ボッチ英雄譚

3匹の子猫

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第37話

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 バンパイヤがハイヒールの射程に入ったところで、これまで通りハイヒールを放ちましたが、吸血鬼はハイヒールにも耐え、距離をとりました。


「お前は何者だ!?まさか不死である私を昇天させようとしてくるとは…」


奴の言ってることは間違えてはいません。バンパイヤとは、傷つけようと燃やそうとなかなか死ぬことはありません。頭はよく、不死身にも近いアンデットの為皆に恐れられる存在なのです。


しかし先程のハイヒールを受けた時の反応で分かりました。僕の敵ではないと…


僕は数歩バンパイヤに近づくと、


「エクストラヒール!」


ハイヒールの上位に当たる魔法を放ちました。


「ま、まさか…私がこんなにあっさりとやられるとは……」


と言い残してバンパイヤも何もすることなく浄化されました。


 どうやら僕はアンデットモンスターに対してはかなり強い存在になっているようです。ワイトキングの呪いを打ち破る為に必死で頑張ったことは無駄ではありませんでした。

後ろに控えていたマミーたちも、僕から近づきハイヒールで全て浄化しました。


魔力もこれだけ連続でハイヒールを使っても殆ど満タンのままです。回復魔法に関しては消費魔力が少なくなっていることもあり、元々の回復力と相まってこんなことになっているのです。

そこからも、僕の無双は止まりませんでした。見かけるアンデットモンスターたちは全て浄化していきました。


レベルも上がり過ぎて自分が今何レベルなのか把握すらしてません。


 僕がどんどん奥に進んで行くと、とうとうここがワイトキングの居城だと分かる古い大きな建物の前に出ました。


 僕はここまできたら、この際ワイトキングも浄化してしまおうと考えたのです。いつ封印が破れて外に出られるようになるか分からないのです。

ここまでに対峙したアンデットモンスターでエクストラヒール1発で浄化できなかったアンデットモンスターはいません。

僕にはさらに上位のエクストラハイヒールの魔法すらあるのです。それにリジェネの最上位のウルトラリジェネーションも同時に使えば、ワイトキングでも浄化することはできると考えたのです。

もし万が一外に逃げられるとワイトキングは僕にしたように呪いの力で再び眷属を増やしていくでしょう!そんなことさせないように今から僕が決着をつけるんです!!


 僕は決意を固め、建物の中に入りました。
中は暗く、特に守りのアンデットモンスターたちも見られませんでした。

 奥に進んでいくと、時々バンパイヤロードやデュラハーンロード等の最上位アンデットモンスターたちが襲ってきましたが、念の為エクストラハイヒールを使うとやはり全て1発で浄化できました。


建物の奥に進むと、王様が誰かに会う為の場所、つまりは謁見の間に到着しました。そこには大きな王座に静かに座したワイトキングがいました。


「お前か!よくグールの身でここまで入ってこれたな?」


「もう呪いは解かせてもらいました。僕は人間ですよ!」


「何!?本当だ!私の呪いが消えている!!どうやったのだ?これまでにそんな事例はないぞ!!」


「冥土の土産にお教えします。カースナギの魔法を使いました。」


「カースナギだと!?お前のような若者に使えるような魔法ではない筈だが…まあいい!それならば再び呪いの力で我が眷属にしてやろう!今度はしばらく魔法も封じておけば問題ないだろう…」


「ウルトラリジェネーション!エクストラハイヒール!」


「ぐっ!ぅがーーーー!!!」


ワイトキングはかなり苦しんでいますが、この2つの重ね掛けですら浄化は完了しません。


「エクストラハイヒール!」


「ぐがーーーー!!!馬鹿な!?魔法耐性の高い私が回復魔法程度で浄化されかけているだと?」


「まだ浄化されませんか…本当に強いアンデットモンスターなんですね!エクストラハイヒール!」


「グググッ!このままではいつか浄化される…ここまで1000年も耐えてきたのだ!悲願を目の前に浄化などされてなるものか!!溜め込んだ魔力を大きく失うことになるが、ここは使わねばならん!!

王の断罪!!!!」


ワイトキングの言葉と共に、僕の周りには大きさの違う4つの箱が現れました。その箱はそれぞれが光の線で繋がり合い、その光の線は僕自身に絡み付き、何かの力で動きを制限されました。

光の線は徐々に増えていき僕を中心として魔方陣を描き出しました。


僕はその間にステータスを確認してみると、状態異常の欄が再び復活しており、このように表示されていました。


《状態異常》
呪(身体能力減少、魔力減少)-耐性により7割減少



また呪いが掛かっているのか…でも7割も効果が減少していれば、反撃くらいできる!


「エクストラハイヒール!」


「ぐがーーーー!!!よもやこの呪いを受けてもまだ反撃してくるとは恐ろしい奴だ…だが、もう遅い!今の反撃をカースナギに使わなかったことを後悔してあの世にゆけ!!」


ワイトキングの言葉の通り、僕の周りに描かれた魔方陣が完成し、4つの箱が爆発して中から大きさの違う4体の死神が姿を現しました!


「1の断罪ー車輪刑」


 その声と共に周りの景色が変わり、僕の体は巨大な車輪に結びつけられていました。そのまま馬車は激しく動きだしました。僕の体はくるくると回転して目が回ります。

さらにはもう1台馬車が現れ、その車輪には僕を抉る為の突起物が数多くついています。


「ヤバイ!」


「ガガッガガッガ!」と車輪と車輪が接触していきます。僕の右足と左手は大きく抉られ出血しています。



これは幻ではないのか?でも抉られた痛みと傷は本物だ!


僕は自分自身にエクストラハイヒールと、ウルトラリジェネーションをかけました。傷は難なく完治しますが、すぐに次の接触が襲ってきました。


「うぐあああー!」


回転する車輪から何とか抜け出そうと縄を抜けようとしますが、遠心力が働いていて縄縛りのスキルをもってしても抜け出せそうにありません。


「カースナギ!」


これも呪いなのではないかと僕は自分にカースナギを使いましたが、呪いで身体能力を減少されていたものが消えただけで状況は何1つかわりません。



「時間だ!処刑終了!」


死神の言葉で元のワイトキングのところへ戻りました。それと同時に別の死神の声が響きました。



「2の断罪ー串刺し刑」


 再び周りの光景は変化し、気づけば僕は四肢をそれぞれロープで引っ張られ大の字で空中に浮いた状態でぶら下がっていました。

その下には多くの槍を持った男たちが群がり、僕をその槍で次々と刺していきます。


痛い!痛い!これは何なんだ?さっきもそうだけど、抜け出すことができない!傷はウルトラリジェネーションですぐに治ってるけど、そんな問題ではないくらいに痛い!!

これがもし回復魔法もなかったと考えたら…車輪で抉られた傷と槍で刺された傷だけで、下手をすれば死ぬんじゃないのか?

この流れだと他にもあと2つの断罪があるということだ!対策を考えなければ僕はやられてしまう。


痛みに耐えながら、必死に対策を考えていた僕に再び声が聞こえてきました。


「時間だ!処刑終了!」


死神の言葉で再び元のワイトキングのところへ戻りました。それと同時に別の死神の声が響きました。


僕はこの瞬間を狙い、この場から抜け出そうと試みました。


「3の断罪ー火刑」


全力で離脱を試みますが、死神の声が言い終わると同時に、僕が必死に移動したことを嘲笑うように再び周りの景色が変わりました。


 今度は何かに磔にされており、動けません。僕の下には大量の干し草が並べられており、すぐに火が付けられました。火は燃え上がり僕の体を焼いていきます。ウルトラリジェネーションのお陰で焼け死ぬことはありませんが、熱耐性と苦痛耐性がなかったら気絶しててもおかしくない痛みが続きました。



これは本当に何なんだ?傷も焼けてることも現実に起きてるのは間違いない!だけど、毎回空間が変化してることからも時間制限のある世界へ移動されている。しかし…本当に移動されているともとても思えない。ただ移動されているにしては、移動後僕の状況が飛ばされる前と変えられ過ぎている。


僕は考えうることを色々と試していきました。



「時間だ!処刑終了!」


死神の言葉で元のワイトキングのところへ戻りました。それと同時に別の死神の声が響きました。


「4の断罪ー斬首刑」


これは絶対にまともに受けてはまずいやつだ!!首を跳ねられればいくらウルトラリジェネーションを使っていても即死は免れない!


 今度は、斬首台に固定された状態になっていました。僕は逃げ出そうとするも、やはり動けそうにないです。

目の前には大きな斧を持った大男がその斧を振り上げ、今にも僕の首へ落とそうとしていました。


やはりこれは…ワイトキングが昔処刑をした時の記憶の世界なのだろう!だから、最初からその記憶の通りの格好にされ、自由を完全に奪われた状態にされてしまうのだろう。

だけど、これまでのことで分かったことがあります!記憶の通りに僕はやられっぱなになる必要はないということです!!!



そう考えている僕の首へ無情にも大男の持つ斧が振り下ろされました。

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