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外伝・女神の娘・アレキサンドラ
消えた姫君と大巫女【三人称視点】
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大巫女として生きる彼女は、以前よりも幸せだった。
だけど同時に孤独を感じていた。
それでも、これは彼女が選んだ道だ。弱音を吐くことなく大巫女として恥じない振る舞いを心がけ、日々淡々と過ごしていた。
そんなある日、彼女は王宮からの依頼で女神フローラとの交信を行うことになった。なにも、王太子殿下の妃にふさわしい娘を女神に聞いてくれとのこと。
彼女は神殿にやってきた面々を見て辟易した。誰も彼も欲の籠もった目をしており、こんなことで女神様のお手を煩わせないでほしいと文句の一つくらい言ってやりたかったが、彼女は大巫女。依頼は粛々と受けなくてはならない。
すぐに心を無に保ち、乙女だけが入れるとされる水殿にゆっくり身を沈める。頭の先まで水に浸かると目を閉じた。
女神にこの国の次期王の妃にふさわしい娘を選んでほしいと呼びかける。するとすぐに女神は応えてくれた。彼女の体と女神の魂が一つになり、女神の意思が彼女の脳に直接伝わってきた。
女神が見せたのは、金色の鱗を持つ立派なドラゴン……の背中に乗った一人の少女の姿。夜の闇よりも真っ黒な髪と、利発な顔立ちの美しい少女。瞳は不思議な紫色をしていた。
【──アステリア・ゲルデ・フォルクヴァルツ…】
その名は。
生きていれば少女と同い年の、消えた姫君の名前だ。
シュバルツ侵攻が勃発した年代でなくとも、この国の人間ならば知っている名前だ。
彼女が、生きていた。
彼女の帰還を予知していたから女神は消えた姫君を選出したのではないだろうかと少女が思ったのは、“彼女”が実の両親に連れられて神殿にやってきたとき。
……実の両親と再会できたはずなのに、アステリア…デイジーは全く嬉しそうじゃなかった。むしろ実の親子であり、フォルクヴァルツの消えた姫君であると女神の裁きを受けたあと、デイジーががっかりしていたようにも思えた。
デイジーは戦禍の混乱かなにかで隣国エスメラルダに流れ着き、平民として過ごしてきたのだという。そこで地道にひたすら努力し、魔法魔術学校を3年で卒業後、上級魔術師に。その1年後には高等魔術師の資格取得したのだという。
彼女は薬作りが得意とのことであちこち評判になっているそうだ。エスメラルダ国から国家魔術師にならないかと直々にスカウトを受けたそうだが、それを断ったとも言われている。周りがその才能を欲しがるほどの優秀な魔術師なのだという。
大巫女・アレキサンドラは気になることがあった。
以前女神が妃の選出をされた時に見せてくれたデイジーは生き生きとした瞳をしていた。ドラゴンに乗って高い空をどこまでも翔んでいた。瞳は夢や希望に満ちてキラキラ輝いていたはずだ。
──だが、現在ここにいる彼女は無理やり笑顔を作って、息苦しそうに立っていたのだ。
…もしかしたら、口さがない貴族から嫌味を飛ばされているのではないか…と思って話だけでも聞いてあげようとアレキサンドラは彼女をお茶に誘った。
気分が落ち込み気味のようなので、心を鎮静させてくれる優しいハーブがいいだろう。彼女の心が癒やされますようにと願いながらハーブティを淹れた。それをデイジーの前に出すと、彼女は一口飲んでそして、紫の瞳に涙を浮かべていた。
実の両親といえど、十数年会わなかったのだ。弱音も吐きにくいのかもしれない。デイジーとアレキサンドラは立場は違うが、彼女の抱えている閉塞感は理解できる気がしていた。
「……アステリア様はお聞き及びでしょうか。私の出自が貴族であることを」
生まれてからずっと貴族として育った自分ですら息苦しいと感じていた。家では父と兄の醜聞、外ではそのことで周りの貴族に白い目を向けられて好き勝手な噂を囁かれる。
信頼できる友人なんかいなかった。足の引っ張り合い、妬みの世界。将来を約束した婚約者すら自分を裏切った。
豪華な生活ができても、貴族の娘は単なる政略結婚のための道具。自由には生きられなかった。いくら貴族としての義務だと自分に言い聞かせても、我慢できなかった。
「…その辺に流れている噂と変わりません。私は家を嫌って出ていったのです。貴族として受けた恩恵を義務という形で返すこともなく、逃げてきた臆病者です」
昔のことはあまり思い出したくない。
この神殿に引きこもっていれば、暗い過去を思い出さずに済むかもと思っていたが、ずっと引きこもっているわけには行かない。形式的に夜会に参加すれば、浮き名を流す父や兄の悪評が耳に入ってくる。昔の知り合いが親しげに話しかけてくるが、そこには私を利用して得しようとする打算しか感じない。
煩わしいそれから避けても、過去は消えない。……結局自分はどこまで行っても臆病者なのだとアレキサンドラは自嘲した。
目の前の席に座わったデイジーがティーカップをソーサーに戻して、オロオロしていた。アレキサンドラは話を聞くつもりだったのに、自分が愚痴るみたいな形になって何をしてるんだと自己嫌悪した。
「それに比べてあなたは立派。大変な災禍に遭われながらも、若くして高等魔術師となってこの国に戻ってこられたのですもの……逃げてきた私とは大違いです」
ハルベリオンは容赦なかったと聞く。
その戦禍の中で生き残っていた彼女は平民の中で生きていたと言うが、それは平和な暮らしというわけじゃなかっただろう。彼女を見ていればわかる。自分を守るために、ここまでの地位に上り詰めたのだろうから。
「そんなことないでしょう。女神様に選ばれた大巫女であるあなたは特別な人なんですから」
デイジーの言葉にアレキサンドラは、目を見張った。
──女神様。
アレキサンドラは敬愛する女神様が直々に自分を選んでくれたことを思い出し、先程までの自分を恥じた。誉れな立場に選ばれたことを誇っていたはずなのに、自分を卑下して。そんなことしては女神様の選択を否定したことになるではないか。
「……女神様に妃候補として選ばれた私も正直困っています。今になって貴族でした、貴族の義務として王太子と結婚しろと言われても迷惑なんです」
デイジーが不満を漏らすと、アレキサンドラは少し冷静になった。
「私には育ててくれた家族がいて、恩に報いたくて庶民ながらに努力して高等魔術師にまで上り詰めました。それはこの国のためではありません。自分のためです」
デイジーはこれまで自分で考え、自分で行動して生きてきた。その生き方はアレキサンドラとは違うようでどこか似ていた。
そして、デイジーにはアレキサンドラにはない、何かを感じ取っていた。
「数回しか会っていない王太子の婚約とかどうでもいい。私は結婚に夢見るほど可愛げのある女じゃないですから」
そこは私と同じ。とアレキサンドラはものすごく親近感が湧いた。地面に足がついているその姿勢はとても好感を持てる。
女神フローラの選定は強制ではない。推薦のようなもので、強制力はないのだ。彼女が気を病む必要なんてない。アレキサンドラは小さく息を吐いて頷いた。
「女神様があなたを選んだ理由は私にもわかります……あなたの意に沿わないことであれば女神様もきっと理解を示してくださることでしょう」
それでも、彼女はこの国にはなくてはならない存在なのだ。
女神はきっとあなたを必要としているはず。この国に引き寄せられるように帰還したのはきっとなにかがあるはずなのだ。
アレキサンドラは確信していた。
「ですが、あなたの存在がこの国に必要なのは確かです。形は違えど共に国を護りましょう。微力ですが、私もお勤めを頑張ります」
握りしめた彼女の手は豆ができていた。
アレキサンドラと同じ、働いている手だった。
だけど同時に孤独を感じていた。
それでも、これは彼女が選んだ道だ。弱音を吐くことなく大巫女として恥じない振る舞いを心がけ、日々淡々と過ごしていた。
そんなある日、彼女は王宮からの依頼で女神フローラとの交信を行うことになった。なにも、王太子殿下の妃にふさわしい娘を女神に聞いてくれとのこと。
彼女は神殿にやってきた面々を見て辟易した。誰も彼も欲の籠もった目をしており、こんなことで女神様のお手を煩わせないでほしいと文句の一つくらい言ってやりたかったが、彼女は大巫女。依頼は粛々と受けなくてはならない。
すぐに心を無に保ち、乙女だけが入れるとされる水殿にゆっくり身を沈める。頭の先まで水に浸かると目を閉じた。
女神にこの国の次期王の妃にふさわしい娘を選んでほしいと呼びかける。するとすぐに女神は応えてくれた。彼女の体と女神の魂が一つになり、女神の意思が彼女の脳に直接伝わってきた。
女神が見せたのは、金色の鱗を持つ立派なドラゴン……の背中に乗った一人の少女の姿。夜の闇よりも真っ黒な髪と、利発な顔立ちの美しい少女。瞳は不思議な紫色をしていた。
【──アステリア・ゲルデ・フォルクヴァルツ…】
その名は。
生きていれば少女と同い年の、消えた姫君の名前だ。
シュバルツ侵攻が勃発した年代でなくとも、この国の人間ならば知っている名前だ。
彼女が、生きていた。
彼女の帰還を予知していたから女神は消えた姫君を選出したのではないだろうかと少女が思ったのは、“彼女”が実の両親に連れられて神殿にやってきたとき。
……実の両親と再会できたはずなのに、アステリア…デイジーは全く嬉しそうじゃなかった。むしろ実の親子であり、フォルクヴァルツの消えた姫君であると女神の裁きを受けたあと、デイジーががっかりしていたようにも思えた。
デイジーは戦禍の混乱かなにかで隣国エスメラルダに流れ着き、平民として過ごしてきたのだという。そこで地道にひたすら努力し、魔法魔術学校を3年で卒業後、上級魔術師に。その1年後には高等魔術師の資格取得したのだという。
彼女は薬作りが得意とのことであちこち評判になっているそうだ。エスメラルダ国から国家魔術師にならないかと直々にスカウトを受けたそうだが、それを断ったとも言われている。周りがその才能を欲しがるほどの優秀な魔術師なのだという。
大巫女・アレキサンドラは気になることがあった。
以前女神が妃の選出をされた時に見せてくれたデイジーは生き生きとした瞳をしていた。ドラゴンに乗って高い空をどこまでも翔んでいた。瞳は夢や希望に満ちてキラキラ輝いていたはずだ。
──だが、現在ここにいる彼女は無理やり笑顔を作って、息苦しそうに立っていたのだ。
…もしかしたら、口さがない貴族から嫌味を飛ばされているのではないか…と思って話だけでも聞いてあげようとアレキサンドラは彼女をお茶に誘った。
気分が落ち込み気味のようなので、心を鎮静させてくれる優しいハーブがいいだろう。彼女の心が癒やされますようにと願いながらハーブティを淹れた。それをデイジーの前に出すと、彼女は一口飲んでそして、紫の瞳に涙を浮かべていた。
実の両親といえど、十数年会わなかったのだ。弱音も吐きにくいのかもしれない。デイジーとアレキサンドラは立場は違うが、彼女の抱えている閉塞感は理解できる気がしていた。
「……アステリア様はお聞き及びでしょうか。私の出自が貴族であることを」
生まれてからずっと貴族として育った自分ですら息苦しいと感じていた。家では父と兄の醜聞、外ではそのことで周りの貴族に白い目を向けられて好き勝手な噂を囁かれる。
信頼できる友人なんかいなかった。足の引っ張り合い、妬みの世界。将来を約束した婚約者すら自分を裏切った。
豪華な生活ができても、貴族の娘は単なる政略結婚のための道具。自由には生きられなかった。いくら貴族としての義務だと自分に言い聞かせても、我慢できなかった。
「…その辺に流れている噂と変わりません。私は家を嫌って出ていったのです。貴族として受けた恩恵を義務という形で返すこともなく、逃げてきた臆病者です」
昔のことはあまり思い出したくない。
この神殿に引きこもっていれば、暗い過去を思い出さずに済むかもと思っていたが、ずっと引きこもっているわけには行かない。形式的に夜会に参加すれば、浮き名を流す父や兄の悪評が耳に入ってくる。昔の知り合いが親しげに話しかけてくるが、そこには私を利用して得しようとする打算しか感じない。
煩わしいそれから避けても、過去は消えない。……結局自分はどこまで行っても臆病者なのだとアレキサンドラは自嘲した。
目の前の席に座わったデイジーがティーカップをソーサーに戻して、オロオロしていた。アレキサンドラは話を聞くつもりだったのに、自分が愚痴るみたいな形になって何をしてるんだと自己嫌悪した。
「それに比べてあなたは立派。大変な災禍に遭われながらも、若くして高等魔術師となってこの国に戻ってこられたのですもの……逃げてきた私とは大違いです」
ハルベリオンは容赦なかったと聞く。
その戦禍の中で生き残っていた彼女は平民の中で生きていたと言うが、それは平和な暮らしというわけじゃなかっただろう。彼女を見ていればわかる。自分を守るために、ここまでの地位に上り詰めたのだろうから。
「そんなことないでしょう。女神様に選ばれた大巫女であるあなたは特別な人なんですから」
デイジーの言葉にアレキサンドラは、目を見張った。
──女神様。
アレキサンドラは敬愛する女神様が直々に自分を選んでくれたことを思い出し、先程までの自分を恥じた。誉れな立場に選ばれたことを誇っていたはずなのに、自分を卑下して。そんなことしては女神様の選択を否定したことになるではないか。
「……女神様に妃候補として選ばれた私も正直困っています。今になって貴族でした、貴族の義務として王太子と結婚しろと言われても迷惑なんです」
デイジーが不満を漏らすと、アレキサンドラは少し冷静になった。
「私には育ててくれた家族がいて、恩に報いたくて庶民ながらに努力して高等魔術師にまで上り詰めました。それはこの国のためではありません。自分のためです」
デイジーはこれまで自分で考え、自分で行動して生きてきた。その生き方はアレキサンドラとは違うようでどこか似ていた。
そして、デイジーにはアレキサンドラにはない、何かを感じ取っていた。
「数回しか会っていない王太子の婚約とかどうでもいい。私は結婚に夢見るほど可愛げのある女じゃないですから」
そこは私と同じ。とアレキサンドラはものすごく親近感が湧いた。地面に足がついているその姿勢はとても好感を持てる。
女神フローラの選定は強制ではない。推薦のようなもので、強制力はないのだ。彼女が気を病む必要なんてない。アレキサンドラは小さく息を吐いて頷いた。
「女神様があなたを選んだ理由は私にもわかります……あなたの意に沿わないことであれば女神様もきっと理解を示してくださることでしょう」
それでも、彼女はこの国にはなくてはならない存在なのだ。
女神はきっとあなたを必要としているはず。この国に引き寄せられるように帰還したのはきっとなにかがあるはずなのだ。
アレキサンドラは確信していた。
「ですが、あなたの存在がこの国に必要なのは確かです。形は違えど共に国を護りましょう。微力ですが、私もお勤めを頑張ります」
握りしめた彼女の手は豆ができていた。
アレキサンドラと同じ、働いている手だった。
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