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第2部
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「貴方、アワユキ王子の婚約者でしょ。何故こんな隅にいるのぉ?」
マリフェス様の口調はブリブリしているけど圧が怖い。
「あの、今日は王様のお祝いなので……」
「だからこそ婚約者は王子の隣に立つものよ。国を守る王子を支え国母となる者が居るだけで、この国の安寧をここにいる方々に確信させ安心を与えるのよ。だから……ぇっ」
熱弁を振うマリフェス様は途中から口調が変わってきていたが、突然何かに気づいてオレに詰め寄り顔を強ばらせた。
「……あの……どうかーー」
「その頬の傷、どうされたの?」
化粧で隠してもらった傷を指摘され息を呑んだ。
照明が抑えめな場所なら多少距離が近くても化粧で隠れるって侍女の人が言っていたのに、こんなあっさりバレてしまうなんて……。
「なん……で……」
「私、視力がとてもいいの。ここの照明なら私以外は気づかないわ。……でもこの傷、見覚えが……」
更に詰め寄られて思わず後ずさる。
これ以上寄って来られたらバレる。
「ねぇ……」
「あら、マリフェス様ぁ……とアワユキ王子の婚約者……?」
突然降ってきた声にオレもマリフェス様もビクッと肩が跳ねた。
同時に声の主に顔を向けると、丸太……じゃなくてマルタ嬢と数名のご令嬢が彼女の背後にいた。
たぶん、昨日のお茶会にいたメンバーだろう。
マルタ嬢はマリフェス様が一緒にいた相手がオレだと分かるとあからさまにガッカリした顔をした。
マリフェス様が大好きなんだろうけど、オレへの態度はちょっと失礼じゃないか?
「わたくしたち婚約者様とお話ししてみたかったんですの。ご一緒させていただいてよろしいですか?」
「飲み物と軽食もお持ちしてますのよ」
「い゛っっ!」
マルタ嬢の背後から現れたご令嬢がオレにぶつかってきた。
しかもご丁寧にオレの左足を踏みやがった。
「大袈裟な方ね。お詫びに我がロッソ家の領地のストロベリーで造られたワインをどうぞお飲みになって」
涙目のオレを鼻で笑ったご令嬢が目配せすると、彼女の使用人らしき人がグラスをオレに差し出した。
「や……オレ、お酒は飲めないので」
「平民のクセにわたくしのワインが飲めないんですのっ?」
そのセリフ、どこのアルハラ上司だよ。
マリフェス様の口調はブリブリしているけど圧が怖い。
「あの、今日は王様のお祝いなので……」
「だからこそ婚約者は王子の隣に立つものよ。国を守る王子を支え国母となる者が居るだけで、この国の安寧をここにいる方々に確信させ安心を与えるのよ。だから……ぇっ」
熱弁を振うマリフェス様は途中から口調が変わってきていたが、突然何かに気づいてオレに詰め寄り顔を強ばらせた。
「……あの……どうかーー」
「その頬の傷、どうされたの?」
化粧で隠してもらった傷を指摘され息を呑んだ。
照明が抑えめな場所なら多少距離が近くても化粧で隠れるって侍女の人が言っていたのに、こんなあっさりバレてしまうなんて……。
「なん……で……」
「私、視力がとてもいいの。ここの照明なら私以外は気づかないわ。……でもこの傷、見覚えが……」
更に詰め寄られて思わず後ずさる。
これ以上寄って来られたらバレる。
「ねぇ……」
「あら、マリフェス様ぁ……とアワユキ王子の婚約者……?」
突然降ってきた声にオレもマリフェス様もビクッと肩が跳ねた。
同時に声の主に顔を向けると、丸太……じゃなくてマルタ嬢と数名のご令嬢が彼女の背後にいた。
たぶん、昨日のお茶会にいたメンバーだろう。
マルタ嬢はマリフェス様が一緒にいた相手がオレだと分かるとあからさまにガッカリした顔をした。
マリフェス様が大好きなんだろうけど、オレへの態度はちょっと失礼じゃないか?
「わたくしたち婚約者様とお話ししてみたかったんですの。ご一緒させていただいてよろしいですか?」
「飲み物と軽食もお持ちしてますのよ」
「い゛っっ!」
マルタ嬢の背後から現れたご令嬢がオレにぶつかってきた。
しかもご丁寧にオレの左足を踏みやがった。
「大袈裟な方ね。お詫びに我がロッソ家の領地のストロベリーで造られたワインをどうぞお飲みになって」
涙目のオレを鼻で笑ったご令嬢が目配せすると、彼女の使用人らしき人がグラスをオレに差し出した。
「や……オレ、お酒は飲めないので」
「平民のクセにわたくしのワインが飲めないんですのっ?」
そのセリフ、どこのアルハラ上司だよ。
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