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公妃になるなんて無茶難題過ぎます。
突然の襲撃にはスリングショットで迎え撃ちますわ!
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現在お借りしている畑は持ち主死亡により放置されていた。ぼうぼうに荒れ果てた畑を整えて栽培し始めたのはいいが、近くの里山から害獣と呼ばれる動物が畑の一部を荒らしているようで被害が出始めた。その対策としてトラバサミ罠を仕掛けているけど、今朝は変なものが引っかかっていた。
「……これは…」
「人の靴、ですね」
何かが罠に引っかかったぞ! と勇み足で駆け寄ったはいいけど、罠には何も引っかかっていなかった。そこにあったのは血の跡と人の靴。
一応人間が引っかからないように畑入り口に「罠仕掛け中」ってベニヤ板に書いて掲示してるんだけどな。どっかのケチ臭い人が食費を浮かそうと畑で窃盗しようとしたのだろうか。
ちぇー久々に猪が食べられるぞーと思っていたのになぁ。私はがっかりしながら罠を再設置した。引っかかっていた靴は畑の出入り口に「落とし物」として放置しておいた。犯人が気づけば持っていくだろう。
「さて、畑仕事と行きますか!」
エーゲシュトランドにきて初めての冬がやってきたが、以前住んでいたのスラムとは全然違った。寒いのは寒いんだけど、なんとかみんな雨風しのげる家で眠れているし、エーゲシュトランドは国土に恵まれて食料自給率がそこそこ高いので食料に困ることもない。
旧サザランドと比べるのもおこがましいが、この国で凍死するってことは滅多にないんじゃないだろうか。凍死した人を目撃することもない、空腹にあえぐ人も居ない。それだけで十分幸せだ。
今は私の息抜き兼趣味となりつつ畑であるが、生産する喜びは変わりない。収穫できたお野菜を見て私はニンマリ笑う。形は不揃いだけど食べる分には問題ない。
「リゼット様、この収穫したお野菜はいかがなさいますか?」
「お城で食べるもの以外は城下町に販売しに行く!」
「…そのことをヴィクトル様は」
「大丈夫! 許してくれるはず!」
今日は作業着のままいくし、変なナンパ野郎もないはずだ。新鮮なうちにお野菜を届けたいので、護衛さんを急かして城下町に向けて荷車を動かした。
ぶっちゃけ、城に滞在しているあの令嬢のせいで私はストレスが溜まってるのだ。お城に帰れば嫌でもあの顔を見なきゃいけなくなるし……口で言っても帰ってくれないので、ヴィックが令嬢の父親宛に娘を引き取ってくれと手紙を出したしたそうだけど、令嬢の国まで海を隔てているのですぐには迎えに来ないだろうし…。
とにかく今はあの令嬢と顔を合わせたくないから城に帰りたくない。たまにはこんなワガママもいいだろう。だって嫌なんだもん。
私が真っ直ぐ帰る気がないとわかった護衛さんはあきらめたようだ。2人が私についてきて、もうひとりは別方向に向かって行った。お城に報告に行くのかな。いつもの学習時間までには帰るつもりだから大丈夫なのに。
荷車を引いて城下町に向かうとこれから仕事に向かう労働者が行き交いしていた。労働者向けの朝食屋台には人が群がっており、その匂いを嗅いでいるとお腹が空いてきた。だが駄目だぞ。私は野菜を販売しに来たのだ。
──ヒュンッ
気を取り直し、いざ呼び込みをかけようと空気を吸い込んだその時──真横を人が吹っ飛んでいった。間を置いてドガッシャーンと大きな音が背後で響き渡る。
今のはなんだ?
辺りでは悲鳴やらどよめきが広がる。飛んできたものを確認すると、屋台の食材を入れてあった木箱の上で男の人が大の字に伸びていた。辺りでは玉ねぎやじゃがいもがゴロンと転がっている。
諍いごとだ。すぐさま私の護衛さんが殺気立って腰の剣に手をかける。
「何者だ! 騒ぎを起こすなら、ただじゃ置かないぞ!」
喧嘩…? 私が護衛さんの後ろから騒ぎの渦中を覗き込むと、そこには……山賊みたいな複数の男たちが居た。
ここはエーゲシュトランドなのにスラムに戻ってきた気分にさせてくれる格好である。すえた匂いが香ってくるのは多分何日もお風呂に入っていないのだろう。痩せこけた顔、目がギラギラしていてなんだか懐かしさすら覚えるが、ここで懐かしんでいる暇はなさそうである。
中に居た男のうちの1人はなぜか片足裸足だった。ひょこひょこと足を引きずって前に出てきたと思えば、腕に抱えた幼い少年の首元に手入れのされていなさそうな錆びた剣を突きつけていた。
「おっと動くんじゃねぇぞ。動いたらこのガキ殺すからなぁ」
「おかぁさぁあん」
人質に子どもをとったらしい。少年は恐怖に震えてお母さんを呼んでいるが、お母さんらしき人は住民に抑えられている。あそこに飛び込んでいけばお母さんまで人質、もしくは殺されるかもしれないからって理由で抑えられているのだろう。
「お前たち、エーゲシュトランドの領民ではないな…?」
「はん、サザランドの私兵、といえばわかるかぁ?」
これまた懐かしい単語に私は顔を顰めてしまった。かつて私が住んでいたスラムが入っていた領地の名前。今は新しい領主の名字が地名となり、サザランドの名は消えたけど。
久々にその単語を聞いた私は複雑だった。生きることに必死だった、寒くて空腹なあの日々にはもう戻りたくない。そんな苦い気持ちにさせられた。
「お前んとこの領主のせいで俺たちの商売上がったりなんだよ」
「サザランドの関係者ってだけで職にはありつけねぇしなぁ」
にやにやと笑いながら言っているけど、その目は憎しみでいっぱいである。
うーん。ヴィックの行動が間違いだったとは思えないけど、やはり憎しみというものは連鎖してしまうのだな…。難しい問題である。
辛酸舐めさせられた旧サザランドの領民はサザランドに連なるもの……使用人すらも憎く感じていただろうし、新たに職を探すにもあの地での就職は難しいだろう。他の領地なら仕事を選ばなきゃできそうだけど、実際のところどうなんだろう。
職にありつけないのは災難だけど、仕えた相手が悪かったねとしか。
「領主に伝えな。3時間以内に金と食料、馬5頭と、若い娘を差し出しなってな。でないとこのガキを殺す」
「このっ卑怯者…!」
苦々しげな声を漏らした護衛さん。
人質がいる限り護衛さんは手も足も出なさそうだ。少しでも動けば少年を傷つけられるだろう。だけどこのまま放置もできまい。この取引に応じては駄目だ。公国側が不利になってしまう。
──ならば戦うのみ。
私はポケットに手を突っ込んだ。
こっちに来てからはめっきり使わなくなったけど、私の戦友であり、お守りでもある相棒。それを掴むと地面に落ちていたちょうどいい感じの石を拾った。一連の行動は人影に隠れて見えなかっただろう。私はそのまま人影に紛れてゆっくり動いた。
森で気配を消して獲物を狩ってきたのだ。その時の感覚を思い出せ。目の前にいるのは気配に敏感な野うさぎだ。後頭部に石をぶつけて気絶させる……自分にマインドコントロールをかけて意識を集中させる。周りの人にも気づかれないように背後に周り、そして愛用のスリングショットを構えた。
──ビシュッと風を斬る音の直後、人質を盾に取っていた男がガクッと倒れる。その際に腕の力が抜けたのか人質の少年は解放されてどしゃっと尻餅をついていた。
男の仲間が動く前に私は動いた。護身用のナイフを手に持つと、棒立ちした仲間の一人へ斬りかかる。
背後から奇襲されるとは思っていなかったのだろう。私に飛び掛かられた相手は簡単に倒れた。私は太もものベルトに装着していたナイフを振りかざして相手の首に突き刺した。
ドシュッと肉に刃物が突き刺さる生なましい感触が手に伝わってくるが、歯を食いしばって我慢する。ここで油断したら誰かが殺されてしまう。
それならば私が倒すしかないだろう…! 私が手を汚すしか他ない!
領民の誰かが傷ついたら、ヴィックが傷ついてしまう。そんなの見ていられないんだ…!
「グァッ…!」
「この国の国民に手出しはさせない!」
突き刺したはいいが、致命傷にはならない部分だったようだ。おかしいな、頸動脈狙ったのに。
でも痛手を負ったみたいなので、これで良し。突然の奇襲に狼狽える残党を尻目に、私は尻餅ついて呆然とする少年に腕を伸ばすとすぐさま保護して彼のお母さんらしき女性に引き渡した。
「あ、あのありがとうございます」
お礼を言われたが、今はちょっと忙しい。
「小娘、貴様何者だ…!」
首に刺さったナイフを自分で抜き取った男は怒りで目を真っ赤にさせてこちらを睨みつけてくる。
私は新たな小型ナイフを手に取るといつでも投げられるように構えた。
「私はリゼット。エーゲシュトランド大公ヴィクトル殿下の婚約者でしてよ!」
大声で宣言すると、ナイフをぶん投げた。細身のナイフなので投げやすい。気分はまるで忍者のようである。
「このぉ…!」
ただ相手も馬鹿じゃないので、持っていた得物で弾かれてしまったけども。
「リゼット様! お下がりください!」
「危ないですからお一人で動かないでください!」
護衛さんが慌てて剣を手に参戦してきた。下がっててと言われたが、ここで引くのは女が廃るというものだ。
ヴィックは言っていた。この国を、国民を守るのが自分の使命なのだと。
ならばいずれ公妃になる私も同様だ。ヴィックの大切なものを守るために戦ってやるのだ…!
突然街に出没した旧サザランド関係者を排除するべく、私は手持ちのナイフで相手と対峙したのである。
「……これは…」
「人の靴、ですね」
何かが罠に引っかかったぞ! と勇み足で駆け寄ったはいいけど、罠には何も引っかかっていなかった。そこにあったのは血の跡と人の靴。
一応人間が引っかからないように畑入り口に「罠仕掛け中」ってベニヤ板に書いて掲示してるんだけどな。どっかのケチ臭い人が食費を浮かそうと畑で窃盗しようとしたのだろうか。
ちぇー久々に猪が食べられるぞーと思っていたのになぁ。私はがっかりしながら罠を再設置した。引っかかっていた靴は畑の出入り口に「落とし物」として放置しておいた。犯人が気づけば持っていくだろう。
「さて、畑仕事と行きますか!」
エーゲシュトランドにきて初めての冬がやってきたが、以前住んでいたのスラムとは全然違った。寒いのは寒いんだけど、なんとかみんな雨風しのげる家で眠れているし、エーゲシュトランドは国土に恵まれて食料自給率がそこそこ高いので食料に困ることもない。
旧サザランドと比べるのもおこがましいが、この国で凍死するってことは滅多にないんじゃないだろうか。凍死した人を目撃することもない、空腹にあえぐ人も居ない。それだけで十分幸せだ。
今は私の息抜き兼趣味となりつつ畑であるが、生産する喜びは変わりない。収穫できたお野菜を見て私はニンマリ笑う。形は不揃いだけど食べる分には問題ない。
「リゼット様、この収穫したお野菜はいかがなさいますか?」
「お城で食べるもの以外は城下町に販売しに行く!」
「…そのことをヴィクトル様は」
「大丈夫! 許してくれるはず!」
今日は作業着のままいくし、変なナンパ野郎もないはずだ。新鮮なうちにお野菜を届けたいので、護衛さんを急かして城下町に向けて荷車を動かした。
ぶっちゃけ、城に滞在しているあの令嬢のせいで私はストレスが溜まってるのだ。お城に帰れば嫌でもあの顔を見なきゃいけなくなるし……口で言っても帰ってくれないので、ヴィックが令嬢の父親宛に娘を引き取ってくれと手紙を出したしたそうだけど、令嬢の国まで海を隔てているのですぐには迎えに来ないだろうし…。
とにかく今はあの令嬢と顔を合わせたくないから城に帰りたくない。たまにはこんなワガママもいいだろう。だって嫌なんだもん。
私が真っ直ぐ帰る気がないとわかった護衛さんはあきらめたようだ。2人が私についてきて、もうひとりは別方向に向かって行った。お城に報告に行くのかな。いつもの学習時間までには帰るつもりだから大丈夫なのに。
荷車を引いて城下町に向かうとこれから仕事に向かう労働者が行き交いしていた。労働者向けの朝食屋台には人が群がっており、その匂いを嗅いでいるとお腹が空いてきた。だが駄目だぞ。私は野菜を販売しに来たのだ。
──ヒュンッ
気を取り直し、いざ呼び込みをかけようと空気を吸い込んだその時──真横を人が吹っ飛んでいった。間を置いてドガッシャーンと大きな音が背後で響き渡る。
今のはなんだ?
辺りでは悲鳴やらどよめきが広がる。飛んできたものを確認すると、屋台の食材を入れてあった木箱の上で男の人が大の字に伸びていた。辺りでは玉ねぎやじゃがいもがゴロンと転がっている。
諍いごとだ。すぐさま私の護衛さんが殺気立って腰の剣に手をかける。
「何者だ! 騒ぎを起こすなら、ただじゃ置かないぞ!」
喧嘩…? 私が護衛さんの後ろから騒ぎの渦中を覗き込むと、そこには……山賊みたいな複数の男たちが居た。
ここはエーゲシュトランドなのにスラムに戻ってきた気分にさせてくれる格好である。すえた匂いが香ってくるのは多分何日もお風呂に入っていないのだろう。痩せこけた顔、目がギラギラしていてなんだか懐かしさすら覚えるが、ここで懐かしんでいる暇はなさそうである。
中に居た男のうちの1人はなぜか片足裸足だった。ひょこひょこと足を引きずって前に出てきたと思えば、腕に抱えた幼い少年の首元に手入れのされていなさそうな錆びた剣を突きつけていた。
「おっと動くんじゃねぇぞ。動いたらこのガキ殺すからなぁ」
「おかぁさぁあん」
人質に子どもをとったらしい。少年は恐怖に震えてお母さんを呼んでいるが、お母さんらしき人は住民に抑えられている。あそこに飛び込んでいけばお母さんまで人質、もしくは殺されるかもしれないからって理由で抑えられているのだろう。
「お前たち、エーゲシュトランドの領民ではないな…?」
「はん、サザランドの私兵、といえばわかるかぁ?」
これまた懐かしい単語に私は顔を顰めてしまった。かつて私が住んでいたスラムが入っていた領地の名前。今は新しい領主の名字が地名となり、サザランドの名は消えたけど。
久々にその単語を聞いた私は複雑だった。生きることに必死だった、寒くて空腹なあの日々にはもう戻りたくない。そんな苦い気持ちにさせられた。
「お前んとこの領主のせいで俺たちの商売上がったりなんだよ」
「サザランドの関係者ってだけで職にはありつけねぇしなぁ」
にやにやと笑いながら言っているけど、その目は憎しみでいっぱいである。
うーん。ヴィックの行動が間違いだったとは思えないけど、やはり憎しみというものは連鎖してしまうのだな…。難しい問題である。
辛酸舐めさせられた旧サザランドの領民はサザランドに連なるもの……使用人すらも憎く感じていただろうし、新たに職を探すにもあの地での就職は難しいだろう。他の領地なら仕事を選ばなきゃできそうだけど、実際のところどうなんだろう。
職にありつけないのは災難だけど、仕えた相手が悪かったねとしか。
「領主に伝えな。3時間以内に金と食料、馬5頭と、若い娘を差し出しなってな。でないとこのガキを殺す」
「このっ卑怯者…!」
苦々しげな声を漏らした護衛さん。
人質がいる限り護衛さんは手も足も出なさそうだ。少しでも動けば少年を傷つけられるだろう。だけどこのまま放置もできまい。この取引に応じては駄目だ。公国側が不利になってしまう。
──ならば戦うのみ。
私はポケットに手を突っ込んだ。
こっちに来てからはめっきり使わなくなったけど、私の戦友であり、お守りでもある相棒。それを掴むと地面に落ちていたちょうどいい感じの石を拾った。一連の行動は人影に隠れて見えなかっただろう。私はそのまま人影に紛れてゆっくり動いた。
森で気配を消して獲物を狩ってきたのだ。その時の感覚を思い出せ。目の前にいるのは気配に敏感な野うさぎだ。後頭部に石をぶつけて気絶させる……自分にマインドコントロールをかけて意識を集中させる。周りの人にも気づかれないように背後に周り、そして愛用のスリングショットを構えた。
──ビシュッと風を斬る音の直後、人質を盾に取っていた男がガクッと倒れる。その際に腕の力が抜けたのか人質の少年は解放されてどしゃっと尻餅をついていた。
男の仲間が動く前に私は動いた。護身用のナイフを手に持つと、棒立ちした仲間の一人へ斬りかかる。
背後から奇襲されるとは思っていなかったのだろう。私に飛び掛かられた相手は簡単に倒れた。私は太もものベルトに装着していたナイフを振りかざして相手の首に突き刺した。
ドシュッと肉に刃物が突き刺さる生なましい感触が手に伝わってくるが、歯を食いしばって我慢する。ここで油断したら誰かが殺されてしまう。
それならば私が倒すしかないだろう…! 私が手を汚すしか他ない!
領民の誰かが傷ついたら、ヴィックが傷ついてしまう。そんなの見ていられないんだ…!
「グァッ…!」
「この国の国民に手出しはさせない!」
突き刺したはいいが、致命傷にはならない部分だったようだ。おかしいな、頸動脈狙ったのに。
でも痛手を負ったみたいなので、これで良し。突然の奇襲に狼狽える残党を尻目に、私は尻餅ついて呆然とする少年に腕を伸ばすとすぐさま保護して彼のお母さんらしき女性に引き渡した。
「あ、あのありがとうございます」
お礼を言われたが、今はちょっと忙しい。
「小娘、貴様何者だ…!」
首に刺さったナイフを自分で抜き取った男は怒りで目を真っ赤にさせてこちらを睨みつけてくる。
私は新たな小型ナイフを手に取るといつでも投げられるように構えた。
「私はリゼット。エーゲシュトランド大公ヴィクトル殿下の婚約者でしてよ!」
大声で宣言すると、ナイフをぶん投げた。細身のナイフなので投げやすい。気分はまるで忍者のようである。
「このぉ…!」
ただ相手も馬鹿じゃないので、持っていた得物で弾かれてしまったけども。
「リゼット様! お下がりください!」
「危ないですからお一人で動かないでください!」
護衛さんが慌てて剣を手に参戦してきた。下がっててと言われたが、ここで引くのは女が廃るというものだ。
ヴィックは言っていた。この国を、国民を守るのが自分の使命なのだと。
ならばいずれ公妃になる私も同様だ。ヴィックの大切なものを守るために戦ってやるのだ…!
突然街に出没した旧サザランド関係者を排除するべく、私は手持ちのナイフで相手と対峙したのである。
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