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【三】

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 その夜。
 皆が寝静まった深夜の時間に、私とミハクは静かにお城を去り、――思い出と別れを告げ、生まれ育った国土を後にしました。

 国土線から一歩を踏み越えた場所から振り返った、最後に見渡したお国の姿に――思わず、涙が出るほどの寂寥を感じました。

「さよなら……」

 私は虚しく呟くと……ずっと共にあった、私の全てであったお国に背を向けて、小さく嗚咽を上げながら、歩き出しました。

 
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