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番外編・大学生活編
ベタベタしつこい男は嫌われましてよ。
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その後言われた通り海外事業部に案内され、なぜか個室でノートパソコンにてプレゼンをされた。めっちゃ至近距離で。耳元でしゃべんないでくれないかな。鳥肌が立つんですが。
プレゼン映像や説明はとても上手だった。これわざわざ作ったのだろうか…大学生がインターンに来たとか、就職説明会で見せられるならわかるけどさ、私ただ単純に見学しに来ただけなんですが…
パパの会社は飲食店関係だ。ここの本社では、店舗に送る食材類を手配したり、新しいメニューを提案したり、店舗の従業員の管理をしたり…とにかく色々している。そんでもって海外事業部は名前の通り、海外に展開予定のビジネスを扱う場所だ。
瀬戸さんは日本語以外に英語と中国語を話せるそうだ。英語すら話せない私へのあてつけだろうかと思った私は少々ひねくれているだろうか。
慎悟なんていつ使うのかわからないタガログ語に夢中だよ。この間のデートではタガログ語の音楽流している東南アジアンチックなお店に連れて行かれたばかりだ。
そういえば慎悟は何カ国語話せるんだろう…英語は間違いなく話せるでしょ、中国語もできると言っていた。下手したら他にも……考え事してボケーッとしながらノートパソコンのタッチパッドを指でポンポンと押して、次の画面次の画面と進めていると、その手を上から握ってくる男の手。
──ゾワッと一気に全身の毛穴が開いた。
「…やめてもらえます?」
「本当に嫌?」
「嫌ですけど」
何だこの人。
変だな変だなと思っていたけど本当に変な人じゃないか。仕事できるらしいけど、変人もいいところである。
上杉と同じタイプかな。サイコパスって良心ってものが薄いらしいけど、その代わり冷酷に仕事をこなせるから仕事はうまくいくっていうあれ…
「…逆玉狙いなら無駄なのでやめておいたほうがいいですよ」
「そんな心外だなぁ。一目惚れと言ったら信じてくれる?」
「ハハッ…女子大生だからって馬鹿にしてません? 私だって恋愛の1つや2つしてるんでそういう甘言くらいはすぐに見抜けますよ」
少女漫画原作の映画みたいなセリフ吐かないでくれないかな。私にはコントにしか思えないよ。ときめけって言う方が無理です。
これ以上の案内はもういい。
私は少々乱暴にその手を振り払うと、席を立ち、個室の扉に向かった。扉を開けようとドアノブに手をのばすと、後ろからトン…と手を付かれ、背後から壁ドンならぬドアドンをされた。
それには私も悪寒でブルッと震え上がった。
「逃さないって言ったらどうします?」
「パパ…父に言いつけます」
「まいったな、見た目と違って随分気の強いお嬢さんだ」
親の威を借るみたいだからこんなこと言いたくないけど、あんまりお嬢様舐めんなよ。ちんけな口説き文句で心揺れるとでも思ってんのか。
自分の発言行動1つで首が飛ぶかもしれんのだぞ。それでもいいのか?
キッと睨んでやると、瀬戸さんはずいっと顔を近づけてきた。
「だけど気の強い女は好きですよ」
「……選ばせてあげましょうか。頭突きと腹パンとお股キック…どれがイイですか?」
私はお嬢様スマイルを浮かべて最後通告をした。瀬戸さんは肩をすくめて降参ポーズを取ると、ようやく私から離れたので、その隙に扉を開けて外に出た。
「諦めませんよ、お嬢様」
ほざいてろ。脳筋舐めんな。
扉を開けた先は海外事業部の人たちが慌ただしくお仕事をしていた。──それに混じって、商談スペースらしき部屋からでてきた男性とバッティングした。その相手と目が合うと、彼の口がゆっくり動いた。
「──え」
「慎悟! どうしたの? お仕事の付添い?」
まさかこんなところで遭遇するとは。
えぇ、パパの会社に来るなら言ってくれたらいいのに! 私はここで会えたことが嬉しくて慎悟に飛びついた。瀬戸さんの気持ち悪いアピールの後だったので、ますます慎悟の存在に清涼感があるよ。
「父さんの商談の見学に来ていたんだ。社会勉強になるから…あんたがここにいるのは珍しいな」
「私も社会勉強! 会社内を見学させてもらっていたの」
スーツ姿の慎悟は何処からどう見ても全方位美青年だった。部署内にいた女性だけでなく男性の視線すら奪うファビュラス慎悟。君の美しさは罪である。
「スーツ姿カッコいいね! 私もスーツ着てきたら良かったな」
「…後ろの彼は?」
「あぁ…案内してくれた人…」
癒やしの存在に会えたと思ったのに、慎悟が現実に突き落とす。いや、彼はそんなつもり無いんだろう。ただ純粋に疑問に思っただけだ。
だけど私はしょっぱい気分になってしまって、それが表情に現れていたみたい。慎悟がその顔を見て眉をひそめていたもの。慎悟は私を庇うように抱き寄せると、ニッコリと微笑んだ。その笑顔に瀬戸さんは見惚れているようにも思えた。
「どうも、僕の婚約者を案内していただいたようで……もう結構です、お仕事にお戻りください」
慎悟は笑っている。
笑っているんだけど、私には威嚇しているように見えた。普段面白いことがなきゃ笑えないと言っている奴が笑うとなにかありそうで怖いよ。
「こ、婚約者…?」
「あれー? エリカちゃん珍しいね、お父さんの会社見学に来たの?」
瀬戸さんの言葉を遮るように、空気を読まない加納父がのほほんと問いかけてきた。商談相手との挨拶を終えた彼はホクホクした顔をしている。商談がうまくいったから嬉しかったのかな。加納家の会社では取締役自ら商談に行くのか。色々忙しいだろうに働き者だなおじさんは。
一瞬走った緊張が和らいだ気がするよ、ありがとう加納父。
「そうなんですよ。こんにちはおじさま」
「はい、こんにちは。せっかく会えたから、食事にいこうよ。おじさん大学での慎悟の話聞きたいなぁ」
「父さん…」
相変わらず息子大好きだなこの人。見ていて面白いけど、慎悟が恥ずかしそうにしている。恥ずかしそうにしている慎悟も可愛いから別にいいけども。
「あ、あの…加納様…こちらのお嬢さんは…」
「え? ご存知ないんですか? 政文さん…こちらの社長のお嬢さんですよ。二階堂エリカ嬢です」
「は…」
加納父の商談相手は私を見て、加納父を見て、もう一度私を見た。それと同時に背後の海外事業部の面々に緊張が走った気がした。「抜き打ち訪問!?」「何も聞いてないぞ!」と慌てている声が聞こえる。
「お嬢様とは知らずに、何のお構いもいたしませんで…! 申し訳ございません!」
この中でも偉い立場であろうおじさんにめちゃくちゃ頭を下げられた。こうなると思ったから伝えなかったんだけど…。
…一気に腰が低くなる社員らに私まで恐縮してしまう。
「偉いのはパパとママ…両親であって私ではないので、お気になさらないでください。お仕事頑張ってくださいね。お邪魔しました」
これ以上の長居は無用だな。お嬢様モードになって挨拶をすると、部署を出ていった。
「あれ、もしかしてお忍びだった?」
「まぁ…私がそれを望んだのもありますけど、父からスパイ行為を任されていたのもあります」
「あー邪魔しちゃってごめんね?」
加納父が肩をすくめて謝ってくるけど、むしろ私はお礼を言いたい。しつこい男に言い寄られて困っていたので、どうやって逃げようか考えていたところだ。今日商談に来てくれて本当にありがとう。
加納父から、パパにお食事のお誘いついでに商談の結果を話してくるから会社ビル一階のカフェで待っててと言われたので、店内に入って慎悟と一緒に席につく。目の前にコーヒーが運ばれてくると、先程から無言だった慎悟が口を開いた。
「…あの部屋であの男と何していたんだ?」
「逆玉の輿志願者から言い寄られてた」
正直に話すと怖い顔された。
やめてよ、私は被害者なんだからね。
「…そんな怖い顔するなよぅ。私の婚約者は慎悟でしょ?」
テーブルの上に置かれた慎悟の手を取ってギュッギュと握る。さっき握られて気持ち悪かったから上書きしとかなきゃ。
全くもう嫉妬焼きめ。慎悟の左手を持ち上げてその薬指に光る婚約指輪にキスをすると、私は上目遣いで彼を見た。
「……それ、男がするやつじゃないか?」
「いいじゃないの。私がしたかったんだから」
慎悟は気恥ずかしそうに目をそらしていた。
良かった、少し機嫌が治ったみたいだ。
私がその指輪を贈ったんだぞ? まさか私の覚悟がブレるとでも思ったのな?
「…何もされてないよな?」
その問いかけに私はつい真顔になってしまった。何もされてないかと言われたら嘘になってしまうからだ。
私の反応を見た慎悟は、私を疑いの眼差しで見つめ返してきたのであった。
やめろ、そんな目で私を見るんじゃない。
『いい機会だから抜き打ちだ。気になったことがあったら教えてね』と事前にパパから頼まれてたけど、たくさんありすぎた。どこから報告したらいいのやら…
別の意味で気疲れしちゃったよ、社会勉強どころじゃなかったわ。
お嬢様って本当に大変だ。
プレゼン映像や説明はとても上手だった。これわざわざ作ったのだろうか…大学生がインターンに来たとか、就職説明会で見せられるならわかるけどさ、私ただ単純に見学しに来ただけなんですが…
パパの会社は飲食店関係だ。ここの本社では、店舗に送る食材類を手配したり、新しいメニューを提案したり、店舗の従業員の管理をしたり…とにかく色々している。そんでもって海外事業部は名前の通り、海外に展開予定のビジネスを扱う場所だ。
瀬戸さんは日本語以外に英語と中国語を話せるそうだ。英語すら話せない私へのあてつけだろうかと思った私は少々ひねくれているだろうか。
慎悟なんていつ使うのかわからないタガログ語に夢中だよ。この間のデートではタガログ語の音楽流している東南アジアンチックなお店に連れて行かれたばかりだ。
そういえば慎悟は何カ国語話せるんだろう…英語は間違いなく話せるでしょ、中国語もできると言っていた。下手したら他にも……考え事してボケーッとしながらノートパソコンのタッチパッドを指でポンポンと押して、次の画面次の画面と進めていると、その手を上から握ってくる男の手。
──ゾワッと一気に全身の毛穴が開いた。
「…やめてもらえます?」
「本当に嫌?」
「嫌ですけど」
何だこの人。
変だな変だなと思っていたけど本当に変な人じゃないか。仕事できるらしいけど、変人もいいところである。
上杉と同じタイプかな。サイコパスって良心ってものが薄いらしいけど、その代わり冷酷に仕事をこなせるから仕事はうまくいくっていうあれ…
「…逆玉狙いなら無駄なのでやめておいたほうがいいですよ」
「そんな心外だなぁ。一目惚れと言ったら信じてくれる?」
「ハハッ…女子大生だからって馬鹿にしてません? 私だって恋愛の1つや2つしてるんでそういう甘言くらいはすぐに見抜けますよ」
少女漫画原作の映画みたいなセリフ吐かないでくれないかな。私にはコントにしか思えないよ。ときめけって言う方が無理です。
これ以上の案内はもういい。
私は少々乱暴にその手を振り払うと、席を立ち、個室の扉に向かった。扉を開けようとドアノブに手をのばすと、後ろからトン…と手を付かれ、背後から壁ドンならぬドアドンをされた。
それには私も悪寒でブルッと震え上がった。
「逃さないって言ったらどうします?」
「パパ…父に言いつけます」
「まいったな、見た目と違って随分気の強いお嬢さんだ」
親の威を借るみたいだからこんなこと言いたくないけど、あんまりお嬢様舐めんなよ。ちんけな口説き文句で心揺れるとでも思ってんのか。
自分の発言行動1つで首が飛ぶかもしれんのだぞ。それでもいいのか?
キッと睨んでやると、瀬戸さんはずいっと顔を近づけてきた。
「だけど気の強い女は好きですよ」
「……選ばせてあげましょうか。頭突きと腹パンとお股キック…どれがイイですか?」
私はお嬢様スマイルを浮かべて最後通告をした。瀬戸さんは肩をすくめて降参ポーズを取ると、ようやく私から離れたので、その隙に扉を開けて外に出た。
「諦めませんよ、お嬢様」
ほざいてろ。脳筋舐めんな。
扉を開けた先は海外事業部の人たちが慌ただしくお仕事をしていた。──それに混じって、商談スペースらしき部屋からでてきた男性とバッティングした。その相手と目が合うと、彼の口がゆっくり動いた。
「──え」
「慎悟! どうしたの? お仕事の付添い?」
まさかこんなところで遭遇するとは。
えぇ、パパの会社に来るなら言ってくれたらいいのに! 私はここで会えたことが嬉しくて慎悟に飛びついた。瀬戸さんの気持ち悪いアピールの後だったので、ますます慎悟の存在に清涼感があるよ。
「父さんの商談の見学に来ていたんだ。社会勉強になるから…あんたがここにいるのは珍しいな」
「私も社会勉強! 会社内を見学させてもらっていたの」
スーツ姿の慎悟は何処からどう見ても全方位美青年だった。部署内にいた女性だけでなく男性の視線すら奪うファビュラス慎悟。君の美しさは罪である。
「スーツ姿カッコいいね! 私もスーツ着てきたら良かったな」
「…後ろの彼は?」
「あぁ…案内してくれた人…」
癒やしの存在に会えたと思ったのに、慎悟が現実に突き落とす。いや、彼はそんなつもり無いんだろう。ただ純粋に疑問に思っただけだ。
だけど私はしょっぱい気分になってしまって、それが表情に現れていたみたい。慎悟がその顔を見て眉をひそめていたもの。慎悟は私を庇うように抱き寄せると、ニッコリと微笑んだ。その笑顔に瀬戸さんは見惚れているようにも思えた。
「どうも、僕の婚約者を案内していただいたようで……もう結構です、お仕事にお戻りください」
慎悟は笑っている。
笑っているんだけど、私には威嚇しているように見えた。普段面白いことがなきゃ笑えないと言っている奴が笑うとなにかありそうで怖いよ。
「こ、婚約者…?」
「あれー? エリカちゃん珍しいね、お父さんの会社見学に来たの?」
瀬戸さんの言葉を遮るように、空気を読まない加納父がのほほんと問いかけてきた。商談相手との挨拶を終えた彼はホクホクした顔をしている。商談がうまくいったから嬉しかったのかな。加納家の会社では取締役自ら商談に行くのか。色々忙しいだろうに働き者だなおじさんは。
一瞬走った緊張が和らいだ気がするよ、ありがとう加納父。
「そうなんですよ。こんにちはおじさま」
「はい、こんにちは。せっかく会えたから、食事にいこうよ。おじさん大学での慎悟の話聞きたいなぁ」
「父さん…」
相変わらず息子大好きだなこの人。見ていて面白いけど、慎悟が恥ずかしそうにしている。恥ずかしそうにしている慎悟も可愛いから別にいいけども。
「あ、あの…加納様…こちらのお嬢さんは…」
「え? ご存知ないんですか? 政文さん…こちらの社長のお嬢さんですよ。二階堂エリカ嬢です」
「は…」
加納父の商談相手は私を見て、加納父を見て、もう一度私を見た。それと同時に背後の海外事業部の面々に緊張が走った気がした。「抜き打ち訪問!?」「何も聞いてないぞ!」と慌てている声が聞こえる。
「お嬢様とは知らずに、何のお構いもいたしませんで…! 申し訳ございません!」
この中でも偉い立場であろうおじさんにめちゃくちゃ頭を下げられた。こうなると思ったから伝えなかったんだけど…。
…一気に腰が低くなる社員らに私まで恐縮してしまう。
「偉いのはパパとママ…両親であって私ではないので、お気になさらないでください。お仕事頑張ってくださいね。お邪魔しました」
これ以上の長居は無用だな。お嬢様モードになって挨拶をすると、部署を出ていった。
「あれ、もしかしてお忍びだった?」
「まぁ…私がそれを望んだのもありますけど、父からスパイ行為を任されていたのもあります」
「あー邪魔しちゃってごめんね?」
加納父が肩をすくめて謝ってくるけど、むしろ私はお礼を言いたい。しつこい男に言い寄られて困っていたので、どうやって逃げようか考えていたところだ。今日商談に来てくれて本当にありがとう。
加納父から、パパにお食事のお誘いついでに商談の結果を話してくるから会社ビル一階のカフェで待っててと言われたので、店内に入って慎悟と一緒に席につく。目の前にコーヒーが運ばれてくると、先程から無言だった慎悟が口を開いた。
「…あの部屋であの男と何していたんだ?」
「逆玉の輿志願者から言い寄られてた」
正直に話すと怖い顔された。
やめてよ、私は被害者なんだからね。
「…そんな怖い顔するなよぅ。私の婚約者は慎悟でしょ?」
テーブルの上に置かれた慎悟の手を取ってギュッギュと握る。さっき握られて気持ち悪かったから上書きしとかなきゃ。
全くもう嫉妬焼きめ。慎悟の左手を持ち上げてその薬指に光る婚約指輪にキスをすると、私は上目遣いで彼を見た。
「……それ、男がするやつじゃないか?」
「いいじゃないの。私がしたかったんだから」
慎悟は気恥ずかしそうに目をそらしていた。
良かった、少し機嫌が治ったみたいだ。
私がその指輪を贈ったんだぞ? まさか私の覚悟がブレるとでも思ったのな?
「…何もされてないよな?」
その問いかけに私はつい真顔になってしまった。何もされてないかと言われたら嘘になってしまうからだ。
私の反応を見た慎悟は、私を疑いの眼差しで見つめ返してきたのであった。
やめろ、そんな目で私を見るんじゃない。
『いい機会だから抜き打ちだ。気になったことがあったら教えてね』と事前にパパから頼まれてたけど、たくさんありすぎた。どこから報告したらいいのやら…
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