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僕の誕生日
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あれから特に進展もなく、気づくと11月も半分過ぎた。
最近、アカリちゃんが目に見えてウキウキしてる。
「ああ、もうすぐだもんなー」
「今年も何かが起きそうだな」
マサキとトーマは理由が分かっているみたい。
うーん、なんだろう?
そういえば、来週は僕の誕生日だ。
17歳までには170cmなんて余裕で超えてると思っていたのに、まだ165cmだ。
それでも、やっと1cm伸びた。
僕の思考は身長問題に移行した。
「マサキ、トーマ、今度の日曜日だからね!」
「あーハイハイ」
「りょーかい」
「日曜日何かあるの?」
あれ、みんな目が点になってない?
「おい、棗、なんでヒロ知らないんだよ。主役だろ」
「ごっめーん、うっかりしてたー」
「ヒロ、日曜日はお前の誕生日パーティーだ」
「なんだ、パーティーかぁ………えっっ僕⁈」
アカリちゃん、僕の誕生日の準備で張り切ってたんだ。
それだけで僕は嬉しくて頬が緩んでしまう。
「ケーキはボクが作るんだよー。楽しみにしててね」
「毎年毎年懲りねぇな、お前は」
「じゃあ、俺らは予備のケーキ買ってくか」
「そうだな。ないよりマシだろ」
「毎年毎年しっつれいだよね、君たちは」
僕そっちのけで言い争う3人。
アカリちゃんは中学に上がってから毎年、僕の誕生日にケーキを焼いてくれる。
料理全般苦手だから毎年失敗しちゃうんだけど…。
初めての時は炭だった。
ケーキとは思えないジャリジャリした食感で、ものすごく苦かった。
そこに砂糖3倍の生クリームが山盛りにかかって、甘いのと苦いで口の中が大変だった。
アカリちゃんは僕の誕生日ケーキだけは僕に手伝わせてくれない。
それでも少しずつ上達してて、去年は岩山だった。
味は何とか食べれるものだったけど、食感だけは岩みたいに硬かった。
材料も分量も手順も完璧なはずなのにどうしてなんだろう?
とはいえ、日曜日が楽しみになった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
日曜日は雲ひとつない晴天に恵まれた。
今日はバーベキューだ。
上着がないと少し寒いけど、みんなでワイワイすると楽しくて体も暖かくなってくる。
マサキとトーマは予告通りケーキを買ってきた。
苺がたくさん乗ったショートケーキだ。
「マサキ、トーマ、君たちにケーキを買ってきたことを後悔させてやるよ」
フッフッフと悪役みたいな笑いをしながら、どこで買ったか気になる大きなクローシュで覆われたケーキと思しきものを乗せたワゴンを押して来た。
「じゃーん!」とアカリちゃんがクローシュを開けると、そこにはとても綺麗にデコレーションされたケーキがあった。
「わっすごい」
「でしょ。デコレーションはお母さんに手伝ってもらったんだ」
感動する僕の目の前でアカリちゃんはポスポスと17本の蝋燭を刺し火を付けた。
「写真撮ろ!」
いつの間にか三脚にセットされたカメラが用意され、みんながケーキと僕を囲んで何枚か写真を撮った。
「さぁ、ヒロ。一思いに吹き消して」
スマホを構えるアカリちゃんと僕たちの両親たち。
視界の端には更にその様子をスマホで撮影しながらニヤニヤするマサキとトーマがいた。
僕は空気をいっぱい吸い込んで、シャッター音乱れる中、「ふーっ」と一気に吹いた。
「あー惜しい」
蝋燭の先にユラユラ揺れる炎が4本残った。
「アカリ、ヒロくんと一緒に消してあげて。マサキくんとトーマくんも」
蒼さんの提案で残った蝋燭の火を4人で吹き消した。
「おい棗……お前スポンジに何練り込んだんだよ……」
「何って普通に練乳をチューって」
「練乳って普通に入れるもん?」
「隠し味、的に?」
「お前のチューの動きは隠し味を超えてるからな」
アカリちゃんの手はギューと全部絞り出す動きだった。
奇跡的にフワフワに焼き上がったスポンジは隠し味?の練乳によって、壊滅的に甘いものになった。
「アカリちゃん、今日はありがとう」
歩いてすぐに着いてしまうお隣の玄関までアカリちゃんを送る。
今日の僕はアカリちゃんとバイバイするのがものすごく名残惜しくて離れがたい気持ちでいっぱいだ。
夜は冷えるから繋いだ手を早く離さないと、と思うのに離せないでいる。
「ヒロ?」
「ごめん……なんだろう……今日すごく楽しかったから……今日がまだ終わらないで欲しいって思っちゃった」
アカリちゃんと繋いでいる手にぎゅっと力が篭る。
「ヒロ、ちょっとだけ寄ってくれない?」
「………うん?」
アカリちゃんは僕の手を引いて家に入り、まっすぐ部屋に向かった。
「本当は当日に渡そうと思ってたんだけど……」
アカリちゃんはそう言うと僕の手に小さな箱を置いた。
開けると赤い小さな石のピアスがひとつ入っていた。
「赤いけどそれトパーズなの。ボクの好きなヒロの色」
「あ、でも僕穴は……」
「うん……だから…いつかここに着けて欲しいな、って」
アカリちゃんは人差し指をそっと僕の左耳朶に触れそう言った。
箱に視線を戻して赤い石を見る。
オレンジ掛かった綺麗な赤い宝石。
アカリちゃんの目に映る僕は、こんな色なんだ。
すごく、すごく嬉しい。
「うん。ありがとう、アカリちゃ……」
顔を上げるとアカリちゃんの顔が近づいていた。
僕は鼻が当たらないよう少しだけ顔を傾け目を閉じた。
僕たちは触れるだけの長いキスをした。
僕は……
アカリちゃんが欲しいと思った。
__________________
結局、予定通りのアップになりました。
トパーズはインペリアルトパーズがイメージです。
アカリが選んだ色は赤が強く出たものになります。
インペリアルトパーズの石言葉には
・絆を強める
・愛情を高める
・能力を高める
・心の迷いを断つ
など、色々あるようです。
以上、豆知識でした(笑)
最近、アカリちゃんが目に見えてウキウキしてる。
「ああ、もうすぐだもんなー」
「今年も何かが起きそうだな」
マサキとトーマは理由が分かっているみたい。
うーん、なんだろう?
そういえば、来週は僕の誕生日だ。
17歳までには170cmなんて余裕で超えてると思っていたのに、まだ165cmだ。
それでも、やっと1cm伸びた。
僕の思考は身長問題に移行した。
「マサキ、トーマ、今度の日曜日だからね!」
「あーハイハイ」
「りょーかい」
「日曜日何かあるの?」
あれ、みんな目が点になってない?
「おい、棗、なんでヒロ知らないんだよ。主役だろ」
「ごっめーん、うっかりしてたー」
「ヒロ、日曜日はお前の誕生日パーティーだ」
「なんだ、パーティーかぁ………えっっ僕⁈」
アカリちゃん、僕の誕生日の準備で張り切ってたんだ。
それだけで僕は嬉しくて頬が緩んでしまう。
「ケーキはボクが作るんだよー。楽しみにしててね」
「毎年毎年懲りねぇな、お前は」
「じゃあ、俺らは予備のケーキ買ってくか」
「そうだな。ないよりマシだろ」
「毎年毎年しっつれいだよね、君たちは」
僕そっちのけで言い争う3人。
アカリちゃんは中学に上がってから毎年、僕の誕生日にケーキを焼いてくれる。
料理全般苦手だから毎年失敗しちゃうんだけど…。
初めての時は炭だった。
ケーキとは思えないジャリジャリした食感で、ものすごく苦かった。
そこに砂糖3倍の生クリームが山盛りにかかって、甘いのと苦いで口の中が大変だった。
アカリちゃんは僕の誕生日ケーキだけは僕に手伝わせてくれない。
それでも少しずつ上達してて、去年は岩山だった。
味は何とか食べれるものだったけど、食感だけは岩みたいに硬かった。
材料も分量も手順も完璧なはずなのにどうしてなんだろう?
とはいえ、日曜日が楽しみになった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
日曜日は雲ひとつない晴天に恵まれた。
今日はバーベキューだ。
上着がないと少し寒いけど、みんなでワイワイすると楽しくて体も暖かくなってくる。
マサキとトーマは予告通りケーキを買ってきた。
苺がたくさん乗ったショートケーキだ。
「マサキ、トーマ、君たちにケーキを買ってきたことを後悔させてやるよ」
フッフッフと悪役みたいな笑いをしながら、どこで買ったか気になる大きなクローシュで覆われたケーキと思しきものを乗せたワゴンを押して来た。
「じゃーん!」とアカリちゃんがクローシュを開けると、そこにはとても綺麗にデコレーションされたケーキがあった。
「わっすごい」
「でしょ。デコレーションはお母さんに手伝ってもらったんだ」
感動する僕の目の前でアカリちゃんはポスポスと17本の蝋燭を刺し火を付けた。
「写真撮ろ!」
いつの間にか三脚にセットされたカメラが用意され、みんながケーキと僕を囲んで何枚か写真を撮った。
「さぁ、ヒロ。一思いに吹き消して」
スマホを構えるアカリちゃんと僕たちの両親たち。
視界の端には更にその様子をスマホで撮影しながらニヤニヤするマサキとトーマがいた。
僕は空気をいっぱい吸い込んで、シャッター音乱れる中、「ふーっ」と一気に吹いた。
「あー惜しい」
蝋燭の先にユラユラ揺れる炎が4本残った。
「アカリ、ヒロくんと一緒に消してあげて。マサキくんとトーマくんも」
蒼さんの提案で残った蝋燭の火を4人で吹き消した。
「おい棗……お前スポンジに何練り込んだんだよ……」
「何って普通に練乳をチューって」
「練乳って普通に入れるもん?」
「隠し味、的に?」
「お前のチューの動きは隠し味を超えてるからな」
アカリちゃんの手はギューと全部絞り出す動きだった。
奇跡的にフワフワに焼き上がったスポンジは隠し味?の練乳によって、壊滅的に甘いものになった。
「アカリちゃん、今日はありがとう」
歩いてすぐに着いてしまうお隣の玄関までアカリちゃんを送る。
今日の僕はアカリちゃんとバイバイするのがものすごく名残惜しくて離れがたい気持ちでいっぱいだ。
夜は冷えるから繋いだ手を早く離さないと、と思うのに離せないでいる。
「ヒロ?」
「ごめん……なんだろう……今日すごく楽しかったから……今日がまだ終わらないで欲しいって思っちゃった」
アカリちゃんと繋いでいる手にぎゅっと力が篭る。
「ヒロ、ちょっとだけ寄ってくれない?」
「………うん?」
アカリちゃんは僕の手を引いて家に入り、まっすぐ部屋に向かった。
「本当は当日に渡そうと思ってたんだけど……」
アカリちゃんはそう言うと僕の手に小さな箱を置いた。
開けると赤い小さな石のピアスがひとつ入っていた。
「赤いけどそれトパーズなの。ボクの好きなヒロの色」
「あ、でも僕穴は……」
「うん……だから…いつかここに着けて欲しいな、って」
アカリちゃんは人差し指をそっと僕の左耳朶に触れそう言った。
箱に視線を戻して赤い石を見る。
オレンジ掛かった綺麗な赤い宝石。
アカリちゃんの目に映る僕は、こんな色なんだ。
すごく、すごく嬉しい。
「うん。ありがとう、アカリちゃ……」
顔を上げるとアカリちゃんの顔が近づいていた。
僕は鼻が当たらないよう少しだけ顔を傾け目を閉じた。
僕たちは触れるだけの長いキスをした。
僕は……
アカリちゃんが欲しいと思った。
__________________
結局、予定通りのアップになりました。
トパーズはインペリアルトパーズがイメージです。
アカリが選んだ色は赤が強く出たものになります。
インペリアルトパーズの石言葉には
・絆を強める
・愛情を高める
・能力を高める
・心の迷いを断つ
など、色々あるようです。
以上、豆知識でした(笑)
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