたいんじゃない。よく聞きなさい、閉鎖された学校空間に年頃の男女がいるとある状況下に陥るんだ!」
お父さんの目がうるうるしてなんだか泣きそうになっている。私に人間の友達が出来て喜んでいるかと思ったのに、やけにルーカスのことを気にしているなぁ。
ルーカスは私の面倒を見てくれる親切なクラスメイトだ。感謝をしても、心配することは何もないというのに。
「お父さんがなにを心配しているのかはわからないけど、ルーカスはいい人よ」
「違うんだリナリア! それは下心があるから…!」
「お父さんの言ってることは気にしなくていいのよリナリア」
細腕でお父さんを押しのけたお母さんは私の頭にそっと日よけ帽子を被せてきた。
「大変なこともあるだろうけど、あなたならきっと乗り越えられるわ」
その言葉に私は微笑む。
私を信じてくれているってのが伝わって来るから、私も安心して学校に戻れる。
私は荷物をたくさん詰めたトランクを持ち上げると、家を出て大通りに向かった。再び学校へ学びに行くために。
『リナリア、学校にいくの?』
『いってらっしゃい』
『頑張って』
近くまで迎えにきたお迎えの乗合馬車に荷物を詰め込んで、両親としばしの別れを惜しんでいると、動物たちがお見送りに来てくれた。彼らとも挨拶を交わすと、馬車に乗り込む。
「行ってきまーす!」
馬車の窓を開けて、見送ってくれる彼らに向かって大きく手を振る。
魔法魔術学校でバキボキに心折られて、今では当初のウキウキした気持ちは消え去ってしまったけど、諦めたりはしない。
私は自分の力を使いこなせるようになってみせる。一人前の魔術師になれるかどうか不安しかないけど、人を守れる力を身につけられたらきっと胸を張れるはずだから。
馬車の旅の途中でイルゼと再会して、学校に到着するまでは彼女とおしゃべりしながら過ごした。
イルゼは長期休暇中、お祖父さんのお家に転がり込んでいたけど、顔を見せるために数日は実家に帰らなきゃいけなくてその期間が最悪だったと言う。お姉さんとの不仲は健在らしい。
兄弟っていいなぁって憧れていたけど、ご家庭によっては火種になるんだな……私は黙って彼女の愚痴を聞いていた。
学校に到着すると点呼のために門前で整列させられて待機していると、テクテクとどこからかルーカスが歩いて近づいてきた。
「久しぶり。点呼終わっちゃったよ?」
「あぁ、いいんだ。僕は別の馬車で来たから点呼は必要ない」
彼の言い方に私は疑問を抱く。ルーカスはとある馬車を指差して教えてくれた。
「家の馬車で送ってもらったんだ」
家の馬車。
私が乗ってきた乗合馬車と何かが違う。続々到着している、貴族たちの個別馬車のような高級感溢れる馬車に乗ってきていたのだ。
なるほど、お坊ちゃんだからね。彼が一般塔の生徒とは違うことはすでにわかっていたので私は突っ込むことはしない。
「休みはどう過ごしたの?」
話を変えようと、休暇中のことを聞いた。もしかしたら上流階級的な返事が返って来るかもしれないがそれはもう今更である。
「君にもらった本をじっくり読み込んでいた」
私はてっきり別荘に行ったとかパーティに参加したとか気取ったお返事が来ると思っていたのに、思いもよらぬ返答に目を丸くしてしまった。
「とても興味深い内容に惹かれて、何度か読み返した後、家の書庫で他の文献との読み比べをしていたら、遊びにきた叔父さんに見つかってしまったんだ」
私がお礼として渡した古い魔法書を読み込んで休暇を過ごしていたけど、今は叔父さんの元にあるのだそうだ。貸してくれと懇願されて仕方なく貸したそうだ。
「まだまだ検証できてない部分もあるから、学校でも読み返したかったけど、叔父さんには借りがあったから仕方ない」
……入学当初に女の子たちが噂をしていたのは真実なのかもしれない。クライネルト家は勉学や研究が大好きで、貴族のしがらみや義務が面倒だから、爵位をつっぱねて平民の身分におさまっているのだって。
私はまじまじとルーカスの整った顔を見つめる。その視線に気づいた彼は戸惑った様子でうろたえていた。
「な、なに?」
