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外伝・東で花咲く菊花
甘いみつ豆と苦い想い
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連れてこられた甘味処は休日ということもあって盛況だった。そのせいか周りから集まってくる視線にあたしは緊張しっぱなしだった。
「ちょっと! どこみてんのよ!」
「イテテ…」
席に向かうために通路を歩いているだけで視線が集中して、あたしを見ていた男が同席者の女に耳を引っ張られている。集まってくる視線は全部自分に突き刺さってきた。それが怖くてあたしはスバルさんに手を引っ張られながら、俯きがちに歩いていた。
いつもであれば普段は食べない甘味に気分が乗るところなのだが、今日は視線にさらされていることもありなんだか食欲がない。
「ほら」
ずい、とみつ豆の乗ったスプーンを口元に持ってこられる。ここでも鳥の雛の給餌か……
むぅ、と口を閉ざしていたが、ぐいぐい押し付けられるので諦めて口を開いた。口の中に蜜のかかった冷たい寒天や小豆、果物が流れ落ちてくる。その甘さにあたしが目を細めると、目の前に座っているスバルさんがすっと手を伸ばしてきた。
「ついてる」
口の端を指で拭われたと思えば、スバルさんはその指先をぺろりと舐めていた。
彼の赤い舌先を直視したあたしはドキッとする。……い、言ってくれたら自分で拭うのに……
「ん、もっと食え」
「……」
もういいのにまだ給餌してくるスバルさん。あたしは小さな子どもかなにかなのだろうか。さっきからスバルさんは食べずにあたしに食べさせてばかりじゃないか。食べてるあたしを見て楽しそうに笑ってさ。
…今日のスバルさん、いつもとなんか違うから調子狂う…
あたしたちが食べ終わる頃には更に店は混雑して、外には待ちができていた。長居しちゃまずいと察したあたしたちはすぐに店を出ることにした。
「支払いするから外で待ってて」
「えっ? じゃあお金…」
「いいから。ちゃんと外でおとなしく待ってろよ」
帯に挟んであった財布を取り出そうとしたらそれを止められ、先に店の外で待っていろと言われた。えぇ…いつも割り勘なのになんで…
仕方なく先に店を出て、邪魔にならない位置に立って彼を待つことににした。
「ねぇ君一人?」
いつもは男みたいな格好をしているので、あたしが女だと知らない人なら素通りするはずなのに、女に見える格好をしていたらこうだ。
「連れがいます」
そっけなく返すと、大体の男は引っ込む。
今回の男も「あ、そっか…」と残念そうにすごすご引っ込んでいったので、あたしはホッと胸をなでおろす。
……伯父さんは女の格好に慣れろと言うが、これが毎回だと辟易してしまう。もうちょっと視線が和らげばいいのに……
「ねぇあなた、スバルと一緒にいた子よね?」
その声に顔を上げると、あたしの頭半分下くらいの身丈の女性が目の前に立っていた。
長い黒髪を背中に流し、身にまとっている着物は今あたしが着ているものよりも高そうだ。労働をしたことのなさそうな白魚の手がさっと肩にかかった髪の毛を後ろに流した。
敵対心を隠さない気の強そうな瞳をぶつけられ、あたしは頷くことで返事をした。
「ふぅん…? あまり見ない顔ね」
「…半年以上前にこっちに来たので」
ジロジロと値踏みするような視線はあまり心地よくない。
誰なんだろうこの人。その人こそ見慣れない顔なのだが、スバルさんの知り合い…?
「まぁいいわ。丁度いい機会だから教えてあげる。私はスバルの婚約者なの」
「えっ…?」
…こんにゃくしゃ? こんにゃくってあれでしょ、お煮しめによく入ってる…
言われた言葉が一瞬理解できなくてあたしはぽかんと間抜け面を晒してしまった。
「親が決めた婚約ではあるけど、よその女に掠め取られるのは困るのよね。体面ってものがあるでしょ?」
「えっと」
「今なら見逃してあげる。スバルに馴れ馴れしく近づかないでくださるかしら」
こんにゃくじゃなくて婚約か。
えぇと、婚約というのは結婚の約束をしたってこと。えっ、スバルさんって将来を誓いあった女がいたの…?
