14 / 96
この恋に気づいて
ひとまわり大きな手
しおりを挟む
朝、私は寮母さんのお部屋で目覚めた。
「よかった、今日は起きたのね」
「おはようございます……」
「魔力暴走を起こしていたって聞いていたから、しばらく目覚めないと思っていたけど、想定よりも回復が早いわね」
寮母さんの言葉の意味がわからず、私は首を傾げる。
あれ、もしかして寝坊したのかな……? と壁に掛けられた魔法鳩時計を見上げていると、寮母さんは私のおでこに手を当てて熱はないか確認してきた。
「ブルームさん、昨日は丸一日眠っていたのよ」
「……」
起きたら次の日ではなく、翌々日だったという。
寝坊どころじゃなく、日を跨いでいたらしい。
登校を許可されたが、万が一の場合もある。体に不調が出たら医務室に行くようにと寮母さんに念押しされて、私は学校にいく準備のために一旦部屋に戻った。
扉を開くと部屋にはプロッツェさんがいて、私は少し気まずくなった。
「おはよう」
「…おはよ」
だけどプロッツェさんは朝の挨拶をしてきただけだった。
私は何か言われるんじゃないかと身構えていたのだが拍子抜けしてしまう。
「早く着替えて準備しないと遅刻するわよ」
「う、うん」
いつも通りのプロッツェさんである。まるで私の家出騒動なんてなかったかのような……
私はおどおどしながら部屋に入ると、着替えをトランクの中から取り出した。
「リナリア!」
ドバーンと扉が開いたのはその直後だ。
乱入者は両腕を広げると飛びついてきた。私はそのまま床の上に引き倒されて目を白黒させる。
「寮から飛び出して行ったって話を聞いて、驚いた。私あなたを追い詰めるような発言をしてしまったんだって後悔したわ……ごめんなさい」
私をぎゅうぎゅうに抱きしめて一旦体を離したイルゼはボロボロ泣いていた。しかもその目元は赤く腫れており、長時間泣いていたことが伺えた。
「……違うの、イルゼ。すべては私の力不足のせい」
「いいえ、聞いたのよ。クラスの男子に嫌がらせされて、女子にもいろいろ嫌なこと言われたんでしょう」
「え……」
自分を責めるイルゼに私が寮を飛び出した理由は別にあると否定すると、イルゼは私の肩をギュッと握って真っ赤になった瞳で私を見つめてきた。その目は確信に満ちていた。なにもかも知っているとイルゼの目が訴えていた。
「それで……得意な治癒魔法が使えなくなって……大切な友達を亡くしたことも」
なんで、それを知っているのか。イルゼは謹慎中だったはずなのに。
私が目を丸くして呆然としていると、イルゼは眉間にギュッとしわを寄せて苦しそうにしていた。
「一部始終をクライネルト君の猫が見ていたんですって。今日教室についたらあいつらの顔面ぼこぼこにしてあげる。だから一緒に学校へ行きましょう」
クライネルト君の眷属である白猫のトリシャがあの場に居合わせたのか。……だからクライネルト君は知ったような口を聞いていたんだ。
寮を飛び出した理由はそれだけじゃないけど、心に火を付けた理由ではあるので私は否定しなかった。
それよりもだ。イルゼはまた勇ましい発言をしてくれた。
気持ちはうれしいが、その拳は収めておいて欲しい。
「イルゼ、ぼこぼこにはしなくていいよ。あんな意地悪な人たちのせいでイルゼがまた謹慎になったら嫌だし、私のせいでイルゼが傷つく姿は見たくないの」
「それは私も同じよ。私たち、友達じゃないの」
友達だって口に出して言われて私はくすぐったい気持ちになった。
イルゼと見つめ合ってウフフと笑い合っていると、静観していたプロッツェさんが淡々と言った。
「仲がいいのは結構だけど、本当に遅刻するわよ」
プロッツェさんはそう言い残してひとりでさっさと登校してしまった。あぁ、彼女のその淡々さを見ていると、日常に戻ってきたなぁと実感させられる。
私は慌てて準備をして、イルゼとともに女子寮を飛び出した。
もうすでに大多数の生徒たちは登校した後で、私とイルゼは遅刻ぎりぎりだった。
教科書が詰まった重い鞄を持って全力で駆けていくと、斜め上から『おはようリナリア』『リナリアのお寝坊さん』とチュンチュン小鳥のさえずりが聞こえてきた。
──動物達の声がちゃんと聞こえる。