「うちのお父さんがね、ルーカスには用心しろって言うの」
「え」
「狼がどうとかよく分からないことを言っていたの。ルーカスは獣人じゃないのにね」
ルーカスと会ったこともないのに、お父さんはなんであんな事言ったんだろう。
「おかしな話よね、あなたが私になにかする訳じゃないのに」
むしろ失礼だよね。私にこんなにも親切にしてくれる人に対して。まるで私に害を及ぼすみたいな言い方してさ。
私からしてみたら、クラスメイトの意地悪な人たちのほうがよほど危険だと思う。
私はバカらしいよねって笑い飛ばしたのだが、ルーカスは黙り込んでいた。
どうしたのかと顔を覗き込むと、彼は何故か頬を赤らめていた。
「……どうしたの?」
「な、なんでも、ない」
何でもないようには思えないけど。
気分が悪いの? 熱を測ろうと彼のおでこに触ろうとしたら、その手を阻止された。触らないでほしいと拒絶されたみたいでなんか傷付く。
『行方不明だった隣町の少女が戻ってきた』
しっぽをたゆんたゆん揺らして目を細める猫爺さんの言葉に私は怪訝な顔をしてしまった。
彼が聞いた話によると、その少女は2年前に魔法魔術学校を卒業したばかりの時期に忽然と姿を消して行方不明だったそうだ。ただ一人の肉親が捜索依頼を出していたが見つからず……
今回見つかった女性がその行方不明だった少女だと判明したのだそうだ。
見つかった直後、衰弱した状態で地面に転がっていたそうだ。病院で検査後判明したのは、彼女は出産直後だったということ。しかしそばに赤子はいなかった。
行方不明以前はお父さんとふたり暮らしだったが、女性が行方不明の間にお父さんは事故で亡くなってしまい身元引受人がいない。頼れる人がいない女性を救済するために、この国の最高神職者である大巫女様が手を差し述べたそうだ。女性の回復を待って神殿の職員として雇うとのこと。
魔術師として教育を受けた女性だが、精神的肉体的に衰弱した影響で魔法が使えなくなってしまっているのだそうだ。何者かの手によって怪しい薬か魔術にかけられたようで、女性の身になにが起きたのかもわからず、事件は暗礁に乗り上げるという曖昧な終わり方をしたとか。
ちなみに、似た事件は各地でも起きている。
そのどれも迷宮入りしてしまっているそうだけど。
私はふと、入学前に耳にした嫌な話を思い出した。
魔法魔術省の職員さんたちが捜索していた行方不明の少女たちって、これとなにか関係あるのかなって。
この間ブローチの点検に来てくれたキューネルさんの忠告を思い出す。彼はその事件を知っていたから、私に注意してくれたのだろうか。
あの不気味な貴族の男性を思い出してなんだか寒気がした。
◆◇◆
新学期にむけて身の回りのものを新調してもらった。
いつの間にか体が大きくなっていたみたいで、手持ちの服が小さくなっていたので新しい洋服や靴を仕立ててもらった。
流行を取り入れたワンピースを身に纏った私はくるりと回って両親にお披露目した。いろんなデザインの服を何着か仕立ててもらった。新しいお洋服を着るとわくわく楽しい気分になるから大好きだ。
「リナリアはお母さんに似て本当に美人さんだなぁ」
ニコニコと笑うお父さんは私をベタ褒めして来る。
それにむずがゆい気持ちになっていると、お母さんがドンと箱を机に置いた。その箱は商会でも取り扱っている、お茶や日持ちするお菓子だ。
「これも持って行きなさい。イルゼさんと一緒に食べるのよ」
トランクには入るだろうけど……これ全部をか。流石に二人じゃ消費しきれないよ。
「寮の同室者やルーカスにもあげていい?」
「もちろんよ」
私に人間の友達が出来たことが相当嬉しいみたいで、お母さんは満面の笑顔を浮かべた。これだけじゃ足りないかもとさらにお代わりを持って行かせようとしていたがそれは止めておく。たくさん人間の友達がいるわけじゃないからいいよそれは。
「リナリア、くれぐれもルーカス君とやらには用心するんだぞ!」
ずずいと顔を近付けさせてきたお父さんが目を血走らせて言った。
……ルーカスに用心する? どういう意味?