遅れてようやく理解した単語にあたしは少なからず衝撃を受けていた。
彼にそんな相手がいたことを知ってすごく寂しくなった。大切なことだろうになぜ話してくれなかったのだろう。なんだか悲しい。
いくら育ちの悪いあたしでもわかるぞ。男と女がこうして出かけることはそういう目で見られるってことだ。それはつまり…かなりまずいことで、目の前の婚約者だという女は大変お怒りなのではないだろうか。
「キッカ! ごめん待たせた」
スバルさんの声にあたしはぎくりと肩を揺らした。
「あれ…サツキ…なんでキッカと一緒にいるんだ?」
怪訝な表情で婚約者を見るスバルさん。婚約者の彼女は両腕を伸ばすと、牽制するように彼の腕に抱きついた。
「久しぶりね、スバル」
「ちょ、やめろよ…」
スバルさんにくっついた婚約者のサツキさんは楽しそうに笑っていた。彼女はこちらを見て目を細めた。まるで見せびらかすように。
人前でくっつかれたのが恥ずかしいのか、スバルさんは彼女の腕を外そうとしている。2人の親密そうな姿を見たあたしはようやく自分がおじゃま虫であると気づいた。…知らなかったんだ。そんな相手がいるなんて。
…スバルさんはなんであんなことしたんだ。綺麗と言ったり、手を繋いだり、ものを食べさせたりするのは、どういう……
意識していたのはあたしだけだったのか。
「…キッカ?」
「あたし帰る!」
「ちょっ、待てよ!」
別にあたしとスバルさんは特別な関係じゃない。
同じ職場の同僚なだけ。ただそれだけで、不慣れなあたしの面倒を見てくれていただけ。ただそれだけ。
何を期待していたのかあたしは。裏切られた気分になったのは一体なぜなのか。
スバルさんの引き止める声を無視してその場から逃げ去った。
走って帰ろうと思ったけど、着慣れない服が動きを制限する。仕方ないので駕籠をつかまえて乗せてもらう。
揺れるけど人力車に乗るよりはいい。簾で顔を隠せるから。
今のあたしはきっとひどい顔をしているはずだ。
□■□
自宅近くで下ろしてもらうと駕籠代金を払う。
空を見上げれば、夕焼けが近づいてきていた。
……夕方から街で珍しい興行が行われるからそれを観ようってスバルさんが言っていたのに。…あたしがいなくても婚約者と行くのかな。
……明日からあたしはどんな顔をして彼と顔を合わせたらいいのだろう。憂鬱な気分で家までの道を歩く。家に帰ったら感想を聞かれるんだろうなぁ……なんて言えばいいんだろう。スバルさんの婚約者に会ったから一人で帰ってきた……って?
あたしはため息を吐き出して空を見上げた。
「──キッカじゃねぇか」
聞き覚えのある声に振り返ると、そこには職場の同僚が立っていた。
……その人は当初あたしにトゲトゲしかったが、あたしが女だとわかるなり、馴れ馴れしく接近してきた人物であった。なんだか嫌な感じがするのでずっと避けてきたのだが、ここで遭遇するとは運が悪い。
いつもなら職場の人が他にも沢山いる場所でしか会わないから良かったけど、今は周りに人がいない。ふたりきりは気まずさしかない。
「珍しい格好してんじゃねーか。いつもは男みたいな格好で色気もへったくれもねぇのに」
「…これは伯父さんが用意してくれたもので…」
「ふぅん、まぁいいや。ちょっと来いよ」
にゅっと伸ばされた腕があたしの二の腕を掴む。ギリギリ握られてあたしは痛みに顔をしかめた。加減という言葉を知らなそうな乱暴な掴み方にハルベリオンでのことを思い出した。
「は、はなして!」
「そんな怯えた面すんなって。気持ちいいこと教えてやるからさ」
ニヤリといやらしく下卑た笑いを浮かべる顔に悪寒を覚えた。国が変わっても、男というものはやっぱりこうなのか…! だから女の格好をするのは嫌なんだ。絶対にこうなるから!
気持ち悪くてあたしは腕を振り払おうと動かす。力いっぱい振り払うと一瞬、男の手が離れたのでその隙に逃げようと駆け出した。
「待てっ!」
「!」
走って逃げようとしたあたしの着物の帯を掴まれ、あたしはぐんっと後ろに引き戻される。背後から羽交い締めにされたあたし位は口元を手で覆われて声を封じられ、身体は宙に浮いた。
ジタバタともがいていたため、足の指に引っ掛けただけの履物が地面にぽてりと落ちる。そのまま引きずられるようにして連れて行かれた先は林の中にある古びた小汚い小屋の中であった。
──どさりと乱暴に地面に落とされ、背中を強かに打ち付けたあたしは咳き込んだ。
「おら! 股開け!」
着ている着物の裾を広げて、足を無理やり広げようとする男。
あたしの脳裏に、暴行を受けている母さんや、道端で男たちに襲われている女達の記憶が蘇る。──そして、幼いあたしを襲おうとしてきた男の記憶。チカチカと目の前で点滅するように悪夢が再来した。
「いやあああああ!!」
殺らなければ、ヤラれる。
あたしは慌てて乱された着物から丸出しになった足を動かし、相手の中心を蹴りつけた。
「ぐああああ!」
あたしの蹴りは相手の急所にうまく入ったらしい。男は股間を抱えて悶絶しながら転がった。帯に差し込んでいた、女用の小さな守り刀を掴んで素早く立ち上がり距離を取ると、刃先を突き出して男を睨みつけた。
「近づくな…! あたしになにかするつもりなら、あたしはお前を殺してやる…!」
ハルベリオンの女をなめるなよ。あの国では女は搾取されるだけだったが、女だって反撃するときはするんだ。
これでも修羅場をくぐってきたんだ。あたしに手を出すなら、死ぬ気でかかってこい…!
「ちょっと! どこみてんのよ!」
「イテテ…」
席に向かうために通路を歩いているだけで視線が集中して、あたしを見ていた男が同席者の女に耳を引っ張られている。集まってくる視線は全部自分に突き刺さってきた。それが怖くてあたしはスバルさんに手を引っ張られながら、俯きがちに歩いていた。
いつもであれば普段は食べない甘味に気分が乗るところなのだが、今日は視線にさらされていることもありなんだか食欲がない。
「ほら」
ずい、とみつ豆の乗ったスプーンを口元に持ってこられる。ここでも鳥の雛の給餌か……
むぅ、と口を閉ざしていたが、ぐいぐい押し付けられるので諦めて口を開いた。口の中に蜜のかかった冷たい寒天や小豆、果物が流れ落ちてくる。その甘さにあたしが目を細めると、目の前に座っているスバルさんがすっと手を伸ばしてきた。
「ついてる」
口の端を指で拭われたと思えば、スバルさんはその指先をぺろりと舐めていた。
彼の赤い舌先を直視したあたしはドキッとする。……い、言ってくれたら自分で拭うのに……
「ん、もっと食え」
「……」
もういいのにまだ給餌してくるスバルさん。あたしは小さな子どもかなにかなのだろうか。さっきからスバルさんは食べずにあたしに食べさせてばかりじゃないか。食べてるあたしを見て楽しそうに笑ってさ。
…今日のスバルさん、いつもとなんか違うから調子狂う…
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「支払いするから外で待ってて」
「えっ? じゃあお金…」
「いいから。ちゃんと外でおとなしく待ってろよ」
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仕方なく先に店を出て、邪魔にならない位置に立って彼を待つことににした。
「ねぇ君一人?」
いつもは男みたいな格好をしているので、あたしが女だと知らない人なら素通りするはずなのに、女に見える格好をしていたらこうだ。
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長い黒髪を背中に流し、身にまとっている着物は今あたしが着ているものよりも高そうだ。労働をしたことのなさそうな白魚の手がさっと肩にかかった髪の毛を後ろに流した。
敵対心を隠さない気の強そうな瞳をぶつけられ、あたしは頷くことで返事をした。
「ふぅん…? あまり見ない顔ね」
「…半年以上前にこっちに来たので」
ジロジロと値踏みするような視線はあまり心地よくない。
誰なんだろうこの人。その人こそ見慣れない顔なのだが、スバルさんの知り合い…?
「まぁいいわ。丁度いい機会だから教えてあげる。私はスバルの婚約者なの」
「えっ…?」
…こんにゃくしゃ? こんにゃくってあれでしょ、お煮しめによく入ってる…
言われた言葉が一瞬理解できなくてあたしはぽかんと間抜け面を晒してしまった。
「親が決めた婚約ではあるけど、よその女に掠め取られるのは困るのよね。体面ってものがあるでしょ?」
「えっと」
「今なら見逃してあげる。スバルに馴れ馴れしく近づかないでくださるかしら」
こんにゃくじゃなくて婚約か。
えぇと、婚約というのは結婚の約束をしたってこと。えっ、スバルさんって将来を誓いあった女がいたの…?
遅れてようやく理解した単語にあたしは少なからず衝撃を受けていた。
彼にそんな相手がいたことを知ってすごく寂しくなった。大切なことだろうになぜ話してくれなかったのだろう。なんだか悲しい。
いくら育ちの悪いあたしでもわかるぞ。男と女がこうして出かけることはそういう目で見られるってことだ。それはつまり…かなりまずいことで、目の前の婚約者だという女は大変お怒りなのではないだろうか。
「キッカ! ごめん待たせた」
スバルさんの声にあたしはぎくりと肩を揺らした。
「あれ…サツキ…なんでキッカと一緒にいるんだ?」
怪訝な表情で婚約者を見るスバルさん。婚約者の彼女は両腕を伸ばすと、牽制するように彼の腕に抱きついた。
「久しぶりね、スバル」
「ちょ、やめろよ…」
スバルさんにくっついた婚約者のサツキさんは楽しそうに笑っていた。彼女はこちらを見て目を細めた。まるで見せびらかすように。
人前でくっつかれたのが恥ずかしいのか、スバルさんは彼女の腕を外そうとしている。2人の親密そうな姿を見たあたしはようやく自分がおじゃま虫であると気づいた。…知らなかったんだ。そんな相手がいるなんて。
…スバルさんはなんであんなことしたんだ。綺麗と言ったり、手を繋いだり、ものを食べさせたりするのは、どういう……
意識していたのはあたしだけだったのか。
「…キッカ?」
「あたし帰る!」
「ちょっ、待てよ!」
別にあたしとスバルさんは特別な関係じゃない。
同じ職場の同僚なだけ。ただそれだけで、不慣れなあたしの面倒を見てくれていただけ。ただそれだけ。
何を期待していたのかあたしは。裏切られた気分になったのは一体なぜなのか。
スバルさんの引き止める声を無視してその場から逃げ去った。
走って帰ろうと思ったけど、着慣れない服が動きを制限する。仕方ないので駕籠をつかまえて乗せてもらう。
揺れるけど人力車に乗るよりはいい。簾で顔を隠せるから。
今のあたしはきっとひどい顔をしているはずだ。
□■□
自宅近くで下ろしてもらうと駕籠代金を払う。
空を見上げれば、夕焼けが近づいてきていた。
……夕方から街で珍しい興行が行われるからそれを観ようってスバルさんが言っていたのに。…あたしがいなくても婚約者と行くのかな。
……明日からあたしはどんな顔をして彼と顔を合わせたらいいのだろう。憂鬱な気分で家までの道を歩く。家に帰ったら感想を聞かれるんだろうなぁ……なんて言えばいいんだろう。スバルさんの婚約者に会ったから一人で帰ってきた……って?
あたしはため息を吐き出して空を見上げた。
「──キッカじゃねぇか」
聞き覚えのある声に振り返ると、そこには職場の同僚が立っていた。
……その人は当初あたしにトゲトゲしかったが、あたしが女だとわかるなり、馴れ馴れしく接近してきた人物であった。なんだか嫌な感じがするのでずっと避けてきたのだが、ここで遭遇するとは運が悪い。
いつもなら職場の人が他にも沢山いる場所でしか会わないから良かったけど、今は周りに人がいない。ふたりきりは気まずさしかない。
「珍しい格好してんじゃねーか。いつもは男みたいな格好で色気もへったくれもねぇのに」
「…これは伯父さんが用意してくれたもので…」
「ふぅん、まぁいいや。ちょっと来いよ」
にゅっと伸ばされた腕があたしの二の腕を掴む。ギリギリ握られてあたしは痛みに顔をしかめた。加減という言葉を知らなそうな乱暴な掴み方にハルベリオンでのことを思い出した。
「は、はなして!」
「そんな怯えた面すんなって。気持ちいいこと教えてやるからさ」
ニヤリといやらしく下卑た笑いを浮かべる顔に悪寒を覚えた。国が変わっても、男というものはやっぱりこうなのか…! だから女の格好をするのは嫌なんだ。絶対にこうなるから!
気持ち悪くてあたしは腕を振り払おうと動かす。力いっぱい振り払うと一瞬、男の手が離れたのでその隙に逃げようと駆け出した。
「待てっ!」
「!」
走って逃げようとしたあたしの着物の帯を掴まれ、あたしはぐんっと後ろに引き戻される。背後から羽交い締めにされたあたし位は口元を手で覆われて声を封じられ、身体は宙に浮いた。
ジタバタともがいていたため、足の指に引っ掛けただけの履物が地面にぽてりと落ちる。そのまま引きずられるようにして連れて行かれた先は林の中にある古びた小汚い小屋の中であった。
──どさりと乱暴に地面に落とされ、背中を強かに打ち付けたあたしは咳き込んだ。
「おら! 股開け!」
着ている着物の裾を広げて、足を無理やり広げようとする男。
あたしの脳裏に、暴行を受けている母さんや、道端で男たちに襲われている女達の記憶が蘇る。──そして、幼いあたしを襲おうとしてきた男の記憶。チカチカと目の前で点滅するように悪夢が再来した。
「いやあああああ!!」
殺らなければ、ヤラれる。
あたしは慌てて乱された着物から丸出しになった足を動かし、相手の中心を蹴りつけた。
「ぐああああ!」
あたしの蹴りは相手の急所にうまく入ったらしい。男は股間を抱えて悶絶しながら転がった。帯に差し込んでいた、女用の小さな守り刀を掴んで素早く立ち上がり距離を取ると、刃先を突き出して男を睨みつけた。
「近づくな…! あたしになにかするつもりなら、あたしはお前を殺してやる…!」
ハルベリオンの女をなめるなよ。あの国では女は搾取されるだけだったが、女だって反撃するときはするんだ。
これでも修羅場をくぐってきたんだ。あたしに手を出すなら、死ぬ気でかかってこい…!
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