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本編
誤解しないで欲しい。親しいんじゃなくて区別だから。
しおりを挟む早くも時期は12月。師走だ。
球技大会を終えた日から生徒たちは皆、期末テストモードに入っていた。
私も中間テストのひどい結果を巻き返すためにいつも以上にテスト勉強を頑張っていた。
「アヤちゃーん助けてぇ~俺やばいよぉ」
「そうかぁ。私もやばい。奇遇だね」
イベント事のときは全力を尽くす癖にテストでは全力を尽くせない沢渡君が私の隣でうるさいけど、それをあしらいながら休み時間も私は自習し続けていた。
「おーい田端ーお客ー」
「え?」
勉強をしている私をクラスメイトの男子が呼んだ。
客?
誰だろうと思って教室の出入り口に行けばそこには意外な人物がいた。
なぜか彼は顔をしかめっ面にしてとある物を睨みつけていた。そのとある物とは彼の手元にある白い紙の束だ。
「どうしたんですか橘先輩」
「……これを兄から預かった」
「…お兄さん? …何だ…ゲッ!」
橘先輩から渡されたそれには【高卒者の就職・転職について】と表紙タイトルがあり、ちらりとページを捲って中身を見てみたら、グラフが組み込まれたそれはそれは綿密なレポートだった。
私は思わず引きつった顔をしてしまった。
なんだこれは。
「…兄さんと仲良くなったのか?」
「…いやいやいやいや!……オープンキャンパス先で会っただけです。なんすかあの人は一体何を目指してるんですか」
「兄さんか? 兄さんは検事を目指している」
「あー…そうなんですね…うわぁ…なんでこんなの」
橘先輩が恐ろしい勘違いをしそうになったので私はブンブン首を横に振って否定させていただいた。
私にも不可解なんだからそんなしかめっ面しないで欲しい。
そのレポートをパラパラ流し読みしてみたが、高卒のデメリットを順序立てて説明してたり、学部ごとの目指せる職業の説明がされたり、大学進学でのメリット、生涯賃金や、高卒者大卒者の労働条件の違いなどが事細かに記されている。
あの人これを調べたのか。私のために。
いや、嫌がらせ…?
よくわからんがこれは厚意として受け取っておこうと私は橘先輩を見上げる。
「わざわざすみません。恵介さんにありがとうございますと伝えておいてください」
私は彼の連絡先を知らないし、わざわざ会うのも嫌だ。だから橘先輩を通してお礼を言うことしかできないのでそうお願いした。
だが、橘先輩はピクリと眉を動かして低い声で「…恵介?」と呟いた。
あ、やべ名前間違ったかな。
「すいませんお兄さんの名前、恵介さんじゃなかったですか?」
「いや間違ってはいない。…だが名前を呼ぶほどとは…」
「違いますよ。本人が文句つけてきたんです。自分も橘だから紛らわしいって。区別つけるためなんで意味はありませんよ。恵介さんとは全然、全くもって仲良くないですし、仲良くなる気は皆無ですから」
あの人と仲がいいとか勘弁して欲しい。
私は自分の顔が渋くなってる意識はあったが、勘違いされたくはなかった。
橘先輩のお兄さんだから先輩の前で態度に表すのは良くないかもしれないが、好きじゃないものは好きじゃないので仕方がない。
私はレポートを持ち替えて、目の前にいる橘先輩を見上げると、彼は何だか不満そうな顔をしていた。
やばい。やっぱりあんなのでも兄だから嫌われるのは気に入らないのかな…
先輩優しいし真面目だから有り得る。
意に染まないが、謝罪しようと口を開いたのだが橘先輩に先を越された。
「すいま…」
「…ならば俺の名前を呼べばいいだろう」
「…え?」
「そうすれば区別はつく」
今、橘先輩の口から飛び出してきた言葉に私は目を丸くした。
俺の名前? え、それってどういう…
私がぽかんとしていると、橘先輩はハッとして自分の顔半分を手で覆うと顔を背けた。
「…いや、なんでもない。忘れてくれ」
「え? ちょっと先輩?」
そう言って橘先輩は足早に立ち去っていった。
一体どうしたんだ先輩。
…先輩の名前って、下の名前ってこと?
「……亮介さんって?」
自分で呟いておいて一気に熱が顔に集まった。
なんだこれ! めっちゃ恥ずかしい!
私は周りに人がいないことを確認して、見られていないことを確認すると安堵する。深呼吸して落ち着かせると教室に戻ったのである。
その後、私は勉強再開しようとしたがさっきのことが頭に過ぎって思い出し照れを繰り返していたため、沢渡君に「体調悪いの? アヤちゃん」と首を傾げられたのである。
☆★☆
期末テスト5日前になった。
私はまっすぐ家に帰ってテスト勉強に励もうと授業後のHRが終了するなり足早に教室を出た。明日明後日は土日なので図書館にでも行ってみっちり勉強しようかと思う。
廊下を突っ切る私に後ろから沢渡君が大声で声をかけてきた。
「アヤちゃんまた明日ね!」
「遅れないでよ沢渡君」
今回は弟とじゃなくて沢渡君と図書館に行く予定だ。深い意味はない。
沢渡君が進級できないかもと泣きついてきたので、一緒に勉強しようと提案しただけだ。
明日は図書館の開館時間に待ち合わせしてそこから夕方まで勉強するつもりである。
その日は林道寿々奈に捕まることなく校舎を出てまっすぐ正門に向かって歩いていたのだが、私の前を歩くヒロインちゃんを見つけた。
彼女は男子生徒と一緒で、その相手は伊達志信…元生徒副会長だった。
(…あれ? この間橘先輩とイベントしてたのに。伊達先輩の好感度も高いの? どういうことなの)
相変わらずヒロインちゃんが誰を攻略してるのかがわからない。
私はてっきり…
私はヒロインちゃんと伊達先輩が仲良く帰っているのを眺めながら歩いていたのだが、正門のところに他校の制服を着た女の子がいるのが見えたのでそっちに視線を移した。
「…あ…」
彼女は、伊達先輩とヒロインちゃんを見てその瞳を大きく見開き、一瞬泣きそうな顔をしていた。
だがすぐに踵を返して、伊達先輩に気づかれることなくこの場から離れた。
私はその時、あのシーンを思い出した。
ゲームで彼女はいつも凛としていた。
伊達志信の妻になるならば。と厳しい教育教養作法マナーを幼い頃から躾けられ、どんなに苦しくても彼に弱音を吐くことはしなかった。
そんな血の滲む努力の結果、彼女は伊達志信の隣に立つに相応しい淑女となった。彼女は許嫁最有力候補にのし上がったのだ。
彼女がそこまで頑張れたのは伊達志信が好きだったから。今は許嫁候補でも努力すればいつか自分を見てくれると信じていたから。
彼は優しかった。
だがそれは上辺だけで彼が心を開いている訳ではなかった。彼との間にはいつも壁があったのだ。彼女はなんとか好かれようとアプローチした。どうか自分に心を開いて欲しくてその一心で。
しかし彼女の努力は水の泡となる。
彼は学校で好きな人を見つけたのだ。
すると許嫁候補である彼女と会うこともなくなり、連絡も途切れ……そして許嫁候補の肩書も少なくない慰謝料を渡されたことで消え去ってしまった。
簡単に切り捨てられてしまったのだ。
彼女はどうしても諦められずに彼を問い詰めた。するとこう返ってきたのだ。
『君は完璧で弱音を吐かないし、人形のようで面白みがない。可愛げがない…そばにいると息が詰まるんですよ。…俺は花恋が好きなんです。彼女じゃないとダメなんです』
彼女の努力は否定されてしまったのである。
彼のためだったのだ。彼のためだと思っていたのだ。
弱音を吐いたら、多忙な彼の負担になるから吐かなかったのに。
完璧にせねば、将来政界に入るであろう彼の足手まといになる。だから完璧を目指したのに。
それを、全否定されてしまった。
だけど、それでも好きだった。
好きだったけども彼女にだって矜持はあった。
彼の心がヒロインに向いているのは以前から勘付いていた。
ぽっと出の女に許嫁候補の立場を奪われた事が悔しくて悲しくて情けない。だけど嫌がらせなんて自分の美学に反する。
彼女は嫉妬で荒れ狂う心を自制してヒロインと接触した。精々やったことは口頭注意だけだった。
ささやかな抵抗だったのだ。
もう彼の心は決まってしまったと知った彼女は静かに受け入れる。
縋り付くことなく、美しく去ろうと。
『貴方みたいな見る目のない殿方なんてこちらからお断りです。…それではごきげんよう』
そして伊達志信に背を向けた彼女の頬を伝う涙。
それを決して彼に気取られずに、彼女は潔く身を引いたのだ。
そのライバル役・小石川雅の気高い姿に、ゲーム画面前で私も一緒に涙を流していた気がする。
私は無意識に彼女を追いかけていた。
生徒たちの間を縫うようにして避けて私は彼女の姿を探す。鞄が肩にめり込んで痛いけど、今はそんなことよりも。
ちょうど下校時間なので生徒たちの影に隠れてしまっていた後ろ姿を見つけるまで時間がかかったが、私は彼女の姿を見つけると声をかけた。
「あのっ!」
「!」
「あっ…」
驚いた様子で振り返った小石川雅さんは涙を流していた。
私は鞄から体育のために持ってきたけど結局使わなかった綺麗なタオルハンカチを慌てて取り出すと彼女に差し出す。
「良かったら使ってください!」
「……ありがとう、ございます」
ぽかんとしていた小石川さんはタオルを受け取り、苦笑いした。
「あなたは…文化祭の時お会いした方?」
「あっ! 髪の色違いますけどそうです!」
あのときはまだ金髪だったけど、髪色変わった私のことを覚えててくれた!
私はそんな些細なことに内心喜んでいた。
だが今は彼女のことだ。彼女のことが放っておけなかったのだ。
彼女はタオルで目元をそっと拭うと、それを両手でぎゅうと握って顔を付けて肩を震えさせていた。
そんな姿を通り過ぎる生徒たちがジロジロ見てくる。私が泣かせたと思われているようで視線が痛い。
慌てて私は辺りをキョロキョロ見渡してみた。小石川さんの涙はまだ止まる様子がなく、このままここに居ても通行人に見られてしまうので、どこか…
通学路外れの裏道を見た時、とあるお店が目についた。
「あっ! あそこ、あの喫茶店行きましょ。あそこ静かそうだから」
「えっ…」
強引かと思ったけど私は彼女の背中を押して、昔ながらのコーヒーがこだわりっぽいこじんまりとした喫茶店に彼女を誘導した。
扉を開けると壮年のマスターと常連客っぽいおじさんが居た。
「すいませんテーブル席あります?」
小石川さんが泣いているのもあったけど、私と彼女の見た目のアンバランスさも相まって彼らは目を丸くしていたが、動揺しつつも席へと案内してくれた。
大きな窓があるものの中にある観葉植物のお陰でうまい具合に客の姿が隠れそうな席の方に小石川さんを座らせると、私は適当にコーヒーとオレンジジュースを一個ずつ頼んだ。彼女が何を飲めるかわからなかったから。
飲み物が運ばれてきて、私は「飲みませんか? 好きな方どうぞ」と彼女に声をかけてみる。
彼女はタオルから顔を離し、真っ赤になった目で私をまっすぐ見つめてきた。涙に濡れたまつげを伏せて、そっとオレンジジュースを手にとる。
飲み物を飲んだら少し落ち着いたようで、小石川さんはほう、と息を吐き出した。
「…なぜ、私に声を…?」
小石川さんの質問に私は返答に困った。
なんと言えばいいのか。返事によってはただの怪しい人だし…
「ええと…泣いてる気がして…つい」
「…知らない相手なのに? …お人好しね。…でもありがとう」
彼女はそう言ってうっすら微笑んだが、その笑みが続くことはなかった。ギュッと唇を噛みしめるとゆっくり俯いていく。
お嬢様学校に通う彼女のワンピースの制服の白いスカートに一粒、また一粒と雫が落下しては染み込んでいく。
「…ごめんなさいね…もう少し、待っててくださるかしら」
「…いいですよ。私は読書でもしてますから」
涙声で彼女がそうお願いしてくる。
それなら小石川さんが泣き止むまで私は待とう。
私はモブだから、こんな事しかできない。
だけど1人で泣くよりも誰かが側にいたほうがいいと思うのだ。きっとこの彼女もゲームの彼女と同じように孤独に努力してきた人だと思うから、弱音を吐けない人なのだと思う。
前世の私がウキウキしながらやった乙女ゲームだけど、当然のことヒロインちゃんが攻略対象とくっつくとこうしてライバル役の子が悲しむんだよね。
ゲームは想像の世界だからライバル役の気持ちを深く考えることはなかったけど、こうしてこの世界で生きていると、そういうのが見えてしまう。
…ヒロインちゃんは好きだけど…
誰も傷つかないなんて無理なのは分かっている。
既に真優ちゃんは山ぴょんと破局しているし、ゲームの流れと違う事も起きてるので私にもこの先どうなるのかがわからない。
…私はどうすればいいのか。
私には何ができるんだろうか?
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