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第2部
後日談 4
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部屋に戻って1分ほどでイチゴくんは手のひらサイズの箱を持って戻ってきた。
「歩夢先輩。改めて……お誕生日おめでとうございます」
ミニ薔薇の造花が一輪添えられた箱は、レースがついたリボンでラッピングされていた。
「ありがとう。今開けていい?」
「はい。是非」
プレゼントを受け取ると箱は想像してたより軽かった。
重そうに見えたのはイチゴくんの想いが重かったのかもしれないな。
そんなことを考えながら、丁寧にリボンを解く。
「んっ?……これ……バングル?」
金色に光るバングルらしきものを取り出す。
蔦のような枝と葉も彫り込まれていて、その先に小さな赤い石が付いている。
「年始に叔父の領地で掘らせて頂いた金で作りました」
「ええっ、金掘ったの⁉︎いいなぁ……じゃなくて、これ淡雪くんが作ったの?」
「作ったと言っても魔法で錬成しただけですが……。あ、赤い石はピアスの石と同じ、城の裏で取れた魔法石です」
確か、今左耳についているピアスもイチゴくんが作ったらしいけど、シンプルな作りだ。
今回はかなり細工に凝ってて「凄い」という言葉しか出ない。
折角だからと腕時計を外して付けてみる。
「わぁ、可愛いな」
細身のバングルだけどちゃんと存在感があって、ちゃんとオレの腕に馴染んでる感じがする。
手をかざすと窓から差し込む太陽の光でキラキラ輝いて綺麗だ。
こんなプレゼントは初めてだ。
嬉しくてつい顔が緩んでしまう。
「実は自分の分も作ってて……、こうすると」
「わっ、繋がった!」
バングルの端を重ねるように合わせると、途切れた枝がイチゴくんのバングルの枝と繋がった。
「これ苺の枝なんですよ」
「ふはっ、淡雪くんの方にも実が成ってる」
苺の枝に苺の実。
イチゴくんらしいな。
「僕は歩夢先輩から頂いた腕時計と一緒に身に着けるつもりなので……」
「うん。じゃあ、オレも一緒に着けるよ」
バングルが内側に来るように腕時計を着けて見せると、イチゴくんは嬉しそうに目を細めてオレの腕を掴んだ。
「いつか……」
その呟きが最後まで聞き取れず「ん?」と頭をかしげると、イチゴくんに笑顔を返してきた。
「いえ……その時が来たら言いますから待っていてくれますか?」
「……わかった。待ってる」
いつか言うなら今は待とう。
オレもニコッと笑った。
「でも、こんないいものもらった後にオレのやつ渡すのは勇気いるな……」
「え、頂けないんですか?」
このバングル自作とはいえ、オレがプレゼントした腕時計より絶対高い。
しかも、その腕時計にお掛けかけすぎて、今日のプレゼントがかなりショボくなってしまった。
とはいえ、期待に満ちた目で見られると渡さないわけにはいかない。
「じゃ、じゃあ、ちょっと目を瞑って。いいって言うまで開けるなよ」
目を閉じたイチゴくんを確認すると、バッグからプレゼントを取り出してイチゴくんの手に持たせた。
「歩夢先輩。改めて……お誕生日おめでとうございます」
ミニ薔薇の造花が一輪添えられた箱は、レースがついたリボンでラッピングされていた。
「ありがとう。今開けていい?」
「はい。是非」
プレゼントを受け取ると箱は想像してたより軽かった。
重そうに見えたのはイチゴくんの想いが重かったのかもしれないな。
そんなことを考えながら、丁寧にリボンを解く。
「んっ?……これ……バングル?」
金色に光るバングルらしきものを取り出す。
蔦のような枝と葉も彫り込まれていて、その先に小さな赤い石が付いている。
「年始に叔父の領地で掘らせて頂いた金で作りました」
「ええっ、金掘ったの⁉︎いいなぁ……じゃなくて、これ淡雪くんが作ったの?」
「作ったと言っても魔法で錬成しただけですが……。あ、赤い石はピアスの石と同じ、城の裏で取れた魔法石です」
確か、今左耳についているピアスもイチゴくんが作ったらしいけど、シンプルな作りだ。
今回はかなり細工に凝ってて「凄い」という言葉しか出ない。
折角だからと腕時計を外して付けてみる。
「わぁ、可愛いな」
細身のバングルだけどちゃんと存在感があって、ちゃんとオレの腕に馴染んでる感じがする。
手をかざすと窓から差し込む太陽の光でキラキラ輝いて綺麗だ。
こんなプレゼントは初めてだ。
嬉しくてつい顔が緩んでしまう。
「実は自分の分も作ってて……、こうすると」
「わっ、繋がった!」
バングルの端を重ねるように合わせると、途切れた枝がイチゴくんのバングルの枝と繋がった。
「これ苺の枝なんですよ」
「ふはっ、淡雪くんの方にも実が成ってる」
苺の枝に苺の実。
イチゴくんらしいな。
「僕は歩夢先輩から頂いた腕時計と一緒に身に着けるつもりなので……」
「うん。じゃあ、オレも一緒に着けるよ」
バングルが内側に来るように腕時計を着けて見せると、イチゴくんは嬉しそうに目を細めてオレの腕を掴んだ。
「いつか……」
その呟きが最後まで聞き取れず「ん?」と頭をかしげると、イチゴくんに笑顔を返してきた。
「いえ……その時が来たら言いますから待っていてくれますか?」
「……わかった。待ってる」
いつか言うなら今は待とう。
オレもニコッと笑った。
「でも、こんないいものもらった後にオレのやつ渡すのは勇気いるな……」
「え、頂けないんですか?」
このバングル自作とはいえ、オレがプレゼントした腕時計より絶対高い。
しかも、その腕時計にお掛けかけすぎて、今日のプレゼントがかなりショボくなってしまった。
とはいえ、期待に満ちた目で見られると渡さないわけにはいかない。
「じゃ、じゃあ、ちょっと目を瞑って。いいって言うまで開けるなよ」
目を閉じたイチゴくんを確認すると、バッグからプレゼントを取り出してイチゴくんの手に持たせた。
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