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第2部
2-5 怪我
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今日はショッピングモールの一画で派遣バイトだ。
しかも前にバイトしたバスボムの会社からのご指名だ。
担当者の人がオレのこと気に入ってくれて、もう何度もご指名してくれている。
といっても、着ぐるみは最初の一回だけで今回も着ない。
ーー数時間後。
「可愛くん、どうだった?」
引き戸を開けて出てきたオレを支えようとバイトの責任者の田中さんが慌てて駆け寄ってきた。
差し出された手をありがたく掴ませてもらい、目の前のベンチに座る。
「たぶん捻挫だろうと。……あと、一応病院でレントゲン撮ってもらうように言われました」
休日のショッピングモールの救護室は、今はオレと田中さんしかいなかった。
そのおかげで田中さんがちょっと大声を上げても注意されることはなかった。
「そっかぁ。ごめんね。僕が付いていながら君に怪我をさせてしまって……」
「まあ……仕方ないですよ」
無理に笑うオレの前に立った田中さんが深々と頭を下げるから、手で肩を押して頭を上げてもらう。
「でも……それでも、これは酷いよね」
「あははは……」
田中さんに怒りと哀れみが混じった目を向けられたオレは苦笑いをし、冷却シップを貼られたまだ少し熱を持つ頬を撫でた。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「足元に風船があるから気を付けてねー」
風船に囲まれた小さな台に登る子どもたちに声をかける。
普通に階段を登れば風船を踏むことはない。
普通に登ればーー。
「あわぼー、ぼくとあそぼー!」
こんな風に列を乱して割り込む子さえいなければ、うっかり踏み潰すこともない。
「あ、ちょっ…!」
「ーーわっ」
パーンっ!
階段ではなく風船に足を突っ込んだ男の子の体重で風船が大きな音と共に割れた。
「ぎゃっ」
破裂音に驚いた男の子がバランスを崩した。
急いで駆け寄ったオレは倒れそうになっているその子に手を伸ばした。
「危なっーー」
キャッチ……はできた。
……けど。
「うぎゅぅ……」
オレにはその男の子はちょっと重かった。
しかも前にバイトしたバスボムの会社からのご指名だ。
担当者の人がオレのこと気に入ってくれて、もう何度もご指名してくれている。
といっても、着ぐるみは最初の一回だけで今回も着ない。
ーー数時間後。
「可愛くん、どうだった?」
引き戸を開けて出てきたオレを支えようとバイトの責任者の田中さんが慌てて駆け寄ってきた。
差し出された手をありがたく掴ませてもらい、目の前のベンチに座る。
「たぶん捻挫だろうと。……あと、一応病院でレントゲン撮ってもらうように言われました」
休日のショッピングモールの救護室は、今はオレと田中さんしかいなかった。
そのおかげで田中さんがちょっと大声を上げても注意されることはなかった。
「そっかぁ。ごめんね。僕が付いていながら君に怪我をさせてしまって……」
「まあ……仕方ないですよ」
無理に笑うオレの前に立った田中さんが深々と頭を下げるから、手で肩を押して頭を上げてもらう。
「でも……それでも、これは酷いよね」
「あははは……」
田中さんに怒りと哀れみが混じった目を向けられたオレは苦笑いをし、冷却シップを貼られたまだ少し熱を持つ頬を撫でた。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「足元に風船があるから気を付けてねー」
風船に囲まれた小さな台に登る子どもたちに声をかける。
普通に階段を登れば風船を踏むことはない。
普通に登ればーー。
「あわぼー、ぼくとあそぼー!」
こんな風に列を乱して割り込む子さえいなければ、うっかり踏み潰すこともない。
「あ、ちょっ…!」
「ーーわっ」
パーンっ!
階段ではなく風船に足を突っ込んだ男の子の体重で風船が大きな音と共に割れた。
「ぎゃっ」
破裂音に驚いた男の子がバランスを崩した。
急いで駆け寄ったオレは倒れそうになっているその子に手を伸ばした。
「危なっーー」
キャッチ……はできた。
……けど。
「うぎゅぅ……」
オレにはその男の子はちょっと重かった。
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