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番外編・大学生活編

夜這い(※R18)

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「じゃーなー。俺は慎悟と楽しく夜を明かすよ」
「くっ…慎悟の浮気者!」
「おい」

 三浦君が意地悪なことを言うので、私は負け惜しみを吐き捨てて部屋の扉を締めた。慎悟が私を呼び止めようとしたが、名残惜しくなりそうなので、聞こえないふりをしておく。
 いいもんね、この豪華なお部屋独り占めにしちゃうもんね。

 それはそうと今日は遊びまくったなぁ。
 部活もしているし、運動自体は毎日しているのだけど、普段はやらないテニスやプールでの遊びで疲労が溜まっている。今日はお風呂に入ったらさっさと寝ることにするか。
 お風呂から上がって、プールやテニスで焼けてしまった髪や肌をしっかりケアした後、私は早々とベッドに潜り込んだ。オヤスミ3秒もいいところである。深い深い夢の世界へと旅立っていった……



 ──コツンコツン
 何かを叩く音がした。
 最初は、外の木々が窓ガラスに当たっている音かなと思った。

 ──コツンコツン
 だけどその音は再度鳴った。私は夢うつつから醒めて、ボーッとした頭のまま天井を見上げた。

 ──コツンコツン
 ……まさか、この別荘にはおばけが出る…?
 なんて憑依霊である私が怖がってどうすんだ。
 
 のっそりとベッドから起き上がって気づいた。
 音の正体はドアだ。…何者かがこの部屋の扉をノックし続けている。

「…どなたですか…?」

 自分の部屋なら躊躇いなく開けたけど、ここは人様の別荘だ。用心して中から問いかけると、外から応答があった。

「笑さん、入ってもいいか?」

 真夜中の訪問者は慎悟であった。
 私が部屋の鍵を開けて扉を開けると、そこにはパジャマ姿の慎悟がいた。はて、どうしたのだろう。三浦君と喧嘩でもしたのか?

「別にいいけど…どうしたの、追い出されたの?」
「…寝てたんだろ、遅くにごめん」

 寝ぼけ眼の私の目元を撫でてくる指がくすぐったくて目を細めた。…もしかして眠れないのか。心細くて私の部屋に来たというわけだな?
 私は慎悟を部屋に招き入れると、彼の手を引いた。ベッドに乗り上がって「ほら、おいで」と声をかける。慎悟がベッドに乗ると、ギシッと重みで軋む音が響いた。真夜中だからかその音がやけに大きく聞こえた。
 慎悟が私の上に乗り上がって来たので、彼の身体を押し返して横に寝かしつける。

「笑さん……?」
「よーいしょ」

 布団を持ち上げると、自分と慎悟の身体に掛けた。この中冷房効いているからちゃんと布団かけなきゃね。私の隣に寝転がっている慎悟は「えっ」と間抜けな声を漏らしていたが、私は気にせず彼のお腹をポンポンなでて寝ぼけた声で囁いた。

「うーん…おやすみー」

 枕に頭を付けた私はすぐに眠りについた。
 運動して笑って楽しんだその日の眠りは心地よく、私は幸せな気分で眠れた。

「…嘘だろ?」

 慎悟の絶望にも似たそんな呟きなど聞こえるはずもなく、私はすやすや快眠したのである。


■□■


 ──コンコン
「ん…む」
「おーい、そっちに慎悟来てるー?」

 ノックの音と三浦君の声で私は目が覚めた。外はすっかり朝になっていて、カーテンから光が漏れている。

「慎悟…?」

 何を言っているんだ。昨日の試合で負けたから、慎悟は三浦君と同じ部屋で休んでいるはず……寝ぼけ眼で天井を見上げていた私は、隣に人の気配がしたので、首を動かして横を見た。

「うおっ!」

 隣には慎悟がいた。ボーッとした顔でこちらを凝視している。
 …そういえば……深夜にここへ訪れたんだったな。

「三浦、食事は先に済ませておいてくれ」
「…あーやっぱり? はいはいりょーかい」

 慎悟は大きい声を出して外にいる三浦君に指示していた。…三浦君よ、なにがやっぱりなのか。何を了解したというのだ。
 ドアの前にいたと思われる三浦君の声が聞こえなくなると、隣にいた慎悟が動いてベッドがギシリときしんだ。

「おはよ…?」

 何やら機嫌の悪い慎悟君。私はご機嫌を伺うために挨拶をした。

「ベッドに誘われたと思ったら添い寝みたいに寝かされて、隣で爆睡された俺の気持ちはわからないだろう」
「え?」

 私の身体をまたいで乗り上がった慎悟の目はマジだった。私の寝間着のボタンに手をかけてプチプチと外していく。
 あぁ…そういう気分なんですかね…?

「えっ…朝っぱらから…? ここ、三浦君のお家の別荘…」
「うるさい」

 それは慎悟にとっては些末なことらしく、私は服をすべて脱がされ丸裸にされると、これ以上文句を言うなとばかりにキスで口を塞がれた。

「ん…んん…」

 口内を犯す舌を受け入れるのに夢中になっている間も、慎悟の手は身体を弄ってきた。慎悟の唇が首筋から鎖骨、胸元へと下りていく。
 慎悟の熱い肌と、昨日陽に焼けてひりつく肌が重なり合うと小さく痛みが走った。痛いはずなのに、身体は敏感になって、気持ちいいに変換される。

「あぁぁ…んっ!」

 慎悟は私の感じるところを集中的に攻めてくる。そこには私が手出しする隙もない。一方的に与えられる快感に私は溺れていた。首筋に噛みつき、鋭敏になった尖りを指でぐにぐにと押しつぶされると、私は鼻にかかった声を漏らしてしまう。
 彼の熱い手が足の付根に到着すると、秘裂をなぞるように動かされた。その指を待ち焦がれていた身体はピクッと震える。指を濡らすと、慎ましやかに主張している秘芯を撫でられた。

「あ…しんご、」

 いつの間にか足を大きく広げて彼に秘部を見せびらかしていた。身体が勝手に動いていたとも言う。慎悟はそんなはしたない私を窘めることなく、そこに顔を埋めた。
 慎悟の舌と擦れ合う。指とは違う感覚に私は震える。ぴちゃぴちゃと淫靡な音が耳に刺さり、私は恥ずかしくなった。
 
「ん、あぁ…」

 カーテンの隙間から太陽の光が差し込み、顔に光が当たった。朝っぱらからこんなことをして私はなんてはしたないお嬢様なんだろう。
 時折理性で冷静なことを考えてしまうのだが、ビビッと電気で痺れるように下りてくる甘い快感で私の頭は本能で一杯になる。指や舌の愛撫もいいけど、慎悟が欲しくて仕方がなかった。

 長く感じた前戯が終わり、私は慎悟に抱き起こされてベッドの上に四つん這いにさせられて、尻を鷲掴みにされた。大きく広げられてそこを観察されているみたいで恥ずかしい。

「あっ、あ、慎悟ぉ、だめ、そんな」

 グズグズに溶けた秘部に指が差し込まれるとグリグリと動かされた。その刺激で身体が震え、私は尻を突き出す姿勢をとってしまった。
 ふぅふぅと熱い吐息を漏らす。理性では朝っぱらからこんなはしたない行為は駄目だってわかっているのに、身体は更に先を求めている。たらりと蜜が秘部から流れていくのを感じた。

 その直後、ペチペーンと尻を叩かれる。

「ひゃん!?」

 いきなりおしりペンペンされた私は悲鳴を上げてしまった。
 私が動揺している間に熱い切っ先が体内に侵入してきた。慎悟がナカへと入っていく感覚に私は身悶える。火傷しそうな彼の分身がカラダを侵していく感覚に私はか細い声を漏らす。

「あ、あっ…!」

 私は背をのけぞらせた。彼はナカをかき混ぜるかのように好き勝手に暴れる。だけどそれは決して乱暴ではなく、私の反応を確認しながらの行為。私は口から漏れる喘ぎ声を抑えることなく、鳴いた。

 ──ペチーン!
 …たまに思い出したかのようにお尻を叩いてくるのはやめてくれないか。
 
「あ、あぁ! 慎悟、お尻、叩いちゃイヤ…!」
「…散々扇情的な格好で煽ってきた笑さんが悪い」

 興奮しているのは私だけじゃない。
 耳元で私への恨み言を吐き捨てた慎悟は息も荒く、余裕がないみたいだ。
 それよりも煽ったって何だ!? 扇情的な格好って…何のことだ!!

「こっちの気も知らないで薄着でくっついてきて…!」
「ひん!」
「はしたない格好で尻を突き出して…少しは危機感を持て!」

 ペシーンとひと叩き。
 悪い子にはおしりペンペンってか! やめてよ、なにその変態プレイ!!
 さっきまで優しかった前戯は一体何だったの!?

「そんな! 私は何もしてないでしょ!? お尻叩かないでってば!」
「感じているくせに。ほら、また締め付けがきつくなった」
「やぁっ」

 ペチーンとまたお尻を叩かれる。その都度繋がっている部分がきゅっと締まるのが私にもわかった。
 尻をめちゃくちゃ揉みしだかれて、じんじんしてきた。それに感じてしまっている自分がいる。私にはこんなアブノーマルな性癖はないのに…
 私にはスパンキングの趣味はないんだぞ、やめてくれ。私に新たな性癖の目覚めをさせるんじゃない!

「あっ、あぁ、あうっ!」

 人様の別荘だという理性があった私はいつの間にか本能だけの生き物に変わってしまい、夢中で慎悟と身体を重ねていた。お互いの身体が熱を発し、汗を滲ませ、息を乱しながらも、お互いしか見えないとばかりに獣へと変化した。

「…っ!」

 慎悟の身体が震え、皮膜越しに吐精したが、一度体に火をつけられた私はまだ足りない。熱く熟れた秘部から慎悟が出ていくと、私は寂しくて切ない気持ちに襲われた。
 ごろんと仰向けになって両腕を広げると、んっと唇を突き出した。

「…もっと」

 私の望みが何なのか気づいた慎悟は、ゆっくり覆いかぶさってきた。慎悟の綺麗にかたどられた唇に舌を這わせると、赤く色づいたそれに噛み付いたのである。
 


 慎悟は始めから夜這いのつもりでお部屋に忍び込んできたのに、受け入れたと思われた私に爆睡されて愕然としたようだ。それならそうと言ってくれなきゃ…私は添い寝してほしくて来たのだと思っていたよ。
 睡眠不足&行為後の疲れですやすやタイムに陥った慎悟を部屋に残すと、食堂にやって来た。お腹がすいた。時刻はお昼前だ。待ってたらお昼ごはんが出てくるであろうか……

 私が腰を擦りながら食堂に顔を出すと、そこには三浦君がコーヒー片手に難しそうな本を読みながらくつろいでいた。
 彼は私が入ってきたのを見ると、半笑いを浮かべていた。

「遅いおはようで」

 その意味ありげな視線と発言に、私は顔が熱くなった。
 いや、私と慎悟は婚約者だし、恋人でもあるから別に悪いことをしていたわけじゃないけど、ここが三浦君の家の別荘で、そんでもって三浦君もいる建物内ってことでものすごく恥ずかしくなってきたのだ。

「慎悟が悪いの! 私は悪くない!」
「はいはい。朝から仲良くて、良かったね」

 何もかもわかってますよと言わんばかりのその目が嫌だ!!

 慎悟のあんぽんたん! あいつは友達にそういう事気取られて恥ずかしくないのか!
 しかもお尻何回も叩きやがって…! 今度は私が叩いてやる。覚悟しておけよ!

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