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生き抜くのに必死なんです。
捌けないならプロに任せればいいと思うの。
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「そうだ。今朝は南の方で小競り合いがあったんだ。それに巻き込まれて子どもが怪我をしたらしいからお前たちも気をつけるんだよ」
重々しい口調でお父さんが私達に注意してきた。
そうなのだ。
この領内は更に税が重くなった。その影響で中流階級から転落した人が行き場をなくしてここに流れ着いてきて、結果的にスラムの住民が増えた。
そのため治安が悪化しはじめていたのだ。
「…今は皆おとなしく我慢しているけど、いつか暴動が起きるかもしれないね」
そうつぶやいたのはお母さん。
皆それには否定も肯定もしなかった。
口に出すものも出さないものも、皆なにかしら思うところがあった。ただ……不満をいだいていても、彼らには現状を変える力がなかった。
上流階級に逆らったら罰せられる。彼らスラムの人間はきっといともたやすくこの世から消し去られるだろう。
みんな生きるだけで精一杯で、この世界の何かを変えようという気も起きなかった。ただ自分たちが、大切な家族が暮らしていけるように地道に生きるしか出来ないのだ。
だけどいつかそれを変化させようと行動を起こす人間が現れたら、なにかが変わるかもしれない。
□■□
朝晩がすっかり涼しくなり、秋が深くなり始めたころ、私はお兄ちゃんをつれて利用していた畑に向かった。干していたさつまいもをすべて自宅に持ち帰るためである。
「…意外と量があるな」
「一冬越せるか越せないか程度だけどね。ありがと、一人じゃ持って帰るの大変だったから助かるよ」
農家さんが押し車を貸してくれると言うのでそれで持って帰ろうとしたのだが、子どもの体にはちょっと荷が重かった。なのでお兄ちゃんに助っ人を頼んだのである。
さつまいもを積んだ押し車に布を被せる。紐で縛って固定すればオッケー。
「じゃあお兄ちゃん、さつまいもの警護は任せたよ!」
「…一人で大丈夫か?」
ナイフとスリングショット、麻縄を常備した私を心配そうに見下ろすお兄ちゃんに私はニッと笑ってみせた。
「大丈夫! 今日は保存食のキノコついでに獲物がいたら狩ってくるね!」
私は狩りに慣れているから平気だ!
親指を立てて見せると、お兄ちゃんは微妙な笑顔を浮かべつつ「あまり遅くならないようにな」と言い残した。そして彼はひとり、押し車でさつまいもを運搬し始めたのである。
私はお兄ちゃんの後ろ姿を見送ったのち、森の中へ狩りへ出かけた。
ひとりで森の中へ入っていくのもすっかり慣れた。安全な道と危険な道、動物が生息していそうな場所などを感覚で察知できるようになった気がする。
足を踏み入れ、気配を消して獲物を探る。そのついでに保存食になりそうな木の実やキノコを腰に下げたポケット式のカバンに収めていく。
野うさぎちゃん、野うさぎちゃんはどこかなぁ…鴨でも構わないよ……
目を光らせて獲物はないかと周りを見渡していると、大きなお尻を見つけた。茶色くて毛が硬そうな……大きなお尻。うさぎではない。
対象物は草むらでゴソゴソしていたが、気配に気づいたのであろう。こちらをくるりと振り返った。豚っ鼻のそれはイノシシ、だろうか?
目と目が合うその瞬間に恋は生まれなかった。こちらは何も攻撃のアクションはとっていなかったのだが、ひと目で敵認定されたようだ。
ぶしゅうぅ…と鼻息を立てると、イノシシはこちらに狙いを定めて地面を強く蹴りつける。
当方の武器、スリングショットとナイフのみ。流石にイノシシ相手に無理がある。
「うぉっ!?」
こちらに突進してこようとするイノシシの巨体を一寸のところで避けた。
あぶねぇ! 私がぺちゃんこになるところだった! イノシシって確か一直線にしか走れなかったよね!?
