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第2部
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「そういえば、ここまでどうやって来たんだ?あ、ごめん。クッキー全部食っちゃった」
腹が減っていたのもあり、ほぼ一人で食べきってしまった。
おかげで腹は満たされたけど。
「大丈夫、大丈夫。こんな事もあろうかと、たくさん持って来た。お嬢様の許可はもらってるぜ」
アウルはウエストに巻いてるポケットに手を突っ込むと、さっきと同じくらい入ったクッキーの袋を取り出した。
オレは釘付けになって見てると、アウルは笑った。
「ああ。これ、俺でも使えるマジックバッグ。仕事道具もここに入ってて便利なんだぜ」
そう言うと、中からナイフを数本、怪しい液体が入った小瓶数個を取り出して見せた。
つか、これ全部暗殺道具じゃね?
「あーでも、オレもう十分食ったからアウルが食べろよ。一個しか食ってねぇだろ」
「俺もいいよ。ほら、こんな夜中に食べたら太っちゃうから~。置いてくから明日食べろよ」
「サンキュー。じゃあ、みんなで食べるよ……って、本題!」
食い物で本題忘れてた。
「ああ、普通に入ってきた。ほら、俺にはここの結界効かないから。それに警備の穴もチェック済みだから楽勝だったぜ」
「そんな事だろうとは思ったが、この城に警備の穴があるのは問題じゃん」
「俺以外の侵入者には大丈夫じゃね」
アウルはケラケラと笑い紅茶を飲み干すと、ゆっくりとカップを下ろした。
カチャリとカップがソーサーに当たった。
瞬間、アウルの目つきが変わった。
それは空気まで一瞬凍りついて背筋が寒くなった。
「……なぁそうだろ、王子様?」
アウルは視線だけ横に移動すとニヤリと笑った。
「えっ……ウソ……」
いつの間にかアウルの背後には、アウルに首筋にナイフを当てたイチゴくんがいた。
「僕の目を盗んで歩夢先輩に夜這いですか?今ここで打ち首にした方が良さそうですね」
アワワワワ……。
イチゴくんの目は完全に据わっていて纏う空気には殺気が帯びていた。
腹が減っていたのもあり、ほぼ一人で食べきってしまった。
おかげで腹は満たされたけど。
「大丈夫、大丈夫。こんな事もあろうかと、たくさん持って来た。お嬢様の許可はもらってるぜ」
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オレは釘付けになって見てると、アウルは笑った。
「ああ。これ、俺でも使えるマジックバッグ。仕事道具もここに入ってて便利なんだぜ」
そう言うと、中からナイフを数本、怪しい液体が入った小瓶数個を取り出して見せた。
つか、これ全部暗殺道具じゃね?
「あーでも、オレもう十分食ったからアウルが食べろよ。一個しか食ってねぇだろ」
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「サンキュー。じゃあ、みんなで食べるよ……って、本題!」
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「ああ、普通に入ってきた。ほら、俺にはここの結界効かないから。それに警備の穴もチェック済みだから楽勝だったぜ」
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「俺以外の侵入者には大丈夫じゃね」
アウルはケラケラと笑い紅茶を飲み干すと、ゆっくりとカップを下ろした。
カチャリとカップがソーサーに当たった。
瞬間、アウルの目つきが変わった。
それは空気まで一瞬凍りついて背筋が寒くなった。
「……なぁそうだろ、王子様?」
アウルは視線だけ横に移動すとニヤリと笑った。
「えっ……ウソ……」
いつの間にかアウルの背後には、アウルに首筋にナイフを当てたイチゴくんがいた。
「僕の目を盗んで歩夢先輩に夜這いですか?今ここで打ち首にした方が良さそうですね」
アワワワワ……。
イチゴくんの目は完全に据わっていて纏う空気には殺気が帯びていた。
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