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第三話 今だ、やれ
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「今だ、やれ」
「「「は!!」」」
「え?うわっ!!」
状況が読めずただ呆然と立ち尽くす俺に向かって兄ちゃんが指示を飛ばす
すると何処に隠れていたのか兄ちゃんの側近二人+シリルが現れ俺の体を縄でぐるぐるに縛り上げた
俺はバランスを崩し地面に倒れ込む、床にはふかふかの絨毯が敷かれているため痛みは無かったが俺にはそんな小さなことを気にしている余裕はなかった。
ゆっくりと顔をあげるとハイタッチを交わしお互いの健闘を賛え合う側近達、皆いい笑顔だ、中でもシリルがめちゃくちゃいい顔をしていた。
ちなみにフェイは部屋の端で呑気にお茶を飲んでいた
精霊のフェイの姿は普通の人には見えない、見えるのは俺が許可を与えた人間だけ
今の所誰もいないけど
「兄ちゃん?これは・・・?」
お茶を飲んでいたフェイを見て少し冷静になった俺はこれまたソファで優雅にティーカップを持ち上げた兄ちゃんへと問いかけた
「なに、たしかに僕はグレンの平民落ちを容認したさ」
兄ちゃんは俺より2つ上の17歳、黒髪に赤い瞳に細いがしっかりとした体格を持ち武術魔術共に成績トップ3に名を連ね、さらに誰にでも紳士的な対応をすることから兄ちゃんが通う学園では漆黒の貴公子と呼ばれている兄ちゃんは見た令嬢が倒れてしまうほど甘い笑みを浮かべながら
「だけど格上の公爵家、しかも貴族派閥筆頭のランバート公爵家からの縁談をボイコットすることはいくらかわいい弟の望みであっても叶えることはできないんだよ」
「でもだからってこんな」
「こうでもしないとお前は逃げるだろ?安心しろ、別に無理矢理婚約させるわけじゃない。ですよね?ランバート公爵令嬢?」
兄ちゃんはそう言って左側に座るランバート公爵令嬢に話しかけた
すると彼女も笑みを浮かべ
「ええもちろんですわ、私はあくまでグレン様のご意思を尊重したいと思います」
「じゃ」「ですが、私の事を知りもせず、あまつさえ会ってくれさいしていただけないのでは私は悲しくて」
そう言うやランバート公爵令嬢はハンカチで目元を抑えた
さすがに罪悪感半端ないよ・・・
「う、す、すい」「ですからまずはお互いのことを知るために話し合うべきだと思うのです。二人で、じっくりと」
「え?」
そう言うやにんまりと笑みを浮かべるランバート公爵令嬢
その瞬間なぜか背中に悪寒が走る
「素晴らしい!!では邪魔者は退散するとしよう」
「兄ちゃんまっ」「では皆退室せよ」
「「「はっ!!」」」
「はっ!!じゃないよ!?止めて行かないで!!」
とても素早い動きで出ていこうとする兄ちゃんと側近達、俺は必死に呼び止めた
するとその願いが届いたのか兄ちゃんの足が止まり
くるりと俺に振り返る
「ああ、すまない、かわいい弟よ」
「兄ちゃん!!」
俺は兄ちゃんに願いが届いたと喜びの声を上げた
「御令嬢の前でそのままと言うわけには行くまい、おい、グレンをソファに座られせてやれ」
「え?」
「あ、もちろん縄はそのままで」
「に、兄ちゃん?」
「「「はっ!!」」」
「いや、はっ!!じゃないから!!聞いてお願い!!いや、だから違くて!!止めて!!座らせないで!!」
俺はあっという間にソファに座らせられてしまった
そして
「うむ、ではお二人共、ごゆっくり」
「「「ごゆっくり」」」
そう言って部屋を出ていく兄ちゃんと側近+シリル
ドアを閉める際にシリルと目が合うとあの野郎ニンマリと笑みを浮かべていやがった
あとで覚えてろよ!!
扉が閉まると沈黙が部屋を満たした
だって何を話したらいいかわからないんだもん!!
俺がおどおどしていると
「楽しいお兄様ですね」
「え、あ、はい、兄ちゃんあ、じゃなかった兄様はいつも楽しそうにしてます」
「そうなのですか?私の兄はライオ様と同級で友人関係なのですが普段は物静かで冷静に物事に対処されていると伺っていたものですから今日のようなお姿を見てとても驚きましたわ」
「そうなんですか?家ではいつもあんな感じですよ?」
「ふふ、そうのようですね、楽しいお兄様で羨ましですわ」
そう言って笑う彼女はフェイが言っていたように美しく眩しかった。
「ところで、一つお伺いしたいのですが」
「はい、何でしょうか?」
「これに見覚えはありますか?」
「そう言って彼女が出したのは一枚のハンカチだった」
「「「は!!」」」
「え?うわっ!!」
状況が読めずただ呆然と立ち尽くす俺に向かって兄ちゃんが指示を飛ばす
すると何処に隠れていたのか兄ちゃんの側近二人+シリルが現れ俺の体を縄でぐるぐるに縛り上げた
俺はバランスを崩し地面に倒れ込む、床にはふかふかの絨毯が敷かれているため痛みは無かったが俺にはそんな小さなことを気にしている余裕はなかった。
ゆっくりと顔をあげるとハイタッチを交わしお互いの健闘を賛え合う側近達、皆いい笑顔だ、中でもシリルがめちゃくちゃいい顔をしていた。
ちなみにフェイは部屋の端で呑気にお茶を飲んでいた
精霊のフェイの姿は普通の人には見えない、見えるのは俺が許可を与えた人間だけ
今の所誰もいないけど
「兄ちゃん?これは・・・?」
お茶を飲んでいたフェイを見て少し冷静になった俺はこれまたソファで優雅にティーカップを持ち上げた兄ちゃんへと問いかけた
「なに、たしかに僕はグレンの平民落ちを容認したさ」
兄ちゃんは俺より2つ上の17歳、黒髪に赤い瞳に細いがしっかりとした体格を持ち武術魔術共に成績トップ3に名を連ね、さらに誰にでも紳士的な対応をすることから兄ちゃんが通う学園では漆黒の貴公子と呼ばれている兄ちゃんは見た令嬢が倒れてしまうほど甘い笑みを浮かべながら
「だけど格上の公爵家、しかも貴族派閥筆頭のランバート公爵家からの縁談をボイコットすることはいくらかわいい弟の望みであっても叶えることはできないんだよ」
「でもだからってこんな」
「こうでもしないとお前は逃げるだろ?安心しろ、別に無理矢理婚約させるわけじゃない。ですよね?ランバート公爵令嬢?」
兄ちゃんはそう言って左側に座るランバート公爵令嬢に話しかけた
すると彼女も笑みを浮かべ
「ええもちろんですわ、私はあくまでグレン様のご意思を尊重したいと思います」
「じゃ」「ですが、私の事を知りもせず、あまつさえ会ってくれさいしていただけないのでは私は悲しくて」
そう言うやランバート公爵令嬢はハンカチで目元を抑えた
さすがに罪悪感半端ないよ・・・
「う、す、すい」「ですからまずはお互いのことを知るために話し合うべきだと思うのです。二人で、じっくりと」
「え?」
そう言うやにんまりと笑みを浮かべるランバート公爵令嬢
その瞬間なぜか背中に悪寒が走る
「素晴らしい!!では邪魔者は退散するとしよう」
「兄ちゃんまっ」「では皆退室せよ」
「「「はっ!!」」」
「はっ!!じゃないよ!?止めて行かないで!!」
とても素早い動きで出ていこうとする兄ちゃんと側近達、俺は必死に呼び止めた
するとその願いが届いたのか兄ちゃんの足が止まり
くるりと俺に振り返る
「ああ、すまない、かわいい弟よ」
「兄ちゃん!!」
俺は兄ちゃんに願いが届いたと喜びの声を上げた
「御令嬢の前でそのままと言うわけには行くまい、おい、グレンをソファに座られせてやれ」
「え?」
「あ、もちろん縄はそのままで」
「に、兄ちゃん?」
「「「はっ!!」」」
「いや、はっ!!じゃないから!!聞いてお願い!!いや、だから違くて!!止めて!!座らせないで!!」
俺はあっという間にソファに座らせられてしまった
そして
「うむ、ではお二人共、ごゆっくり」
「「「ごゆっくり」」」
そう言って部屋を出ていく兄ちゃんと側近+シリル
ドアを閉める際にシリルと目が合うとあの野郎ニンマリと笑みを浮かべていやがった
あとで覚えてろよ!!
扉が閉まると沈黙が部屋を満たした
だって何を話したらいいかわからないんだもん!!
俺がおどおどしていると
「楽しいお兄様ですね」
「え、あ、はい、兄ちゃんあ、じゃなかった兄様はいつも楽しそうにしてます」
「そうなのですか?私の兄はライオ様と同級で友人関係なのですが普段は物静かで冷静に物事に対処されていると伺っていたものですから今日のようなお姿を見てとても驚きましたわ」
「そうなんですか?家ではいつもあんな感じですよ?」
「ふふ、そうのようですね、楽しいお兄様で羨ましですわ」
そう言って笑う彼女はフェイが言っていたように美しく眩しかった。
「ところで、一つお伺いしたいのですが」
「はい、何でしょうか?」
「これに見覚えはありますか?」
「そう言って彼女が出したのは一枚のハンカチだった」
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