156 / 312
続編
妬みをぶつけた私も悪かった。だけどそれ私悪くないよね?
しおりを挟む
私が受験勉強のことで密かに悩んでいる間に時間は流れて球技大会は目前になった。
連日の練習に加えて、無視できない受験勉強のプレッシャーに私はピリピリしていた。その雰囲気を感じ取った両親は腫れ物に触るかのような対応をしていたが、和真は違った。
「…姉ちゃんさぁ、バランス考えろよ。勉強もいいけど、球技大会の練習もあんだからちゃんと寝ろよ」
「仕方がないでしょ。…受験生なんだから」
球技大会の練習後、今日も弟と一緒に帰宅をしていたのだが、あくびを噛み殺す私に弟はそう言ってきた。確かにここ最近睡眠時間を削って勉強をしているけども…
和真の指摘に私はイラつきを隠さずに弟を睨みつけた。焦りを募らせていた私は、私の事を心配してくれている弟に対してつい反発してしまっていた。
今は自分も追い詰められている状況。口出しをしないで欲しかったのだ。
「遅くまで勉強してるみたいだけどさ、疲れている所に詰め込みしても身に付く訳無いだろ?」
「うるさいなぁ。私はあんたと違って頭良くないんだから頑張らないと出来ないの」
「……またそれかよ」
妬みが含まれた私の言葉。
自分を卑下しつつ、弟を羨んでいることが隠せていないそれは、ほんのちょっとした弱音のつもりであった。
だけど私のその言葉が和真の何処かに引っ掛かったらしく、弟はその綺麗な顔を不快そうに歪めた。
「姉ちゃんはそう言って俺と比べるけどさ…俺は姉ちゃんがずっと羨ましかった」
その言葉に私は目を丸くした。咀嚼するようにして言葉の意味を理解したけど、新たな疑問が生まれた。
私が羨ましい? 私の何処が?
地味で平凡、頭も平凡なただの女子高生の何処が?
…まさか、私と同じで和真も女の子になりたかったというクチか?
「…はぁ? 何処がよ。この地味顔の、平凡な頭脳の何処が羨ましいのよ」
自分の中に湧いた考えを振り払って、信じられないものを見るかのような目を弟に向けた。
だけど和真はイラつきを隠さずに私を睨んでくる。
「姉ちゃんは顔で選ばれて、がっかりされたことがないだろ!」
「…あんたの姉だっていうことでがっかりされたことならあるけど」
喧嘩売っとんのかお前は。
こっちはそういう事があっても、なるべく抑えてきたんだぞ。あんたが悪いわけじゃないってわかってたから抑えてたんだからな。私は美人なあんたが羨ましかったよ。
一体何でいきなりキレたんだよお前は。キレやすい年頃なのか。
まさか反抗期再来なの?
「俺は顔でしか見られないんだよ。素で見てほしいのに勝手に期待されてがっかりされるんだよ!」
「…そんな人ばかりじゃないでしょ。少なくとも林道さんや植草さんはあんたの内面に惚れてるみたいだし」
いきなりなんなんだ。
それを言うならあんたみたいな美形以外の人もそうだよ。多くの人が選ぶのは美しい造形の顔の人。不美人やブサイクは何もして無くても、心無い迫害を受けることのほうが多いのだ。そっちのほうが理不尽で辛い思いをしてるんだからな。
それにあんたの内面に惚れている女の子はすぐ近くにいるだろう。ただあんたが見えてないだけ。
馬鹿なことを言うでない。
「姉ちゃんは男になりたがってた時期があったよな。あれ、今でも不可解なんだけど…親戚のおっさんが性別逆にしたら? って言ってきたのは、俺が貶されてたんだよ? 女みたいに弱っちい俺には姉貴が履いていたようなスカートが似合うって馬鹿にされてたんだよ!」
「まさか!」
「それに従兄弟たちが遊びに誘うのはいつも姉ちゃんだったろ! 俺はお荷物扱いされてたの覚えてないの!? いつも姉ちゃんばかり可愛がられてた!」
「はぁぁ!? あんたはばあちゃんの一番のお気に入りじゃないの! 大人たちに可愛がられてたでしょうが!!」
なんでいきなり過去のことほじくり返してきたのこいつ! 確かに私は親戚の家でおっさんたちに言われたことを真に受けて自分で髪の毛を切ったり、男の子になる! と宣言したりしたけどさ。…まさかピンクのランドセルで登校させたり、フリフリワンピースやお人形を押し付けたことを根に持ってたのか!?
