太陽のデイジー 〜私、組織に縛られない魔術師を目指してるので。〜

スズキアカネ

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Day‘s Eye 魔術師になったデイジー

兄妹の共同戦線

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 私とディーデリヒさんは2人並んで、目の前のフェアラートと対峙していた。
 フェアラートはひとりだった。フレッカー卿との戦闘でそこそこ大きな力を使っただろうに、顔色1つ変わっていない。余裕の表情である。……この城の中には戦える魔術師がどの程度いるのだろうか。敵が増えると厄介だ。

「…顔立ちは2人とも母親似か。どちらか父親に似ていれば、殺すのがもっと楽しかったはずなのだがなぁ」
「…父が憎いか……自身の咎を晒されたことがそんなに悔しいのか」

 ディーデリヒさんはフェアラートが辺境伯を恨んでいることを、元はシュバルツ出身であることを知っているのか。…もしかしたら襲撃当時、顔を見ていたのかもしれない。
 彼らは睨み合いをしていた。殺気で空気が張り詰める。どちらからともなく攻撃が始まってもおかしくない状況だった。
 私はここで攻撃してもいいのか測りかねて横で黙っていた。

「悔しいか、か……お前にはわからんだろうな。身分を保証されて、約束された未来を持つお前のような貴族が」

 フェアラートの言葉を受けたディーデリヒさんの肩がピクリと揺れた。一瞬、彼の魔力がブワッと溢れた気がしたが、すぐに元に戻っていた。

 …フェアラートは何様のつもりだろうか。私もだけど、このディーデリヒさんも幼い頃に領地をめちゃくちゃにされて、色んなものを失ってきた。間違いなく他の貴族子息よりも苦労してきたはずなのに、その元凶が何を言ってるんだろうか。
 きっと当時は貴族子息らしからぬ生活を強いられただろう。周りの人が皆死んで、妹は行方不明。両親は復興に奔走して……嫡男である彼はきっと私以上に我慢を強いられて大変だったはずなんだ。…ディーデリヒさんは怒っていいと思う。
 彼は一呼吸置くとすぐに心を鎮めて、身構えていた。

「我に従う土の元素たちよ、大地を切り裂け」

 フェアラートの唱えた呪文は土の元素を操って地面を裂いて、奈落に落とす初歩的なものだった。
 あ、これ知ってる。学生時代にこの攻撃を受けたことがある……

「火の元素たちよ、地獄の炎で焼き尽くせ」

 轟音を立てて裂けた大地からの落下を避けようと飛び上がった私は目をむいた。裂けた谷間の奥深くで燃え盛る炎が見えたからだ。
 慌てて転送術を使ってその場から離れる。成程、土と火の合わせ技か。子供だましだと思って油断していたら諸共燃やされていたところである。

「我に従う水と風の元素たちよ、雹あられを起こし給え!!」

 水と風の元素を操って氷の粒を吹き飛ばして、フェアラートへ集中攻撃を仕掛けた。

「地獄の炎よ、燃え上がれ!」

 その攻撃を、奈落で燃え盛る炎を持ち上げるようにして避けたフェアラート。ドロドロの溶岩の熱気にぶつかった氷の粒は蒸気へ形を変えて溶け去っていく。
 氷の塊によって冷めた溶岩は地面に残り、岩に変わろうとしているが、所々ではまだグツグツ煮えたぎっている。
 熱い。ものすごい熱気だ。視界は蒸気で遮られた。真っ白くモヤがかった視界。
 しまった、フェアラートはどこだ。

 ──バシッ…!
 首を動かして探していると横っ面を張られた。その衝撃で目をチカチカさせながら私の体は傾いていく。
 な、何!?

「いったぁ…」 

 ドシャッと地面に倒れ込み、頬と身体両方の痛みに呻いていると、ガッと無防備になっていた背中を踏みつけられた。

「かは…っ!」

 加減のかの字もない踏みつけ行為に私はむせた。呼吸を無理やり堰き止められたようなその苦しさに肺が悲鳴を上げる。反動で胃の中のものをすべて吐き出しそうになった。

「アステリア!」

 慌てたディーデリヒさんの声が聞こえる。早速私は彼の足を引っ張ってしまったようである。

「手始めにお前から始末するか。…せっかくキレイな顔をして生まれたのになぁ…村娘のまま平凡に人生を終わらせたら良かったのにな」
「うぐぅ…!」

 抵抗も反論も封じ込まれた体制に追い込まれた私はもがいて酸素を求めるように暴れていた。
 フェアラートはいつでも魔法を発動できるように手のひらをかざしながら、私の無様な姿をニヤニヤと楽しそうに笑って見下ろしていた。

「最後に兄貴になにか言い残すことはないか?」

 言うも何もあんたが踏みつけるせいで声が出ないんですけど!
 くそ、一糸報わぬまま終わるというのか。私は何のためにここへいるのか……! これじゃ私の存在が足を引っている張るだけじゃないか!
 赤子のときと同じだ。私は役立たずのまま、ここで命絶えるのか…!

「我に従う火の元素たちよ、爆破せよ!!」

 ──ドガァァアアン!
 武器庫をふっとばす程の勢いの火力で辺り一面を大爆発させたのはディーデリヒさんである。轟音を立てて爆風が身を襲う。
 彼はフェアラートが怯んだ瞬間を見逃さなかった。

「立ち上がれ! アステリア!」

 粉塵が舞い、熱風の吹き荒ぶ中で怒鳴られた。
 幸いにしてフェアラートの足は攻撃から身を翻すために、私の背中から降ろされていた。その隙にゴロゴロと地面を転がって奴から距離を取ると、すぐに身を起こす。

 もうすでに満身創痍である。
 お尻強打して、お腹を殴られ、頬を叩かれ、背中踏まれ…踏んだり蹴ったりである。今の爆発で火傷もした。飛んできた残骸で切り傷もこさえてしまった。
 私はボコボコにされるためにハルベリオンにやってきたのだろうか……

 武器庫だったはずの建物は跡形もなく吹き飛んでしまった。…しかしそのお陰で空が見える。
 ここへ侵入した時刻は確か夕方前だったはず。お空のてっぺんには三日月が輝いている。真夜中もいいところであろう。

 私がボサッとしているように見えたのか、ディーデリヒさんが私の腕を引っ張って背中に隠してきた。

「ボウッとするな! 躊躇うな!! 私達がいるのは戦場だ! 甘えは捨てろアステリア!」

 その言葉に私はびくりとした。
 轟音とともに地響きが足の裏に伝わってくる。誰かがどこかで攻撃魔法を使ったのだ。
 背後でも仲間達が敵魔術師と戦闘を開始したようで、怒声と魔法が飛び交っていた。あらゆる術を使って相手を倒そうとしている。

 皆、戦っている。
 そうだ。ここは戦場なのだ。油断したら命を落とす。仲間の誰かが死んでしまうかもしれないのだ。
 私は、国を、国民を、大切な人達を守るためにここにいる。咎もなく死んでいった領民たちの無念を晴らすためにここにいるのだ。
 余計なことに気を取られてはならない。

 絶え間なく戦闘の音が聞こえてくる。ハルベリオン城下にいた兵士らはやる気なさそうだったけど、この城にいる者は抗う気があるようだ。
 それはハルベリオン王への忠誠なのか。それとも、自分の居場所に対する執着なのか、最後の意地なのか……

「──随分ご立派になったじゃないか若様。ただ守られているだけのおもらし坊っちゃんじゃなくなったんだな」

 小馬鹿にするように煽るフェアラートをディーデリヒさんは静かに睨みつけた。
 彼から魔力が漏れ出し、殺気がビシビシとこちらに伝わってくる。冷静に努めようとしても、決して憎しみは消し去れないのだ。

「私はもう、地下貯蔵庫で怯えて泣いていた無力な子どもじゃない」

 ディーデリヒさんは怒りと悲しみの感情を顕にしていた。ディーデリヒさんの怒りを真っ向から受けたフェアラートはにたりと楽しそうに、それはそれは愉快そうに笑っていた。
 先程の爆破呪文でフェアラートも無傷ではなかった。火傷を負っている。それでもなお余裕の表情だった。

「我に従う風の元素たちよ…!」

 ディーデリヒさんはフェアラートを逃さないとばかりに瞳孔を開いて睨みつけながら呪文を唱えた。
 周りを巻き込むほどの竜巻を起こし、フェアラート目掛けて放たれると、奴はそれを転送術でひょうひょうと避けて、私達の背後に回った。
 ディーデリヒさんはすぐに切り替えて別の攻撃をした。2人が放つ攻撃魔法がぶつかり合い、こちらにまで衝撃波が襲ってくる。

 ディーデリヒさんは感情の制御が難しくなっているのか、魔法を連発して相手を追い詰めようとしている。しかしフェアラートはそれを嘲笑うようにひょいひょい避けている。
 ──エスメラルダで私と対峙したときと同じだ。

 フェアラートはこっちの怒りを触発させて、魔力の浪費を促しているんだ。魔力切れを起こさせて、弱ったところで叩くつもりか…? 
 私とディーデリヒさんが力を合わせて追い詰めたとしても、きっとフェアラートは逃げるだろう。この男には仲間意識なんてものはない。負けを確信したら何もかも見捨てて逃げる。どんな汚い手段を使ったとしてもひとりだけ助かる方法を選ぶはず。
 ……そんなの、させるわけがない…!

 ギリィ…と歯噛みした私は地面を蹴りつけた。目指すはフェアラートの懐である。

 足が軽い。あぁ、やっぱりベルさんが私の足の形に合わせて作ってくれたブーツは走りやすいなぁ。いつもよりも速く走れている気がする。
 ──この速さなら、テオにも追いつけられるかもしれないな。

「フェアラートォ!」

 私は奴の名前を叫んだ。至近距離にまで近づかれていると気づいていなかったのか、フェアラートの表情に焦りが現れた。素早くフェアラートの間合いに入ると、拳を握りしめた。

 なぁに! 獣人に比べたら魔術師のおっさんなんか動きは遅い! とろい! のろまだ! 勝てる!!

「これは、ロジーナさんの分だーっ!!」

 ドスッと鈍い音が響く。

「うぐぉッ…!?」

 鎧も何も付けていないフェアラートの腹は運動不足な中年腹をしていた。いい感じに拳を叩きつけた私は第二弾をお見舞いする。ドスッともう一回、力強くフェアラートの鳩尾を殴りつけた。

「ぐぁッ」

 フェアラートは目を見開いて、酸素を求める魚のように口をパクパクさせていた。歴戦の魔術師様でも、筋肉はからっきしのようだな!

「罪から逃げるな、目を背らすな! お前は罪を償う義務があるんだ! 我に従う雷の元素たちよ!」

 私は空へ向けて叫んだ。
 苦悶の表情で腰を曲げたフェアラートはお腹を抱えている。その絶好の機会を私は見逃してやらん!
 獣人村で育った魔術師をなめんなよ!

「我は命ずる! このフェアラートへ特大の雷の鉄槌を下せよ!」

 惨劇の晩に私を守るために動いてくれた元素たちよ、お願い。
 この者へ報いを与えるために、私に力を貸して!!

 元素たちは私の訴えをしっかり受け取ってくれた。
 空からピシャーンと鋭い雷が降り注いできた。その雷は力強く黄金色に光り輝き、真っ暗な空を一直線に切り裂くように落ちた。

「がっ!?」

 まっすぐ迷いなく落ちた。雷の鉄槌がフェアラートの脳天にきれいに直撃した。望み通りの特大の鉄槌だ。
 私は達成感でぐっと拳を握る。

 奴はぷすぷすと煙を出しながらその場にバタリと倒れた。

「あっアステリア!?」
「拘束具を!」

 うろたえた様子でディーデリヒさんが駆け寄って来たので、拘束具を求めると、それを倒れているフェアラートの首と手首につける。これらは魔封じの首輪と、手枷である。


□■□


 連行しようとしたら、往生際の悪いフェアラートが舌を噛みきって自害しようとしてたので、すぐさま治癒魔法で治してやった。自害防止に猿ぐつわを噛ませる。
 ここでも死へと逃げるつもりか。そんなの私が許さない。

「楽には死なせない。お前にはこれから辛い尋問が待ってる」

 お前は大勢の人間に恨まれてるんだ。今度は流罪なんて生ぬるい刑では済まないぞ。お前を公平な立場で裁くために今は手をくださなかっただけ。
 なんなら自害できないように呪いを施してやってもいいのだぞ。なに今死なずとも、罪を重ねてきた裏切りものには処刑が待っている。死に急ぐことはない。
 お前は、自分がどれだけ多くの人の命を奪ってきたか、幸せを踏みにじってきたか理解する必要があるのだ。

 拘束され、猿ぐつわで抵抗も反論もできないフェアラートがこっちを睨んできたが、私は素知らぬ顔をして奴を連合軍の兵士たちに引き渡した。
 こいつのことなので何かあっては困る。一応念の為に彼らが持っている魔封じの道具をいくつか追加で付けておいたので多分大丈夫。

 私達にはまだしないといけないことがあるので再度戦場へと足を踏み入れた。
 私達の目標はハルベリオンへの報復。
 それには、この国の王を懲らしめるという目的も含まれているのだ。
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