後ろを振り向くと、ドゴスッと鈍い音を立てて木の幹がゆさゆさと前後に揺れていた。──猪突猛進したイノシシが木の幹に衝突したのである。
ドスンと地面に倒れ込むイノシシ。どうやら自爆したようである。
……私が森に慣れている野生児じゃなければ死んでたぞ今の!!
あーこわっ!
以前、農家さんが畑を荒らすイノシシがいるって話していたけど、まさか本物と対面することになるとは思わなかった。
私は恐る恐る気絶しているイノシシに近づくと、完全に意識を飛ばしていることを確認する。そして、ゴクリと生唾を飲み込みながらナイフを振り上げた。
君には悪いが、私と家族の血となり肉となってもらう…!
どっちにせよ、農家さんたちからイノシシは害獣として指定されている。このイノシシだっていつかは猟師に狩られる運命だったのだ。その時期が早まっただけ、それだけのこと。
イノシシの頸動脈付近にナイフを差し込んで完全に絶命させる。いつも相手にしている野うさぎや鳥とは違う。血の量が多く、ナイフを刺した手応えも全く違って生々しさを覚えたが、これは生きるため。恐れている暇なぞないのだ。
だくだくだくと地面に吸い込まれる赤。辺りに広がる鉄さびの匂いに少し吐き気を起こしながら、私は次の作業に移ろうとして……止まった。
イノシシの捌き方なんて聞いたことないわ。って。
大きすぎて自分ひとりじゃ運べないし、どうしたもんか。
困った私は結局、近くの農家さんに助けを求めた。サツマイモ栽培中に色々お世話してくれた農家さんはすぐに知り合いの猟師を呼んでくれた。
「…大きいな。嬢ちゃん一人でつかまえたのか?」
「捕まえたと言うか…突進されたところを避けたら、木にぶつかって気絶していたんでそこを仕留めたと言うか……ちょっと自分じゃケバブ出来なくて…」
この道うん十年の猟師も大きいと呟くサイズのイノシシ。途方に暮れていても肉は出来ない。イノシシを大の男数名で専用の台車にのせて運んでいく。猟師さんの集会場らしき施設に連れて行かれると、イノシシはロープで吊られた。しっかり血抜きしなくては臭くて食べにくいのだそうだ。皮を剥ぐにもお湯が必要とか、専用の道具が必要とかですぐにお肉になるわけじゃないみたい。
「害獣だから助かるよ。冬手前になるとコイツらは収穫間近の収穫物を荒らしに来るからな」
顔見知りの農家さんがそう言った。日本でも異世界でも農家さんは害獣被害に悩まされてんだね。こんなのと戦わなくてはいけないなんて本当に大変だ。
「それにしてもリゼットはすごいな。小さな女の子なのにこんな大きな獲物狩るなんて」
「あはは…」
害獣被害に困っていた農家さんから大変感謝された。
イノシシのお肉は猟師さんがテキパキと捌いてくれた。一連の流れを見学させてもらったが、これは一人じゃ出来ないなという結論に終わった。
大きすぎて持って帰るのが大変だったから、持って帰る分以外のお肉はレンタル畑の片隅で干し肉にしておいた。
なにはともあれ食料ゲットである。
お肉を包んだ油紙を抱えてスラムに戻ると、私は家ではなく一軒のお宅の扉を叩いた。
「はい…リゼット?」
出迎えたのはヴィックである。
「はい、きれいなお肉あげる」
油紙に包まれたそれを見下ろしたヴィックはきょとんとした。彼の手の上にお肉ブロックを乗せると、彼はその重さに困惑していた。スラムに馴染んだ彼にはその重さがどれだけの価値かがわかるのであろう。
「これ、どうした?」
「森でイノシシ狩ったの」
私の返事に彼は肉と私を見比べるように視線を往復させる。
「…ウリ坊か?」
「ううん成体。おっきいイノシシでね、猟師さんの力を借りて捌いてもらったの」
私の返事を聞いた彼は口をあけっぱなしにして呆然としてしまった。
もしかして猪肉食べたことない? 私もそう言えば初めてかも。
「あ、キノコもあげようか。これ今日森でとったばかりだよ」
お肉の上にササッとキノコを乗せると、私は「じゃあね!」と別れを告げて立ち去ったのである。
あばよ! 今日はお腹いっぱい食えよ!
重々しい口調でお父さんが私達に注意してきた。
そうなのだ。
この領内は更に税が重くなった。その影響で中流階級から転落した人が行き場をなくしてここに流れ着いてきて、結果的にスラムの住民が増えた。
そのため治安が悪化しはじめていたのだ。
「…今は皆おとなしく我慢しているけど、いつか暴動が起きるかもしれないね」
そうつぶやいたのはお母さん。
皆それには否定も肯定もしなかった。
口に出すものも出さないものも、皆なにかしら思うところがあった。ただ……不満をいだいていても、彼らには現状を変える力がなかった。
上流階級に逆らったら罰せられる。彼らスラムの人間はきっといともたやすくこの世から消し去られるだろう。
みんな生きるだけで精一杯で、この世界の何かを変えようという気も起きなかった。ただ自分たちが、大切な家族が暮らしていけるように地道に生きるしか出来ないのだ。
だけどいつかそれを変化させようと行動を起こす人間が現れたら、なにかが変わるかもしれない。
□■□
朝晩がすっかり涼しくなり、秋が深くなり始めたころ、私はお兄ちゃんをつれて利用していた畑に向かった。干していたさつまいもをすべて自宅に持ち帰るためである。
「…意外と量があるな」
「一冬越せるか越せないか程度だけどね。ありがと、一人じゃ持って帰るの大変だったから助かるよ」
農家さんが押し車を貸してくれると言うのでそれで持って帰ろうとしたのだが、子どもの体にはちょっと荷が重かった。なのでお兄ちゃんに助っ人を頼んだのである。
さつまいもを積んだ押し車に布を被せる。紐で縛って固定すればオッケー。
「じゃあお兄ちゃん、さつまいもの警護は任せたよ!」
「…一人で大丈夫か?」
ナイフとスリングショット、麻縄を常備した私を心配そうに見下ろすお兄ちゃんに私はニッと笑ってみせた。
「大丈夫! 今日は保存食のキノコついでに獲物がいたら狩ってくるね!」
私は狩りに慣れているから平気だ!
親指を立てて見せると、お兄ちゃんは微妙な笑顔を浮かべつつ「あまり遅くならないようにな」と言い残した。そして彼はひとり、押し車でさつまいもを運搬し始めたのである。
私はお兄ちゃんの後ろ姿を見送ったのち、森の中へ狩りへ出かけた。
ひとりで森の中へ入っていくのもすっかり慣れた。安全な道と危険な道、動物が生息していそうな場所などを感覚で察知できるようになった気がする。
足を踏み入れ、気配を消して獲物を探る。そのついでに保存食になりそうな木の実やキノコを腰に下げたポケット式のカバンに収めていく。
野うさぎちゃん、野うさぎちゃんはどこかなぁ…鴨でも構わないよ……
目を光らせて獲物はないかと周りを見渡していると、大きなお尻を見つけた。茶色くて毛が硬そうな……大きなお尻。うさぎではない。
対象物は草むらでゴソゴソしていたが、気配に気づいたのであろう。こちらをくるりと振り返った。豚っ鼻のそれはイノシシ、だろうか?
目と目が合うその瞬間に恋は生まれなかった。こちらは何も攻撃のアクションはとっていなかったのだが、ひと目で敵認定されたようだ。
ぶしゅうぅ…と鼻息を立てると、イノシシはこちらに狙いを定めて地面を強く蹴りつける。
当方の武器、スリングショットとナイフのみ。流石にイノシシ相手に無理がある。
「うぉっ!?」
こちらに突進してこようとするイノシシの巨体を一寸のところで避けた。
あぶねぇ! 私がぺちゃんこになるところだった! イノシシって確か一直線にしか走れなかったよね!?
後ろを振り向くと、ドゴスッと鈍い音を立てて木の幹がゆさゆさと前後に揺れていた。──猪突猛進したイノシシが木の幹に衝突したのである。
ドスンと地面に倒れ込むイノシシ。どうやら自爆したようである。
……私が森に慣れている野生児じゃなければ死んでたぞ今の!!
あーこわっ!
以前、農家さんが畑を荒らすイノシシがいるって話していたけど、まさか本物と対面することになるとは思わなかった。
私は恐る恐る気絶しているイノシシに近づくと、完全に意識を飛ばしていることを確認する。そして、ゴクリと生唾を飲み込みながらナイフを振り上げた。
君には悪いが、私と家族の血となり肉となってもらう…!
どっちにせよ、農家さんたちからイノシシは害獣として指定されている。このイノシシだっていつかは猟師に狩られる運命だったのだ。その時期が早まっただけ、それだけのこと。
イノシシの頸動脈付近にナイフを差し込んで完全に絶命させる。いつも相手にしている野うさぎや鳥とは違う。血の量が多く、ナイフを刺した手応えも全く違って生々しさを覚えたが、これは生きるため。恐れている暇なぞないのだ。
だくだくだくと地面に吸い込まれる赤。辺りに広がる鉄さびの匂いに少し吐き気を起こしながら、私は次の作業に移ろうとして……止まった。
イノシシの捌き方なんて聞いたことないわ。って。
大きすぎて自分ひとりじゃ運べないし、どうしたもんか。
困った私は結局、近くの農家さんに助けを求めた。サツマイモ栽培中に色々お世話してくれた農家さんはすぐに知り合いの猟師を呼んでくれた。
「…大きいな。嬢ちゃん一人でつかまえたのか?」
「捕まえたと言うか…突進されたところを避けたら、木にぶつかって気絶していたんでそこを仕留めたと言うか……ちょっと自分じゃケバブ出来なくて…」
この道うん十年の猟師も大きいと呟くサイズのイノシシ。途方に暮れていても肉は出来ない。イノシシを大の男数名で専用の台車にのせて運んでいく。猟師さんの集会場らしき施設に連れて行かれると、イノシシはロープで吊られた。しっかり血抜きしなくては臭くて食べにくいのだそうだ。皮を剥ぐにもお湯が必要とか、専用の道具が必要とかですぐにお肉になるわけじゃないみたい。
「害獣だから助かるよ。冬手前になるとコイツらは収穫間近の収穫物を荒らしに来るからな」
顔見知りの農家さんがそう言った。日本でも異世界でも農家さんは害獣被害に悩まされてんだね。こんなのと戦わなくてはいけないなんて本当に大変だ。
「それにしてもリゼットはすごいな。小さな女の子なのにこんな大きな獲物狩るなんて」
「あはは…」
害獣被害に困っていた農家さんから大変感謝された。
イノシシのお肉は猟師さんがテキパキと捌いてくれた。一連の流れを見学させてもらったが、これは一人じゃ出来ないなという結論に終わった。
大きすぎて持って帰るのが大変だったから、持って帰る分以外のお肉はレンタル畑の片隅で干し肉にしておいた。
なにはともあれ食料ゲットである。
お肉を包んだ油紙を抱えてスラムに戻ると、私は家ではなく一軒のお宅の扉を叩いた。
「はい…リゼット?」
出迎えたのはヴィックである。
「はい、きれいなお肉あげる」
油紙に包まれたそれを見下ろしたヴィックはきょとんとした。彼の手の上にお肉ブロックを乗せると、彼はその重さに困惑していた。スラムに馴染んだ彼にはその重さがどれだけの価値かがわかるのであろう。
「これ、どうした?」
「森でイノシシ狩ったの」
私の返事に彼は肉と私を見比べるように視線を往復させる。
「…ウリ坊か?」
「ううん成体。おっきいイノシシでね、猟師さんの力を借りて捌いてもらったの」
私の返事を聞いた彼は口をあけっぱなしにして呆然としてしまった。
もしかして猪肉食べたことない? 私もそう言えば初めてかも。
「あ、キノコもあげようか。これ今日森でとったばかりだよ」
お肉の上にササッとキノコを乗せると、私は「じゃあね!」と別れを告げて立ち去ったのである。
あばよ! 今日はお腹いっぱい食えよ!
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