上 下
62 / 99

第62話 2次ジョブ

しおりを挟む
俺のやらかしたフラグの回収の後、俺たちはみんなで集まっていた。


『すいません。俺が余計なことを考えたばかりに、酷いことなってしまいました。これからは気をつけます。』

『あれって本当の話だったんですね?…また冗談を言ってると思ったら、あんなことなるなんてビックリでした。』
ヘレンも流石に信じたようだ。


『頑張ったにゃ…
久しぶりに疲れたにゃー。。』


『でも、お陰様で40になりました。2次ジョブをこれで選択できます。』


『おー!おめでとうございます。』
『ダーリン、よかったにゃ!』


『取り敢えずは、あれをどうにかしないといけないですよね…?』

目の前に広がるのは、大量の死体の山。ランダムに転がる大量の魔石…


このアレフザック街道のモンスターは、強いため魔石がルピーとしてそのまま利用することができないのだ。代わりにギルドに持っていけば高値で買い取って貰える。

正直疲れていたので、魔石や素材を集めたくはないのだが、俺の勿体無い病が出てしまった。疲れで重い体に鞭打って、魔石や高値で売れる素材をヘレンの指示で剥いでいく。

全て終わる頃には昼を回っていた。休憩も兼ねて、軽く昼食をとることになった。


『疲れた~!』
俺がごろんと横になって休憩を始めると、

『本当に朝から大変でしたね…』
ヘレンが優しい声音で言ってくれる。

ましろは俺の服の中に入って眠っている。
(ありがとう。ご苦労様…)


昼食はパンと水のみ。それでも、お腹が膨らむことで、気持ちも落ち着いてきた。



『アランさん、今のうちに2次ジョブを選択しますか?今なら私が警戒してるので、ゆっくり選んでも大丈夫ですよ!

それに、アランさんが敵に来て欲しくないと思ってればモンスターは来なさそうですしね?』


『そうですね…それじゃー今から選択してもいいですか?やり方は成人の儀と同じでしたよね?』


『そうです。大事な選択なので、ゆっくり決めて下さい。』


(なんかドキドキしてきたな…

オータス。)


名前 アラン
種族 ヒューム
年齢 12歳
力 458(508-100+50)
体力 1028(736+73+219)
俊敏 723(603+60+60)
器用 1567(1207+240+120)
知力 417(463-92+46)
魔力 379(421-84+42)

ジョブ 遊び人lv41
ジョブスキル 逃げ足、口笛、流し目、体力成長、器用成長、チャーム、絶技、チャームⅡ、フェロモン、即時回復
称号 転生者、神ファルスの加護を受けし者、魔物を狩りし者、ネズミをテイムせし者、初心者ダンジョンを制した者、ハーレム野郎


(あれ?さっきの戦闘で2レベル上がったのか?41になってるな…

まあいい、確か次は…

プロファッション!)


【次の中から2次ジョブを選択して下さい】
1、ジゴロ
器用が大きく成長する。異性を巧みなスキルにより喜ばせ、よりお金や物を貢ぐのを幸せと感じるようにするスキルを覚える。

2、ギャンブラー
隠しステータス運が大きく成長する。ギャンブルに関する勘が鋭くなったり、運を上げるスキルを覚える。

3、付与師覗式(ふよしのぞきしき)
鑑定スキルにて人や物の秘密を覗ける。覗くことに特化していく。素材を消費することで装備に特殊な効果を付けることができる。


(これは……!賢者はやはりなかったか…

ジゴロはまずない!遊び人の特性をそのままパワーアップさせる感じだ。。

ギャンブラーか…ギャンブルなんてするつもりはないけど、運を伸ばすのは、なしではない…

付与師覗式?何だそれは…付与師と言えば1次ジョブの筈なんだが…ちょっと特殊な感じなのかな?説明を見る限り、鑑定に特化した感じだけど。。

でも、付与できるのはいいな…もしビアンカと国外に逃げることになっても手に職をつけられるかもしれない…?

よし!決めた!!)



【アランはジョブ付与師覗式を選択した。】
【スキル 鑑定S を取得しました】


2次ジョブを選択すると、目の前にあったステータスに変化が現れる。


名前 アラン
種族 ヒューム
年齢 12歳
力 458(508-100+50)
体力 1028(736+73+219)
俊敏 723(603+60+60)
器用 1567(1207+240+120)
知力 417(463-92+46)
魔力 379(421-84+42)

ジョブ 遊び人lv41、付与師覗式lv1
ジョブスキル 逃げ足、口笛、流し目、体力成長、器用成長、チャーム、絶技、チャームⅡ、フェロモン、即時回復、鑑定S
称号 転生者、神ファルスの加護を受けし者、魔物を狩りし者、ネズミをテイムせし者、初心者ダンジョンを制した者、ハーレム野郎

(鑑定S説明)

鑑定S
人や物の隠された秘密を見ることが出来る。ジョブレベルが上がると、見られる秘密が増えていく。



(あれ?ステータスに何の変化もない…ジョブによる補正はプラスもマイナスもないということか?それに、鑑定の後についてるSってなんだろう?ハイド。)


(取り敢えず、試してみるか…先ずは声に出さなくても鑑定のスキルを発動出来るのか…出来ないのか。)


俺は、意識を集中し寝ているましろを見る。心の中で、鑑定と唱えると。目の前に、情報が現れた。

鑑定内容
名前 ましろ
種族 ネズミ


(おお!出た。声に出さなくてもいいのは便利だ♪Sも言わなくてもいいみたいだ。ヘレンさんも見せて貰うか。鑑定!)

