123 / 209
Day‘s Eye デイジーの花が開くとき
行き違いと白紙撤回の可能性
しおりを挟む
指を絡まれて繋がれるとくすぐったくて、なんだかすごく恥ずかしくなった。
一方のテオはそんなのお構いなしにブンブンしっぽを振って、私の手を引っ張っていく。
「お前は指も細いな」
「…そりゃああんたに比べたらね」
体格差もありますし。
こいつからは引っ倒され、追いかけ回され、囓られていた苦い思い出があるが、今のテオは私を傷つけないように力加減をしてくれているように感じる。
逆に力を抜きすぎて、簡単に解けそうな力加減が不安になる。私がその手をしっかり握ると、テオの尻尾がぺしぺしと私のスカートを叩いてくる。感情がわかりやすいのはいいが、私まで恥ずかしくなるのはどうなんだ。
「デイジー!」
先に帰り着いていたルルから私の帰省を知らされていたらしいお母さんが家の前で待ち伏せしていた。愛用のエプロン姿の彼女の姿を見ると、私は幼い頃のように駆け寄って抱きつきたくなった。
テオは私から手を離すと「ほら、行ってこいよ」と軽く背中を押して送り出す姿勢を見せた。
私は少しだけ怖かった。
次に帰った時、周りの目がまた変わってるんじゃないかって。だけど、そんなのとんだ思い過ごしだった。
「お母さんっ!」
私はスカートの裾を持ち上げて駆け出すと、お母さんに飛びついた。
「…おかえり…よく帰ってきたねぇ」
お母さんは私を抱き止めると、子守唄を歌うような優しい声音で私にささやきかけてきた。優しい手が私の頭を撫でる。
あの日過去を切り捨てるように旅立ったけれど、やっぱり私は故郷を捨てられない。
私の帰りたい場所はここだったのだ。
「ただいま…」
もうすっかり大人になったのに、私はいつまで経ってもお母さんに甘えてしまう。
だけどこの場にはそれを笑う人は一人もいなかった。
■□■
マック一家は皆、私の帰宅を喜んでくれた。
ハルベリオン討伐作戦期間中は毎日毎日、王都から流れてくる情報を町の掲示板へ確認しに行き、怪我人や死者が出たとの情報が出るたびにヒヤヒヤして生きた心地がしなかったのだと言われたときには申し訳ない気持ちになった。
皆と再会のハグをして、怪我はないか、また痩せたんじゃないかと心配された。
──皆の優しさや愛情を受け止め、私は幸せを実感する。当たり前だったことが当たり前じゃなく、それがとても愛おしいことなのだと実感した私はまた泣いてしまった。
「……それで、テオ、どういうことだ?」
家族との再会を邪魔せずに隅っこに待機していたテオに声を掛けたのはリック兄さんだ。……こころなしか、警戒しているようにも見える。過去のいじめっ子テオから私を庇うときとは違う、鋭い視線を向けていた。
テオはそれをわかっていたとばかりに真剣な表情を浮かべると、コクリとうなずいて言った。
「俺はデイジーを番にする」
ドきっぱりと宣言したテオに私だけでなく、マック家一同は息を呑んだ。
年頃の独身男女が結婚を決めたとの報告ではあるが、私達の場合はちょっと特殊である。
とはいえ、私は貴族籍を抜けて平民に戻ったので、身分問題はそこまで発生しない。この国では異種族の婚姻が禁止されているわけでもないし。後はお互いの家族が許すかどうかの問題だ。
「うん、家族への挨拶を先にしてから宣言しろよと言いたいところだが、それ以前にお前は運命の番の子をどうするんだ」
リック兄さんの言い方に私は首を傾げた。
運命の番の子をどうするんだって、なんかまだ保留になっているみたいな言い方だな。
「何度もレイラとは番えないってお断りしてるんだけど…。あっちの家族にも頭下げても毎回罵倒されて終わって話が進まない…」
テオの発言に私はすん…と真顔になった。
先程の熱烈な告白は何だったのか。あそこまで言うのだから私はてっきり、白黒はっきり付けたのだと誤解していた。
宙ぶらりんのまま番にしますって…えぇ…
「えぇ、あんた…まだけじめ付けてなかったの…」
私はがっかりした。リック兄さんの背中に半分隠れながら、ジト目で奴を見上げた。
これまでにどんくらい期間があったと思ってるの。私が戦争で死んだらそのまま運命の番と番おうとキープしてたんじゃないの? もしくは私が貴族として生きるとなっていたら、そのままレイラさんと結婚するつもりだったんじゃ…。
「私にもしものことがあったときのために話を保留にしていたんじゃないの…?」
「だから! その都度断ってんだって!」
私が指摘すると、心外だとばかりにテオは否定する。
しかし信用できる要素はない。まるで不倫相手に「妻とは別れるから」と嘘を吹き込む最低男のようではないか。
悪いが、私はそこまで甘い女ではないぞ。
「この件を長く引きずるようだったら、この話なかったことにするからね」
「へ…」
私の言葉にテオはぴしりと固まった。
意味がわからないようなのでもう一度言ってやる。
「私と番うって話は白紙撤回ね。私は都合のいい女になるつもりはないよ。ラウル殿下との婚約も白紙撤回の撤回の撤回してきたから撤回にはもう慣れてるよ」
「白紙撤回の撤回の撤回…?」
リック兄さんが意味わからんと首を傾げていたので、簡単に事の次第を説明してあげた。
「私はハルベリオン陥落作戦で武勲をあげたから、ラウル殿下との婚約話が進みかけていたの。私は辺境伯の娘。結婚相手にはピッタリの相手だもの。でも私がそれを断ったの。つまりラウル殿下からの求婚を拒んだってわけ」
王太子からの婚約打診を断る。
本当なら私のやってることは不敬罪に当たるだろう。だけど今回私は戦果を上げた。そのため、お咎め無しで引き下がってもらったのだ。
いやテオのことがなくても絶対にラウル殿下と結婚したくなかったけどね。絶対に不幸になる未来しか見えないから。
私の話を聞いて固まっていたテオの顔色はどんどん悪くなっていく。
「私は手に職があるし、別に結婚を焦ってるわけじゃない。早めに言ってくれたら身を引くから」
テオのことは好きだけど、ここではテオの心が一番だ。私には運命の番というものがどんなものか体感できない。
それによって彼が苦しむくらいなら、私は潔く身を引こう。
──今ならまだ引けるから。
じゃあそういうことで今日は解散、と話を終わらせようとしたら、テオが裏返った声で「すぐにけじめ付けます!」と叫んで家を飛び出していった。
呼び止めるにも、奴の動きが素早くてあっという間に姿が見えなくなった。
…けじめって。レイラさんの家にでも赴いて頭を下げに行くのかと思えば、村の最長老である婆様……そこそこ顔が広くて影の権力者である彼女に一筆お願いしていたらしい。
「図体のでかい男が家に飛び込んできたと思えば、半泣きで紙と羽ペンを差し出してくるから何事かと思ったよ、全く…」
「すみません、吹っ飛んでいってしまったので止められませんでした…」
再会の挨拶をしたかったのだが、テオの非礼を何故か私が謝っている。私は一体何をしているんだろうか。
テオは町の郵便局がもうすぐ閉局だからひとっ走り行ってくると村から飛び出した後である。インク瓶の蓋を締めている婆様に頭を下げていると、婆様はこちらを見上げて私の顔をまじまじと観察してきた。
「…よく無事で帰ってこれたね。怖いことはなかったね?」
「……まぁ…戦場でしたし…。その件では色々お騒がせしました…」
ほんと、ここ最近色んな訪問者が来て村を騒がしくさせていた自覚はある。その件は申し訳なかった。
だけど婆様は私を責めるつもりで言ったわけではないようだ。
「よくお聞き、デイジー、これは私の個人的な考えだ」
そう前置きした彼女は、ゆっくりした動作で椅子に腰掛けていた。
「私は運命の番の登場によって、引き離された夫婦を過去に見たことがあるんだ」
……残された片割れは長いこと苦しんでいたよ。相思相愛だったのにあっさり鞍替えされてね。と婆様は昔を思い出して苦い表情を浮かべていた。
「それと比べてあの子はかなり耐えてる方だよ。よほどあんたのことが好きなんだね」
…まぁ、そこは否定しない。
私もテオのその精神力は半端ないと思う。意志が強くなくては、本能に負けていたはずである。私が不在だった期間内にもう運命の番と結婚していたであろうから。
「もうちょっと自信持ちなさい」
婆様は私を元気づけようとしていたみたいだ。
私はこれでも平然としていたつもりだが、不安そうにしているように見えたのだろうか。
婆様の視線を受け止めていると、なんだか居心地悪くなってソワソワしてしまった。