じわりと目元が熱くなってなんだか泣きたい気分になったけど、私は涙をこらえた。
「おはよう、みんな!」
私に話しかけてくれる“友達”に元気良く挨拶を返すと、先を走るイルゼの背中を追った。
今はまだまともに基礎魔法を扱えない私だけど、いつかはものにしてみせる。私の中には危険な力が宿っているのだとわかったから。自分の魔力をちゃんと制御できるようにならなきゃならないんだ。
ギリギリで始業時間に間に合った私とイルゼは教室へ飛び込んだもんだからちょっと目立ってしまった。
「あいつ、まだ学校にいたんだ」
「寮から飛び出したって聞いたけど…」
クラスメイト達のひそひそ声に心が萎みそうになったけど、ぐっと耐えた。
彼らはきっと私が同じレベルまでにたどり着かなきゃそうして陰口を叩きつづける。なにも言われないくらいに私ができるようにならなきゃ、私は言い返せない。ここは我慢しなくては。
悪口を聞き付けて噛み付こうとするイルゼの手を握って彼女を止める。不満そうな彼女をその場に置いて、私はある人物の前に立った。
彼はいつも通りに読書に耽っており、ひとりだけ別の空間に存在するようであった。
「クライネルト君! 色々とありがとう! それと怪我させてゴメンね!」
今までのお礼と謝罪を告げると、クライネルト君は目をぱっちりさせて私を見上げた。そして読んでいた本に栞を挟んで席を立ち上がると、私と目線を合わせる。
やっぱり私よりも小柄だ。だけどなんでだろうか。彼は雰囲気も相まってそれ以上に大きく見えた。
「治癒魔法で治して貰ったからもうなんともないよ。それと、今日の放課後からまた自主練頑張ろう」
「うん」
「今度は強がって僕を追い払うような真似はしないでね」
「……」
クライネルト君はどこまで見透かしているんだろうか。彼は一枚も二枚も上手な気がする。
私も流石に学んだ。この期に及んで反発するなんて恩知らずな真似はすまい。恥ずかしいとか申し訳ないとか考えるのではなく、差し出された人の手を借りるのも一つの賢い選択なんだ。
「よろしくお願いします」
私は頭を深々下げて手を差し出す。
するとクライネルト君が笑う気配がした。
「あぁ任せてくれ」
握り返された手はやっぱり私よりも大きかった。
◇◆◇
「実技行きたくないなぁ…」
次の科目を考えると私のやる気は急降下した。いまだにうまくできない実技は私にとって苦手のひとつ。でも受けなきゃ前進しないし……
「あの先生なんか嫌な先生よね。ちゃんと教えようとしないし、やる気が削げるというか。他の先生に相談する?」
私を心配してイルゼが提案してくれた。そんなことプロッツェさんも言っていたけど、それで解決するんだろうか。一生徒のわがままとして受け取られず、逆恨みで余計にあの先生に冷遇される気がする。
「その心配はないよ」
後ろから掛けられた言葉に私もイルゼもキョトンとした。
声を掛けてきたのがクライネルト君だったからだ。
「実技の先生は急な事情で退職されたみたいでね、代わりの先生が見つかるまでは他の先生方が分担兼任されるそうだ」
彼の説明に私はホッとする以前に色々と意味がわからなかった。
「やけに、詳しいね……? そんなこと周りの人なにも言ってないのに」
「今朝方伝書鳩で受け取った情報だからね」
伝書鳩? 鳩がお手紙を持ってきてくれるんだろうか。それともまだ習っていない魔法の類かな。
「魔法庁で働いている叔父さんに前から相談していたんだ。あの先生の態度が教師としてあるまじきものだったから」
クライネルト君は私とイルゼを追い越して先を歩きはじめた。
そっか、彼は魔術師家系の人間だから、親戚がお役所で勤めていてもおかしくないか。便利だな、役人な叔父さん。
「叔父さんは軽く注意しただけらしいけど、先生が責任を感じて自ら辞職して行ったみたいだよ」
その説明に私は口をひん曲げた。
えぇ……ほんとぉ? あの先生そんなに繊細じゃないと思うんだけど。
私の疑いの眼差しが気まずいのか、クライネルト君は困った顔をしていた。だって仕方ないでしょ。それじゃ納得できないんだから。
彼はあきらめたようにため息を吐き出すと、仕方なさそうに話した。
