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生き抜くのに必死なんです。
亡国の公子に恋する伯爵令嬢【キャロライン視点】
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私の名はキャロライン・サザランド。サザランド伯爵の娘として生まれ育った。
実は私には前世の記憶がある。私は地球の日本という国で生まれ育った元女子高生だった。ひょんなことから転生してこの世界に生まれ落ちたと気づいたのは14歳になったときだ。
鏡に映る自分の姿を見て、なんだか既視感を覚えたの。頭に浮かんだそれは私の前世の記憶。とあるゲーム画面の中にヒロインと、攻略対象と呼ばれる貴公子たちが映る場面。そして最後はひどい目にあう悪役令嬢という存在──…
自分がその悪役令嬢だと気づいたときにはもうすでに攻略対象の伯爵子息と婚約済みだったが、私は彼と円滑な仲を保つために友好的に接した。もしも別の女の子と恋に落ちても絶対に邪魔しないからと念押しして。
彼は私の言っていることはよくわからないと首を傾げながらも、いつだって紳士的に接してくれた。政略とは言え、お互いにいい関係を築き上げていたと思う。
乙女ゲームの舞台は王族と貴族の子息子女が通う学園である。そこで庶子出身の男爵令嬢がドキドキ学園生活を繰り広げるのだ。たくさんの攻略対象と出会い、そのうちの一人と結ばれる。
そして悪役令嬢の役割を持つ私は恋のおじゃま虫ってわけ。
婚約者だけでなく、位の高い男性陣に近づくヒロインを毛嫌いしていた悪役令嬢キャロライン。ゲームをしている時は邪魔だなぁと思っていたけど、実際問題彼女は正しかった。ゲームヒロインは至るところで男をたらしていた。それは周りからしてみたら思わず眉をしかめてしまうものだったのだ。だからゲームのキャロラインはそれを是正しようとしていた。
それなのにゲームの世界というのはヒロインに優しくて……キャロラインは悪役として最後は惨めな結末を迎えてしまうのだ……
なので私は頑張った。
誰に見られても恥ずかしくない令嬢となり、人々のお手本になろうと。そうすればヒロインも攻略対象も文句を言えないだろうって。
色んな人に親切にした。この人はこういう性格だからこうしたら喜ぶとか、家庭事情がこうだから深入りしないほうがいいとか……そしたらどういうことなんだろう。王子様や貴族子息たちは私に好意的に接してくれるようになったの。
言っておくけど、私は彼らと一定の距離を保っていたし、別に変わったことはしていない。
私は自分のバッドエンドフラグを折りたかっただけ。それだけなのに。
私が学園に入学した翌年、ヒロインは入学してきた。その時私は16歳になっていた。
つい先日まで庶民だったという彼女はお世辞にも礼儀作法がなっていなかった。最初は一生懸命に馴染もうと本人も努力していたみたいだけど、周りの侮蔑の目とか、合わない環境にとうとう音を上げて結局半年くらいで退学処分されていた。噂によれば辺境の騎士の後妻として嫁いでいったとか……その後の音沙汰は不明だ。
ゲームとは違って、いてもいなくても目立たない女の子だったから脅威には感じなかったけど、正直ホッとしている。あの子さえいなければ、私はバッドエンドに堕ちることはない。
これで乙女ゲームの強制力に巻き込まれずに済む。あとは適当に貴族として生きてそこそこの生活ができたらいいかな……そう、考えていた。
「キャロライン朗報だぞ! 王子殿下から正式な打診が来た!」
「えっ?」
「つい先月には公爵家の方からも打診を頂いたが、残念だがそっちは断るしかないな」
「え、お父様待って頂戴。私にはマルクという婚約者が」
「いくら先に婚約していたとしても、王族からの打診を断るわけにはいかないだろう。あちら様も理解を示してくれるはずだ」
お父様は伯爵家への婚約破棄の手紙を送っておくと私に言い残すと、浮足立ちながら部屋をあとにした。
私は渡された打診の手紙を持って呆然としていた。
殿下が私に求婚を……確かに親しくさせていただいていたけど、あくまで臣下としてだ。彼の心の闇などをゲーム情報で前もって知っていたから、墓穴を掘らぬように気を使ってはいたけど、結婚したいとかそんな気持ちは一切なかった。いつだって婚約者のマルクが一緒に居るときにお話しただけ。2人きりになって特別親密になった覚えはないのに……
……困ったわ、どうしましょう。そんなつもりはなかったのに。
──それに私の心は公子様に捧げている。
隠しキャラである、エーゲシュトランド公国の公子、ヴィクトル様。金髪に薄い空色の瞳を持つ美しい青年。彼は亡国の公子としてこの国にたどり着くのだ。自分の国を奪ったこの国に復讐するために。
彼の国の豊かさを欲したこの国の国王が蛮族を送って彼の国を滅ぼし、奪ったのだ。
それは彼が14歳のときだった。
そんな彼と出会ったヒロインは、最初悪意を持って傷つけられるけど、彼を庇うことで信頼を得ていく。
庶民だったヒロインは自分が男爵の隠し子だということが判明して、男爵家に呼び寄せられて一旦離れ離れになるが、それ以降も何かとヴィクトルのことを気にしてお忍びで会いに行くのだ。
復讐のために反乱を企てていたヴィクトルをヒロインはなんとか止めようとする。
ヒロインにほだされて最終的に改心したヴィクトルは協力者の手を借りて公国を建て直す。ヒロインは公妃になって、ヴィクトルの隣に立つのだ。
そのエンドがものすごく好きで何度も繰り返しプレイしたくらい。正直悪役令嬢じゃなくてヒロインとして転生したかったくらいだ。
そのヒロインと元公子ヴィクトルはスラムで出会うのだ。
亡国となった公国から命からがら逃げ延びて、あまりの空腹でヴィクトルは行き倒れてしまうのだ。そんな彼を見つけて介抱したのがヒロインというわけである。
……そこを私が介抱して、心優しい令嬢として好感度を上げたかったんだけど、何度スラムに通っても彼は現れなかった。
私の胸元でキラリと虹色に輝く黒い宝石。……これはヴィクトル様のお母様が付けていらした宝石だ。強奪されてどこからか流れてきたらしい。領地の質屋で偶然見つけてすぐに入手した。
彼と出会ったときにお渡しできたらと思って。そしたらきっと彼は喜ぶと思ったから。
彼が蛮族に殺された母親の形見であるネックレスを探すシナリオがあるのだ。……だから彼のために買い戻した。彼が喜ぶ姿を見たかったから。
……本命の彼には未だに会えていない。私の口からは重い溜息が漏れ出す。どんな美男子に口説かれようと、優しい婚約者に大切にされようと、私の心を支配しているのは亡国の公子様。
あぁ、あなたにお会いしたい。一体どこにいるのかしら。
ヴィクトル様……私はここであなたをお待ちしております──…
「領主様ー! どうかー!」
「民たちは貧困にあえいでおりますー!」
私が物思いに耽っていると、階下から耳障りな叫び声が聞こえてきた。
私はまたかと眉をひそめる。
最近いつもこうだ。汚らしい格好した庶民がうちの門の前に来ては何かを恵んでくれと騒ぐのだ。何も税が重くなって着るもの住む場所にも困っているのだとか。
お父様もお母様も、正当な税の取り立てをしているだけなのに、自分たちの稼ぎが悪いのをこちらのせいにするのだとおっしゃっていた。もしかしたら私がヴィクトル様を探すためにスラムで炊き出しなんかしたせいで味をしめたのかしら……どっちにしても迷惑な話ね。
自分の食い分は自分でなんとかしてもらわなきゃ。私達は慈善で領地を治めているわけじゃないのだから。
耳障りになった私は部屋の窓のカーテンを閉めて、視界から庶民を遮ったのである。
実は私には前世の記憶がある。私は地球の日本という国で生まれ育った元女子高生だった。ひょんなことから転生してこの世界に生まれ落ちたと気づいたのは14歳になったときだ。
鏡に映る自分の姿を見て、なんだか既視感を覚えたの。頭に浮かんだそれは私の前世の記憶。とあるゲーム画面の中にヒロインと、攻略対象と呼ばれる貴公子たちが映る場面。そして最後はひどい目にあう悪役令嬢という存在──…
自分がその悪役令嬢だと気づいたときにはもうすでに攻略対象の伯爵子息と婚約済みだったが、私は彼と円滑な仲を保つために友好的に接した。もしも別の女の子と恋に落ちても絶対に邪魔しないからと念押しして。
彼は私の言っていることはよくわからないと首を傾げながらも、いつだって紳士的に接してくれた。政略とは言え、お互いにいい関係を築き上げていたと思う。
乙女ゲームの舞台は王族と貴族の子息子女が通う学園である。そこで庶子出身の男爵令嬢がドキドキ学園生活を繰り広げるのだ。たくさんの攻略対象と出会い、そのうちの一人と結ばれる。
そして悪役令嬢の役割を持つ私は恋のおじゃま虫ってわけ。
婚約者だけでなく、位の高い男性陣に近づくヒロインを毛嫌いしていた悪役令嬢キャロライン。ゲームをしている時は邪魔だなぁと思っていたけど、実際問題彼女は正しかった。ゲームヒロインは至るところで男をたらしていた。それは周りからしてみたら思わず眉をしかめてしまうものだったのだ。だからゲームのキャロラインはそれを是正しようとしていた。
それなのにゲームの世界というのはヒロインに優しくて……キャロラインは悪役として最後は惨めな結末を迎えてしまうのだ……
なので私は頑張った。
誰に見られても恥ずかしくない令嬢となり、人々のお手本になろうと。そうすればヒロインも攻略対象も文句を言えないだろうって。
色んな人に親切にした。この人はこういう性格だからこうしたら喜ぶとか、家庭事情がこうだから深入りしないほうがいいとか……そしたらどういうことなんだろう。王子様や貴族子息たちは私に好意的に接してくれるようになったの。
言っておくけど、私は彼らと一定の距離を保っていたし、別に変わったことはしていない。
私は自分のバッドエンドフラグを折りたかっただけ。それだけなのに。
私が学園に入学した翌年、ヒロインは入学してきた。その時私は16歳になっていた。
つい先日まで庶民だったという彼女はお世辞にも礼儀作法がなっていなかった。最初は一生懸命に馴染もうと本人も努力していたみたいだけど、周りの侮蔑の目とか、合わない環境にとうとう音を上げて結局半年くらいで退学処分されていた。噂によれば辺境の騎士の後妻として嫁いでいったとか……その後の音沙汰は不明だ。
ゲームとは違って、いてもいなくても目立たない女の子だったから脅威には感じなかったけど、正直ホッとしている。あの子さえいなければ、私はバッドエンドに堕ちることはない。
これで乙女ゲームの強制力に巻き込まれずに済む。あとは適当に貴族として生きてそこそこの生活ができたらいいかな……そう、考えていた。
「キャロライン朗報だぞ! 王子殿下から正式な打診が来た!」
「えっ?」
「つい先月には公爵家の方からも打診を頂いたが、残念だがそっちは断るしかないな」
「え、お父様待って頂戴。私にはマルクという婚約者が」
「いくら先に婚約していたとしても、王族からの打診を断るわけにはいかないだろう。あちら様も理解を示してくれるはずだ」
お父様は伯爵家への婚約破棄の手紙を送っておくと私に言い残すと、浮足立ちながら部屋をあとにした。
私は渡された打診の手紙を持って呆然としていた。
殿下が私に求婚を……確かに親しくさせていただいていたけど、あくまで臣下としてだ。彼の心の闇などをゲーム情報で前もって知っていたから、墓穴を掘らぬように気を使ってはいたけど、結婚したいとかそんな気持ちは一切なかった。いつだって婚約者のマルクが一緒に居るときにお話しただけ。2人きりになって特別親密になった覚えはないのに……
……困ったわ、どうしましょう。そんなつもりはなかったのに。
──それに私の心は公子様に捧げている。
隠しキャラである、エーゲシュトランド公国の公子、ヴィクトル様。金髪に薄い空色の瞳を持つ美しい青年。彼は亡国の公子としてこの国にたどり着くのだ。自分の国を奪ったこの国に復讐するために。
彼の国の豊かさを欲したこの国の国王が蛮族を送って彼の国を滅ぼし、奪ったのだ。
それは彼が14歳のときだった。
そんな彼と出会ったヒロインは、最初悪意を持って傷つけられるけど、彼を庇うことで信頼を得ていく。
庶民だったヒロインは自分が男爵の隠し子だということが判明して、男爵家に呼び寄せられて一旦離れ離れになるが、それ以降も何かとヴィクトルのことを気にしてお忍びで会いに行くのだ。
復讐のために反乱を企てていたヴィクトルをヒロインはなんとか止めようとする。
ヒロインにほだされて最終的に改心したヴィクトルは協力者の手を借りて公国を建て直す。ヒロインは公妃になって、ヴィクトルの隣に立つのだ。
そのエンドがものすごく好きで何度も繰り返しプレイしたくらい。正直悪役令嬢じゃなくてヒロインとして転生したかったくらいだ。
そのヒロインと元公子ヴィクトルはスラムで出会うのだ。
亡国となった公国から命からがら逃げ延びて、あまりの空腹でヴィクトルは行き倒れてしまうのだ。そんな彼を見つけて介抱したのがヒロインというわけである。
……そこを私が介抱して、心優しい令嬢として好感度を上げたかったんだけど、何度スラムに通っても彼は現れなかった。
私の胸元でキラリと虹色に輝く黒い宝石。……これはヴィクトル様のお母様が付けていらした宝石だ。強奪されてどこからか流れてきたらしい。領地の質屋で偶然見つけてすぐに入手した。
彼と出会ったときにお渡しできたらと思って。そしたらきっと彼は喜ぶと思ったから。
彼が蛮族に殺された母親の形見であるネックレスを探すシナリオがあるのだ。……だから彼のために買い戻した。彼が喜ぶ姿を見たかったから。
……本命の彼には未だに会えていない。私の口からは重い溜息が漏れ出す。どんな美男子に口説かれようと、優しい婚約者に大切にされようと、私の心を支配しているのは亡国の公子様。
あぁ、あなたにお会いしたい。一体どこにいるのかしら。
ヴィクトル様……私はここであなたをお待ちしております──…
「領主様ー! どうかー!」
「民たちは貧困にあえいでおりますー!」
私が物思いに耽っていると、階下から耳障りな叫び声が聞こえてきた。
私はまたかと眉をひそめる。
最近いつもこうだ。汚らしい格好した庶民がうちの門の前に来ては何かを恵んでくれと騒ぐのだ。何も税が重くなって着るもの住む場所にも困っているのだとか。
お父様もお母様も、正当な税の取り立てをしているだけなのに、自分たちの稼ぎが悪いのをこちらのせいにするのだとおっしゃっていた。もしかしたら私がヴィクトル様を探すためにスラムで炊き出しなんかしたせいで味をしめたのかしら……どっちにしても迷惑な話ね。
自分の食い分は自分でなんとかしてもらわなきゃ。私達は慈善で領地を治めているわけじゃないのだから。
耳障りになった私は部屋の窓のカーテンを閉めて、視界から庶民を遮ったのである。
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