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第2部

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"歩夢先輩接触禁止令"とは何ぞや?

「喧嘩してすぐだったので連絡しても返事がなくて。このまま会ってもらえないかもって不安になって店長さんに先輩の住所聞いたんです。でも、個人情報だからと教えてもらえなくて……。それから、先輩から連絡が来るまで1人で考えなさいと」
「マジかぁー」
「先輩いじっぱりだから連絡してくれないの店長さんわかってたんですね」
「悪かったないじっぱりでっ」

店長もイチゴくんもオレのことよくわかってるじゃねぇか。
でも、それを本人に直接言うのはどうかと思うぞイチゴくん。
なんか店長の手のひらで転がされている気分だ。

「まさか2週間近くもお預けとは……想定外でした……」
「うっっ、それはごめん……じゃあ、今日はなんで会いにきたんだ?」

オレ、まだ連絡してなかったのに。
そこでやっとイチゴくんはオレの顔を直接見た。

「店長さんから連絡が来て、歩夢先輩を駅まで送って欲しいと言われました」
「ぁ……」
「あの、何かあったんですか?」

今度はオレの方がテレビの画面を向いてしまった。
店長は詳細について教えてなかったのに、それでもイチゴくんは来てくれたんだ。
オレが出てくるまでずっと外で待ってくれたんだ。

「別に、ちょっと苦手な客が来ただけ。いるだろ、気が合わない人間の10人くらい」

でも、言えない。
言いたくない。
今はまだ……。

「そうだったんですね。……でも、話せるようになったら、僕に話して欲しいです」

画面に割り込むようにオレの顔を覗き込んだイチゴくんがフワッと微笑むから、一瞬息をするのを忘れた。

「……そ、そのうちな」

恥ずかしくて。
火照った顔見られたくなくて、イチゴくんの肩に頭を乗せた。

「はい」

ふふっとイチゴくんの肩が揺れた。

__________________

おまけ(後日談)

「店長、なんでイチゴくんに"歩夢先輩接触禁止令"出したんですか?」
「ああ、一后くんは可愛くん限定で見境ないじゃない。だから、少し距離を置いて冷静になってもらおうと思ってね~。正解だったでしょ?」
「……ぁぁ……そうっすね……」
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