「実はね、僕が一般塔に所属しているのはこういう事情もあるんだ。特別塔と違って、平民出身の生徒たちは不満の声を上げづらい。だから監視の目的で、昔から魔術師家系のクライネルト家の人間が入学してるんだ」
なんか重大任務のように聞こえるけど、そんなことを私たちに話していいのだろうか。
私の考えている事が顔に現れていたのか、「公然の秘密だから大丈夫だよ」とクライネルト君はニヤリと笑う。
悪戯を仕掛けた後の子どもみたいに笑ったクライネルト君はいつもの大人っぽい姿とは違って、私よりも年下の男の子に見えた。
「よかった、今日は起きたのね」
「おはようございます……」
「魔力暴走を起こしていたって聞いていたから、しばらく目覚めないと思っていたけど、想定よりも回復が早いわね」
寮母さんの言葉の意味がわからず、私は首を傾げる。
あれ、もしかして寝坊したのかな……? と壁に掛けられた魔法鳩時計を見上げていると、寮母さんは私のおでこに手を当てて熱はないか確認してきた。
「ブルームさん、昨日は丸一日眠っていたのよ」
「……」
起きたら次の日ではなく、翌々日だったという。
寝坊どころじゃなく、日を跨いでいたらしい。
登校を許可されたが、万が一の場合もある。体に不調が出たら医務室に行くようにと寮母さんに念押しされて、私は学校にいく準備のために一旦部屋に戻った。
扉を開くと部屋にはプロッツェさんがいて、私は少し気まずくなった。
「おはよう」
「…おはよ」
だけどプロッツェさんは朝の挨拶をしてきただけだった。
私は何か言われるんじゃないかと身構えていたのだが拍子抜けしてしまう。
「早く着替えて準備しないと遅刻するわよ」
「う、うん」
いつも通りのプロッツェさんである。まるで私の家出騒動なんてなかったかのような……
私はおどおどしながら部屋に入ると、着替えをトランクの中から取り出した。
「リナリア!」
ドバーンと扉が開いたのはその直後だ。
乱入者は両腕を広げると飛びついてきた。私はそのまま床の上に引き倒されて目を白黒させる。
「寮から飛び出して行ったって話を聞いて、驚いた。私あなたを追い詰めるような発言をしてしまったんだって後悔したわ……ごめんなさい」
私をぎゅうぎゅうに抱きしめて一旦体を離したイルゼはボロボロ泣いていた。しかもその目元は赤く腫れており、長時間泣いていたことが伺えた。
「……違うの、イルゼ。すべては私の力不足のせい」
「いいえ、聞いたのよ。クラスの男子に嫌がらせされて、女子にもいろいろ嫌なこと言われたんでしょう」
「え……」
自分を責めるイルゼに私が寮を飛び出した理由は別にあると否定すると、イルゼは私の肩をギュッと握って真っ赤になった瞳で私を見つめてきた。その目は確信に満ちていた。なにもかも知っているとイルゼの目が訴えていた。
「それで……得意な治癒魔法が使えなくなって……大切な友達を亡くしたことも」
なんで、それを知っているのか。イルゼは謹慎中だったはずなのに。
私が目を丸くして呆然としていると、イルゼは眉間にギュッとしわを寄せて苦しそうにしていた。
「一部始終をクライネルト君の猫が見ていたんですって。今日教室についたらあいつらの顔面ぼこぼこにしてあげる。だから一緒に学校へ行きましょう」
クライネルト君の眷属である白猫のトリシャがあの場に居合わせたのか。……だからクライネルト君は知ったような口を聞いていたんだ。
寮を飛び出した理由はそれだけじゃないけど、心に火を付けた理由ではあるので私は否定しなかった。
それよりもだ。イルゼはまた勇ましい発言をしてくれた。
気持ちはうれしいが、その拳は収めておいて欲しい。
「イルゼ、ぼこぼこにはしなくていいよ。あんな意地悪な人たちのせいでイルゼがまた謹慎になったら嫌だし、私のせいでイルゼが傷つく姿は見たくないの」
「それは私も同じよ。私たち、友達じゃないの」
友達だって口に出して言われて私はくすぐったい気持ちになった。
イルゼと見つめ合ってウフフと笑い合っていると、静観していたプロッツェさんが淡々と言った。
「仲がいいのは結構だけど、本当に遅刻するわよ」
プロッツェさんはそう言い残してひとりでさっさと登校してしまった。あぁ、彼女のその淡々さを見ていると、日常に戻ってきたなぁと実感させられる。
私は慌てて準備をして、イルゼとともに女子寮を飛び出した。
