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第2部
2-21
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イチゴくんのマンションに着くと、美味しそうな匂いとシフシさんが迎えてくれた。
オレが家に連絡している間にイチゴくんもシフシさんに連絡を入れてご飯を用意をお願いしてくれたようだ。
「お二人がご到着されるまでに十分なご用意できず申し訳ありません」
「イヤイヤイヤイヤ、じゅ、十分過ぎます。こんな遅くにありがとうございます」
深々と頭を下げるシフシさんに負けないくらいオレも頭を下げる。
目の前のテーブルには蓋の隙間から蒸気を上げている土鍋と、牡蠣フライとカニクリームコロッケ、玉子サラダ、塩おむすびと、この短時間で用意したとは思えない豪華さだ。
「ほとんどが作り置きですから」とシフシさんは謙遜してたけど、こんなに豪華なおかずをストックしてるって。
さっき電話したらうちの晩御飯のおかず、豚の生姜焼きで付け合わせはキャベツの千切りだけだったんですけど。
というか、流石にこの量は3人でも食べきれない。
「さ、食べましょう」
イチゴくんに手を引かれて豪華な食事の前に座る。
それに合わせてシフシさんが土鍋の蓋を開けた。
「うわっ……スゴっ!」
それは豚バラと白菜が重ねられたミルフィーユ鍋だった。
「いつもこんな豪華なの?」
「今日は歩夢先輩がいらっしゃるので特別です」
イチゴくんは嬉しそうにオレの分のミルフィーユ鍋を取り皿に盛ってくれた。
イチゴくんの分はもちろんシフシさんが盛った。
「ささっ、乾杯しましょう」
「お、おおう」
いつの間にか用意された飲み物で乾杯した。
「たっくさん食べてくださいね!」
「お、おおう……」
……が。
やっぱり、この量を食べ切れるわけはなかった。
残りは、一眠りした後に美味しくいただいた。
__________________
【余談】
「あれっ。シフシさんは食べないんですか?」
「私は晩御飯をしっかり食べましたので……。淡雪様は召し上がる前に飛び出して行かれたので、しっかり召し上がって下さい。それでなくとも、最近お元気がなく、あまり召し上がられてないのですから。今日は召し上がりますよね?」
「「……はい」」
オレが家に連絡している間にイチゴくんもシフシさんに連絡を入れてご飯を用意をお願いしてくれたようだ。
「お二人がご到着されるまでに十分なご用意できず申し訳ありません」
「イヤイヤイヤイヤ、じゅ、十分過ぎます。こんな遅くにありがとうございます」
深々と頭を下げるシフシさんに負けないくらいオレも頭を下げる。
目の前のテーブルには蓋の隙間から蒸気を上げている土鍋と、牡蠣フライとカニクリームコロッケ、玉子サラダ、塩おむすびと、この短時間で用意したとは思えない豪華さだ。
「ほとんどが作り置きですから」とシフシさんは謙遜してたけど、こんなに豪華なおかずをストックしてるって。
さっき電話したらうちの晩御飯のおかず、豚の生姜焼きで付け合わせはキャベツの千切りだけだったんですけど。
というか、流石にこの量は3人でも食べきれない。
「さ、食べましょう」
イチゴくんに手を引かれて豪華な食事の前に座る。
それに合わせてシフシさんが土鍋の蓋を開けた。
「うわっ……スゴっ!」
それは豚バラと白菜が重ねられたミルフィーユ鍋だった。
「いつもこんな豪華なの?」
「今日は歩夢先輩がいらっしゃるので特別です」
イチゴくんは嬉しそうにオレの分のミルフィーユ鍋を取り皿に盛ってくれた。
イチゴくんの分はもちろんシフシさんが盛った。
「ささっ、乾杯しましょう」
「お、おおう」
いつの間にか用意された飲み物で乾杯した。
「たっくさん食べてくださいね!」
「お、おおう……」
……が。
やっぱり、この量を食べ切れるわけはなかった。
残りは、一眠りした後に美味しくいただいた。
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【余談】
「あれっ。シフシさんは食べないんですか?」
「私は晩御飯をしっかり食べましたので……。淡雪様は召し上がる前に飛び出して行かれたので、しっかり召し上がって下さい。それでなくとも、最近お元気がなく、あまり召し上がられてないのですから。今日は召し上がりますよね?」
「「……はい」」
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