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第2部
2-68 きゅん……?
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「いだっ」
手をギュウッと絞られるような痛みをで目が覚めた。
涙目で痛みのする方を向いて息が止まった。
数秒固まったオレはそっと体を起こす。
「……ヤベ、心臓止まるかと思った……そういえば居たんだよなぁ」
オレが大声上げたにも関わらず隣でスヤスヤ気持ち良さそうに眠るイチゴくんを見下ろす。
さっき手が痛かったのは、イチゴくんが寝返りを打った時にオレの手を握ってきたせいのようだ。
「それにしても……」
至近距離で造りの良い男の寝顔を見るのは心臓に悪い。
「寝顔もイケメンなんて最早卑怯だな」
空いている手でイチゴくんの顔にかかっている髪の毛を避ける。
今日もフワフワな手触りだ。
「あれ……そういえば、寝顔を見たのアレ以来か……」
前にイチゴくんの寝顔を見たのもここだった。
向こうの世界では何度かお泊まりしたが、いつもイチゴくんが先に起きていた。
身支度までちゃんとして。
だからオレばっかり寝癖や涎の跡とか、恥ずかしい姿ばかり見られていた。
「涎……はやっぱりないか。んっ?……これって、寝癖だよな」
覗き込んだ顔には涎は垂れてなかったけど、襟足がぴょんと跳ねているのを見つけて嬉しくて笑ってしまった。
「ん……んんっ……ふぁ……あゆむせんぱゃいだぁ……おはよぅございましゅ……」
「あ、ああ、淡雪くん、おはよう」
イチゴくんが目を覚ました。
けど、なんかまだ目がトロンとしててまた瞼が閉じてしまいそうだ。
「あの……淡雪くん?」
「……ん……おき……起きましゅ……起き……」
「ぁ……あれれ……?」
起きると言った筈のイチゴくんの瞼は閉じられ、また規則正しい寝息が聞こえてきた。
「おーい……」
そういえば、イチゴくんって寝起き悪かったんだ。
そんなイチゴくんは幸せそうに微笑みながら再び夢の世界に行ってしまった。
オレの手を離すことなく。
ヤバい。
本当に心臓止まるかもしれない。
手をギュウッと絞られるような痛みをで目が覚めた。
涙目で痛みのする方を向いて息が止まった。
数秒固まったオレはそっと体を起こす。
「……ヤベ、心臓止まるかと思った……そういえば居たんだよなぁ」
オレが大声上げたにも関わらず隣でスヤスヤ気持ち良さそうに眠るイチゴくんを見下ろす。
さっき手が痛かったのは、イチゴくんが寝返りを打った時にオレの手を握ってきたせいのようだ。
「それにしても……」
至近距離で造りの良い男の寝顔を見るのは心臓に悪い。
「寝顔もイケメンなんて最早卑怯だな」
空いている手でイチゴくんの顔にかかっている髪の毛を避ける。
今日もフワフワな手触りだ。
「あれ……そういえば、寝顔を見たのアレ以来か……」
前にイチゴくんの寝顔を見たのもここだった。
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身支度までちゃんとして。
だからオレばっかり寝癖や涎の跡とか、恥ずかしい姿ばかり見られていた。
「涎……はやっぱりないか。んっ?……これって、寝癖だよな」
覗き込んだ顔には涎は垂れてなかったけど、襟足がぴょんと跳ねているのを見つけて嬉しくて笑ってしまった。
「ん……んんっ……ふぁ……あゆむせんぱゃいだぁ……おはよぅございましゅ……」
「あ、ああ、淡雪くん、おはよう」
イチゴくんが目を覚ました。
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「あの……淡雪くん?」
「……ん……おき……起きましゅ……起き……」
「ぁ……あれれ……?」
起きると言った筈のイチゴくんの瞼は閉じられ、また規則正しい寝息が聞こえてきた。
「おーい……」
そういえば、イチゴくんって寝起き悪かったんだ。
そんなイチゴくんは幸せそうに微笑みながら再び夢の世界に行ってしまった。
オレの手を離すことなく。
ヤバい。
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