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ステラの尋問

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ステラside

「アリーナをまた笑わせるためには...?」
「ステラ、どうかしたのか?」 

悩める私に声をかけてきたのはカルムだった。

「もやもやするのですわ。昨日のお弁当の時の顔。アレは間違いなくアリア様でしたわ。でも、目の前にいるのはアリーナで...」
「あぁ、そういうことあるよな。やっぱそう見えるよな。」
「え?」
「俺はこの間のセシール君。体調不良の時のやつ。目は茶色だったんだけどなぁ。なんか、セシルに見えちゃった。」
「...親戚にしてもおかしいですわ。」
「そうか?あんまり深掘りするのはよくないからな?なんかあっても困るからな。」
「わかっていますわ。ですが、カルムは気になりませんか?」
「...急な質問だな。まぁ、気になるよ。ステラとか気にするそぶりすら見せなかったくせに。」
「いや、気になりますわよ!そもそも、あの王子が庶民の管理を引き受けたことから全部!」
「それ、大分前じゃねぇ?ステラと俺と手伝い人に任命した1週間後くらいの話じゃん。つまりは、3年前。中等部の頃からか?」
「えぇ。あんなに冷酷卑劣な王子が...」
「ステラ。僕に対して随分な言い分ですね。どうかしましたか?」

あ、ヤバい。
怒らせてしまっただろうか。
クリス様を怒らせたらお母様に怒られてしまう...!!

「申し訳ありません。少し、話をしてたらヒートアップしました。」
「僕の悪口を言おうとしてたのが見え見えなその姿勢、悪くないですね。」

いや、どうやら目の前の王子はドMを発病していたようだった。

「クリス様、アリーナってどういう人ですか?」
「直球だな。まぁ、そういう人なんじゃね?」
「...どういう人と言われましても。。セシールにでも聞いてみたらどうです?なにかわかるかもしれませんよ。」
「わかりましたわ。聞いてみます。」

とりあえず行動あるのみですわ!

「おや、カルムは行かないのですか?」
「...また後からでいいですよ。俺は吹っ掛けるならセシールくん派だし。」
「ほぉ?」




庶民棟

セシルside

ガチャ。

「セシール!」

あぁ、嫌な予感がする。

「どうされました?ステラ様。」
「少し話がありますわ!付き合ってくださる?」
「お断りします。」

めんどうな話だろうし。

「アリーナについて少し話しませんか?」
「...内容によります。」
「どんな方か気になりますわ。なぜ、あそこまでアリア様に似ているのか教えてくださらない?遠い親戚、ですわよね?」

ステラはさぁ、、!
アリーナのことでこんな走り回ってるのに目の前のセシールがセシルな可能性を微塵も考えていない。

絶対答えてやるもんか。ムカついてきた。

「知りませんよ。自分で考えたらどうです?」
「なんですの!生意気ですわね。あなたもあなたでセシル様そっくりな性格してますわね!で、どんな人ですか?」
「エミリに聞いてみればどうです?外で仲良くお話し中だし。」
「やるしかないですわね。」

そういってステラは庶民棟の外へ出ていった。

ガチャ。

次は誰だよ。。

「セシール君。勉強なんて偉いな。」
「カルム様ですか。ステラ様なら外に行きましたよ。アリーナ姉さんがどんな人か知りたいらしいですね。」
「じゃあ、俺はあんたがどんな人か知りたいってことで。」

カルムさぁ。。
さすが僕の友達だよ。。

「僕ですか。見ての通りですよ。」
「見ての通りっていってもなぁ。隠しきれないほどのシスコンってことになるけど?」
「それでいいですよ。アリーナ姉さんがステラ様に変なこと言わないように見張りにいきます。」
「じゃあ、俺も。」




外ではステラによる不器用な尋問が繰り広げられていた。

「えっと、自己紹介をしてください!」
「アリーナ・グラントです。」
「エミリ・ハンガです。」
「えっと、得意教科は?」
「魔法基礎ですかねぇ。」
「私は数学です。」
「尊敬する貴族は?」
「んー、悩みますがアイ様とかでしょうか?」
「私もです!」
「こうしてあなた方を尋問する私を誰一人として選ばない現実はなんですの?」
「ステラ様は今こうして私たちのもとへ来てくれるお優しい方ですから。アリーナと私は一番親しみやすいと思っています!」 
「はい。ステラ様は優しくて可愛いです!」
「...おだてたってなにも出ませんわよ?で、えっと。尋問は苦手ですわね。直球に聞きたいですわ。」

ステラの真っ直ぐな性格が裏目に出ているようだ。

「もう真っ直ぐ聞いてみれば?お前、案外策略とかは苦手なんだよ。」
「...認めたくない苦手ですわね!?もういいですわ。ちょっと、アリーナ。私はあなたが気になりますの!詳しく話を聞かせてくれませんか?」
「な、なるほど?」

グイグイ姉に近付くステラはまるで相手がアリアのときと同じような顔色をしていて。。
自然と頬がゆるんでいた。

この後起こる災難なんて知らずに。
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