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第2部

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昼過ぎにようやく目覚めたオレは、甘酒の影響で痛む頭を押さえながらリビングに入る。
そこには楽しそうに談笑しながら緑茶を啜る両親とイチゴくんいた。

「あ、歩夢先輩、おはようございます」
「もうお昼過ぎよ。おせち食べる?」
「あー、まだ気持ち悪いから、いいや」
「なら、お茶淹れるわね~」

座る場所を探してイチゴくんの隣に座る。
少しして出された熱々のお茶をひと口啜る。
う~沁みるぅ。
もうひと口啜ろうとすると普段あまり喋らない父親が口を開いた。

「それで、君たちは何時に出発するんだい?」

君……たち?
『たち』って、オレも含まれてる?

「アッツ」

冷ましきれていないお茶が唇に触れ、飛び上がりそうになった。
そんなオレから湯呑みを取り上げたイチゴくんは、心配そうにオレを覗き込んだ。

「大丈夫ですか?口、火傷しました?」
「っつ。ちょっとだけだから大丈夫。それより、『君たち』って……」

ヒリヒリする唇を舐めながらイチゴくんを見るとニッコリ笑って視線を移した。
なんだ?嫌な予感しかない。
イチゴくんの視線を追いかけ向かいにいる両親を視線を移すと、ニッコリ笑う母親と口の端だけ上げた父親がいた。

「歩夢先輩の支度が整い次第、出発しようと思います」
「……はい?」

イチゴクンヤ、ナニヲイッテルンデスカ?

「どうしましょう。何にもお土産ないわ……」
「大丈夫ですよ。僕の家族は歩夢先輩がいらしてくれるだけで喜びますから、体一つで大丈夫ですよ」

首を傾げるオレを無視してお喋りする3人にポカンと口を開いてしまう。

「ほら、歩夢、早くお茶を飲んで支度をしなさい。一后くんが待ってるでしょ」
「迷子にならないように気をつけてな」

状況が飲み込めないオレに両親が急かす。

「え……と」
「歩夢先輩。今ご両親の許可をいただきましたので早く行きましょう。……僕の実家に」

なんだってぇーーー⁉︎

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