あの時は本当に迷惑をかけたと思っているけど今になって苦情か!? 苦情はその時に言いなさいよ!
「俺はいつも姉ちゃんの背中を追いかけてた。大志兄や沢山の友だちと走り回って遊んでる、元気な姉ちゃんがずっと羨ましかった。……なんでそんな風に自分を貶すわけ? 姉ちゃんのそういう部分見ててイライラする」
「…あんた、さぁ…私があんたと比べられて貶されてきたこと知らないでしょ? 私隠してたもん。…顔でしか判断されない? なら中身を見てもらうよう努力すればいいでしょ。甘ったれんじゃないよ」
イライラする?
なんで私の事羨んでイライラしてんだよ。こいつは。
ただでさえメンタルやられている所に、和真のイライラに感化された私は幼い頃から蓄積してきた弟に対してのコンプレックスが滲み出てしまった。
「…私はそうしてきたのよ。勉強すればそれなりの結果は出るし、地味な容姿は化粧すれば変わるからね。…あんたはさ、容姿で見られたくないなら、傷つくのを恐れないで中身で勝負したことはある? ……ずっと受け身だったんじゃないの?」
「姉ちゃんには俺の苦しみがわからないからそんなことが言えるんだ!」
苦しみー?
はぁ? 自分だけが苦しんでたとか思ってるんですかあんたは!
何が気に入らないのか一から話してからキレなさいってば!
「あぁわからんさ! あんただって私が今まで受けてきた傷がわからんだろうが! 似てない姉弟なんだから、分かり合えない部分くらいあるでしょうよ! あんただけが辛い思いしてんじゃないんだからね!」
私がそう叱りつけると、和真は眉間にシワを寄せて険しい顔で項垂れた。
そしてボソボソと、聞き取りにくい声で何かをつぶやき始めた。その声は震えて何だか泣きそうになっていた。
「……ダチの好きな女が俺を紹介してもらおうとしてダチと仲良くしてたって…俺は何もしてないのに、この顔のせいでダチが離れてく…!」
「…八つ当たりかよ!」
それ私に関係ないことじゃないか!
ごめん、それは確かに辛いと思うけど、私となにか関係ある? いや、私の妬み発言があんたの感情のトリガーを引いてしまったのかもしれないけどさ!
「そんな理由でダチに近づくなってその女に言ったらあの女、大袈裟に泣きやがって……ダチに軽蔑された……嫌われた……」
「うん…まぁ、それは…なんというかご愁傷さまね…」
「同じ同性同士でも…距離作られるし、去年の高木達の集まりの場でも女を引き寄せるための客寄せパンダだったし……こんな顔もう嫌だ…父さんみたいな平和な顔が欲しかった…」
「………」
なんというかコメントのしようがない。
こういうのって同じイケメンじゃないと理解できないことじゃないですか。
だって和真は私が受けてきた事を聞いても、絶対理解は出来ないでしょ。
「盗撮はされるし、知らない女に追いかけ回されるし…ネットに拡散されるし…」
「う、うん…大変だったよね」
「そんなんでも俺のこと羨ましいとか思うわけ!?」
「ご、ごめんってば。八つ当たりだった」
今正に弟に八つ当たりされている私が謝るのはおかしいけど、弟も色々あっていっぱいいっぱいのようだ。
半泣き状態の弟を前にして私は途方に暮れていたが、そのタイミングで鞄の中のスマートフォンが鳴りだした。液晶画面を確認して受話ボタンをタップすると、その相手にとある事を頼んだ。
☆★☆
色々あったことを飛ばして、高校最後の球技大会当日になった。
私は現在開会式に参加している。今年は体操着を着用しての参加なので去年のように嘲笑の的にはなっていない。
最後まで沢渡君が「お揃いのTシャツ作ろうよ、三年最後のイベントだよ!?」と喧しかったが皆で却下しておいた。
私と弟はあの日の喧嘩ならぬ八つ当たり合いのあと微妙にギクシャクしている。
あの時亮介先輩から電話がかかってきていたので、彼に弟の相談に乗ってほしいとお願いをしたのだが、その後二人でどんな話をしたのかはわからない。先輩も男同士の話だからと教えてくれなかったし。
和真のヤツ、私の昔話なんて余計な事をしなかったでしょうね。
「アヤちゃん、初戦はC組とだって」
「うん」
弟のことをいつまでもぐだぐだと考えていても仕方がない。
私は初戦の事に意識を向けた。
トーナメント戦で進む球技大会の初戦は3-C。相手チームと挨拶をした時、私は目を丸くした。
なぜなら去年ドッジで共に戦ったノーコン皆川さんの姿がそこにあったから。
パシッ
「……ありがとう! 皆川さん!」
「あっ間違った! 違う! 違うの田端さんまってぇぇ!!」
皆川さんは今年も安定のノーコンだった。
私は対戦相手だと言うのに、私に向かってパスしてくれた。
ノーコンなのになんでバスケに参加したんだい? 皆川さん。私と同じくじゃんけんで負けたのか?
情けは無用だ。ありがたくそのボールを頂いた私は立ちはだかって来るC組男子を避けに避け、ドリブルシュートした。
スパッといい音を立ててシュートが入った。
「アヤちゃんナイッスー!」
「ナイス田端!」
共に戦うチームメイトが声を掛けてくれた。彼らとイエーイとハイタッチをしていると試合終了の笛が鳴り響いた。
「只今の試合3-Aの勝利。二回戦進出は3-Aになります」
初戦は順調に(主にノーコン皆川さんのお陰で)勝ち抜いた。
次はどのクラスとの対戦になるのかなと思っていたら……
次は2-C…
「和真のクラスじゃないかよ……」
弟のクラスとの対戦だ。
連日の練習に加えて、無視できない受験勉強のプレッシャーに私はピリピリしていた。その雰囲気を感じ取った両親は腫れ物に触るかのような対応をしていたが、和真は違った。
「…姉ちゃんさぁ、バランス考えろよ。勉強もいいけど、球技大会の練習もあんだからちゃんと寝ろよ」
「仕方がないでしょ。…受験生なんだから」
球技大会の練習後、今日も弟と一緒に帰宅をしていたのだが、あくびを噛み殺す私に弟はそう言ってきた。確かにここ最近睡眠時間を削って勉強をしているけども…
和真の指摘に私はイラつきを隠さずに弟を睨みつけた。焦りを募らせていた私は、私の事を心配してくれている弟に対してつい反発してしまっていた。
今は自分も追い詰められている状況。口出しをしないで欲しかったのだ。
「遅くまで勉強してるみたいだけどさ、疲れている所に詰め込みしても身に付く訳無いだろ?」
「うるさいなぁ。私はあんたと違って頭良くないんだから頑張らないと出来ないの」
「……またそれかよ」
妬みが含まれた私の言葉。
自分を卑下しつつ、弟を羨んでいることが隠せていないそれは、ほんのちょっとした弱音のつもりであった。
だけど私のその言葉が和真の何処かに引っ掛かったらしく、弟はその綺麗な顔を不快そうに歪めた。
「姉ちゃんはそう言って俺と比べるけどさ…俺は姉ちゃんがずっと羨ましかった」
その言葉に私は目を丸くした。咀嚼するようにして言葉の意味を理解したけど、新たな疑問が生まれた。
私が羨ましい? 私の何処が?
地味で平凡、頭も平凡なただの女子高生の何処が?
…まさか、私と同じで和真も女の子になりたかったというクチか?
「…はぁ? 何処がよ。この地味顔の、平凡な頭脳の何処が羨ましいのよ」
自分の中に湧いた考えを振り払って、信じられないものを見るかのような目を弟に向けた。
だけど和真はイラつきを隠さずに私を睨んでくる。
「姉ちゃんは顔で選ばれて、がっかりされたことがないだろ!」
「…あんたの姉だっていうことでがっかりされたことならあるけど」
喧嘩売っとんのかお前は。
こっちはそういう事があっても、なるべく抑えてきたんだぞ。あんたが悪いわけじゃないってわかってたから抑えてたんだからな。私は美人なあんたが羨ましかったよ。
一体何でいきなりキレたんだよお前は。キレやすい年頃なのか。
まさか反抗期再来なの?
「俺は顔でしか見られないんだよ。素で見てほしいのに勝手に期待されてがっかりされるんだよ!」
「…そんな人ばかりじゃないでしょ。少なくとも林道さんや植草さんはあんたの内面に惚れてるみたいだし」
いきなりなんなんだ。
それを言うならあんたみたいな美形以外の人もそうだよ。多くの人が選ぶのは美しい造形の顔の人。不美人やブサイクは何もして無くても、心無い迫害を受けることのほうが多いのだ。そっちのほうが理不尽で辛い思いをしてるんだからな。
それにあんたの内面に惚れている女の子はすぐ近くにいるだろう。ただあんたが見えてないだけ。
馬鹿なことを言うでない。
「姉ちゃんは男になりたがってた時期があったよな。あれ、今でも不可解なんだけど…親戚のおっさんが性別逆にしたら? って言ってきたのは、俺が貶されてたんだよ? 女みたいに弱っちい俺には姉貴が履いていたようなスカートが似合うって馬鹿にされてたんだよ!」
「まさか!」
「それに従兄弟たちが遊びに誘うのはいつも姉ちゃんだったろ! 俺はお荷物扱いされてたの覚えてないの!? いつも姉ちゃんばかり可愛がられてた!」
「はぁぁ!? あんたはばあちゃんの一番のお気に入りじゃないの! 大人たちに可愛がられてたでしょうが!!」
なんでいきなり過去のことほじくり返してきたのこいつ! 確かに私は親戚の家でおっさんたちに言われたことを真に受けて自分で髪の毛を切ったり、男の子になる! と宣言したりしたけどさ。…まさかピンクのランドセルで登校させたり、フリフリワンピースやお人形を押し付けたことを根に持ってたのか!?
あの時は本当に迷惑をかけたと思っているけど今になって苦情か!? 苦情はその時に言いなさいよ!
「俺はいつも姉ちゃんの背中を追いかけてた。大志兄や沢山の友だちと走り回って遊んでる、元気な姉ちゃんがずっと羨ましかった。……なんでそんな風に自分を貶すわけ? 姉ちゃんのそういう部分見ててイライラする」
「…あんた、さぁ…私があんたと比べられて貶されてきたこと知らないでしょ? 私隠してたもん。…顔でしか判断されない? なら中身を見てもらうよう努力すればいいでしょ。甘ったれんじゃないよ」
イライラする?
なんで私の事羨んでイライラしてんだよ。こいつは。
ただでさえメンタルやられている所に、和真のイライラに感化された私は幼い頃から蓄積してきた弟に対してのコンプレックスが滲み出てしまった。
「…私はそうしてきたのよ。勉強すればそれなりの結果は出るし、地味な容姿は化粧すれば変わるからね。…あんたはさ、容姿で見られたくないなら、傷つくのを恐れないで中身で勝負したことはある? ……ずっと受け身だったんじゃないの?」
「姉ちゃんには俺の苦しみがわからないからそんなことが言えるんだ!」
苦しみー?
はぁ? 自分だけが苦しんでたとか思ってるんですかあんたは!
何が気に入らないのか一から話してからキレなさいってば!
「あぁわからんさ! あんただって私が今まで受けてきた傷がわからんだろうが! 似てない姉弟なんだから、分かり合えない部分くらいあるでしょうよ! あんただけが辛い思いしてんじゃないんだからね!」
私がそう叱りつけると、和真は眉間にシワを寄せて険しい顔で項垂れた。
そしてボソボソと、聞き取りにくい声で何かをつぶやき始めた。その声は震えて何だか泣きそうになっていた。
「……ダチの好きな女が俺を紹介してもらおうとしてダチと仲良くしてたって…俺は何もしてないのに、この顔のせいでダチが離れてく…!」
「…八つ当たりかよ!」
それ私に関係ないことじゃないか!
ごめん、それは確かに辛いと思うけど、私となにか関係ある? いや、私の妬み発言があんたの感情のトリガーを引いてしまったのかもしれないけどさ!
