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第2部
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オレに説明させろよ……。
なんて思っていたが、イチゴくんの説明は完璧すぎてオレが口を挟む余地はなかった。
それほどクリスマスパーティーが楽しみで、楽しかったことの証拠だったのかもしれない。
そんなオレも、うんうん頷きながらイチゴくんの話を聞いてしまった。
「クリスマスパーティー、ボクもやりたいっ」
「やるって……年越したばかりだから無理だ」
「ええーっ」
オオキミくんに冷静に突っ込まれ、キラピカくんはガックシと項垂れた。
頭脳は高校生並みでもやっぱり子供なんだな。
ふふっと口元を緩めながら、慰めるようにキラピカくんの頭を撫でる。
「……あれ?でも、その時期ってケーキは食べるんだよね?」
「うん。お母様が毎年焼いてくださるんだ……あれ……もしかして?」
「ふふふっ、そうよ。クリスマスケーキのつもりで毎年作ったのよ。ここにはクリスマスはないからケーキだけでもと思って」
王妃様の言葉にピョンと飛び上がったキラピカくんは、オレから離れ王妃様に抱きついてそのまま王妃様の隣に座った。
尽かさず侍女の方が、キラピカくんのお紅茶のカップとお菓子の皿を移動させた。
「お母様。今年はケーキだけでなく、プレゼントも欲しいです」
「うふふっ。サンタさんがきてくれるよう、苦手なピーマンを克服しましょうね」
「はいっ」
楽しそうに指切りをする2人を周りは微笑ましい眼差しを送ってたけど、たぶんみんな同じこと考えてるんだろうな。
『キラピカくん、チョロいな』
そして、オレは『王妃様、案外策士なんだな』って思いながら口の端をひくつかせた。
そんな空気を切り替えるように扉をノックする音がした。
なんて思っていたが、イチゴくんの説明は完璧すぎてオレが口を挟む余地はなかった。
それほどクリスマスパーティーが楽しみで、楽しかったことの証拠だったのかもしれない。
そんなオレも、うんうん頷きながらイチゴくんの話を聞いてしまった。
「クリスマスパーティー、ボクもやりたいっ」
「やるって……年越したばかりだから無理だ」
「ええーっ」
オオキミくんに冷静に突っ込まれ、キラピカくんはガックシと項垂れた。
頭脳は高校生並みでもやっぱり子供なんだな。
ふふっと口元を緩めながら、慰めるようにキラピカくんの頭を撫でる。
「……あれ?でも、その時期ってケーキは食べるんだよね?」
「うん。お母様が毎年焼いてくださるんだ……あれ……もしかして?」
「ふふふっ、そうよ。クリスマスケーキのつもりで毎年作ったのよ。ここにはクリスマスはないからケーキだけでもと思って」
王妃様の言葉にピョンと飛び上がったキラピカくんは、オレから離れ王妃様に抱きついてそのまま王妃様の隣に座った。
尽かさず侍女の方が、キラピカくんのお紅茶のカップとお菓子の皿を移動させた。
「お母様。今年はケーキだけでなく、プレゼントも欲しいです」
「うふふっ。サンタさんがきてくれるよう、苦手なピーマンを克服しましょうね」
「はいっ」
楽しそうに指切りをする2人を周りは微笑ましい眼差しを送ってたけど、たぶんみんな同じこと考えてるんだろうな。
『キラピカくん、チョロいな』
そして、オレは『王妃様、案外策士なんだな』って思いながら口の端をひくつかせた。
そんな空気を切り替えるように扉をノックする音がした。
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