鑑定内容
名前 ヘレン
種族 ヒューム


【ジョブレベルが上がりました】


(おお!鑑定するだけで、経験値が入るのか!!これは結構いいジョブではないのか?)

今度は試しに、持っているナイフを鑑定してみることにした。

鑑定内容
名前 なし
種類 ナイフ
ランク G

鑑定内容
名前 なし
種類 ナイフ
ランク H


(このランクによって価値や強さが決まってくるのかな?まあ、強姦の下っ端からくすねた物だし大した物ではないのは分かってたけど…

しかし、この鑑定面白い♪)


それから俺はそこらにあるものを片っ端から鑑定していった。
どのくらいの距離まで鑑定出来るのか、どのような物なら鑑定可能なのかを測っているのだ。


すると10回目くらいでまたアナウンスが流れる。

【ジョブレベルが上がりました】
【スキル 付与S を取得しました】


(お!もう2つ目のスキルだ。オータス!)

名前 アラン
種族 ヒューム
年齢 12歳
力 459(510-102+51)
体力 1030(738+73+219)
俊敏 725(605+60+60)
器用 1569(1209+240+120)
知力 419(465-92+46)
魔力 381(423-84+42)

ジョブ 遊び人lv41、付与師覗式lv3
ジョブスキル 逃げ足、口笛、流し目、体力成長、器用成長、チャーム、絶技、チャームⅡ、フェロモン、即時回復、鑑定S、付与S
称号 転生者、神ファルスの加護を受けし者、魔物を狩りし者、ネズミをテイムせし者、初心者ダンジョンを制した者、ハーレム野郎

(付与S説明)

付与S
素材を消費することで装備に特殊な効果を付けることができる。通常の付与より、良い効果を付与出来る。


(これは、もしかして凄いんじゃないか?やっぱりSってスペシャル的なSっぽいな…ということは、鑑定も普通では見れない内容も見れるってことか?これは、徐々に試していくしかないか。)


そこから、再び鑑定の検証を続けていると、鑑定について色々分かってきた。

まず距離は、俺がその物や人の全体を把握出来れば鑑定可能らしい。ただし、点にしか見えないほど遠いと全体が見えている筈でも反応しなかった。

それが、おおよそでもどんな形や色をしているなどの最低限の認識は必要なようだ。

そして、どのような物なら鑑定できるか、これも同じ原理だった。俺が全体を把握出来るかが問題となるようだ。

大地を鑑定しても、どこまでが大地か分からないので反応せず、手の上に土を乗せて鑑定をすれば、その土は鑑定可能だった。

空も同じように鑑定できなかったが、全体が見える雲は鑑定できた。


試しに太陽を鑑定してみたら出来てしまった。

そのものの大きさや距離は関係なく、俺自身がそれをある程度把握出来てれば鑑定は可能ということだろう。



(検証はひとまずこんなものだろう…ヘレンさんに2次ジョブについて報告しないと。)


『お待たせしました!時間掛かってすいませんでした。』

『いえ、大事な選択なので、時間は掛けるべきです。それで、いいジョブはありましたか?』

『はい!意外にもまともなジョブが選択肢にあってビックリしました。俺は、2次ジョブは「付与師」を選択しました。』


『付与師?あれって1次ジョブですよね?2次ジョブで選択出来るなんて聞いたことないですが…』

『選択肢に入ってたんですから、仕方ありません。しかも、1次ジョブの普通の付与師よりも、良い効果を付与出来るらしいんです。』

『おお!それは凄いですね!?そのうち、私の剣にも付与をお願いしないといけませんね?』

『そんな凄い剣に付与するのは、もっと付与の練習してからにさせて下さい。』

『じゃあ、今は予約だけとさせて貰いますね。』


『そういえば、2次ジョブを持っていると経験値の分配ってどうなるんですか?』

『戦闘で得られる経験値は1次ジョブと2次ジョブに半分づつ入ることになりますね。中にはそれを嫌って2次ジョブを選択しない人もいると、聞いたことがあります。

ただ、ジョブ固有の経験による経験値は分配されません。』


『なるほど、色々教えて頂きありがとうございます。』



こうして、俺はとうとう2次ジョブを手にいれたのだった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました

杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」 王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。 第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。 確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。 唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。 もう味方はいない。 誰への義理もない。 ならば、もうどうにでもなればいい。 アレクシアはスッと背筋を伸ばした。 そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺! ◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。 ◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。 ◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。 ◆全8話、最終話だけ少し長めです。 恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。 ◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。 ◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03) ◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます! 9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!

転生幼女の怠惰なため息

(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン… 紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢 座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!! もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。 全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。 作者は極度のとうふメンタルとなっております…

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

何かと「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢は

だましだまし
ファンタジー
何でもかんでも「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢にその取り巻きの侯爵令息。 私、男爵令嬢ライラの従妹で親友の子爵令嬢ルフィナはそんな二人にしょうちゅう絡まれ楽しい学園生活は段々とつまらなくなっていった。 そのまま卒業と思いきや…? 「ひどいわ」ばっかり言ってるからよ(笑) 全10話+エピローグとなります。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

処理中です...