城の隣に異世界から『らぶほてる』がやってきたので偵察に行ってみることにした王太子夫妻のはなし

紺乃 藍

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第4話 ◆

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「ひぅ――っ」

 口を噤んだまま見つめ合っていると、動きを止めていたヴィクトルの腰が急に前後に揺れ始めた。リーゼの膝の裏に腕を入れ、腰から下半身をひっくり返されるように秘部を晒され、斜め上から押し潰されるような抽挿が始まる。

「っ……ああ……リーゼも、気持ちいいな?」
「ああ、あっ……ぁん」

 膨らんだ亀頭の先でトントンと行き止まりを刺激されると、喉から押し出されるように甘え声が漏れる。自分の声が恥ずかしいから手で口を覆って隠したいと思うのに、ヴィクトルの腰遣いが激しくて彼の首から腕を離すことができない。ヴィクトルにしっかりとしがみついていないとそのままどこかへ飛んでいってしまいそうな気がするし、照れ隠しの手段を他に考えようにも頭が上手く回らない。

「あ、あっ……はぁ、あぁ……っん」

 ぱちゅ、ぱちゅん、と蜜に溺れた音が響く。感度の高い場所同士が擦れ合って奏でるリズムに、少しずつ性感を引き上げられていく。

 そうやって蜜壁を抉る振動と摩擦に震えているうちに、内股と子宮の奥がびりびりと痺れて、代わりに蜜筒の奥からねっとりとした快感が溢れ出してきた。それが絶頂の気配であると知るリーゼは、無意識のうちにヴィクトルに首に絡めた腕に力を込めた。

「だめ……ヴィク……ト……っさま、ぁ」
「リーゼ……出すぞ」

 顔の距離が近い。至近距離で色香を纏いながら口角を上げたヴィクトルにこくこくと頷く。すると一気に腰を打つ速度があがった。

「あ、ぁ……もう、いっ……」
「リーゼ……ッ」
「あっ……ふぁ、ああぁ――っ……!」

 腰を振っていたヴィクトルが勢いをつけて体重をかけてきた直後、リーゼの全身が突然びくん、と飛び跳ねた。直後に生じたのはじわじわと小刻みに脈打つ振動と激しい濁流を伴う衝撃で、気がつけばリーゼは激しい絶頂の渦に飲み込まれていた。

「ふぁ……ん……ぅ」

 ヴィクトルの陰茎をきゅうきゅうと締め付けるように、全身が激しく痙攣する。その反応ごと味わい尽くすようにヴィクトルから唇を奪われる。舌を絡めて互いの温度を味わいながら絶頂反応が快楽の余韻へ変わる瞬間を待つ。

「ヴィクトル……さまぁ」
「よしよし」

 ふ、と唇を離したヴィクトルが優しく微笑んでくれる。自分の快感に夢中になるあまりすっかり意識が反れていたが、冷静になると同時に下腹部の感覚が戻ってくると、ヴィクトルもちゃんと達していたことを知る。彼が身体を起こした際に膣内から陰茎がずるぅと抜けていくと、少し遅れてこぽっと精蜜が溢れる音がした。

「苦しくないか?」
「あ、はい……大丈夫です」

 ヴィクトルが優しい声でリーゼの体調を心配してくれる。彼の笑顔からは色気と妻を愛おしく思う感情が止め処なく漏れ出ていて、見慣れているはずのリーゼですらいつもこの表情にときめいて照れてしまう。

 他の誰も知らないであろうヴィクトルの笑顔に、ふふふ、と幸福に浸っていると、身体を起こした彼がとんでもないことを言い出した。

「そうか。じゃあ交代しよう」
「……。……えっ?」

 油断していた。完全に気が抜けていたし、力も抜けていた。まさかヴィクトルの方からさらに回数を重ねたいと言い出われるとは思いもよらず、すっかりと反応が遅れた。

「ま、待ってください……ヴィクトルさま!」

 腕を引かれて抱き起こされると、たった今までリーゼが転がっていた場所に今度はヴィクトルが仰向けになる。気がつくとリーゼは寝そべったヴィクトルの腹に馬乗りに座らされ、下からじっと顔を覗き込まれていた。

「ん? あれはなんだ……? 鏡?」
「……」

 リーゼの顔を見つめていたはずのヴィクトルがそっと首を傾げる。その仕草から鏡の存在どころか、鏡に気づかないフリを続けて必死に隠し通そうとしていたことまで露呈したと知る。

「へえ、なるほどな」
「あ、あの……」
「リーゼは俺の顔じゃなくて、あれを見るのが恥ずかしかった?」
「っ……」

 わざわざ口に出して確認しなくても良いと思うのに、ヴィクトルが意地悪に微笑んでリーゼの口から内心を聞きたがる。全裸で夫の上に跨りながら言うのは今さらすぎて違和感があるのだが、改めて確認されるとやはり恥ずかしい。知っていたのに知らないフリをして必死に誤魔化そうとしていたことがバレるのは、なおさら恥ずかしい。

「俺の質問に答えられないなら、お仕置きが必要だな」
「え、ちょ……!?」

 意地悪な問いかけに答えられず羞恥に俯いていたリーゼだったが、そこでさらなる恥ずかしい状況に陥る。少し身を起こしたヴィクトルに身体の向きをくるんとひっくり返され、リーゼの身体の正面を脚側に向ける。つまりヴィクトルに背中を向ける方向に変えられたのだが、本当の驚きはその先にあった。

 胸の前に回ってきた腕に上半身をぐいっと引っ張られると、ヴィクトルの胸に背中を預ける格好になる。さらに身体を倒されると、仰向けになったヴィクトルの上にリーゼも仰向けで寝そべる体勢にさせられた。――ということは。

「な、なんて格好をさせるのですか!」
「こうするとリーゼもよく見えるだろ」
「見たくないです……っ」

 はっとして視線を上げると、鏡の中に全裸で横たわる自分の姿が映る。ただし先ほどはヴィクトルのつむじや後頭部が見えていたが、今はほとんどリーゼ一人の状態だ。当たり前だ。今のヴィクトルは仰向けになって鏡面に全裸を晒しているリーゼの下敷きになり、身体のほとんどがリーゼの陰に隠れた状態となっているのだから。

「足立ててくれ、挿れにくい」
「い、いれなくても……!」
「リーぜ」
「ふぁっ……ぁ、……ぅん」

 短い言葉で命じるヴィクトルに抵抗を試みるが、名前を呼ばれることで遠回しに叱責を受ける。股の間で再び元気になっているヴィクトルの屹立を受け入れない、という選択は、おそらく最初から存在しない。

 だが夫婦といえど合意のない行為は絶対にしないヴィクトルなので、リーゼが頷くまではずっとこのままなのだろう。それに挿入はされなくても、後ろから――下から伸びてきた手が胸のふくらみをふわりと包み、また先ほどと同じように先端をクリクリと撫でまわしている。

 その姿を正面の鏡越しに直視させられる。

「あっ……あぅ……う」

 羞恥を煽る悪戯に勝てないことは知っている。だから観念してシーツに脚を立ててそっと開くと、胸から手を離したヴィクトルの両手がそろりと下半身に伸びてきた。

「そう……いい子だ」
「っ……ん」

 一方で自分の陰茎を支えもう一方でリーゼの秘部をくぱりと開いたヴィクトルは、耳の傍で妻を褒める台詞を呟きながら、再び自身の昂りをリーゼの中へ押し込んできた。

「あっ……やぁ……ん」

 下から突き上げられるような挿入はいつもの奥を突くような刺激とは異なり、どちらかというと膣の前方を押し上げるような圧迫感になる。鏡の中でリーゼを背後から貫くヴィクトルと目が合うと、なぜかいつになく満面の笑みを返された。

 その視線が無性に恥ずかしくなって顔をふいっと背けると、ヴィクトルが耳の後ろにフッと息を吹きかけてきた。

「リーゼ、しっかり上見ろ」
「! や、やぁ……っん」

 至近距離から受ける命令に背中がびりびびりと痺れる。刺激的なのに甘やかな快感に、全身から力が抜けそうになる。

 しかし気持ち良くなっても手放しに脱力はできない。リーゼが力を抜けば、真下にいるヴィクトルに体重のすべてを受け止めさせることになる。それだけは避けたいと思うのに、挿入が完了して陰茎を支える必要も秘部を開く必要もなくなったことでヴィクトルの手が完全に自由な状態になっている。その手が剛直を飲み込む淫花の上を……すっかりと濡れて膨らんだ陰核を、ぬるぬる、ぐりぐりと捏ね始める。

「だめ、ヴィクトルさま……! 私、重く……てっ」
「重いわけ、ないだろ……。ン……むしろ、軽すぎて……心配なぐらいだ」
「あっ……ふぁっ……ぁん」

 耳元で意地悪に笑いながら花芽を擦り撫で続ける。さらに反対の手が振動でふわふわと揺れる胸を後ろから包み込み、ふっくらと色付いた突起を指先で弾く。

「んん……やぁ……あッ」
「ほら……繋がってるところも、リーゼが感じてるところも、よく見える」
「だ、だめぇ……っん、ぁ、ああ」

 ゆるい突き上げと、敏感な花芽への愛撫と、弱い胸嘴への刺激と、わざとに耳元に吹き込まれる熱い吐息。複数の快楽を同時に与えられたリーゼはそれだけで羞恥の限界値を超えているのに。どの刺激も達するほどの強さはないが、ヴィクトルはそうやって可愛がられて乱れる姿を天井の鏡ですべて自ら確認しろというのだ。

「やぁ、あ……ぁん」

 あまり露骨に顔を背ければこの状態が長引くと理解しているが、やはり恥ずかしいものは恥ずかしい。葛藤の末ヴィクトルの視線からさり気なく逃れるという選択肢しかできないリーゼだったが、どこでふとヴィクトルの態度が軟化した。

「ああ……この体勢、楽しいには楽しいが、少し動きにくいな」
「で、ですよねっ……それでは、もうやめ――わ、わわっ!?」

 ぽつりと呟いたヴィクトルが愛撫の手を休めてそう呟いたので、ようやくこの恥ずかしすぎる戯れが終わるのだと安堵する。リーゼの身体を後ろから抱きしめたまま身を起こしたので、ヴィクトルの陰茎がにゅぽ、と抜けた。

 ほっと息をつきかける反面、急に行為が終了したことに一抹の寂しさを覚えた。しかし複雑な感情を抱く間もなく、今度は座った状態からさらに前へ起こした体勢に……気がつけば臀部を高く掲げてシーツの上に胸をつけるような格好に押し倒されていた。いわゆる四つ這いである。

 えっ? と疑問の声を発する前に、背後で身を起こしたヴィクトルが尻の真後ろに密着する。臀部のあわいに固いものが押し当てられたので、リーゼは自分の身に起こる状況をすぐに察知した。ぞくん、と背筋が熱く凍る。

「リーゼは、後ろからされるのも好きだったな」
「い、いいっ……言ってません! そんなこと……ふぁ、あぁっ……!?」

 否定するよりも早く肉杭が蜜筒を穿つ。後方から一気に押し込まれた衝撃で背中がびくっと仰け反るが、ヴィクトルは容赦なく腰を振り乱してくる。

「あ、ああ……ぁっ……ヴィクトル、さま……あっ」
「ん? リーゼ……今日は、自分から……腰を振ってくれるん、だな?」
「ちが、ぁ、ああ……っ」

 楽しそうな声で訊ねられ、ふるふると首を振る。シーツを握りしめて抽挿の激しさに耐えるだけで精いっぱいなのに、自らヴィクトルの熱を求める余裕などない。

 そう伝えたいはずなのに、ヴィクトルが動きを緩めても奥を突く速度と感覚はなぜかまったく変わらない。

 ならばヴィクトルの言うとおりなのかもしれない。リーゼはきっと、無意識のうちにヴィクトルを求めている。もっと触れ合いたい。もっと知りたい。もっとたくさん愛し合いたい――そんな願望が心の中で凝っていくうちに、いつの間にか自分の気持ちを素直に口にできなくなった。だから言葉にできないぶん、もっと夫婦の時間がほしいと思う感情が、リーゼが自ら腰を揺らしてヴィクトルを求める行動に変わっているのかもしれない。

「そうだな……寂しい思いをさせてごめんな」
「ふ……ぁ……っ……ん」
「ほら、リーゼ……声押さえるな」
「あ、ぁっ……で、でも……」

 口を開けば快感に啼く声だけではなく、これまで必死に我慢していた感情まで一気に溢れ出てしまう気がする。ヴィクトルを困らせる台詞まで零れ落ちてしまいそうになる。だから白いシーツをぎゅう、と握って我慢していたのに、ヴィクトルは我慢をするなという。感じるままに声に出せという。

「我慢しなくていい。ここは〝ちゃんと愛し合う場所〟……なんだろ?」
「それは、あっ……はぁ」
「隠さなくていい。ここには俺以外、誰もいない……!」
「んん、んぅ……」

 膨らんだ尖端で深い場所をぐりぐりと潰されると、圧迫で押し出されるように甘え声が溢れ出る。その反応を恥ずかしいと思うリーゼだが、ヴィクトルはリーゼの我慢の邪魔をする。口を噤むたびに腰を掴む指先に力が籠もり、勢いをつけて激しく突き込まれる。

 濡れた音と乾いた音が混ざり合い、結合部に強い摩擦熱を生む。その熱に溺れるように快楽に身を委ねると、ヴィクトルの抽挿の速度も急加速した。

「あっ、ヴィク……トル、さま……っあぁ!」
「全部……さらけ出して、いい……っ。俺が全部、見ていてやるから」
「あ、だめ、だめぇ……もう……っ!」

 ぐちゅん、と濡れた音が響いた瞬間、足の付け根が小刻みに震え出した。その反応が絶頂の前触れであると気づくより早く、爆発的に膨れ上がった快感がぱん、と一気に弾け飛ぶ。びくびくっと身体が跳ねるとその刺激が伝わったヴィクトルの陰茎と腰もぶるりと震えた。

「リーゼ……ッ」
「ふぁ、あぁあ――っ……ん」

 ヴィクトルがリーゼをうつ伏せにした理由はきっと、リーゼに天井の鏡を意識させないためだろう。リーゼが見えないリーゼの姿も、代わりに自分がちゃんと見ていてやる。――そんなヴィクトルの意図と想いに気がつく前に、リーゼの下腹部は熱い蜜で、そして視界はきらきら眩い光で満たされていった。

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