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公妃になるなんて無茶難題過ぎます。
カップは投げるものでなくてよ。
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ヴィックの婚約者候補だったというお嬢様が押しかけてきて城内が騒然となったが、あの女性はもともと婚約者として内定していたわけでもなく、親しいわけでもない、大勢いた候補者の一人だっただけだった。
その話も公国が未曾有の危機に陥った時点で最初からなかったこととなった。それなのに彼女は自分こそ公妃にふさわしいと言って聞かなかったのだという。
そうは言うが、実際にヴィックが国を追われて窮地に陥った時、ダメ元で協力を求めた際にどの家もそっぽを向いたのだという。結局彼女たちが欲しいのはヴィックの家の財産と公妃という地位というわけだ。
百歩譲ってピンチの時に援助でもしてくれたならわかるが、何もしなかった挙げ句に、公国再興となってそれが軌道に乗り始めた段階ででかい面下げて婚約者ですとやってこられたらヴィックも「なんだかなぁ…」って感じるよねって話である。
ヴィックは私を選んだのだとはっきり再宣言してくれた。彼らの間に色っぽいアレコレがあったわけじゃないとわかると私はホッとした。私は呑気にも愛されているなぁと浮かれていたのだ。
ヴィックがお引き取り願うように追い返した高飛車令嬢だが、最後まで納得していないと言った顔をしていた。
なのでまだまだ引き下がりそうになさそうだなぁとは感じていた。
「リゼットは本当に来ない?」
「邪魔になるからやめとくよ」
エーゲシュトランド国内の復興状態の視察のために出かけるヴィックをお見送りするも、私を一緒につれていきたいらしいヴィックはなかなか出発してくれなかった。私は公妃教育と畑の仕事があるから行かない。そもそも私が視察に出てもなんの役にも立たないよ。
渋るヴィックを馬車に押し込み、お見送りしたのがちょうど1週間前。以前ならその程度の期間会わないこともあったから平気かと思ったけど広い城の中でぽつんと過ごしていると寂しい。使用人さんはいるけど、なんか心細いのだ。
今日の空き時間には護衛さんにお願いして城下町に住んでる家族に会いに行こうかなと考えていると、難しい顔をした使用人…執事頭さんが「リゼット様、少しよろしいですか」と声を掛けてきた。
何事かと思えば…
ヴィックが不在なのを聞きつけてやってきたのか、たまたま偶然なのかはわからないが、あの高飛車令嬢がやってきたのだという。私を名指しで呼び出しているとかなんとか……仕方ないので応接間で応対することにした。とは言っても私はまだ教育中の身なのできちんと応対できないと思うけど。
身だしなみを整えて、高飛車令嬢が待つという応接間に足を運ぶと、扉に手を掛けた。
「まぁ、何このお茶は。わたくしが好きな茶葉も把握していませんの?」
「申し訳ございません」
「使えないメイドですわね」
部屋に入れば、メイドいじめする高飛車令嬢がいた。私の顔は思わず引きつってしまった。
性格悪いなぁ…よその家のメイドいじめするなよ……。
「前触れもなく来られたら、お客様のお好みを把握することはできません。恐れ入りますが、うちの使用人をいびらないでいただけますか?」
わけのわからんクレーマーみたいなことしないでくれ。出されたものにケチつけるのは行儀が悪いぞ。
そのメイドさんは復興に伴って新たに雇われた人だ。あなたのことは全く知らなくて当然のこと。彼女は使用人としてこの仕事を立派にこなしてくれている。茶葉程度の好みで悪く言うのはやめてほしいな。
意見した私に向かって高飛車令嬢が鋭い視線を投げかけてくる。普通にしていればキレイなお嬢様なのにおっかないなぁ。隠す気もない軽蔑の瞳に私も顔をしかめてしまう。
「あなたが用があるのは私に対してでしょう? ご用件を伺いますので手短にどうぞ」
そもそもあなたが来訪したのには目的があるんでしょ。さっさと話を済ませようじゃないか。こういう時ビクビクしてはいけないのだ。私は持ち前のハートで堂々と部屋を突っ切ると、高飛車令嬢の前に座った。
「…礼儀作法のなっていない……動作の端々から卑しさが伺えるわ。ヴィクトル様はこの娘のどこがいいのかしら」
礼儀作法を突かれると耳が痛いけど、この人もそこまでお行儀よくないからお前が言うなという言葉を返したくなる。
私が何も言わずに高飛車令嬢をじっと見つめていると、相手は目を細めていた。
「わかりやすく単刀直入に言いますわよ。あなた、この城から出ていって頂戴。ここはあなたのような育ちの悪い人間がいていい場所じゃありませんのよ」
私はふっと笑ってしまった。
そんな言い方で素直に「出ていきます」とうなずくと思ったら大きな間違いだぞ。こちとらスラム育ち。神経の図太さには定評がある。
「お断りします。お言葉を返すようですがあなたは何様のおつもりですか?」
あんたは追い出す権限なんか持ち合わせていないだろう。
私は確かに底辺を生きていた身分の低い女だが、ヴィックに妻にと望まれ、未来の公妃として教育を受けている立場だ。主人の不在であるこの城を預かっているのだ。好き勝手にはさせないぞ。
私の生まれ育ちを見下されてしまうのは前もってお母さんにも心配されていたし、言ってくる人もいるだろうなって覚悟していた。
だけどだからって言われっぱなしってのは性に合わない。
私が反論したのが気に入らないのか、高飛車令嬢の口端がぴくりと震えた。
「ここはエーゲシュトランド大公ヴィクトル殿下の統治下です。よそのお嬢様が口出しする権利はありません」
ヴィックから出ていくように言われるならわかるけど、ぽっと出てきたよそのお嬢様の言うことを聞いてやる義理なんてないね。
「この使用人が命令を聞くのは主人であるヴィクトルのみ。この城にはあなたに従う人は存在しません。……お話は以上ですね? どうぞお帰り下さい」
私は模範解答を答えられたと思う。
ここぞという場面で主人を立てる。なんかすごくいいこと言ったような気分でいた。
これでダダをこねるようなら、男性使用人に頼んで力づくで追い出してもらうか…私は隣で待機していたメイドさんに視線を向けた。
「…このっ…下賤の娘がぁ…っ!」
それがいけなかった。
怨嗟の声に反応したときには遅かった。高飛車令嬢は自分のドレスに紅茶がかかるのも厭わず、高そうなカップを大きく振り上げ、こちらに投げ飛ばしてきたのだ!
「リゼット!」
身を縮めたその時。私の身体を包み込む腕があった。
ガシャンと陶器が割れる音がしたのもその直後。
「ヴィクトル様!」
叫んだのはメイドさんである。
それで私はヴィックに庇われたのだと気づいた。私を抱き込む腕の中から相手の顔を見上げると、眉間にシワを寄せたヴィックがそこにいた。いつの間に帰ってきていたんだ。何というタイミングで乱入してきたのか。
「っ……」
ヴィックが呻いた。異変を感じた私は彼の身体を見回し……彼のこめかみをたらりと流れる血を見つけてしまった。私を庇ったせいで怪我をしたんだ。痛みに顔を歪めたヴィックは私の姿を目に映すと、ホッとしたように安心した顔をしていた。
バカ、何安心してるのよ。何で私を庇っちゃうの!
私は彼に助けてもらった立場のくせに怒りが湧き上がってきて怒鳴ってしまった。
「なにしてるのヴィック! 血が出てるから座って!」
「大丈夫だよ、ちょっと切っただけだ」
「駄目だよ! 座りなさい! メイドさん、お医者さんか誰か手当できる人を!」
怪我を甘く見たら駄目だ。怪我が悪化して死んだ人だっているんだから!
私はヴィックを怒鳴りつけて叱った。彼は私の勢いに目を丸くすると大人しくソファに座っていた。
「清潔な布と消毒できる…アルコール度数の高いお酒でもいいので、持ってきてください!」
すぐに治療させねばとメイドさんに指示を飛ばす。
その間、高飛車女は呆然と突っ立ったままだった。謝るでも、手当を手伝うでもない、ただの棒立ちで怪我したヴィックを見ているだけ。
私は彼女のその態度が気に入らなかった。とんでもない事をしでかした女を仁王立ちで睨みつけたのである。
その話も公国が未曾有の危機に陥った時点で最初からなかったこととなった。それなのに彼女は自分こそ公妃にふさわしいと言って聞かなかったのだという。
そうは言うが、実際にヴィックが国を追われて窮地に陥った時、ダメ元で協力を求めた際にどの家もそっぽを向いたのだという。結局彼女たちが欲しいのはヴィックの家の財産と公妃という地位というわけだ。
百歩譲ってピンチの時に援助でもしてくれたならわかるが、何もしなかった挙げ句に、公国再興となってそれが軌道に乗り始めた段階ででかい面下げて婚約者ですとやってこられたらヴィックも「なんだかなぁ…」って感じるよねって話である。
ヴィックは私を選んだのだとはっきり再宣言してくれた。彼らの間に色っぽいアレコレがあったわけじゃないとわかると私はホッとした。私は呑気にも愛されているなぁと浮かれていたのだ。
ヴィックがお引き取り願うように追い返した高飛車令嬢だが、最後まで納得していないと言った顔をしていた。
なのでまだまだ引き下がりそうになさそうだなぁとは感じていた。
「リゼットは本当に来ない?」
「邪魔になるからやめとくよ」
エーゲシュトランド国内の復興状態の視察のために出かけるヴィックをお見送りするも、私を一緒につれていきたいらしいヴィックはなかなか出発してくれなかった。私は公妃教育と畑の仕事があるから行かない。そもそも私が視察に出てもなんの役にも立たないよ。
渋るヴィックを馬車に押し込み、お見送りしたのがちょうど1週間前。以前ならその程度の期間会わないこともあったから平気かと思ったけど広い城の中でぽつんと過ごしていると寂しい。使用人さんはいるけど、なんか心細いのだ。
今日の空き時間には護衛さんにお願いして城下町に住んでる家族に会いに行こうかなと考えていると、難しい顔をした使用人…執事頭さんが「リゼット様、少しよろしいですか」と声を掛けてきた。
何事かと思えば…
ヴィックが不在なのを聞きつけてやってきたのか、たまたま偶然なのかはわからないが、あの高飛車令嬢がやってきたのだという。私を名指しで呼び出しているとかなんとか……仕方ないので応接間で応対することにした。とは言っても私はまだ教育中の身なのできちんと応対できないと思うけど。
身だしなみを整えて、高飛車令嬢が待つという応接間に足を運ぶと、扉に手を掛けた。
「まぁ、何このお茶は。わたくしが好きな茶葉も把握していませんの?」
「申し訳ございません」
「使えないメイドですわね」
部屋に入れば、メイドいじめする高飛車令嬢がいた。私の顔は思わず引きつってしまった。
性格悪いなぁ…よその家のメイドいじめするなよ……。
「前触れもなく来られたら、お客様のお好みを把握することはできません。恐れ入りますが、うちの使用人をいびらないでいただけますか?」
わけのわからんクレーマーみたいなことしないでくれ。出されたものにケチつけるのは行儀が悪いぞ。
そのメイドさんは復興に伴って新たに雇われた人だ。あなたのことは全く知らなくて当然のこと。彼女は使用人としてこの仕事を立派にこなしてくれている。茶葉程度の好みで悪く言うのはやめてほしいな。
意見した私に向かって高飛車令嬢が鋭い視線を投げかけてくる。普通にしていればキレイなお嬢様なのにおっかないなぁ。隠す気もない軽蔑の瞳に私も顔をしかめてしまう。
「あなたが用があるのは私に対してでしょう? ご用件を伺いますので手短にどうぞ」
そもそもあなたが来訪したのには目的があるんでしょ。さっさと話を済ませようじゃないか。こういう時ビクビクしてはいけないのだ。私は持ち前のハートで堂々と部屋を突っ切ると、高飛車令嬢の前に座った。
「…礼儀作法のなっていない……動作の端々から卑しさが伺えるわ。ヴィクトル様はこの娘のどこがいいのかしら」
礼儀作法を突かれると耳が痛いけど、この人もそこまでお行儀よくないからお前が言うなという言葉を返したくなる。
私が何も言わずに高飛車令嬢をじっと見つめていると、相手は目を細めていた。
「わかりやすく単刀直入に言いますわよ。あなた、この城から出ていって頂戴。ここはあなたのような育ちの悪い人間がいていい場所じゃありませんのよ」
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あんたは追い出す権限なんか持ち合わせていないだろう。
私は確かに底辺を生きていた身分の低い女だが、ヴィックに妻にと望まれ、未来の公妃として教育を受けている立場だ。主人の不在であるこの城を預かっているのだ。好き勝手にはさせないぞ。
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私が反論したのが気に入らないのか、高飛車令嬢の口端がぴくりと震えた。
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ヴィックから出ていくように言われるならわかるけど、ぽっと出てきたよそのお嬢様の言うことを聞いてやる義理なんてないね。
「この使用人が命令を聞くのは主人であるヴィクトルのみ。この城にはあなたに従う人は存在しません。……お話は以上ですね? どうぞお帰り下さい」
私は模範解答を答えられたと思う。
ここぞという場面で主人を立てる。なんかすごくいいこと言ったような気分でいた。
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「…このっ…下賤の娘がぁ…っ!」
それがいけなかった。
怨嗟の声に反応したときには遅かった。高飛車令嬢は自分のドレスに紅茶がかかるのも厭わず、高そうなカップを大きく振り上げ、こちらに投げ飛ばしてきたのだ!
「リゼット!」
身を縮めたその時。私の身体を包み込む腕があった。
ガシャンと陶器が割れる音がしたのもその直後。
「ヴィクトル様!」
叫んだのはメイドさんである。
それで私はヴィックに庇われたのだと気づいた。私を抱き込む腕の中から相手の顔を見上げると、眉間にシワを寄せたヴィックがそこにいた。いつの間に帰ってきていたんだ。何というタイミングで乱入してきたのか。
「っ……」
ヴィックが呻いた。異変を感じた私は彼の身体を見回し……彼のこめかみをたらりと流れる血を見つけてしまった。私を庇ったせいで怪我をしたんだ。痛みに顔を歪めたヴィックは私の姿を目に映すと、ホッとしたように安心した顔をしていた。
バカ、何安心してるのよ。何で私を庇っちゃうの!
私は彼に助けてもらった立場のくせに怒りが湧き上がってきて怒鳴ってしまった。
「なにしてるのヴィック! 血が出てるから座って!」
「大丈夫だよ、ちょっと切っただけだ」
「駄目だよ! 座りなさい! メイドさん、お医者さんか誰か手当できる人を!」
怪我を甘く見たら駄目だ。怪我が悪化して死んだ人だっているんだから!
私はヴィックを怒鳴りつけて叱った。彼は私の勢いに目を丸くすると大人しくソファに座っていた。
「清潔な布と消毒できる…アルコール度数の高いお酒でもいいので、持ってきてください!」
すぐに治療させねばとメイドさんに指示を飛ばす。
その間、高飛車女は呆然と突っ立ったままだった。謝るでも、手当を手伝うでもない、ただの棒立ちで怪我したヴィックを見ているだけ。
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