ボッチ英雄譚

3匹の子猫

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第40話

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「そうか…お前は何も理解してないのか。1000年もの間放棄されていた場所から出た宝だ、本来はお前にそのお宝の所有権がある。

しかし、お前が今言ったことが本当ならば王家にとっては大変な宝だ!奴らは元々は王家に伝わる宝だとか言ってお前からその宝を奪おうとしてくる筈だ!!

代わりにくれるのは何の役にも立たねー名誉や勲章だけだ!運が良ければどこかの要らねー辺境の土地でもくれるんじゃねーか!?」


「そうなるんですか?まあそうなったらそれで仕方のないことですよ。証拠を用意しないとお世話になっている冒険者ギルドが困るっていうならそっちの方がよっぽど大事です!」


「……本気で言ってるようだな?ある意味大物になる素質は見えたな!」


「あっ!でもカッシュたちみんなにその中から良さげなのをプレゼントしようと思っていたのにそれも取られちゃうのは悲しいな…」


「俺(私)たちに?」


「うん!かなりいい装備が一杯あったんだ!中には伝説の勇者が使うような剣もあったんだよ!!王者の剣といって剣に魂が宿っていて、持ち主を剣の方が選ぶんだ。僕は予想通り選ばれなかったけど、カッシュも試してみる?」


「そんな剣があるのか?それに選ばれなければどうなるんだ?」


「剣に雷みたいなので弾かれるだけだよ!ちょっとだけ痛いけど、何ともないよ。」


「興味がある。試してみてもいいか?」


「もちろん!」


僕は異空間収納から王者の剣を取り出しました。


「おいおい!お前、さっきから異空間収納を使ってないか?なぜ僧侶系統のジョブの持ち主が異空間収納を使えるんだ?

それに…その剣とんでもない剣だぞ!!見てるだけで圧倒される!」


「はい。僕はそこにいるニコルさんに教わり、異空間収納を習得したんです。

この剣はランクSSで評価もSの剣です。王都の武器屋さんではいいものでもランクも評価もCくらいのものしか見ませんでした。

あの宝物庫にはそんな中、ランクAクラスのものが沢山ありました。この剣はその中でも飛び抜けて凄いものなんです!!本来は1000年前の勇者がこの剣を使って魔王と戦う筈だったのではないかと思っています。

つまり、この剣に選ばれれば伝説の勇者になれるんじゃないかと思います。」


「お前は鑑定のスキルも使えるのか?一体どうなってやがる…?」


「はい、鑑定スキルも持っています。カッシュ試してみてよ!」


「お、おう。」



 カッシュは王者の剣を試してみるも、僕の時と同じで弾かれてしまいました。


「俺にはやはり駄目だったか…分かっていたこととはいえ悔しいな。。」


「そうだよね。同じ剣に選ばれなかったもの同士気持ちは分かるよ。他にもいい装備は沢山あるからそれをみんなにあげたかったけど、王家に取られるかもしれないのなら勝手にあげられないな…」


「ロンだったか、その宝物庫に何が保管されていたかなんて分からねーだろうし、仮に記録が残っていたとしてもこの1000年の間に無くなっていてもおかしくはねー!

そこで俺から提案だ!

お前の提案にあったことは王家に俺から確認させてもらう!だが宝物庫に残されていたのは、その使うのに剣から選ばれなければならない剣だけだった!!それでいい!!

そしてこの場にいる者にはここで見聞きした事を外に漏らすことを禁じる!!


そうすりゃー仮に王家に取られるとしても、その王者の剣と首飾りだけで済むだろう!正直その剣の価値だけでどれくらいのものになるのか想像もつかねーけどな…」


「本当ですか?ならみんなにプレゼントしてもいいですか?」


「勝手にしろ!ここで何をしようと外には漏らさねーよ!」


僕はみんなに装備をプレゼントしました。


「カッシュにはこの炎の剣とミスリルの魔法鎧だよ!斬撃に火の属性を付与できるものでかなり強い剣だよ!それとこの鎧は物理攻撃にだけでなく、ブレスや魔法への耐性がかなり強い鎧だよ!」


「こんな凄い装備を本当にいいのか?俺たちは何もしてないんだぞ!」


「そんなことないよ!あの時食料が無くなって死にかけていた僕を助けに来てくれて、救ってくれたのはみんなだよ!あの食料があったからこそ僕は、この装備を手に入れられたんだから、みんなに使ってもらっても何の問題もない筈だよ!!」


「そうか…それにしては対価が高すぎる気がするがありがたく頂くよ!」


「キースにはこれだよ!ルミナスの弓とレッドドラゴンの強化革鎧だよ!これは矢に光属性を付与できるものだよ!それにこの鎧は火属性の攻撃は殆ど無効化できる鎧だよ!」


「凄い弓だな?それにこの鎧はカッコいいな!!」


「喜んでもらえてよかった!次はニナだね…ニナには精霊の杖と精霊のローブだよ!両方とも全属性魔法効果上昇がついてるから、攻撃魔法の威力が上がる筈だよ!」


「凄い!この装備凄いよ!!ロン、ありがとう!!!!」


「最後にニコルさんだよ!ミスリルの強化ナイフとみかわしの革鎧だよ!このナイフは魔力を込めると切れ味が増すんだ!それに鎧はニコルさんを狙う相手に位置認識を誤認させる効果があるんだ!」


「私にもですか?私はポーターですよ?」


「ポーターでも命を守る装備は良いものがあった方がいいよ!」


「本当に凄い装備ばかり出しやがるぜ!お陰で、お前の言ってることが嘘じゃないって確信になったけどな!!」



 それからバードさんが王城に直接赴き、今回のことを報告に上がりました。すぐに歴史書を調べられ、僕の言っていたことが事実であることが認められました。その為王家から直接今回の討伐隊を編成することを中止する旨が発表されました。

そこからはバードさんが予想していた通りになりました。


 王家からの使いがすぐに僕の元へ現れ、手に入れた剣と首飾りを持ち、このまま城へ同行するよう厳命が下りました


そんなこと断れる筈もなく、僕はそのまま登城することになりました。僕はバードさんのアドバイスを聞き、異空間収納から出した状態でこの2つを持ち運びました。


案内されたのはまさかの謁見の間でした。


大きな扉が開くとそこには多くの王室近衛兵の守る中、多くの王族と貴族たちが並んでいました。その中心にはより一層立派な姿をした若い王様が存在しました。


「あのー。僕はどうすればいいのですか?」


案内してくれた兵士に訪ねると、小さな声で返事が返ってきました。


「王の方へもう少し近づき、跪けばよい!その間、許可があるまでは決して顔をあげるな!!」


「ありがとうございます。」



僕は言われた通りに王様の方へ近ずくと、跪き、顔を深々と下げました。


「面をあげよ!急な呼び出しに応じてくれたことに感謝する。私はこのサファリニア王国107代目国王エリック·グラシス·サファリニアだ!

お前が冒険者ロンか?」


「は、はい!僕が…いえ、わたくしがロンでございます。」


「そんなに緊張せずともよい!それで、旧王都跡地から王家に纏わる宝を見つけたと報告を受けたがそれを見せてもらえるか?」


「はい。こちらになります。」


 僕は剣と首飾りを両手に持ち捧げました。それをすぐに目の前にいた人たちが持ち去りました。


「すぐに鑑定をするのだ!!

彼らは特別なジョブを持っている鑑定のプロだ!すぐに結果が出るだろう。」


「陛下、間違いございません!文献に書かれていた王家の首飾りと王者の剣で間違いございません!!」


「そうか!ご苦労だった!!」


そう言うと王は僕の傍へ歩みより、話しかけて下さいました。


「ロン、私はお前に頼みがある!この剣と首飾りを私に譲ってもらえぬか?」



 王様自ら頼まれたりしたら断れる筈がないですよ!そもそも僕はそのつもりでここまで来たのですから。


「もちろんです。どうぞお納め下さい。」


「おおー!誠か!?感謝するぞ!!これは我が王家に伝わる家宝であったにも関わらず、1000年前の魔王襲撃の混乱によって失われていたものなのだ!

この功績に見合うだけの褒美は後日準備しよう!!

ロンよ、大義であった!もう下がってよいぞ!!」


「はい!」


こうして、僕は予想もしていなかった王様との面会を果たすのでした。



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