攻略対象の影薄い姉になったけど、モブってなにしたらいいの?

スズキアカネ

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続編

初の橘家訪問。謎の四者面談に私の冷や汗が止まらない件。

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 私達の海の計画は着々と進んでいた。
 ユカとリンに「先輩が心配だから着いていきたいと言ってきた」と相談すると「別にいいよ? 人数多いほうが楽しいし」とあっさり快諾された。
 リンも彼氏の都合が付けば連れてくると言っていたので大人数になりそうな予感。

「橘先輩も心配性だよね。愛されてるって意味なんだろうけど」
「えーそうかなぁ?」
「このォーノロケやがって~」

 リンとユカに冷やかされながらも私達は教科書とノートを囲んでテスト勉強をしていた。ギャルギャルしてても私達ちゃんと勉強してるんだよ。

「でも行くなら8月辺りになるよね。大体の大学は前期試験が7月下旬にあるから」
「あー…そうか」

 そうだ、私だけでなく先輩も学生。時期がずれる形で試験があるのだ。
 学生の本分は勉強。浮かれてばかりじゃダメだよね。うん。

 私はヘラヘラした顔を引き締め直し、テスト勉強を再開したのである。





「田端せんぱーい!」
「植草さん」

 四時間目の体育の帰りに植草さんに声を掛けられた。彼女は売店に行っていたのか手には財布と紙パックのジュースを持っていた。

「先輩見て下さいこれ!」
「…指輪?」
「彼氏が買ってくれたんです!」

 植草さんの左手薬指には指輪が光っていた。
 色々と突っ込みたいが、私はそれを抑えて「そうなんだ良かったね」と返す。

「だけど風紀に見つかったら没収だからね。気をつけたほうがいいよ」
「分かってます! 普段はネックレスに下げてますもん!」

 植草さんはキラキラ輝いていた。
 恋する乙女そのもので、元々美少女だから余計に光り輝いて見えて私には眩しく感じた。
 しかし高校生で指輪。しかも一般的な高校生のお小遣いで買えるチープなものではなく、婚約指輪で使われることのあるメーカーのデザインじゃないですか。
 彼氏くんガチでセレブなんだね。普通の高校生はこんな指輪買わないから。

「…そういえばどこで知り合ったの? 紹介か何か?」
「馴れ初め聞きたいですか~? 話せば長くなるんですけど~!」

 「彼氏が欲しいー!」と嘆いていたのは体育祭の一週間くらい前、そして体育祭の時いい感じの人がいると言っていて、体育祭が終わって一週間程度経った頃に付き合うようになったと報告を受けた。

 かなりハイスピードな気がするんだけど。

 植草さんのノロケ混じりの話を要約すると、体育祭前のとある日。土砂降りの雨が降った日があったんだけど、その日の天気予報では晴れだったため雨具を持たずに出掛けた植草さんはどこぞの店の軒先で雨宿りしていたそうな。
 そしたら目の前を通過して行った車に思いっきり水たまりの水を掛けられて服は泥水まみれ。

 テンションガタ落ちで項垂れていると彼に声を掛けられたそうな。家が近いからと誘われ、お風呂を貸してもらい、替えの服を貸してもらったそうな。

 その時点でやっぱり突っ込むところがあったが、植草さんいわく、彼は一切下心なしだった。手を出すこともなかったと。
 誠実なその人柄に惹かれて自分から連絡先を聞いたんだって。後日お礼と借りた服や傘も返したかったのもあるけど、彼にもう一度会いたかったからと。
 それからトントン拍子にいい雰囲気になって交際に至ったとのこと。
 早いなぁ~進展が。そういうもんなのか?

 この間のことも彼は恥ずかしがり屋なんです。悪く思わないで下さい。とフォローされたのでうなずいておく。
 ところで二人の交際のこと植草兄はどういう反応してるんだろうか。
 …いや反対してるよな。うちの父のようにいい顔はしていないはずだ。……うちの弟は先輩が知っている人だからか何も言ってこないけど、兄というものは下の弟妹にうるさいものなんだろうか。

 ……兄といえば私、この間橘兄にハンカチ借りたまま返せてないわ。あの痴話喧嘩の時に泣いていた私にハンカチを握らせて橘兄は亮介先輩を追いかけていったのでそのままハンカチを持ったままだったのだ。
 痴話喧嘩に巻き込んだ挙げ句、濡れ衣を着せられてしまった橘兄には本当に悪いことをしたと思う。


 私は亮介先輩に橘兄にハンカチを返しに行きたいので実家に伺おうと思うのだけどと連絡をすると、土曜に一緒に向かってくれると返事があった。
 その時に粗品でも一緒に渡して謝るかな。
 

☆★☆


「…え?」
『悪い、サークルの先輩に急遽呼ばれてしまって今日行けそうにないんだ』
「あー…そうですかぁ。大丈夫ですよ。気にしないでください」


 土曜の朝、亮介先輩から電話がかかってきたかと思えば、急に大学のサークルの先輩から所用で呼ばれたと連絡が来た。
 橘家訪問だけでなくデートの約束までおじゃんになってちょっとしょんぼりしたが、お勉強デートはいつもしてるし、体育会系部活はただでさえ縦社会だ。
 こればっかりは仕方がないので私は了承した。
 
 仕方がないので一人でお宅訪問するとするか。
 橘兄も大学院志望の受験生なので多分自宅で勉強してるだろうと先輩は言っていたので、ハンカチを返してお礼を言ったら邪魔にならぬようさっさとお暇しよう。
 

 とはいえ、先輩の実家に行くのはこれが初めてだ。
 最寄り駅は一緒だが、小中の校区は別。
 うちの正反対の位置にある住宅地の一角に橘家はあった。

 なんだかドキドキしながらインターホンのチャイムを押す。橘兄が出てくれたら話は早く済むのだが…
 だが応答したのは女性の声だった。

『はい』
「あっ、あの、私田端と申しますが、恵介さんはご在宅でしょうか?」

 もしかして兄弟のお母さんかと思ったけど、いやお祖母さんかなと思い直す。
 ご両親は多忙で、家には寝に帰ってきてる感じと話に聞いていたから。

『恵介? あぁごめんなさいねぇ。今日図書館に行ってて今いないのよ』
「あ…そうですか…そしたら、申し訳ないんですが、先日恵介さんにハンカチを借りたままだったのでお手数なのですかお渡しいただけませんでしょうか?」

 私のお願いに「ちょっと待っててね」と返答がありインターホンは切られた。少しして玄関から出てきたのは70代前半くらいの老婦人。彼女は私がいる門扉まで来てくれた。

「わざわざごめんなさいねぇ」
「いえ、こちらこそ突然伺ってしまったので。これを恵介さんに。それとつまらないものですが皆さんで召し上がって下さい」
「あらあらこれはまたご丁寧に」

 この人が橘兄弟のお祖母さんか。
 私は失礼のないように深々と頭を下げてハンカチの入った袋と焼き菓子の入った袋を手渡した。

「…あら、これ手作り? …良かったらお茶でもいかが? おもたせだけど一緒に食べましょう?」
「あ、いえいきなりお邪魔してしまったので」
「いいからいいから!」

 お祖母さんにグイグイ腕を引っ張られて私は橘家にお邪魔することになった。
 恐縮しながらお家の中に入るとそこにはリビングのソファで深く腰掛けて新聞を読んでいる鼻緒の君…もとい橘兄弟のお祖父さんがいた。
 掛けていた老眼鏡を浮かせて私を見ると思い出したように笑顔を返してくれた。

「おや、あやめさんいらっしゃい」
「あっこんにちは! お邪魔してます」
「お知り合いなの?」
「亮介と付き合っている子だよ」
「田端あやめと申します」

 台所でお湯を沸かす準備をしていたお祖母さんがひょっこり顔を出して質問されたので私は改めて自己紹介をした。
 するとお祖母さんが「あらそうだったの」と言った後、うん? と首を傾げた。

「あら? でも恵介にハンカチを返しに来たんじゃ」
「あ……」

 そこをツッコまれると言葉に詰まる。だけど言わないのも誤解を生むかなと思った私は簡単に説明をすることにした。

「その…亮介さんとこないだ喧嘩をしてしまった時に通りすがりの恵介さんがハンカチを貸してくださって…」
「まぁ」
「あ、でも亮介さんとちゃんと仲直りしましたんで大丈夫ですよ!」

 そうフォローするとお祖母さんは「そう?」と首を傾げていたけど、深くまでは追求されなかったので安心した。

 ソファに座るように薦められたので腰掛けると、お祖母さんがお茶と私が持ってきた焼き菓子をお皿に載せて出してくれた。

「あやめさんはお菓子作りが得意なんだね」
「いえそんな」
「お店に売ってるものみたいね。美味しいわ」

 今回レモンケーキを甘さ控えめに作ったんだが、口に合ったようで良かった。橘兄の嗜好がわからなかったので先輩に合わせたんだけど。

「亮介と付き合うきっかけになったのは何だったの?」
「え?」
「あの子そういう事全然話さないから~」
「えっと、それはですねぇ…」

 決して褒められるような馴れ初めではない。風紀違反してた私が風紀副委員長に目をつけられたのが切っ掛けなので めっちゃ言いにくい。

 今日は橘家に訪問するから印象良くしようと思って大人しめナチュラルメイクだし、最近髪を染めれてないので黒髪だ。
 でも嘘ついても仕方がないので正直に話す。

「えっとー…風紀に引っ掛かって……私が指導を受けても校則を守らなかったのが切っ掛けですね……悩みがあるのかと心配された時に連絡先交換して、やり取りが増えたんですけど」

 言葉にするとなんて色気のない切っ掛けなんだろうか。ほら見てみろ、お祖母さんが目をパチクリさせてるじゃないか。

「…それで…私の弟が暴力事件に巻き込まれた時に助けてもらって…それでその後もまぁ色々あって、亮介さんの卒業式からお付き合いするようになりました…」
「まぁ…そうだったの……若いっていいわねぇ」

 何故かお祖母さんの頬が赤くなっている。目がキラッキラしてるけど、今の話そんなに面白かったかな?

「あの子口下手でしょ? そんな所まで息子に似なくてていいのに」
「…そこまで気にしたことはないですけど。とても優しいですよ」
「あらあらごちそうさま」

 ノロケたつもりはないのだが冷やかされてしまった。
 橘兄弟のお祖父さんお祖母さんと和やかにお茶をしているとリビングにとある人が入ってきた。

「…あら、お客様ですか?」
英恵はなえさん、昨夜遅かったんでしょう? まだ休んでて大丈夫よ?」
「いえ、片付けないといけない仕事があるので…」

 最初の印象はクールな知的美人。寝起きでちょいアンニュイな感じだが、目元口元が亮介先輩に似ている。
 この人がお母さんだと察知した私はシュバッとソファから立ち上がってその女性に挨拶した。

「はじめまして、亮介さんとお付き合いさせていただいております。田端あやめと申します」
「……亮介の」
「はい。同じ高校の後輩なんです」

 私が挨拶すると彼女は驚いたように目を丸くしていた。目を丸くすることだろうか。
 悔しいが先輩には元彼女がいたんだから初めての彼女でもないのに。

「…そう……亮介の母の英恵です」
「お休み中にお邪魔してすみません」
「いえ……」

 ……あれ。
 なんだか、私あまり歓迎されてない?

 なにかしてしまったのだろうか。
 もしかして可愛い息子にこんな地味な彼女なんて許さない的な感じなの?
 お母さんとの会話が途切れてしまって私は内心滝の汗を流していた。好きな人の家族にはよく見られたいのに幸先が……

「……亮介は、元気にしてる?」
「えっ?」

 心の中だけでなく実際に冷や汗を掻き出した私に英恵さんがそう問いかけてきたのを私は一瞬意味がわからずに聞き返してしまった。
 いや、言っている意味はわかるんだよ。
 だけどなんか他人行儀なそれに疑問が湧いたと言うか。

「げ、元気です。…本当は今日一緒にお邪魔する予定でしたけどサークルの先輩に呼出されて急遽…」
「…そう」

 私の返事に何処かホッとしつつも沈んだ様子を見せる彼女。
 ますますわからない。連絡とか取ってないの? 忙しくてその暇もないの? 
 でもお祖父さんお祖母さんとは連絡取ってるみたいだったし。
 
 そういえば、私立高校に落ちたことで両親の期待を裏切ってしまったと先輩が以前言っていたことがある。
 私が踏み込んではいけない確執がここにはあるのか…

「まぁまぁ立ち話もなんだし、英恵さんもお茶しましょう。あやめちゃんがお菓子を作ってきてくれたのよ」

 お祖母さんはこの微妙な空気をさらっと流して英恵さんの分のお茶を注いでテーブルに置いていた。
 私は一体どうしたらいいんだ。どんな話をすればこの場は持つんだ。

「…美味しい…」

 英恵さんの口にも合ったようで私はホッとする。
 あっという間にレモンケーキを完食されたのに私はちょっとびっくりする。お腹が空いていたのだろうか。

「ね? お店に売ってそうよね。お料理も得意でしょう? あやめちゃん」
「上手かはわかりませんが作るのは好きです。将来食品を作る仕事がしたいと思ってるんですよ」
「そうなの! 調理師とかかしら?」
「いえ食品メーカーの開発部門に携わりたいと考えてます」
「まぁ、そしたら大学に?」
「はい。理工学部を目指してます」


 ニコニコと話しかけてくるお祖母さん、和やかに会話の様子を見守るお祖父さん、静かにお茶を飲む英恵さん。

 なんだろうこの四者面談。私は橘兄にハンカチを返しに来ただけなのに。


 話が一段落した時にお暇を申し出た私。
 帰り際英恵さんに「…美味しかったわ…あのケーキ。…ごちそうさま」と照れくさそうに言われたんだけど、その顔が亮介先輩がする表情に似ていたので「あ、親子だな」と実感したのである。

 門まで見送ってくれたお祖母さんに「お嫁さん人見知りなのよ。良かったらまた遊びに来てね」と声を掛けられた。
 …なるほど人見知りか。…どうやら嫌われているわけではないようで私は安心した。

 …しかしあのケーキ、橘家の人数分しか持ってきてないんだけど、橘兄の分残ってるかな。 
 さりげなく英恵さんが二個くらい食べていたような気がする。
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