一方のテオはそんなのお構いなしにブンブンしっぽを振って、私の手を引っ張っていく。
「お前は指も細いな」
「…そりゃああんたに比べたらね」
体格差もありますし。
こいつからは引っ倒され、追いかけ回され、囓られていた苦い思い出があるが、今のテオは私を傷つけないように力加減をしてくれているように感じる。
逆に力を抜きすぎて、簡単に解けそうな力加減が不安になる。私がその手をしっかり握ると、テオの尻尾がぺしぺしと私のスカートを叩いてくる。感情がわかりやすいのはいいが、私まで恥ずかしくなるのはどうなんだ。
「デイジー!」
先に帰り着いていたルルから私の帰省を知らされていたらしいお母さんが家の前で待ち伏せしていた。愛用のエプロン姿の彼女の姿を見ると、私は幼い頃のように駆け寄って抱きつきたくなった。
テオは私から手を離すと「ほら、行ってこいよ」と軽く背中を押して送り出す姿勢を見せた。
私は少しだけ怖かった。
次に帰った時、周りの目がまた変わってるんじゃないかって。だけど、そんなのとんだ思い過ごしだった。
「お母さんっ!」
私はスカートの裾を持ち上げて駆け出すと、お母さんに飛びついた。
「…おかえり…よく帰ってきたねぇ」
お母さんは私を抱き止めると、子守唄を歌うような優しい声音で私にささやきかけてきた。優しい手が私の頭を撫でる。
あの日過去を切り捨てるように旅立ったけれど、やっぱり私は故郷を捨てられない。
私の帰りたい場所はここだったのだ。
「ただいま…」
もうすっかり大人になったのに、私はいつまで経ってもお母さんに甘えてしまう。
だけどこの場にはそれを笑う人は一人もいなかった。
■□■
マック一家は皆、私の帰宅を喜んでくれた。
ハルベリオン討伐作戦期間中は毎日毎日、王都から流れてくる情報を町の掲示板へ確認しに行き、怪我人や死者が出たとの情報が出るたびにヒヤヒヤして生きた心地がしなかったのだと言われたときには申し訳ない気持ちになった。
皆と再会のハグをして、怪我はないか、また痩せたんじゃないかと心配された。
──皆の優しさや愛情を受け止め、私は幸せを実感する。当たり前だったことが当たり前じゃなく、それがとても愛おしいことなのだと実感した私はまた泣いてしまった。
「……それで、テオ、どういうことだ?」
家族との再会を邪魔せずに隅っこに待機していたテオに声を掛けたのはリック兄さんだ。……こころなしか、警戒しているようにも見える。過去のいじめっ子テオから私を庇うときとは違う、鋭い視線を向けていた。
テオはそれをわかっていたとばかりに真剣な表情を浮かべると、コクリとうなずいて言った。
「俺はデイジーを番にする」
ドきっぱりと宣言したテオに私だけでなく、マック家一同は息を呑んだ。
年頃の独身男女が結婚を決めたとの報告ではあるが、私達の場合はちょっと特殊である。
とはいえ、私は貴族籍を抜けて平民に戻ったので、身分問題はそこまで発生しない。この国では異種族の婚姻が禁止されているわけでもないし。後はお互いの家族が許すかどうかの問題だ。
「うん、家族への挨拶を先にしてから宣言しろよと言いたいところだが、それ以前にお前は運命の番の子をどうするんだ」
リック兄さんの言い方に私は首を傾げた。
運命の番の子をどうするんだって、なんかまだ保留になっているみたいな言い方だな。
「何度もレイラとは番えないってお断りしてるんだけど…。あっちの家族にも頭下げても毎回罵倒されて終わって話が進まない…」
テオの発言に私はすん…と真顔になった。
先程の熱烈な告白は何だったのか。あそこまで言うのだから私はてっきり、白黒はっきり付けたのだと誤解していた。
宙ぶらりんのまま番にしますって…えぇ…
「えぇ、あんた…まだけじめ付けてなかったの…」
私はがっかりした。リック兄さんの背中に半分隠れながら、ジト目で奴を見上げた。
これまでにどんくらい期間があったと思ってるの。私が戦争で死んだらそのまま運命の番と番おうとキープしてたんじゃないの? もしくは私が貴族として生きるとなっていたら、そのままレイラさんと結婚するつもりだったんじゃ…。
「私にもしものことがあったときのために話を保留にしていたんじゃないの…?」
「だから! その都度断ってんだって!」
私が指摘すると、心外だとばかりにテオは否定する。
しかし信用できる要素はない。まるで不倫相手に「妻とは別れるから」と嘘を吹き込む最低男のようではないか。
悪いが、私はそこまで甘い女ではないぞ。
「この件を長く引きずるようだったら、この話なかったことにするからね」
「へ…」
私の言葉にテオはぴしりと固まった。
意味がわからないようなのでもう一度言ってやる。
「私と番うって話は白紙撤回ね。私は都合のいい女になるつもりはないよ。ラウル殿下との婚約も白紙撤回の撤回の撤回してきたから撤回にはもう慣れてるよ」
「白紙撤回の撤回の撤回…?」
リック兄さんが意味わからんと首を傾げていたので、簡単に事の次第を説明してあげた。
「私はハルベリオン陥落作戦で武勲をあげたから、ラウル殿下との婚約話が進みかけていたの。私は辺境伯の娘。結婚相手にはピッタリの相手だもの。でも私がそれを断ったの。つまりラウル殿下からの求婚を拒んだってわけ」
王太子からの婚約打診を断る。
本当なら私のやってることは不敬罪に当たるだろう。だけど今回私は戦果を上げた。そのため、お咎め無しで引き下がってもらったのだ。
いやテオのことがなくても絶対にラウル殿下と結婚したくなかったけどね。絶対に不幸になる未来しか見えないから。
私の話を聞いて固まっていたテオの顔色はどんどん悪くなっていく。
「私は手に職があるし、別に結婚を焦ってるわけじゃない。早めに言ってくれたら身を引くから」
テオのことは好きだけど、ここではテオの心が一番だ。私には運命の番というものがどんなものか体感できない。
それによって彼が苦しむくらいなら、私は潔く身を引こう。
──今ならまだ引けるから。
じゃあそういうことで今日は解散、と話を終わらせようとしたら、テオが裏返った声で「すぐにけじめ付けます!」と叫んで家を飛び出していった。
呼び止めるにも、奴の動きが素早くてあっという間に姿が見えなくなった。
…けじめって。レイラさんの家にでも赴いて頭を下げに行くのかと思えば、村の最長老である婆様……そこそこ顔が広くて影の権力者である彼女に一筆お願いしていたらしい。
「図体のでかい男が家に飛び込んできたと思えば、半泣きで紙と羽ペンを差し出してくるから何事かと思ったよ、全く…」
「すみません、吹っ飛んでいってしまったので止められませんでした…」
再会の挨拶をしたかったのだが、テオの非礼を何故か私が謝っている。私は一体何をしているんだろうか。
テオは町の郵便局がもうすぐ閉局だからひとっ走り行ってくると村から飛び出した後である。インク瓶の蓋を締めている婆様に頭を下げていると、婆様はこちらを見上げて私の顔をまじまじと観察してきた。
「…よく無事で帰ってこれたね。怖いことはなかったね?」
「……まぁ…戦場でしたし…。その件では色々お騒がせしました…」
ほんと、ここ最近色んな訪問者が来て村を騒がしくさせていた自覚はある。その件は申し訳なかった。
だけど婆様は私を責めるつもりで言ったわけではないようだ。
「よくお聞き、デイジー、これは私の個人的な考えだ」
そう前置きした彼女は、ゆっくりした動作で椅子に腰掛けていた。
「私は運命の番の登場によって、引き離された夫婦を過去に見たことがあるんだ」
……残された片割れは長いこと苦しんでいたよ。相思相愛だったのにあっさり鞍替えされてね。と婆様は昔を思い出して苦い表情を浮かべていた。
「それと比べてあの子はかなり耐えてる方だよ。よほどあんたのことが好きなんだね」
…まぁ、そこは否定しない。
私もテオのその精神力は半端ないと思う。意志が強くなくては、本能に負けていたはずである。私が不在だった期間内にもう運命の番と結婚していたであろうから。
「もうちょっと自信持ちなさい」
婆様は私を元気づけようとしていたみたいだ。
私はこれでも平然としていたつもりだが、不安そうにしているように見えたのだろうか。
婆様の視線を受け止めていると、なんだか居心地悪くなってソワソワしてしまった。
10
お気に入りに追加
150
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる