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第2部

後日談 6

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動悸が激しくなってきて体が熱い。

「もしゅかひて……オレ……びょーー」
「歩夢先輩、お水飲んで下さい。酔ってるだけです」

寄ってる?
どこに?

「首傾げてないで……ほら、僕が支えますから」

イチゴくんに抱えられながら水を飲む。
冷たい水が喉を通ると熱い体が内側から冷やされて気持ちいい。

「ぷはぁぁ、おみじゅ、うまひぃ。あいっ、おきゃわりぃ」
「ああっ、可愛いのにそれどころじゃないっ」

空になったグラスに追加の水を注ぎ入れてもらうとまた一気に飲み干した。

「歩夢先輩、おかわりは?」
「おなきゃタプュタプュ……れしゅ……」

頭を振ってそう言うオレからイチゴくんはグラスを取り上げテーブルに置いた。
オレを心配そうに覗き込むイチゴくんをボンヤリと眺める。
この表情もカッコいいなぁ。
やっぱり王子様だから?
ううん、違う。
イチゴくんがーー

あれ……。
イチゴくんがボヤけて見える。
焦点が合わなくて、ジッとイチゴくんを見る。

「あれぇ……あわりゅきくん、マシュマロ食べてりゅ?」
「え?いえ、食べてませんけど」

食べてないだとぉ?
オレの目は誤魔化せない。
オレには美味しそうなピンクのマシュマロがちゃあんと見えてるんだぞ。
こうなったら……。

「ずゅるい、オレもマシュマロ食べりゅっ」
「えっ?あの……っっ!」
「ん?……ありゃ?……まじゅ」

噛み付いたはずのマシュマロ。
なんか……すっげぇ不味い。

「ぁー、そうか……。まじゅいからあわりゅきくん食べてくりぇたんらぁ……」

ちょっとだけ焦点が合って見えたイチゴくんは、口を手で覆っている。
マシュマロがよっぽど不味かったのか涙目になってて、ふへっと笑う。
本当、イチゴくんは優しいなぁ。

「へへ……ねむゅい……おやす……ぅ」

限界を超えたオレは、イチゴくんに凭れて夢の世界に旅立った。


数時間後。
目を覚ましたオレにシフシさんがしじみの味噌汁を用意してくれた。
頭が少しクラクラしてちょっと気持ち悪かったけど、味噌汁のおかげてもう一眠りしたら元気になった。


そういえば……。

起きたらイチゴくんがずっとマスクしてたけど、腹でも出して寝て風邪でも引いたのかな?
その割には元気だったように見えたけど。

なんだろう……?

ニコニコと笑顔で見つめられる度、ちょっと悪寒が走るんだけど……。



後日談 おわり
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