「そんな理由でダチに近づくなってその女に言ったらあの女、大袈裟に泣きやがって……ダチに軽蔑された……嫌われた……」
「うん…まぁ、それは…なんというかご愁傷さまね…」
「同じ同性同士でも…距離作られるし、去年の高木達の集まりの場でも女を引き寄せるための客寄せパンダだったし……こんな顔もう嫌だ…父さんみたいな平和な顔が欲しかった…」
「………」
なんというかコメントのしようがない。
こういうのって同じイケメンじゃないと理解できないことじゃないですか。
だって和真は私が受けてきた事を聞いても、絶対理解は出来ないでしょ。
「盗撮はされるし、知らない女に追いかけ回されるし…ネットに拡散されるし…」
「う、うん…大変だったよね」
「そんなんでも俺のこと羨ましいとか思うわけ!?」
「ご、ごめんってば。八つ当たりだった」
今正に弟に八つ当たりされている私が謝るのはおかしいけど、弟も色々あっていっぱいいっぱいのようだ。
半泣き状態の弟を前にして私は途方に暮れていたが、そのタイミングで鞄の中のスマートフォンが鳴りだした。液晶画面を確認して受話ボタンをタップすると、その相手にとある事を頼んだ。
☆★☆
色々あったことを飛ばして、高校最後の球技大会当日になった。
私は現在開会式に参加している。今年は体操着を着用しての参加なので去年のように嘲笑の的にはなっていない。
最後まで沢渡君が「お揃いのTシャツ作ろうよ、三年最後のイベントだよ!?」と喧しかったが皆で却下しておいた。
私と弟はあの日の喧嘩ならぬ八つ当たり合いのあと微妙にギクシャクしている。
あの時亮介先輩から電話がかかってきていたので、彼に弟の相談に乗ってほしいとお願いをしたのだが、その後二人でどんな話をしたのかはわからない。先輩も男同士の話だからと教えてくれなかったし。
和真のヤツ、私の昔話なんて余計な事をしなかったでしょうね。
「アヤちゃん、初戦はC組とだって」
「うん」
弟のことをいつまでもぐだぐだと考えていても仕方がない。
私は初戦の事に意識を向けた。
トーナメント戦で進む球技大会の初戦は3-C。相手チームと挨拶をした時、私は目を丸くした。
なぜなら去年ドッジで共に戦ったノーコン皆川さんの姿がそこにあったから。
パシッ
「……ありがとう! 皆川さん!」
「あっ間違った! 違う! 違うの田端さんまってぇぇ!!」
皆川さんは今年も安定のノーコンだった。
私は対戦相手だと言うのに、私に向かってパスしてくれた。
ノーコンなのになんでバスケに参加したんだい? 皆川さん。私と同じくじゃんけんで負けたのか?
情けは無用だ。ありがたくそのボールを頂いた私は立ちはだかって来るC組男子を避けに避け、ドリブルシュートした。
スパッといい音を立ててシュートが入った。
「アヤちゃんナイッスー!」
「ナイス田端!」
共に戦うチームメイトが声を掛けてくれた。彼らとイエーイとハイタッチをしていると試合終了の笛が鳴り響いた。
「只今の試合3-Aの勝利。二回戦進出は3-Aになります」
初戦は順調に(主にノーコン皆川さんのお陰で)勝ち抜いた。
次はどのクラスとの対戦になるのかなと思っていたら……
次は2-C…
「和真のクラスじゃないかよ……」
弟のクラスとの対戦だ。
0
お気に入りに追加
474
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結】ヤンデレ設定の義弟を手塩にかけたら、シスコン大魔法士に育ちました!?
三月よる
恋愛
14歳の誕生日、ピフラは自分が乙女ゲーム「LOVE/HEART(ラブハート)」通称「ラブハ」の悪役である事に気がついた。シナリオ通りなら、ピフラは義弟ガルムの心を病ませ、ヤンデレ化した彼に殺されてしまう運命。生き残りのため、ピフラはガルムのヤンデレ化を防止すべく、彼を手塩にかけて育てる事を決意する。その後、メイドに命を狙われる事件がありながらも、良好な関係を築いてきた2人。
そして10年後。シスコンに育ったガルムに、ピフラは婚活を邪魔されていた。姉離れのためにガルムを結婚させようと、ピフラは相手のヒロインを探すことに。そんなある日、ピフラは謎の美丈夫ウォラクに出会った。彼はガルムと同じ赤い瞳をしていた。そこで「赤目」と「悪魔と黒魔法士」の秘密の相関関係を聞かされる。その秘密が過去のメイド事件と重なり、ピフラはガルムに疑心を抱き始めた。一方、ピフラを監視していたガルムは自分以外の赤目と接触したピフラを監禁して──?
ゲームの序盤に殺されるモブに転生してしまった
白雲八鈴
恋愛
「お前の様な奴が俺に近づくな!身の程を知れ!」
な····なんて、推しが尊いのでしょう。ぐふっ。わが人生に悔いなし!
ここは乙女ゲームの世界。学園の七不思議を興味をもった主人公が7人の男子生徒と共に学園の七不思議を調べていたところに学園内で次々と事件が起こっていくのです。
ある女生徒が何者かに襲われることで、本格的に話が始まるゲーム【ラビリンスは人の夢を喰らう】の世界なのです。
その事件の開始の合図かのように襲われる一番目の犠牲者というのが、なんとこの私なのです。
内容的にはホラーゲームなのですが、それよりも私の推しがいる世界で推しを陰ながら愛でることを堪能したいと思います!
*ホラーゲームとありますが、全くホラー要素はありません。
*モブ主人のよくあるお話です。さらりと読んでいただけたらと思っております。
*作者の目は節穴のため、誤字脱字は存在します。
*小説家になろう様にも投稿しております。
婚約破棄したい悪役令嬢と呪われたヤンデレ王子
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「フレデリック殿下、私が十七歳になったときに殿下の運命の方が現れるので安心して下さい」と婚約者は嬉々として自分の婚約破棄を語る。
それを阻止すべくフレデリックは婚約者のレティシアに愛を囁き、退路を断っていく。
そしてレティシアが十七歳に、フレデリックは真実を語る。
※王子目線です。
※一途で健全?なヤンデレ
※ざまああり。
※なろう、カクヨムにも掲載
残り一日で破滅フラグ全部へし折ります ざまぁRTA記録24Hr.
福留しゅん
恋愛
ヒロインに婚約者の王太子の心を奪われて嫉妬のあまりにいじめという名の悪意を振り撒きまくった公爵令嬢は突然ここが乙女ゲー『どきエデ』の世界だと思い出す。既にヒロインは全攻略対象者を虜にした逆ハーレムルート突入中で大団円まであと少し。婚約破棄まで残り二十四時間、『どきエデ』だったらとっくに詰みの状態じゃないですかやだも~! だったら残り一日で全部の破滅フラグへし折って逃げ切ってやる! あわよくば脳内ピンク色のヒロインと王太子に最大級のざまぁを……!
※Season 1,2:書籍版のみ公開中、Interlude 1:完結済(Season 1読了が前提)
【完結】もったいないですわ!乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢は、今日も生徒会活動に勤しむ~経済を回してる?それってただの無駄遣いですわ!~
鬼ヶ咲あちたん
恋愛
内容も知らない乙女ゲームの世界に転生してしまった悪役令嬢は、ヒロインや攻略対象者たちを放って今日も生徒会活動に勤しむ。もったいないおばけは日本人の心! まだ使える物を捨ててしまうなんて、もったいないですわ! 悪役令嬢が取り組む『もったいない革命』に、だんだん生徒会役員たちは巻き込まれていく。「このゲームのヒロインは私なのよ!?」荒れるヒロインから一方的に恨まれる悪役令嬢はどうなってしまうのか?
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
【本編完結】セカンド彼女になりがちアラサー、悪役令嬢に転生する
にしのムラサキ
恋愛
【本編完結】
「嘘でしょ私、本命じゃなかったの!?」
気が付けば、いつもセカンド彼女。
そんな恋愛運超低めアラサーの「私」、なんと目が覚めたら(あんまり記憶にない)学園モノ乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまっていたのでした。
ゲームでは不仲だったはずの攻略対象くんやモブ男子くんと仲良く過ごしつつ、破滅エンド回避を何となーく念頭に、のんびり過ごしてます。
鎌倉を中心に、神戸、横浜を舞台としています。物語の都合上、現実と違う点も多々あるとは存じますがご了承ください。
また、危険な行為等(キスマーク含む・ご指摘いただきました)含まれますが、あくまでフィクションですので、何卒ご了承ください。
甘めの作品を目指していますが、シリアス成分も多めになります。
R15指定は保険でしたが途中から保険じゃなくなってきた感が……。
なお、途中からマルチエンディングのために分岐が発生しております。分岐前の本編に注意点に関するお知らせがございますので、分岐前にお目通しください。
分岐後はそれぞれ「独立したお話」となっております。
分岐【鹿王院樹ルート】本編完結しました(2019.12.09)番外編完結しました
分岐【相良仁ルート】本編完結しました。(2020.01.16)番外編完結しました
分岐【鍋島真ルート】本編完結しました(2020.02.26)番外編完結しました
分岐【山ノ内瑛ルート】本編完結しました(2020.02.29)番外編完結しました
分岐【黒田健ルート】本編完結しました(2020.04.01)
「小説家になろう」の方で改稿版(?)投稿しています。
ご興味あれば。
https://ncode.syosetu.com/n8682fs/
冒頭だけこちらと同じですが途中から展開が変わったのに伴い、新規のお話が増えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる