お嬢様なんて柄じゃない

スズキアカネ

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さようなら、エリカちゃん。ごきげんよう、新しい人生。

枕にしてゴメンね。悪気はなかったの。

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「……さん」

 私は誰かに呼ばれていた。肩を揺すられ、深い眠りの淵から浮上した。

「…笑さん、映画終わったぞ」

 慎悟の声で目覚めると、視界に黒い座席の背面と、劇場のカーペットが映った。辺りは照明がつけられて明るくなっており、それで自分が映画館にいたことを思い出した。

「…足が痺れるから、いい加減起きてくれないか?」
「……はっ!?」

 私は自分が枕にしているのが慎悟の膝だと知ると慌てて飛び起きた。やばい、私よだれ垂れていないかな!?

「ごめん! 悪気はなかったの! シートにもたれて寝てたつもりが」
「いや、寝ると宣言されていたのをまともに受け取らなかった俺にも非があるから…」

 慎悟はゆっくりと席から立ち上がると、太ももを手で擦っていた。長時間枕にさせていたんだ。さぞかし重かっただろう。

「お詫びに揉んでほぐしてあげようか!?」
「やめてくれ」

 両手を構えて慎悟の太ももを揉みほぐそうとしたら避けられてしまった。何故避ける!?
 私は自分で自分が情けなかった。何故慎悟の太ももに飛び込んだのか。シートにもたれかかって力尽きたはずなのに、何故…!
 私が頭を抱えて唸っていると、頭上でため息が聞こえてきた。 

「…映画の内容が全く頭に入ってこなかった…」
「だからごめんってば!」

 慎悟に迷惑料として全額返金を提案したけど、やんわりお断りされてしまった。
 いつまでも劇場にいても仕方がない。劇場内に残っていたのは私達だけで、清掃スタッフが出ていって欲しそうな顔をしてこちらを見ていたので、そそくさと劇場を後にした。
 映画館から出ると、もう一度疲れた様子で深い溜め息を吐いた慎悟からとある事を言われた。

「…とりあえずあんたは誰かに誘われても映画には絶対に行くなよ」
「まるで信用されてないな私」

 これが普通の座席なら一緒に来た人に迷惑をかけることはないんだよ。仕切りがあるし、最近の映画館の座席すごく寝心地いいもん。
 そう説明したけど、慎悟の胡乱げな瞳は私を信用していないことを物語っていた。
 凹む、凹むぞそれは…ちょっと位私を信じてくれ。私あんたより年上なんだよ…だけど迷惑を掛けた手前そんな事を言えるはずもなく…

「…そうだ! 甘いもの! 甘いもの食べに行こう!」

 名誉挽回をしようと思って、慎悟の好きな甘いものを食べに行くことに決めた。この辺りなら探せばお店が見つかるはずである。私は持っていたカバンからスマホを取り出して周辺のお店を検索する。

「慎悟、この近くの百貨店にショコラ専門店があるって! ここ行こ! カフェ部門があるからそこでお茶しよう!」

 慎悟の返事は聞いていないけど、チョコレートが好きなのはお見通しなので、彼を引っ張って先を行く。
 現在15時過ぎだ。席が空いているかが不明だけど、行ってみないことにはわからない。慎悟から応答がないから、異論はないとみなした。

 信号待ちをしている間、私は辺りをキョロキョロ見渡した。大通りの向こう側には百貨店があり、建物の壁にはイベントの告知がデカデカとなされていた。
 隣市出身の私はこの辺の地理にあまり詳しくない。学校の近辺と家の周辺の事は知っているけど、この街は今まで来たことがないのでよく知らないのだ。真新しいものがあるわけじゃないけど、見ていて面白く感じる。
 庶民の感覚が抜けない私にとって百貨店ってどうにもハードルを感じる。二階堂家御用達の百貨店があるんだけど、何度か外商の社員さんが訪問してきて、季節ものの品を勧められたことがある。
 しかし、私の好みには合わず何も買わなかった。……お仕事とはいえ、わざわざ家まで来てくれたのに申し訳なかったな…なんて…。だって好みでもない、使う予定のないものを二階堂夫妻が稼いだお金で買ってもらうのもねぇ。

「…ねぇ見てあそこのカップル。…美男美女」
「ホントだ~…手繋いで仲良しだね」

 行き先である百貨店をまじまじと観察していると、斜め後ろから女性たちのそんな会話が聞こえてきた。
 なになに? 美男美女カップル? どこどこ?

 私もお目にかかろうと噂の美男美女カップルを探していたが、それらしき人物は見つからない。どこだろうと首を動かしていたら、噂をしていたであろう女性2人組とバッチリ目が合って「うわヤッバ、お人形さんみたい…」と呟かれた。…そこでようやく自分たちのことを言っているのだと理解した。
 …そうか、私と慎悟は並んでいるとカップルに見えるのか……ていうかここではエリカちゃんと慎悟がってなるんだろうな…生前の私と慎悟だとどう見えるんだろう…男友達か? いや化粧してお洒落したらもしかしたら……どうだろう……

 どうでもいい事を考えていた私ははたと気がついた。
 …ずっと右手で握っていた、手の感触に。

「うわっごめん! 手ぇ握りっぱなしだった」

 まーた私って奴はナチュラルにセクハラして…! 慎悟も言ってくれよ! 無意識に握りっぱなしにしていたじゃないか!
 シュバッと手を離して謝罪すると、慎悟は私を見下ろして、無言で私の手を掴み直した。

「えっ…!?」
「…信号変わったから行くぞ。笑さん」

 慎悟に手を引かれて、私は小走りでついていく形になった。さっきとは逆である。
 
「慎悟、私はセクハラをするつもりじゃなくてね」
「…相手が嫌だと思ったらセクハラなんだ。俺は嫌じゃないから全然…むしろ大歓迎だ」

 わざとではないことを慌てて弁解していたが、絶対に離さないとばかりに繋いだ手を強く握られた。
 真顔で何を言っとるんだ君は! そんなセクハラ大歓迎だなんて…

「もっと自分の身体を大切にしなさい!」
「…それ男に言うセリフじゃないからな」

 男も女もあるか! 大事にしなさいったら大事にしなさい!

 信号を渡りきった場所にある百貨店。その一角にあるショコラ専門店に入ると多くの人で席が埋まっていたが、運良く2人席が空いた。
 席に着くなり私は慎悟にメニュー表を見せて「何でも奢るから好きなの頼んで!」と声を掛けた。  
 私はホットチョコレートを頼んだ。
 コーヒーとチョコレートアソートセットを頼んで、チョコレートを摘んでいる慎悟の表情は変わらないけど、多分チョコレートの美味しさに手が止まらないのだと推察する。

「おいしい?」
「…食べるか?」
「んーん。私はこれでお腹いっぱいだから大丈夫。…美味しいなら良かったよ」

 私のニコニコ顔に落ち着かないのか、慎悟はそっと目をそらしていた。
 …頬が赤いのが隠せていないぞ? カレー屋でのお返しだ。

 このお店に入って気づいたんだけど、まだ1月なのに世間ではもうバレンタインの雰囲気なのね。お店のショーケースにはバレンタイン専用のギフトも並んでいた。
 バレンタインといえば…去年はそんなにもらえなかったなぁ。笑の時は身長が高かったからか、男顔だったからかは知らないけど、沢山チョコレートを貰ってたんだよね。同じく依里も沢山貰っていたし。
 そして去年はぴかりんや瑞沢嬢から友チョコ、二宮さんからおすそ分け、幹さんから駄菓子と…上杉から押し付けられたヘアオイル……
 例のヘアオイルは部屋のクローゼットの中に封印している。捨てるのもあれだし、化粧台の上に置いておくのもあれだし、二階堂ママには要らないって言われちゃったんだ。…あれ本当にどうしよう。フリマアプリで売るか? 売れるかな?
 …なんだか微妙な気分になってきたので考えるのはよそう。

「パパママにお土産買って帰ろうかな。慎悟、おみや代も私が持つから、お父さんとお母さんになにか買っていきなよ」
「…だから奢らなくていいって」

 往生際の悪い。まだ諦めていないのか。私が出すったら出すんだよ! 名誉挽回のためにここに連れてきたのに、奢られてしまったら全て水の泡じゃないか!

「これは決定事項です。慎悟君の言うことは聞いてあげません。私の年上の面子を保つ為です」
「…今は同じ学年だろ」

 眉間にシワを寄せてこっちを軽く睨んでくるけど全然怖くないもんね。
 これはお詫びなの。枕にしてしまったお詫びなんだ。黙って奢られていろ。

「それがいいの? じゃあそれね。すみませ~んお会計を…」

 お茶を終えた後に店内でお土産を見ていると、慎悟がショーケース内の箱に入ったチョレートの詰め合わせを真剣に魅入っていた。わかりやすいな~。甘い物の中でもチョコレートが好きなんだろうな。おせち料理の甘いものよりも食いつきがいいもん。
 でもそれお土産だよ? ちゃんと渡すんだよ? こっそり食べちゃダメだよ?

「すみませんこれで」
「させない!」

 お会計の場で何の躊躇いもなく万札を出そうとした慎悟の手を叩き落とし、私はお小遣いで与えられたお金でふたり分の飲食代とお土産代をまとめて支払った。
 私は達成感に満ちていた。奢ってやったぞという満足感に浸っていた。二階堂パパママが稼いだお金でだけど。
 お店の人にお土産を紙袋に入れて手渡されたので、慎悟の分を差し出すと慎悟はうなだれていた。
 ほら、チョコレートだよ? 喜びなよ。

「いいじゃん、お互い親のお金なんだからそんな格好つけなくても。親に感謝しようよ」
「…あそこまで拒否せずとも…」
「え、なに傷ついちゃったの?」

 あんたそんな繊細な子じゃないでしょ? もっと神経図太いはずなのに……

「私はカレーごちそうになったでしょ! お互い様だよ」
「…金額が倍以上違うじゃないか…」
「細かいことは気にしなくていいんだよ」
「気にするに決まっているだろ」

 金額の差に落ち込んでいるらしい。確かにこっちのほうが額は大きいけどさ、そこまで凹むことかなぁ?
 西園寺さんはニコニコで割り勘を承諾してくれていたし、ユキ兄ちゃんや渉ともいつも割り勘だったし…奢られたら奢り返す、そういうものと思っていたんだけどダメだったのかな。
 慎悟があまりにも凹んでいるので、私は打開策を提示した。

「じゃあまた今度遊びに行った時、ご飯奢ってよ。それでいいじゃない」
「……次?」

 凹んでいた慎悟は顔を上げて、目を丸くしていた。反応早いな。そんなに奢りたかったのかあんたは。

「次は慎悟が食べたいものでいいよ。ねっ約束ね」

 その時は大人しく奢られよう。それなら平等でしょ? 私は慎悟に一方的な約束を投げかけて話を無理やり終わらせた。
 ふっと彼から視線を離すと、薄暗くなってきた辺りを見渡した。まだ17時台だけど、明日は学校だ。そろそろ解散にしたほうがいいかな。

「少し薄暗くなってきたね、そろそろ帰ろっか」
「…車呼んでるから、家まで送る」
「えー…電車で帰る気満々だったのに…」

 いつの間に車を呼んだんだよ。もー、つまんないの。電車で待ち合わせの場所まで帰り着くまでがお出かけプランだったのに。
 私がふてくされ顔で不満を訴えていると、慎悟が手を握ってきた。まるで壊れ物に触れるように手を掴んできたのだ。思い返してみれば私達今日、手を繋いでいる回数が多い気がするよ。
 まだ少年っぽさの残る慎悟だが、手はもう骨張った男性の手をしている。その手に掴まれた豆だらけの手はきっと握り心地が悪いことだろう。私はこの手を努力の証であると誇りに思っているが…慎悟はどう感じているだろう?
 
「…ちょっと…セクハラじゃないの?」
「…嫌か?」

 私の問いに対して更に質問してきた慎悟。そんな問い方、ズルいよ。
 …別に嫌じゃないけど……

「…恥ずかしいんだよ」

 胸が締め付けられると言うか、心臓がドコドコすると言うか…とにかく苦しい。
 意識し始めたら顔が熱くなってきた。もう何だこれ。慎悟が関わってくるといつも熱が上がったみたいになるんだけど。
  
「…なら離さない」

 いつも私のこと小馬鹿にした目で見てくるくせに、こういう時は男みたいな目するんだね。
 …年下のくせに生意気だ。

 だけどその手を振り払えない私もどうかしてしまっているのかな。

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