5 / 96
この恋に気づいて
素っ気ない同室者と白猫トリシャ
しおりを挟む
入学式とクラスでの顔合わせが終わると、先生に引率されて今日からお世話になる寮へと案内された。寮は学校の敷地内にあり、外部と接触ができないようになっている。
歩く道すがら、植物性の魔法生物が植木の手入れをしている姿を見かけた。大きな花の頭を支える茎部分に細い手足が生えたようななにかが、鋭い手先でチョキチョキ植木剪定している。
なかなか奇妙な光景に映った。──あれだな、馬獣人が馬を飼育してる光景に似てる。
還らずの森に生息する魔獣とは別で、国の保護下にある魔法生物。魔獣に似たものだが、還らずの森の魔素から発生する魔獣とは違って、魔法生物は自生、繁殖するものなので少し分類が異なる。
魔法生物を使役する仕事もあるんだよね。いつかは私も動物のためになる仕事をしてみたい。魔力があれば動物と以心伝心できるんだ。もしかしたら植物ともできるかも。今度試してみよう。
「ここが一般寮だ」
先生が指差した先に、赤いレンガで作られた建物。そこそこ古い建物らしいけど、味があって私は好き。貴族たちが使う特別寮は定期的に建て替えしてるそうだけど、そこは寄付金とかそういう事情だ。私達のような一般庶民は無料で学べる環境にあることをありがたく思わねば。
それぞれ男子寮と女子寮で別れたら寮母さんとの顔合わせをして、そこで部屋割を説明される。
「共に6年間暮らすのですから、同じ魔法魔術学校の生徒同士、尊重しあい、規律を守って暮らすように。問題を起こした場合は何かしらの処置を行います。尚、男子を女子寮に入れないように。何かありましたら寮母室に来てくださいね」
簡単な規則は寮の共通掲示板に貼付けているからそれを各自確認するようにと言われた。
色々しているうちに時刻はもうすでに夕刻を過ぎていた。このまま寮内の食堂で夕飯をとるように言われて、新入生揃って食堂へ足を運んだ。
私たち一般塔の生徒は2人部屋が基本なんだって。ドキドキしながら自分の部屋に割り当てられた場所に向かうとドアノブを回した。そぉっと部屋の扉を開けると、同室者は一足先に入室していたようだ。荷ほどきをしていた彼女がくるりと振り返り、私と目が合う。
「あ、あの、今日からよろしくね」
「…よろしく」
同室の子はニーナ・プロッツェ。金色の瞳に赤褐色の髪の女の子だ。狐のような切れ長の瞳は鋭く、青白い顔は彼女を余計に冷たく見させた。
「こっちのベッドは私が使うから、あなたは左側よ」
「え? あ、うん」
感情の色が見えない平坦な声で淡々と言われた私はぎくりとする。
あれ、なんか……あまり仲良くする気がない感じ?
会話らしい会話もなく、持ち込んだトランクを広げて荷物を整理している間もなんだか気まずい。私がもたもた片付けをしている間にプロッツェさんは大浴場へ一人出向いて入浴も済ませてしまっていたし。
私も慌てて使用時間までにお風呂を済ませて部屋に戻ると、もうすでに彼女は床に就いていた。
そして戻ってきた私にこう言ったのだ。
「私、夜早めに寝るタイプなの。明かりを付けてもいいけどあまり眩しくしないでね」
同室者と語り合うとかそういうのも無いのかな。親しくする気はないという事なのか……そんなこと言われたらなにも出来なくなってしまう…仕方なく早々に私も布団に潜り込んだ。
出発前にお父さんから友達を作れと言われて頑張る気でいたが、私は早くも心折れそうになった。
どうせなら、イルゼと同じ部屋が良かったなぁ…
◆◇◆
早く寝すぎたせいか、私は早めに目覚めてしまった。同室のプロッツェさんはまだ夢の中。寮内は静まり返っており、他の人もまだ夢の中なのだろう。
いつもなら二度寝するけど、今日はすっきり目覚めてしまったのでそれはやめておこう。
始業までは大分時間があるけど…せっかくなので敷地内を探検がてら歩き回ろうかな。
『うぅ……カラスの奴…今度会ったら覚えておきなさいよぉ』
負け惜しみのような声が聞こえたのは、校舎前の花壇付近だった。誰かがいるんだろうかと辺りを見渡すと、白い物体がうずくまってなにやらひとりでブチブチ文句を吐き捨てていた。本来であれば白いふわふわの毛並みをしているはずのその体からはあちこち血液が滲んでおり、怪我をしているのがひと目でわかった。
「大丈夫!?」
私はそれにすぐさま飛びつくと有無を言わさず使い慣れた「痛いの痛いの飛んでゆけ」を使用した。
白い彼女は驚いて固まっていたが、私が治療していると理解すると抵抗せずに黙って受け入れていた。首輪が着いているからこの子は誰かの飼い猫だ。散歩しているときに何かしらの襲撃を受けたのであろう。
『もういいわよ、全部治った。ありがとね』
彼女は私の膝から飛び降りると伸びをしていた。
『でもいいのに、私は眷属だから怪我はすぐに治るのよ』
「えっ、すぐに治る……?」
この猫は何を言っているのだろう。
今さっきの怪我はすぐに治るものじゃなかったぞ。少なくとも3週間はかかりそうな外傷だった。
『驚いた。あなた魔法使わずに私の言葉がわかるのね』
白猫にとってはそっちのほうが驚きだったらしい。
「私は生まれながらの通心術士なんだって」
呪文を唱えなくても、自由に動物達と意思疎通がはかれる才能だと、魔法魔術省の役人さんが言っていた。魔術師の才があっても、特殊な才能に目覚めることは稀で希少な能力なんだと教えてもらった。
この能力で故郷では仲間外れにされていたけど、今では特別な能力を持った自分を誇らしいと思える。
「──おはよう」
白猫と私しかこの場にいないと思っていたら背後から声をかけられた。ビクッと驚いて振り返るとそこには昨日の入学式で入学生代表で挨拶していたルーカス・クライネルトがいた。
「お、おはようございます…」
私が挨拶を返すとクライネルト君はなにやらほっとした顔をして猫を見下ろしていた。
「それで、一晩中どこをほっつき回っていたんだ? トリシャ」
『ちょっと、不良娘を叱る親父みたいな言い方しないでよねルーク』
そして彼は普通に白猫と会話をしはじめた。
あれ……この人呪文使わずに話してる。
『この辺のシマを荒らしているカラスと決闘してたら返り討ちに遭って動けなかったのよ。仕方ないでしょ。それでこの子に怪我を治してもらったのよ』
「そうだったのか。僕の眷属を治してくれてありがとう、ブルームさん」
「えっあっいえ……」
け、眷属、入学したばかりなのにもうその契約してるの? 学校で習ってもいないのに。
私が困惑しているのに気づいたのか、クライネルト君は簡単に眷属について説明してくれた。眷属の契約についてなにも知らないわけじゃないけど、黙って聞くことにする。
「眷属というのは魔術師と契約した使役動物のことだ。契約を結べば、いつでも自由に意思疎通がはかれる」
呼び出すこともできるけど、性格上それに応えない個体もいるとか。仕方ない、猫は自由だからね。だからクライネルト君は行方不明の眷属を探しに、早朝から辺りを捜索していたのだそうだ。
「なんかカッコいいね」
もうすでに契約できるとか、クライネルト君すごいなぁと白猫のトリシャを見ていると、彼は今の説明に付け加えた。
「……ただ、相手の寿命や行動を縛ってしまうから、双方納得の上で、ってのを推奨するけど」
術者の能力で怪我や病気に怯えなくていいし、寿命だって伸びる。だけどそれが逆に眷属にとって苦しめる原因になる可能性もある。術者と同じ寿命を生きることになるから……と彼は付け加えた。