私が理解できずに怪訝な顔でお父さんを見上げると、お父さんは私の肩をがしっと握りしめ、あたかも深刻な宣告をするように言った。
「13歳だとしても、男は狼なんだぞ!」
「はぁ……? お父さん、ルーカスは人族よ。狼獣人じゃないの」
「リナリア! 父さんはそういうことを言いたいんじゃない。よく聞きなさい、閉鎖された学校空間に年頃の男女がいるとある状況下に陥るんだ!」
お父さんの目がうるうるしてなんだか泣きそうになっている。私に人間の友達が出来て喜んでいるかと思ったのに、やけにルーカスのことを気にしているなぁ。
ルーカスは私の面倒を見てくれる親切なクラスメイトだ。感謝をしても、心配することは何もないというのに。
「お父さんがなにを心配しているのかはわからないけど、ルーカスはいい人よ」
「違うんだリナリア! それは下心があるから…!」
「お父さんの言ってることは気にしなくていいのよリナリア」
細腕でお父さんを押しのけたお母さんは私の頭にそっと日よけ帽子を被せてきた。
「大変なこともあるだろうけど、あなたならきっと乗り越えられるわ」
その言葉に私は微笑む。
私を信じてくれているってのが伝わって来るから、私も安心して学校に戻れる。
私は荷物をたくさん詰めたトランクを持ち上げると、家を出て大通りに向かった。再び学校へ学びに行くために。
『リナリア、学校にいくの?』
『いってらっしゃい』
『頑張って』
近くまで迎えにきたお迎えの乗合馬車に荷物を詰め込んで、両親としばしの別れを惜しんでいると、動物たちがお見送りに来てくれた。彼らとも挨拶を交わすと、馬車に乗り込む。
「行ってきまーす!」
馬車の窓を開けて、見送ってくれる彼らに向かって大きく手を振る。
魔法魔術学校でバキボキに心折られて、今では当初のウキウキした気持ちは消え去ってしまったけど、諦めたりはしない。
私は自分の力を使いこなせるようになってみせる。一人前の魔術師になれるかどうか不安しかないけど、人を守れる力を身につけられたらきっと胸を張れるはずだから。
馬車の旅の途中でイルゼと再会して、学校に到着するまでは彼女とおしゃべりしながら過ごした。
イルゼは長期休暇中、お祖父さんのお家に転がり込んでいたけど、顔を見せるために数日は実家に帰らなきゃいけなくてその期間が最悪だったと言う。お姉さんとの不仲は健在らしい。
兄弟っていいなぁって憧れていたけど、ご家庭によっては火種になるんだな……私は黙って彼女の愚痴を聞いていた。
学校に到着すると点呼のために門前で整列させられて待機していると、テクテクとどこからかルーカスが歩いて近づいてきた。
「久しぶり。点呼終わっちゃったよ?」
「あぁ、いいんだ。僕は別の馬車で来たから点呼は必要ない」
彼の言い方に私は疑問を抱く。ルーカスはとある馬車を指差して教えてくれた。
「家の馬車で送ってもらったんだ」
家の馬車。
私が乗ってきた乗合馬車と何かが違う。続々到着している、貴族たちの個別馬車のような高級感溢れる馬車に乗ってきていたのだ。
なるほど、お坊ちゃんだからね。彼が一般塔の生徒とは違うことはすでにわかっていたので私は突っ込むことはしない。
「休みはどう過ごしたの?」
話を変えようと、休暇中のことを聞いた。もしかしたら上流階級的な返事が返って来るかもしれないがそれはもう今更である。
「君にもらった本をじっくり読み込んでいた」
私はてっきり別荘に行ったとかパーティに参加したとか気取ったお返事が来ると思っていたのに、思いもよらぬ返答に目を丸くしてしまった。
「とても興味深い内容に惹かれて、何度か読み返した後、家の書庫で他の文献との読み比べをしていたら、遊びにきた叔父さんに見つかってしまったんだ」
私がお礼として渡した古い魔法書を読み込んで休暇を過ごしていたけど、今は叔父さんの元にあるのだそうだ。貸してくれと懇願されて仕方なく貸したそうだ。
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……入学当初に女の子たちが噂をしていたのは真実なのかもしれない。クライネルト家は勉学や研究が大好きで、貴族のしがらみや義務が面倒だから、爵位をつっぱねて平民の身分におさまっているのだって。
私はまじまじとルーカスの整った顔を見つめる。その視線に気づいた彼は戸惑った様子でうろたえていた。
「な、なに?」
「うちのお父さんがね、ルーカスには用心しろって言うの」
「え」
「狼がどうとかよく分からないことを言っていたの。ルーカスは獣人じゃないのにね」
ルーカスと会ったこともないのに、お父さんはなんであんな事言ったんだろう。
「おかしな話よね、あなたが私になにかする訳じゃないのに」
むしろ失礼だよね。私にこんなにも親切にしてくれる人に対して。まるで私に害を及ぼすみたいな言い方してさ。
私からしてみたら、クラスメイトの意地悪な人たちのほうがよほど危険だと思う。
私はバカらしいよねって笑い飛ばしたのだが、ルーカスは黙り込んでいた。
どうしたのかと顔を覗き込むと、彼は何故か頬を赤らめていた。
「……どうしたの?」
「な、なんでも、ない」
何でもないようには思えないけど。
気分が悪いの? 熱を測ろうと彼のおでこに触ろうとしたら、その手を阻止された。触らないでほしいと拒絶されたみたいでなんか傷付く。
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