もうすでに大多数の生徒たちは登校した後で、私とイルゼは遅刻ぎりぎりだった。
教科書が詰まった重い鞄を持って全力で駆けていくと、斜め上から『おはようリナリア』『リナリアのお寝坊さん』とチュンチュン小鳥のさえずりが聞こえてきた。
──動物達の声がちゃんと聞こえる。
じわりと目元が熱くなってなんだか泣きたい気分になったけど、私は涙をこらえた。
「おはよう、みんな!」
私に話しかけてくれる“友達”に元気良く挨拶を返すと、先を走るイルゼの背中を追った。
今はまだまともに基礎魔法を扱えない私だけど、いつかはものにしてみせる。私の中には危険な力が宿っているのだとわかったから。自分の魔力をちゃんと制御できるようにならなきゃならないんだ。
ギリギリで始業時間に間に合った私とイルゼは教室へ飛び込んだもんだからちょっと目立ってしまった。
「あいつ、まだ学校にいたんだ」
「寮から飛び出したって聞いたけど…」
クラスメイト達のひそひそ声に心が萎みそうになったけど、ぐっと耐えた。
彼らはきっと私が同じレベルまでにたどり着かなきゃそうして陰口を叩きつづける。なにも言われないくらいに私ができるようにならなきゃ、私は言い返せない。ここは我慢しなくては。
悪口を聞き付けて噛み付こうとするイルゼの手を握って彼女を止める。不満そうな彼女をその場に置いて、私はある人物の前に立った。
彼はいつも通りに読書に耽っており、ひとりだけ別の空間に存在するようであった。
「クライネルト君! 色々とありがとう! それと怪我させてゴメンね!」
今までのお礼と謝罪を告げると、クライネルト君は目をぱっちりさせて私を見上げた。そして読んでいた本に栞を挟んで席を立ち上がると、私と目線を合わせる。
やっぱり私よりも小柄だ。だけどなんでだろうか。彼は雰囲気も相まってそれ以上に大きく見えた。
「治癒魔法で治して貰ったからもうなんともないよ。それと、今日の放課後からまた自主練頑張ろう」
「うん」
「今度は強がって僕を追い払うような真似はしないでね」
「……」
クライネルト君はどこまで見透かしているんだろうか。彼は一枚も二枚も上手な気がする。
私も流石に学んだ。この期に及んで反発するなんて恩知らずな真似はすまい。恥ずかしいとか申し訳ないとか考えるのではなく、差し出された人の手を借りるのも一つの賢い選択なんだ。
「よろしくお願いします」
私は頭を深々下げて手を差し出す。
するとクライネルト君が笑う気配がした。
「あぁ任せてくれ」
握り返された手はやっぱり私よりも大きかった。
◇◆◇
「実技行きたくないなぁ…」
次の科目を考えると私のやる気は急降下した。いまだにうまくできない実技は私にとって苦手のひとつ。でも受けなきゃ前進しないし……
「あの先生なんか嫌な先生よね。ちゃんと教えようとしないし、やる気が削げるというか。他の先生に相談する?」
私を心配してイルゼが提案してくれた。そんなことプロッツェさんも言っていたけど、それで解決するんだろうか。一生徒のわがままとして受け取られず、逆恨みで余計にあの先生に冷遇される気がする。
「その心配はないよ」
後ろから掛けられた言葉に私もイルゼもキョトンとした。
声を掛けてきたのがクライネルト君だったからだ。
「実技の先生は急な事情で退職されたみたいでね、代わりの先生が見つかるまでは他の先生方が分担兼任されるそうだ」
彼の説明に私はホッとする以前に色々と意味がわからなかった。
「やけに、詳しいね……? そんなこと周りの人なにも言ってないのに」
「今朝方伝書鳩で受け取った情報だからね」
伝書鳩? 鳩がお手紙を持ってきてくれるんだろうか。それともまだ習っていない魔法の類かな。
「魔法庁で働いている叔父さんに前から相談していたんだ。あの先生の態度が教師としてあるまじきものだったから」
クライネルト君は私とイルゼを追い越して先を歩きはじめた。
そっか、彼は魔術師家系の人間だから、親戚がお役所で勤めていてもおかしくないか。便利だな、役人な叔父さん。
「叔父さんは軽く注意しただけらしいけど、先生が責任を感じて自ら辞職して行ったみたいだよ」
その説明に私は口をひん曲げた。
えぇ……ほんとぉ? あの先生そんなに繊細じゃないと思うんだけど。
私の疑いの眼差しが気まずいのか、クライネルト君は困った顔をしていた。だって仕方ないでしょ。それじゃ納得できないんだから。
彼はあきらめたようにため息を吐き出すと、仕方なさそうに話した。
「実はね、僕が一般塔に所属しているのはこういう事情もあるんだ。特別塔と違って、平民出身の生徒たちは不満の声を上げづらい。だから監視の目的で、昔から魔術師家系のクライネルト家の人間が入学してるんだ」
なんか重大任務のように聞こえるけど、そんなことを私たちに話していいのだろうか。
私の考えている事が顔に現れていたのか、「公然の秘密だから大丈夫だよ」とクライネルト君はニヤリと笑う。
悪戯を仕掛けた後の子どもみたいに笑ったクライネルト君はいつもの大人っぽい姿とは違って、私よりも年下の男の子に見えた。
18
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
【R18】国王陛下はずっとご執心です〜我慢して何も得られないのなら、どんな手を使ってでも愛する人を手に入れよう〜
まさかの
恋愛
濃厚な甘々えっちシーンばかりですので閲覧注意してください!
題名の☆マークがえっちシーンありです。
王位を内乱勝ち取った国王ジルダールは護衛騎士のクラリスのことを愛していた。
しかし彼女はその気持ちに気付きながらも、自分にはその資格が無いとジルダールの愛を拒み続ける。
肌を重ねても去ってしまう彼女の居ない日々を過ごしていたが、実の兄のクーデターによって命の危険に晒される。
彼はやっと理解した。
我慢した先に何もないことを。
ジルダールは彼女の愛を手に入れるために我慢しないことにした。
小説家になろう、アルファポリスで投稿しています。
不妊妻の孤独な寝室
ユユ
恋愛
分かっている。
跡継ぎは重要な問題。
子を産めなければ離縁を受け入れるか
妾を迎えるしかない。
お互い義務だと分かっているのに
夫婦の寝室は使われることはなくなった。
* 不妊夫婦のお話です。作り話ですが
不妊系の話が苦手な方は他のお話を
選択してください。
* 22000文字未満
* 完結保証
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
寡黙な彼は欲望を我慢している
山吹花月
恋愛
近頃態度がそっけない彼。
夜の触れ合いも淡白になった。
彼の態度の変化に浮気を疑うが、原因は真逆だったことを打ち明けられる。
「お前が可愛すぎて、抑えられないんだ」
すれ違い破局危機からの仲直りいちゃ甘らぶえっち。
◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
【短編】最愛の婚約者の邪魔にしかならないので、過去ごと捨てることにしました
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「ディアンナ、ごめん。本当に!」
「……しょうがないですわ。アルフレッド様は神獣様に選ばれた世話役。あの方の機嫌を損ねてはいけないのでしょう? 行って差し上げて」
「ごめん、愛しているよ」
婚約者のアルフレッド様は侯爵家次男として、本来ならディアンナ・アルドリッジ子爵家の婿入りをして、幸福な家庭を築くはずだった。
しかしルナ様に気に入られたがため、四六時中、ルナの世話役として付きっきりとなり、ディアンナとの回数は減り、あって数分で仕事に戻るなどが増えていった。
さらにディアンナは神獣に警戒されたことが曲解して『神獣に嫌われた令嬢』と噂が広まってしまう。子爵家は四大貴族の次に古くからある名家として王家から厚く遇されていたが、それをよく思わない者たちがディアンナを落としめ、心も体も疲弊した時にアルフレッドから『婚約解消』を告げられ──
これは次期当主であり『神獣に嫌われた子爵令嬢』ディアンナ×婿入り予定の『神獣に選ばれた侯爵家次男』アルフレッドが結ばれるまでの物語。
最終的にはハッピーエンドになります。
※保険でR15つけています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる