攻略対象の影薄い姉になったけど、モブってなにしたらいいの?

スズキアカネ

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番外編

あーちゃんとお父さん・オマケ【田端真人視点】

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「…というわけで、あやめは生まれた頃から可愛かったんだよ! お猿さんなあやめはまさに天使だった!」

 日曜日の昼下がりにノコノコ訪問してきた来客に対して、自分の愛娘の昔話をしてやった。
 昔から娘は可愛くて可愛くてやることなすこと全部超かわいい。と説明してあげたのだ。はじめてのバレンタインはお父さんにくれたし、父の日の絵も大切に保管している。初めて料理をした時もお父さんにごちそうしてくれたんだ! いつもおとしゃんおとしゃんとひな鳥のように着いてきていた娘まじ天使。何この可愛い子、どこの子…俺の娘だ! いーだろー! 羨ましいだろー! あげないもんね~。
 最初のうちは相槌を打っていた客だが、俺の娘愛に恐れをなして沈黙してしまっている。どうだ参ったか!

「お父さん、亮介君が引いているわよ」

 ふん、これで引くのなら所詮その程度の男なんだ。あやめには相応しくない! いつでもサヨナラしてくれて構わないよ? そしてあやめはずっとお父さんと一緒に暮らすんだ!
 …大体なんだ。実家から貰い物のりんごが届けられたからおすそ分け? モノで懐柔しようとしても無駄だ! 俺は決して君とは仲良くしないからね?
 あやめがバイトで出かけている時間にひょっこりやって来たのは娘の彼氏である橘君だ。おすそ分けをしにやってきたというが、受け取ってハイサヨナラというわけには行かないので、家に上げてお茶を出してやった。出したのは母さんだけど。

「あやめがいるとこんな話、出来ないものね~。あの頃は私も余裕がなくてあやめに寂しい思いをさせてしまったわ」

 ペラ、ペラ…とアルバムを捲りながら懐かしそうに写真を眺める母さんの話を橘君は静かに聞いていた。彼の視線はアルバムの中にいる幼い娘の写真に向けられていて、心なしか表情が綻んでいるように見える。
 そうだろう、可愛いだろう。母さんが見せたいと言うから特別に見せてあげているけど、本当なら君なんかに見せたくないんだからね!?
 
「これは…どこかにお出かけした時の写真だったかしら?」
「隣町のショッピングモールじゃない?」

 アルバムの中には、アイスクリームを美味しそうに頬張る小さなあーちゃんの笑顔があった。あの頃を思い出すと妙に涙腺が緩くなってきてしまう。橘君の前では父の威厳を見せたいから泣かないけど。

「この頃は本当にあなたにべったりだったわよね。私すっごく嫉妬したのよ? 私がお母さんなのにって」
「…この頃は…幸せだったなぁ…」

 娘との蜜月は短かった。幼稚園に入ってからどんどんあやめは自立していき…
 奴の登場で、あーちゃんは…

「…そういえば君、よく見たらあいつに似ているな…」

 俺は対面のソファで姿勢良く座っている青年をジト目で睨みつけた。
 目の前の青年はとても端正な顔立ちをしており、背も高く、体幹もしっかりしていて…頼りがいのあるいい男である。
 将来は父や祖父のような警察官になるのが目標で、現在法学部で学んでいる。そして娘との将来も考えている的な事を交際報告の時に言われた。幾度となくお転婆な娘がお世話になったとも聞いたことがある。付き合う前から今までも…
 実に誠実。見た目だけでなく、中身までいい男だとはわかっている。
 だが父として、この張り裂けそうな胸の痛みが、娘の彼氏という存在を認めたくないと訴えているのだ!

「…あいつ、とは?」

 俺が胸中で嫉妬と戦っているなんて知らないのであろう橘君が困惑した様子であいつの正体について尋ねてきた。
 同年代なのに橘君は知らないのだろうか。あやめの心を奪った奴の存在を…!