「もしも術者が契約を破棄してしまえば、眷属だった動物はその時点で死ぬ。一生涯共にいられるという相手限定で双方納得の上で契約することをオススメするよ」
そのことは知らなかったな。
彼の説明を受けて私は眷属を作りたいという気持ちが萎んだ。動物達が苦しむことになるのならちょっとやだな。
それにしても魔法契約とか難しそうなことまでこなして……何者なんだ彼は。
クライネルト君は傍で見るとますます美形だ。私より小さくて、声変わりもしていない。物腰が柔らかいので、あまり男の子っぽくない。
昨日女子寮の食堂で女の子達が彼の噂をしていた。
彼はお貴族様ってわけじゃないけど、古くからずっと続いている魔術師家系の名家で、幾度となく叙爵されそうになったけどそれを毎回断ってきたのだという。
優秀な魔術師を排出しつづける、研究や実験が大好きな変わり者一家。そして財を築き上げる才能持ちもいて、それらが功を奏しての資産家でもあるのだという。そんなお家なので、何かと縁を結びたがる貴族がいるが、ここ数代は市井からお嫁さんを引き入れているとかなんとか……
なんで一般塔にいるのか不思議な存在である。爵位のある家じゃない平民身分だかららしいけど……向こうでも何ら問題なさそうに見えた。
歩く道すがら、植物性の魔法生物が植木の手入れをしている姿を見かけた。大きな花の頭を支える茎部分に細い手足が生えたようななにかが、鋭い手先でチョキチョキ植木剪定している。
なかなか奇妙な光景に映った。──あれだな、馬獣人が馬を飼育してる光景に似てる。
還らずの森に生息する魔獣とは別で、国の保護下にある魔法生物。魔獣に似たものだが、還らずの森の魔素から発生する魔獣とは違って、魔法生物は自生、繁殖するものなので少し分類が異なる。
魔法生物を使役する仕事もあるんだよね。いつかは私も動物のためになる仕事をしてみたい。魔力があれば動物と以心伝心できるんだ。もしかしたら植物ともできるかも。今度試してみよう。
「ここが一般寮だ」
先生が指差した先に、赤いレンガで作られた建物。そこそこ古い建物らしいけど、味があって私は好き。貴族たちが使う特別寮は定期的に建て替えしてるそうだけど、そこは寄付金とかそういう事情だ。私達のような一般庶民は無料で学べる環境にあることをありがたく思わねば。
それぞれ男子寮と女子寮で別れたら寮母さんとの顔合わせをして、そこで部屋割を説明される。
「共に6年間暮らすのですから、同じ魔法魔術学校の生徒同士、尊重しあい、規律を守って暮らすように。問題を起こした場合は何かしらの処置を行います。尚、男子を女子寮に入れないように。何かありましたら寮母室に来てくださいね」
簡単な規則は寮の共通掲示板に貼付けているからそれを各自確認するようにと言われた。
色々しているうちに時刻はもうすでに夕刻を過ぎていた。このまま寮内の食堂で夕飯をとるように言われて、新入生揃って食堂へ足を運んだ。
私たち一般塔の生徒は2人部屋が基本なんだって。ドキドキしながら自分の部屋に割り当てられた場所に向かうとドアノブを回した。そぉっと部屋の扉を開けると、同室者は一足先に入室していたようだ。荷ほどきをしていた彼女がくるりと振り返り、私と目が合う。
「あ、あの、今日からよろしくね」
「…よろしく」
同室の子はニーナ・プロッツェ。金色の瞳に赤褐色の髪の女の子だ。狐のような切れ長の瞳は鋭く、青白い顔は彼女を余計に冷たく見させた。
「こっちのベッドは私が使うから、あなたは左側よ」
「え? あ、うん」
感情の色が見えない平坦な声で淡々と言われた私はぎくりとする。
あれ、なんか……あまり仲良くする気がない感じ?
会話らしい会話もなく、持ち込んだトランクを広げて荷物を整理している間もなんだか気まずい。私がもたもた片付けをしている間にプロッツェさんは大浴場へ一人出向いて入浴も済ませてしまっていたし。
私も慌てて使用時間までにお風呂を済ませて部屋に戻ると、もうすでに彼女は床に就いていた。
そして戻ってきた私にこう言ったのだ。
「私、夜早めに寝るタイプなの。明かりを付けてもいいけどあまり眩しくしないでね」
同室者と語り合うとかそういうのも無いのかな。親しくする気はないという事なのか……そんなこと言われたらなにも出来なくなってしまう…仕方なく早々に私も布団に潜り込んだ。
出発前にお父さんから友達を作れと言われて頑張る気でいたが、私は早くも心折れそうになった。
どうせなら、イルゼと同じ部屋が良かったなぁ…
◆◇◆
早く寝すぎたせいか、私は早めに目覚めてしまった。同室のプロッツェさんはまだ夢の中。寮内は静まり返っており、他の人もまだ夢の中なのだろう。
いつもなら二度寝するけど、今日はすっきり目覚めてしまったのでそれはやめておこう。
始業までは大分時間があるけど…せっかくなので敷地内を探検がてら歩き回ろうかな。
『うぅ……カラスの奴…今度会ったら覚えておきなさいよぉ』
負け惜しみのような声が聞こえたのは、校舎前の花壇付近だった。誰かがいるんだろうかと辺りを見渡すと、白い物体がうずくまってなにやらひとりでブチブチ文句を吐き捨てていた。本来であれば白いふわふわの毛並みをしているはずのその体からはあちこち血液が滲んでおり、怪我をしているのがひと目でわかった。
「大丈夫!?」
私はそれにすぐさま飛びつくと有無を言わさず使い慣れた「痛いの痛いの飛んでゆけ」を使用した。
白い彼女は驚いて固まっていたが、私が治療していると理解すると抵抗せずに黙って受け入れていた。首輪が着いているからこの子は誰かの飼い猫だ。散歩しているときに何かしらの襲撃を受けたのであろう。
『もういいわよ、全部治った。ありがとね』
彼女は私の膝から飛び降りると伸びをしていた。
『でもいいのに、私は眷属だから怪我はすぐに治るのよ』
「えっ、すぐに治る……?」
この猫は何を言っているのだろう。
今さっきの怪我はすぐに治るものじゃなかったぞ。少なくとも3週間はかかりそうな外傷だった。
『驚いた。あなた魔法使わずに私の言葉がわかるのね』
白猫にとってはそっちのほうが驚きだったらしい。
「私は生まれながらの通心術士なんだって」
呪文を唱えなくても、自由に動物達と意思疎通がはかれる才能だと、魔法魔術省の役人さんが言っていた。魔術師の才があっても、特殊な才能に目覚めることは稀で希少な能力なんだと教えてもらった。
この能力で故郷では仲間外れにされていたけど、今では特別な能力を持った自分を誇らしいと思える。
「──おはよう」
白猫と私しかこの場にいないと思っていたら背後から声をかけられた。ビクッと驚いて振り返るとそこには昨日の入学式で入学生代表で挨拶していたルーカス・クライネルトがいた。
「お、おはようございます…」
私が挨拶を返すとクライネルト君はなにやらほっとした顔をして猫を見下ろしていた。
「それで、一晩中どこをほっつき回っていたんだ? トリシャ」
『ちょっと、不良娘を叱る親父みたいな言い方しないでよねルーク』
そして彼は普通に白猫と会話をしはじめた。
あれ……この人呪文使わずに話してる。
『この辺のシマを荒らしているカラスと決闘してたら返り討ちに遭って動けなかったのよ。仕方ないでしょ。それでこの子に怪我を治してもらったのよ』
「そうだったのか。僕の眷属を治してくれてありがとう、ブルームさん」
「えっあっいえ……」
け、眷属、入学したばかりなのにもうその契約してるの? 学校で習ってもいないのに。
私が困惑しているのに気づいたのか、クライネルト君は簡単に眷属について説明してくれた。眷属の契約についてなにも知らないわけじゃないけど、黙って聞くことにする。
「眷属というのは魔術師と契約した使役動物のことだ。契約を結べば、いつでも自由に意思疎通がはかれる」
呼び出すこともできるけど、性格上それに応えない個体もいるとか。仕方ない、猫は自由だからね。だからクライネルト君は行方不明の眷属を探しに、早朝から辺りを捜索していたのだそうだ。
「なんかカッコいいね」
もうすでに契約できるとか、クライネルト君すごいなぁと白猫のトリシャを見ていると、彼は今の説明に付け加えた。
「……ただ、相手の寿命や行動を縛ってしまうから、双方納得の上で、ってのを推奨するけど」
術者の能力で怪我や病気に怯えなくていいし、寿命だって伸びる。だけどそれが逆に眷属にとって苦しめる原因になる可能性もある。術者と同じ寿命を生きることになるから……と彼は付け加えた。
「もしも術者が契約を破棄してしまえば、眷属だった動物はその時点で死ぬ。一生涯共にいられるという相手限定で双方納得の上で契約することをオススメするよ」
そのことは知らなかったな。
彼の説明を受けて私は眷属を作りたいという気持ちが萎んだ。動物達が苦しむことになるのならちょっとやだな。
それにしても魔法契約とか難しそうなことまでこなして……何者なんだ彼は。
クライネルト君は傍で見るとますます美形だ。私より小さくて、声変わりもしていない。物腰が柔らかいので、あまり男の子っぽくない。
昨日女子寮の食堂で女の子達が彼の噂をしていた。
彼はお貴族様ってわけじゃないけど、古くからずっと続いている魔術師家系の名家で、幾度となく叙爵されそうになったけどそれを毎回断ってきたのだという。
優秀な魔術師を排出しつづける、研究や実験が大好きな変わり者一家。そして財を築き上げる才能持ちもいて、それらが功を奏しての資産家でもあるのだという。そんなお家なので、何かと縁を結びたがる貴族がいるが、ここ数代は市井からお嫁さんを引き入れているとかなんとか……
なんで一般塔にいるのか不思議な存在である。爵位のある家じゃない平民身分だかららしいけど……向こうでも何ら問題なさそうに見えた。
17
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
【R18】国王陛下はずっとご執心です〜我慢して何も得られないのなら、どんな手を使ってでも愛する人を手に入れよう〜
まさかの
恋愛
濃厚な甘々えっちシーンばかりですので閲覧注意してください!
題名の☆マークがえっちシーンありです。
王位を内乱勝ち取った国王ジルダールは護衛騎士のクラリスのことを愛していた。
しかし彼女はその気持ちに気付きながらも、自分にはその資格が無いとジルダールの愛を拒み続ける。
肌を重ねても去ってしまう彼女の居ない日々を過ごしていたが、実の兄のクーデターによって命の危険に晒される。
彼はやっと理解した。
我慢した先に何もないことを。
ジルダールは彼女の愛を手に入れるために我慢しないことにした。
小説家になろう、アルファポリスで投稿しています。
不妊妻の孤独な寝室
ユユ
恋愛
分かっている。
跡継ぎは重要な問題。
子を産めなければ離縁を受け入れるか
妾を迎えるしかない。
お互い義務だと分かっているのに
夫婦の寝室は使われることはなくなった。
* 不妊夫婦のお話です。作り話ですが
不妊系の話が苦手な方は他のお話を
選択してください。
* 22000文字未満
* 完結保証
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
寡黙な彼は欲望を我慢している
山吹花月
恋愛
近頃態度がそっけない彼。
夜の触れ合いも淡白になった。
彼の態度の変化に浮気を疑うが、原因は真逆だったことを打ち明けられる。
「お前が可愛すぎて、抑えられないんだ」
すれ違い破局危機からの仲直りいちゃ甘らぶえっち。
◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
【短編】最愛の婚約者の邪魔にしかならないので、過去ごと捨てることにしました
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「ディアンナ、ごめん。本当に!」
「……しょうがないですわ。アルフレッド様は神獣様に選ばれた世話役。あの方の機嫌を損ねてはいけないのでしょう? 行って差し上げて」
「ごめん、愛しているよ」
婚約者のアルフレッド様は侯爵家次男として、本来ならディアンナ・アルドリッジ子爵家の婿入りをして、幸福な家庭を築くはずだった。
しかしルナ様に気に入られたがため、四六時中、ルナの世話役として付きっきりとなり、ディアンナとの回数は減り、あって数分で仕事に戻るなどが増えていった。
さらにディアンナは神獣に警戒されたことが曲解して『神獣に嫌われた令嬢』と噂が広まってしまう。子爵家は四大貴族の次に古くからある名家として王家から厚く遇されていたが、それをよく思わない者たちがディアンナを落としめ、心も体も疲弊した時にアルフレッドから『婚約解消』を告げられ──
これは次期当主であり『神獣に嫌われた子爵令嬢』ディアンナ×婿入り予定の『神獣に選ばれた侯爵家次男』アルフレッドが結ばれるまでの物語。
最終的にはハッピーエンドになります。
※保険でR15つけています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる