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紅蓮のアゲハの娘は恋を知らない
色を失ったジャスミン【円木茉莉花視点】
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『おじさんのお股が腫れて痛むんだ…お嬢ちゃんが治してくれないかな…?』
──今でも、鮮明に覚えている。
あの男の呼吸、手の感触、体温。
日曜のショッピングモール。キッズコーナーにて積み木を触っていた私に声を掛けてきたのは父よりも年上の男だった。
「お母さんが大変なことになった」と言われた私はのこのこついていったのだ。
連れてこられたのは多目的トイレだった。そこに入れられた時点で異変を感じていた。なぜなら母の姿はどこにもなかったからだ。
『いやっ…! おとうさん! おかあさん!』
扉を叩いて助けを求めたが口を抑えられ、私はその場に引き倒されたのだ。
そこからのことは口に出すのも憚れる。
気持ち悪くてとても嫌だった。なのに恐怖で声が出なかった。
私はまだ幼稚園児だった。幼児になにができる? 知らない大人にわけのわからないことをされる恐怖。それは実際に体験した人しか理解できないはずだ。
──ガチャン!! ガララッ
『うわぁっ!?』
『…あんたっ小さい女の子に何してるのっ!』
異変を感じた通りすがりの人がトイレ清掃の人に声を掛けてくれていたらしく、多目的トイレの鍵を解錠してくれた。清掃の人は目の前で行われる惨状に引き攣った声を上げ、通報した通りすがりの人が怒鳴り声を上げていた。
救出された私は恐怖でおもらしをしていた。一緒に助けてくれた中年の女性が私のおもらしなど気にせずに、着用していた上着で私を包み込んで抱きかかえると「もう大丈夫よ」と宥めてくれていた。
女性に抱きかかえられたことに安心して、私はようやく声を出せた。声を上げて大泣きした。
騒ぎを聞きつけて駆けつけた両親は血相を変えていた。私を抱きしめて何度も謝罪していたことだけは覚えている。
私の被害は未遂で終わった。
そう、未遂だ。
最悪の被害はなかったのだ。
だけど思うのだ。私はあの日穢されてしまったのだと。自分の体が汚らしく感じてしまって耐えられなかった。
私の心には深く傷が入ったままなのである。
■□■
時は流れ、私は高校生になった。
小学校までは公立の共学校に通っていたが、高学年になるにつれてちょっかいを掛けてくるようになった男子児童らに嫌気が差した私は中高大一貫の女子校へ中学受験した。
子どものままだったら平気だった。だけど周りの男子の身体が大人へと変化していくのを見ていると、中学に入ったらもうダメだなと判断したのだ。
決して彼らが悪いのではない。私の心の問題だ。
…あのトラウマは数年経っても私の心を蝕んでいた。
──ガタン…ガタンゴトン…
「……っ」
男性から離れた環境に身を置いたというのに、どうしてこんな目に合うのか。
高校生になった私は、いつもと同じように帰宅していた。臀部に違和感を覚えたのは、停車駅で人が大勢乗り込んでできた後だ。
はじめは手が当たったのかなと思っていたのだが、2度・3度とお尻を撫で、揉むように触れられると、痴漢を疑わざるをえない。
私は身をよじってその手から逃れようとしたが、私が嫌がっていることに気づかないのか、その手は痴漢行為を続行した。耳元でハァハァと荒い息を吐き出す痴漢。生温かい息がかかってくるような気がして気持ち悪くて仕方がなかった。
何故私がこんな目に合わなくてはいけないのか。
声を上げてやめてくださいといいたいのに、恐怖で声がでない。
悔しい悔しい、何故私は女なのか。
女だからといって、男の身勝手な性の捌け口にされなくてはならないのか。男だったらこんな辱めを受けることはないのに…!
じわっと視界が涙で歪む。
泣いては駄目だ。泣いたら痴漢に負けてしまう。頑張れ、私。声を出すんだ…!
「…や」
「おいコラクソジジィ、テメェなにやってんだよ!!」
私が自分を叱咤して、勇気を出そうと奮起していると、私の心の中を代弁するかのように……ちょっと乱暴な物の言い方だったけど、代わりに怒ってくれた人がいた。
「いてぇぇぇ!!」
「この痴漢。テメェ逃さねーからなぁ? なにか弱い女子高生に変態行為してんだよ、潰すぞテメー…」
その人は、私と同じクラスの女の子だった。彼女が私に触れていた痴漢の腕を捻り上げて大声で怒鳴りつけてくれた。
中間一貫校である我が雪花女子学園高等部に外部入学してきた子だ。名前は確か…
「三森さん…」
「な、なんなんだ君はっ、言いがかりも大概にしろ!」
「現行犯逮捕って知ってる? 今の犯行の一部写真撮ってるから言い逃れはさせねぇよ?」
「わた、私はなにもっ」
華やかな美貌を阿修羅のごとく怒りに染め、痴漢を威嚇するは三森あげはさん。
入学してきてからずっと1人で移動したり、お昼を食べたりしていて、個人行動が好きな人なのかなと思っていた。
「その寒々とした草原を焼け野原にされたくなければ、おとなしくしてろやこのうすらハゲ!! キモいんだよ!」
彼女は結構、口が悪かった。
「助けてくれて本当にありがとう」
「いえいえ」
三森さんによってしょっ引かれた痴漢は最後まで言い訳をして、最終的に許しを請うていたが、三森さんが提示したスマホ写真が証拠となって警察に引き渡されることになった。
「往生際が悪いんだよハゲ。二度とすんなよハゲ。泣くなよ、申し分程度にある毛ぇむしるぞハゲ」
と、三森さんに罵倒された痴漢は涙目だったけど、私は胸がスッとした思いだった。
私を迎えに来たお母さんが車で家まで送ると声をかけたが、彼女はそれをきっぱり断っていた。
「うち、辺鄙なところにあるんで大丈夫です。お気持ちだけで結構です! それじゃ、円木さん。また明日ね!」
彼女はそう言って駅に逆戻りしていった。
そういえば自己紹介で聞いたな。三森さんの家は学校から少し遠いんだった。……私と同じだ。
……遠いなら尚更車で送っていった方が早く帰れると思うんだけどな。なぜあんなに遠慮していたのだろう。
「茉莉花、やっぱりおじいちゃんおばあちゃんの家から学校に通ったほうがいいんじゃない? あそこなら徒歩圏内だし、電車通学するのはあなたもつらいでしょう…?」
お母さんの遠慮がちな言葉に私は現実に戻ってきた。そう……私が痴漢被害にあうのはなにもこれが初めてではないのだ。
私は男性を避けるために女子校に進学したが、実家から遠方にある学校までは電車を使わなければ通学できない。そこで…私は何度も痴漢被害にあってきたのだ。そのたびに私は自分を叱咤して痴漢行為をやめてもらおうとしたが、いずれも恐怖で固まってしまって……結局は何もできなかったのだ。全て泣き寝入りだ。
親に車で学校まで送ってもらうにも、親にも仕事があるので毎回は無理だ。どうしても電車に乗らなければならない。
以前から祖父母と両親の間で話し合いがなされていたのだ。学校に近い祖父母の家に下宿する話を。私を心配する彼らの気持ちはうれしい。だけど四方に迷惑がかかりそうな気がして遠慮していたんだ。
…だけどもう潮時なのかもしれない。私はお母さんの言葉にこくりとうなづく。
自分で対処できればこのようなことをせずともいいのだろう。だけど弱虫な私は泣き寝入りしかできない。
そして三森さんのように助けてくれる人は稀だ。自分の身は自分で守らなきゃいけない。…私も、周りに頼らずに彼女のように強くびしっと言えたらいいのに…
弱い自分が嫌い。
過去のおぞましい記憶。汚れてしまった自分が大嫌いだ。
ときどき、自分の存在自体を消しゴムで消してしまいたくなる時がある。
誰にも言えない過去。抱えきれない感情。
自分が嫌い。自分が生きている価値などない。だけど死を選ぶ勇気も出ない。自分を卑下などしたくないのに、私の中に存在する黒くどろどろした感情が私の心を苛む。
──私はただ穏やかに生きたいのに、こうして過去がよみがえってくる。そのたびに苦しくて苦しくて、泥沼に足を取られたかのように私は身動きできず、過去に取り残されてしまうのだ。
■□■
「あげはちゃん。おはよう」
「おはよう茉莉花」
あの痴漢事件をきっかけに私と三森さん…あげはちゃんは親しくなった。
とっつきにくい印象だった彼女だったが、会話してみたらさっぱりとした気質の女の子だった。
容姿端麗・成績優秀な彼女だが、家政科目実技だけは壊滅的だった。彼女は女子力を磨くためにこの女子校に進学したそうだが……ここまで家政科目が苦手な人は類を見ないと思う。だけどそこが彼女の個性として親近感を持った。
彼女のそばにいると居心地が良かった。面倒見が良く、困ってる人がいると放っておけない優しいところのあるあげはちゃん。
ミサ中の居眠り常習犯でシスターに目を付けられていて、家政科目実技はボロボロの彼女だが、その他の成績はトップクラス。
運動神経が抜群に良く、しかも統率力もある。体育祭では派手に活躍してチームを優勝させた。
そんな彼女の周りには自然と人が集まった。私もあげはちゃんが大好きになった。
彼女は私の事を淑女の鏡、憧れるというが、そんな事はない。私なんてそんな大層なものではないのだ。
…憧れているのはこっちの方だ。
私はあげはちゃんのように強い女の子になりたいと思うようになった。
そう、強くて優しい彼女のように。
──今でも、鮮明に覚えている。
あの男の呼吸、手の感触、体温。
日曜のショッピングモール。キッズコーナーにて積み木を触っていた私に声を掛けてきたのは父よりも年上の男だった。
「お母さんが大変なことになった」と言われた私はのこのこついていったのだ。
連れてこられたのは多目的トイレだった。そこに入れられた時点で異変を感じていた。なぜなら母の姿はどこにもなかったからだ。
『いやっ…! おとうさん! おかあさん!』
扉を叩いて助けを求めたが口を抑えられ、私はその場に引き倒されたのだ。
そこからのことは口に出すのも憚れる。
気持ち悪くてとても嫌だった。なのに恐怖で声が出なかった。
私はまだ幼稚園児だった。幼児になにができる? 知らない大人にわけのわからないことをされる恐怖。それは実際に体験した人しか理解できないはずだ。
──ガチャン!! ガララッ
『うわぁっ!?』
『…あんたっ小さい女の子に何してるのっ!』
異変を感じた通りすがりの人がトイレ清掃の人に声を掛けてくれていたらしく、多目的トイレの鍵を解錠してくれた。清掃の人は目の前で行われる惨状に引き攣った声を上げ、通報した通りすがりの人が怒鳴り声を上げていた。
救出された私は恐怖でおもらしをしていた。一緒に助けてくれた中年の女性が私のおもらしなど気にせずに、着用していた上着で私を包み込んで抱きかかえると「もう大丈夫よ」と宥めてくれていた。
女性に抱きかかえられたことに安心して、私はようやく声を出せた。声を上げて大泣きした。
騒ぎを聞きつけて駆けつけた両親は血相を変えていた。私を抱きしめて何度も謝罪していたことだけは覚えている。
私の被害は未遂で終わった。
そう、未遂だ。
最悪の被害はなかったのだ。
だけど思うのだ。私はあの日穢されてしまったのだと。自分の体が汚らしく感じてしまって耐えられなかった。
私の心には深く傷が入ったままなのである。
■□■
時は流れ、私は高校生になった。
小学校までは公立の共学校に通っていたが、高学年になるにつれてちょっかいを掛けてくるようになった男子児童らに嫌気が差した私は中高大一貫の女子校へ中学受験した。
子どものままだったら平気だった。だけど周りの男子の身体が大人へと変化していくのを見ていると、中学に入ったらもうダメだなと判断したのだ。
決して彼らが悪いのではない。私の心の問題だ。
…あのトラウマは数年経っても私の心を蝕んでいた。
──ガタン…ガタンゴトン…
「……っ」
男性から離れた環境に身を置いたというのに、どうしてこんな目に合うのか。
高校生になった私は、いつもと同じように帰宅していた。臀部に違和感を覚えたのは、停車駅で人が大勢乗り込んでできた後だ。
はじめは手が当たったのかなと思っていたのだが、2度・3度とお尻を撫で、揉むように触れられると、痴漢を疑わざるをえない。
私は身をよじってその手から逃れようとしたが、私が嫌がっていることに気づかないのか、その手は痴漢行為を続行した。耳元でハァハァと荒い息を吐き出す痴漢。生温かい息がかかってくるような気がして気持ち悪くて仕方がなかった。
何故私がこんな目に合わなくてはいけないのか。
声を上げてやめてくださいといいたいのに、恐怖で声がでない。
悔しい悔しい、何故私は女なのか。
女だからといって、男の身勝手な性の捌け口にされなくてはならないのか。男だったらこんな辱めを受けることはないのに…!
じわっと視界が涙で歪む。
泣いては駄目だ。泣いたら痴漢に負けてしまう。頑張れ、私。声を出すんだ…!
「…や」
「おいコラクソジジィ、テメェなにやってんだよ!!」
私が自分を叱咤して、勇気を出そうと奮起していると、私の心の中を代弁するかのように……ちょっと乱暴な物の言い方だったけど、代わりに怒ってくれた人がいた。
「いてぇぇぇ!!」
「この痴漢。テメェ逃さねーからなぁ? なにか弱い女子高生に変態行為してんだよ、潰すぞテメー…」
その人は、私と同じクラスの女の子だった。彼女が私に触れていた痴漢の腕を捻り上げて大声で怒鳴りつけてくれた。
中間一貫校である我が雪花女子学園高等部に外部入学してきた子だ。名前は確か…
「三森さん…」
「な、なんなんだ君はっ、言いがかりも大概にしろ!」
「現行犯逮捕って知ってる? 今の犯行の一部写真撮ってるから言い逃れはさせねぇよ?」
「わた、私はなにもっ」
華やかな美貌を阿修羅のごとく怒りに染め、痴漢を威嚇するは三森あげはさん。
入学してきてからずっと1人で移動したり、お昼を食べたりしていて、個人行動が好きな人なのかなと思っていた。
「その寒々とした草原を焼け野原にされたくなければ、おとなしくしてろやこのうすらハゲ!! キモいんだよ!」
彼女は結構、口が悪かった。
「助けてくれて本当にありがとう」
「いえいえ」
三森さんによってしょっ引かれた痴漢は最後まで言い訳をして、最終的に許しを請うていたが、三森さんが提示したスマホ写真が証拠となって警察に引き渡されることになった。
「往生際が悪いんだよハゲ。二度とすんなよハゲ。泣くなよ、申し分程度にある毛ぇむしるぞハゲ」
と、三森さんに罵倒された痴漢は涙目だったけど、私は胸がスッとした思いだった。
私を迎えに来たお母さんが車で家まで送ると声をかけたが、彼女はそれをきっぱり断っていた。
「うち、辺鄙なところにあるんで大丈夫です。お気持ちだけで結構です! それじゃ、円木さん。また明日ね!」
彼女はそう言って駅に逆戻りしていった。
そういえば自己紹介で聞いたな。三森さんの家は学校から少し遠いんだった。……私と同じだ。
……遠いなら尚更車で送っていった方が早く帰れると思うんだけどな。なぜあんなに遠慮していたのだろう。
「茉莉花、やっぱりおじいちゃんおばあちゃんの家から学校に通ったほうがいいんじゃない? あそこなら徒歩圏内だし、電車通学するのはあなたもつらいでしょう…?」
お母さんの遠慮がちな言葉に私は現実に戻ってきた。そう……私が痴漢被害にあうのはなにもこれが初めてではないのだ。
私は男性を避けるために女子校に進学したが、実家から遠方にある学校までは電車を使わなければ通学できない。そこで…私は何度も痴漢被害にあってきたのだ。そのたびに私は自分を叱咤して痴漢行為をやめてもらおうとしたが、いずれも恐怖で固まってしまって……結局は何もできなかったのだ。全て泣き寝入りだ。
親に車で学校まで送ってもらうにも、親にも仕事があるので毎回は無理だ。どうしても電車に乗らなければならない。
以前から祖父母と両親の間で話し合いがなされていたのだ。学校に近い祖父母の家に下宿する話を。私を心配する彼らの気持ちはうれしい。だけど四方に迷惑がかかりそうな気がして遠慮していたんだ。
…だけどもう潮時なのかもしれない。私はお母さんの言葉にこくりとうなづく。
自分で対処できればこのようなことをせずともいいのだろう。だけど弱虫な私は泣き寝入りしかできない。
そして三森さんのように助けてくれる人は稀だ。自分の身は自分で守らなきゃいけない。…私も、周りに頼らずに彼女のように強くびしっと言えたらいいのに…
弱い自分が嫌い。
過去のおぞましい記憶。汚れてしまった自分が大嫌いだ。
ときどき、自分の存在自体を消しゴムで消してしまいたくなる時がある。
誰にも言えない過去。抱えきれない感情。
自分が嫌い。自分が生きている価値などない。だけど死を選ぶ勇気も出ない。自分を卑下などしたくないのに、私の中に存在する黒くどろどろした感情が私の心を苛む。
──私はただ穏やかに生きたいのに、こうして過去がよみがえってくる。そのたびに苦しくて苦しくて、泥沼に足を取られたかのように私は身動きできず、過去に取り残されてしまうのだ。
■□■
「あげはちゃん。おはよう」
「おはよう茉莉花」
あの痴漢事件をきっかけに私と三森さん…あげはちゃんは親しくなった。
とっつきにくい印象だった彼女だったが、会話してみたらさっぱりとした気質の女の子だった。
容姿端麗・成績優秀な彼女だが、家政科目実技だけは壊滅的だった。彼女は女子力を磨くためにこの女子校に進学したそうだが……ここまで家政科目が苦手な人は類を見ないと思う。だけどそこが彼女の個性として親近感を持った。
彼女のそばにいると居心地が良かった。面倒見が良く、困ってる人がいると放っておけない優しいところのあるあげはちゃん。
ミサ中の居眠り常習犯でシスターに目を付けられていて、家政科目実技はボロボロの彼女だが、その他の成績はトップクラス。
運動神経が抜群に良く、しかも統率力もある。体育祭では派手に活躍してチームを優勝させた。
そんな彼女の周りには自然と人が集まった。私もあげはちゃんが大好きになった。
彼女は私の事を淑女の鏡、憧れるというが、そんな事はない。私なんてそんな大層なものではないのだ。
…憧れているのはこっちの方だ。
私はあげはちゃんのように強い女の子になりたいと思うようになった。
そう、強くて優しい彼女のように。
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