「黒薔薇の王子だよ…あーちゃんの初恋を奪ったあいつ…!」

 本来なら「おとうさんのお嫁さんになる」と言われるはずだったのに、ぽっと出の、しかも他の女(アニメの主人公プリンセスコスモ)を想っている男なんかを何故選んだ…!

「初恋なんてそんなもんよ」
「母さんは何もわかっていない! あの出来事がどれだけ衝撃的だったか!!」

 思い出すだけで泣けてきそうだ…!
 日曜はいつも朝からずっとお父さんと一緒だったのに、あのアニメを見始めてからあーちゃんはテレビの向こうのあいつに首ったけになってしまった…! あんな二次元の王子のどこがいいんだ…! 何度俺が枕を涙で濡らしたことか…

「…黒薔薇の王子…というのは何かのキャラクターのことですか?」
「そうそう、あやめが幼稚園の時に見ていたアニメの悪役の王子様のことよ。…言われてみたら亮介君と雰囲気が似てるわね」
「…悪役…ですか」
「役柄はね。だけど主人公に横恋慕しながらも一途な悪役だったわよ。あ、そうだわその時の映像があるかも。ちょっと待っててね」
 
 母さんはそう言ってソファーから立ち上がると、小走りで2階へと上がっていった。それから程なくして、ディスクの入ったケースを持って降りてきた。レコーダーにディスクを投入して再生ボタンを押すと、画面に少々荒い画質の映像が映る。
 映像の中ではテレビの前に小さな女の子が座っていた。彼女は真っ黒なドレスを身に着けており、ツインテールにした髪には白のレースリボンを飾っていた。

『あやめ、もうちょっとテレビから離れなさい』

 テレビに近づきすぎているあやめを注意している若い母さんの声とは別に聞こえるのが、アニメのオープニングテーマらしき曲。映像の中の幼いあやめは渋々テレビから距離を置いたが、一瞬黒薔薇の王子が登場すると、磁石に引き寄せられたかのようにテレビに接近していた。

『くろばらのプリンス様! あやめ、花嫁さんになったよ! 結婚しよ!』
『…あやめ、架空の人物だからね。いないんだよそいつは』
『おとうさん、かくうのじんぶつってなに?』
『お父さん、黙りなさい』

 テレビの中の架空の人物へ無邪気に声をかける娘に対して冷静なツッコミを入れる自分と、わからない単語を質問する息子、黙れと命令してくる母さんの声。…俺は娘に現実を見てほしかった。二次元に恋をしても仕方がないのだと。
 だが娘には黒薔薇の王子しか見えていないらしく、うっとりとテレビ画面に見惚れていた。

「…可愛いですね」

 それを見ていた橘君は微笑んでいた。普段冷静沈着そうなのに、そんな甘い顔で笑っていたら、数多の女性たちの目を引くだろう。だけどおじさんは男の笑顔に見とれる趣味はないので、全然興味ないよ。
 いやーしかしイケメンだなぁ。和真とは違ったタイプのイケメンだ。…そもそもここまでイケメンなら、あちこちから女が寄ってきて浮気の1つや2つするんじゃないのか?

「…君さ、正直なところモテるよね? あやめが知らないだけで、浮気とかしてるんじゃないの?」
「お父さん! なんてことを言うの! 亮介君がそんな事するわけ無いでしょ!」

 母さんが怒ってきたけど、ここはハッキリ言っておきたい。子どもたちは交友関係について赤裸々に話すことがない。目の届かない場所だからこそ、相手に圧力をかけておきたいのだ。

「真面目な男ほど、浮気が本気になったりするんだよ。あやめを傷つけるような真似をしたらどうなるかわかってる?」

 あやめの秘蔵映像に表情を緩めていた橘君は俺の言葉に反応し、即座に真剣な表情に切り替えた。
 彼はきっと女性にモテるはずだ。彼にその気がなくとも女の方から寄ってきて……魔が差すこともあると思うのだ。可愛い可愛いあやめという恋人がいようとも、他の女に靡くことがあると思うのだ…!
 これは娘のためだ。父親である俺が相手を見極めておかないと、娘が後で泣きを見ることになるだろう…!
 橘君は眉をひそめて沈黙していた。口を開くのに躊躇う素振りをして、きゅっと口を閉じると、意を決したように口を開いた。

「…僕は、以前付き合っていた女性に浮気をされていたことがあります」
「……え?」
「えっ、亮介君が!?」

 彼の口から飛び出してきた返事に俺はついつい間の抜けた声を出してしまった。
 浮気? 彼がされた側なの? えぇ、えぇぇー…こんなイケメンなのに…

「…中学の時から付き合っていた相手で…同じ高校に進学する予定が、自分だけ…受験失敗してしまって」

 昔のことを思い出すかのように語る橘君は苦笑いしていた。ちょっとちくりと嫌がらせのような牽制をしたつもりが、彼の辛かった出来事を無理やり聞き出す形になってしまった俺は良心が傷んだ。
 彼にはそんな辛いことがあったのか…女性には不自由しなさそうなのに…
 
「あの時の僕は忙しさにかまけて元彼女に寂しい思いをさせていました。だから浮気をされてしまったのでしょう。自分の落ち度は反省しています。…ですが浮気されて、それを目撃したときの衝撃は今でも忘れていません。…その辛さをあやめさんに味あわせることなんて…絶対にしたくはありません」

 橘君の真っ直ぐな視線が俺に突き刺さった。その真剣な眼差しに俺は言葉を失う。辛い話をさせて申し訳なくなってしまい、俺は恐縮してしまった。

「…辛い話をさせてごめんよ…」
「いえ、今は昔のことだと割り切ることが出来ましたので。こちらこそお恥ずかしい話を聞かせてしまってすみません」

 いやー…話を聞いていても浮気する人間の心理がおじさん全くわからんわ。生物学的には種の保存という意味で優秀なのかな? 人間としては倫理上問題あるけど。

「元カノのことを引きずってずっと恋愛ごとから離れていましたけど、今ではあの事があったからあやめさんとお付き合いできたんじゃないかとプラスに考えることが出来ていますので」
 
 ニッコリと微笑むイケメンに俺は圧倒された。
 …く、悔しい。なにこのイケメン。どんなにイケメンなこと言ってもおじさんは心揺れないんだから…! 可愛い可愛い娘を掻っ攫って行こうとしている馬の骨だ…やっぱり認めたくない!

「だ、だからって俺は決して君と娘のことを認めたわけじゃないんだよっ!?」
「亮介君ごめんね。この人娘愛が過ぎる面倒くさいお父さんなのよ。あまり気にしないで大目に見てあげてね」

 母さんひどい! 娘が好きでなにが悪いの!? 大切な可愛い娘を手元に置きたいと思ってなにが悪いの!?
 母さんに訴えてみたが無視された。りんごおいしいわぁと呑気に貰ったりんごを頬張ってるし…母さん冷たい!

「あら、DVD終わったわね、他のも見る? 亮介君」
「はい、是非」

 話し込んでいたらいつの間にかあやめの5歳の誕生日の映像集が終わりを告げていた。母さんが新たなDVDをセットして再生ボタンを押した。

 テレビに映ったのは緑豊かな田舎…これは俺の実家前だろうか。多分帰省した際に撮影していたものだ。車に乗り込もうとする幼いあやめを引き止める黒の雑種犬の映像が映っていた。多分あやめが3~4歳くらいの時だろうか…

『くろーダメよ~あーちゃん帰るの…あっ!』
『グゥ~』

 あやめが着用していたデニムのズボンを噛んで引き止めていたクロの力の方が勝ったようで、ズボンがずり落ちたと同時にべショッと地面に倒れ込んだあやめ。数秒地面に突っ伏して沈黙していたが、徐々に身体が震え始め、あやめは「うっ、うっ」と嗚咽を漏らしていた。そして爆発したように大泣きしてしまったのだ。

『うぇぇぇぇん!!』
『キャフ!? キューン…』

 クマ柄パンツ姿で大泣きするあやめの周りをクロが狼狽えた様子でうろつき、申し訳無さそうな顔をしている。

『あーちゃん、クロにバイバイしようね』
『ひっ、うえぇ、おとうしゃん、いたい…』
『痛いの痛いの飛んでけ~。ほら痛くない~』
『いたぁい! とんでない!』

 今よりもずっと若い俺があやめを抱き起こしてなだめるも、あやめは痛いと逆ギレしている。逆ギレしているあやめもかわいい。
 3人で映像を見ながらほわーんと和んでいたために、誰かが帰宅したことに気づかなかった。
 リビングの扉が開かれ…そして

『おとうしゃんのうそつき!』
「ただい……ぎゃあああああ!!」

 幼いあやめと、今のあやめの声が混合して、田端家のリビングに響き渡った。その叫び声に驚いた俺達はバッと後ろを振り返ったのだが、あやめはすごい顔でこちらへと迫ってきた。あやめは超速でテレビに近づくと、テレビの主電源を切った。

「なに観せてるの!? なんで先輩も観てるの!?」 
「いいじゃない、可愛いんだから」
「可愛くない!」

 あやめは慌てた様子で尋問すると、貴子がライトな返事をしていた。その通りだ。可愛いから何の問題もない。あーちゃんは可愛い。
 だが、あやめはその回答で納得できなかったらしい。貴子を睨みつけてハッキリ反論すると、あやめはDVDを手早く回収していた。テーブルの上に開かれたアルバムがあるのにもショックを受けて、それも回収している…可愛いのになんでそこまで恥ずかしがるのだろう…あやめはもっと堂々としていてもいいとお父さん思うんだけどな。

「大丈夫、可愛かった」
「…そんな事言ってもごまかされないんだから!」

 橘君がフォロー…いや、あれは本音だな。彼のデレデレした顔を俺は見逃さなかった。間違いなく可愛いと思っていたはずだ。ていうか思ってなかったら俺が怒る。
 彼の可愛いという言葉を受けたあやめは瞬時に赤くなった。…そう、橘君が持ってきたりんごの皮のように真っ赤にね…
 あやめは橘君の胸をべしべし叩いて恥ずかしがっていて、橘君はそんなあやめを甘い表情で見つめている…とても…仲睦まじそう。娘は大切にされているんだなというのがひと目でわかった。

 だけど、ちょっと近すぎるんじゃないかな?

「ちょっと失礼」

 俺は2人を引き剥がすように間に割り込んでいった。それには2人共驚いた顔をしている。

「ちょっと父さんなにするの!?」 
「親の前でイチャイチャするなんていい度胸してるよね? 橘君ったら」
「いや…あの……すみません」

 すみませんだぁぁー? この若造が! 正直で大変よろしい! いやよろしく無いけど!

「先輩、私の部屋に行こ!」
「待ちなさいあやめ! 2人きりになることは許しませんよ!」

 あやめは橘君の手を引いて、この場から逃走すると自室に籠城してしまった。俺はその後を追いかけようとしたが、母さんに捕まって説教されたので、阻止することは叶わなかった。…無念。
 あやめはまだ20歳なんだぞ! 節度のあるお付き合いをしなきゃお父さん許さないよ!

 …まぁ、あの小憎たらしい黒薔薇の王子のように、一途にあやめだけを大切にするなら? …俺だって考えないこともないけどね?
 彼が俺の圧力に耐えきれたら、あやめの相手として認めてあげるよ。

 …でも悔しいからやっぱりまだ許してあげない。

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