結婚を前提に異世界にきてくれませんか?

むー

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第2部

2-18

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「来週からまた夜なの?はい、コレ食べて」
「あ、ありがとうございます。おばちゃんとお喋り楽しかったんですけど、夜の方が長く働けるし時給もいいから」

今日は茎わかめを貰った。
というか、常連さんがみんな声をかけてくれて、飴とかガムとかチョコとかお裾分けしてくれるんだけど。
これはお餞別的な物か?
なんかのフラグか?
そんなことを考えながら、お菓子でパンパンになった制服の胸ポケットを手で覆いお辞儀する。


10分の休憩後、店内に戻ると少し混み始めてきたからレジのフォローに入る。
夕方の時間帯はお弁当を買う人が多いから、レジ担当の邪魔にならないよう電子レンジの番人に徹している。
左足首を固定してるせいで最初の頃は動きにくかったけど、今は動き方もわかってきてなかなか機敏に動けている。
それあってかピークは割と早く過ぎ去った。

「可愛くんがいるとレジの回転早くて助かる。来週以降もいて欲しいよ」
「ありがとうございます。でも、そんなこと言ってもすぐ慣れるでしょ?ずっとやってきてたんだから」
「まあ、そうだけどさぁ」

1週間だけだけど、久しぶりの日勤メンバーとの勤務は意外に楽しかった。
だからかな……。
イチゴくんとの夜勤が懐かしく感じる。
毎日来るあの3人組の面倒臭い対応も懐かしい。
だから……ちょっと淋しいなんて思ってしまう。

今日のバイトが終わったらイチゴくんに連絡しよう。
謝って、話し合って、ちゃんと仲直りしよう。
だから、よし頑張ろう!

気合いを入れ直した直後、自動ドアが開く音と「いらっしゃいませ~」とメンバーの声が聞こえた。
オレは来店してきたお客様に体ごと向いて元気に挨拶を掛けようとした。

「いらっしゃいま……せ…」

目を見開き言葉に詰まるオレに、そのお客様は眉間に皺を寄せオレを睨みつけると口を開いた。

「まだ居たのか」

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