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第8話 危険なスキル?

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それからも、レベル上げは順調だった。

探索を始めると次々に大量のモンスターとエンカウントし、休憩や夜営をしていると全くモンスターが近寄ってくることがない。

『ここまでくると、アランの運の良さは本物だな!

事前の情報とここまで差があるのが怖いくらいだ。アランが敵を求めれば次々に現れ、敵が来ないで欲しいときには全く出現しない。

少々加減をして貰えると助かるくらい激しい敵の数だったが…お陰で、まだ3日目なのに予定よりかなりのレベルアップを果たせたな♪

2人ともよく戦ってくれるし、食事もうまい、出来ればこれからも一緒にパーティーを組み続けたいくらいだ!無理強いは出来ないが、私の部下になって共に働くことも一応考えておいてくれ!』

エリスが最大級の賛辞をくれている。


『ありがとうございます。少しはお役に立てたみたいで嬉しいです。今後のことは、すごく光栄なお誘いなのですが、俺はこれでも【ラトル】という村の村長の息子で、次期村長候補としての修行中の身でして…

父である村長の許可がないと村から長くは離れることができないのです。ですので、申し訳ありませんが、すぐに返事をする事はできません。』

『謝ることはない。村長になる者に無理を言ってるのは、こちらの方だ。

そうか、2人はラトルの者だったのか!昔1度だけ訪れたことがある。

特別な思い出はないが、村の者たちが生き生きとしていたのを覚えている。2人を見ていれば分かる、いい村なのだろうな!』

『ありがとうございます!

何もないとこですが、いいとこなのは私が保証します。私もアランと一緒に働けるのなら、その話も魅力的なんですが、王都の近衛兵になりたいという夢もあるので少し考えさせて下さい。』

『ビアンカは将来近衛兵になりたいのか?それなら、余計私の下で働けばよいかもしれんが…』

『エリスさんはそんなところにも繋がりがあるのですか?』

『まあ…そんなところだ。アランのこともあるし、のんびり考えて貰って構わない。』


この頃には、俺のレベルは17に上がっていた。その間に2つのスキルを覚えていた。それは、【体力成長】と【器用成長】の2つだ。名前からようやく使えそうなステータスアップのスキルを覚えたと思ったのだが説明を見て俺は転がった…



体力成長
異性との営みをする度に体力が成長する。

器用成長
異性をあなたのテクニックで喜ばせようとすればするほど器用が成長する。


前の世界も合わせても、童貞の俺になんて酷なスキルを与えるんだ!役に立てる道筋すら思い浮かばない…

しかも、どのスキルも誰にも言うことの出来ないスキルばかりだ。口笛を吹いて女性の注目を浴びたところで流し目でドキリとさせ、その後どうしろっちゅーねん!!

村に帰ったら確実に親父にニヤニヤされながら、覚えたスキルを教えろと言われるのは間違いない!1つでもまともに伝えたら、暫くは笑いの種にされることは間違いない…


それに流石に遊び人のジョブの性質がバレてしまうだろう。。多少笑われるくらいなら俺も我慢もできるが、自分の息子が女ったらしになるためのジョブになりましたってのは、流石にない!

嘘をつき続けるしかないのだろうな…家族にまで嘘を一生つかねばならないのは辛いが、親を変に苦しめるよりはマシか。。


エリスに勧誘を受け、ジョブのことを考えた直後の戦闘終了のこと。

【ジョブレベルがあがりました】
【スキル チャームを取得しました】

(っ!チャーム…また怪しげな名称だ…オータス)

名前 アラン
種族 ヒューム
年齢 12歳
力 88(108-20)
体力 108(99+9)
俊敏 171(156+15)
器用 278(232+46)
知力 90(112-22)
魔力 0

ジョブ 遊び人lv18
ジョブスキル 逃げ足、口笛、流し目、体力成長、器用成長、チャーム
称号 転生者、神ファルスの加護を受けし者、魔物を狩りし者


(チャーム説明)

チャーム
パッシブスキル。異性を強く惹き付けるようになる。遊び人ジョブレベルが高いほど効果が上がる。


(この内容でパッシブだと!?単純に考えれば異性からモテるようになる素晴らしいスキルなのだろうが…相手を選べずに一方的に惹かれられる…

これはある意味今までのスキルなんて比ではないくらい危険なスキルなのでは?…ハイド)

単純に思い付くだけでも、知らずにストーカーのような女に追われてる未来や、凄く強い女や権力者の女に無理やり拐われたりする未来が見えてくる…

自身を守れるようにならないと本気でヤバくないか!?逃げ足ってこういうのから逃げ出すためのスキルだったのか?



『真面目な顔してぼーっとしてどうしたの?』

ビアンカが俺の様子がおかしいと気付いたらしい…


『いあ、ただ今の戦闘でレベルが上がったからステータスを見てただけだ。』

『ルピー集めるのサボってると思ったらそんなことしてたの?そんなの野営中でいいじゃない?』

『すぐ見たくなるときないか?さっきはそんな気分だったんだよ!サボってた分はこれから頑張るよ!』


(すぐ見たくなるときって…新しいスキルを覚えたときくらいよね。。さっきの表情は困惑してるときの表情だったわ。どんなスキルを覚えたのかしら…?)


それからも俺たち一行は、ガンガン狩りを続け、3日目の夜営の時を迎える頃には俺のジョブレベルはとうとう大台の20レベルを越えた。他の人は今どのくらいなんだろう…



俺の知る限り、ジョブレベル10を越えると初心者卒業、20を越えると一人前、30を越えると一流、40を越えると達人+もう1つ上級の第2ジョブを取れるというのが常識だったはずである。

第2ジョブは今のジョブの上位に当たるものが選択肢として出てくるらしいが、そこまで至る者自体が少ないため、あまり情報がないのだ。

その中でも戦士は比較的多くの者が40まで上げるので有名で、力や攻撃に特化した狂戦士、防御に特化したディフェンダー、武器に特化したバトルマスターが有名である。

レベルは上がれば上がるほど、1つレベル上げるのも大変になってゆく。その分レベルアップの際のステータスの上昇も大きくなってくる。

俺も今回20レベルを迎えて今までとの成長の差に驚いた。これまでレベルが上がっても0~4程度の上昇だったのが、10を平気で越える上昇をするようになったのだ。現在の俺は


名前 アラン
種族 ヒューム
年齢 12歳
力 96(120-24)
体力 124(113+11)
俊敏 192(175+17)
器用 306(256+50)
知力 98(122-24)
魔力 0

ジョブ 遊び人lv20
ジョブスキル 逃げ足、口笛、流し目、体力成長、器用成長、チャーム
称号 転生者、神ファルスの加護を受けし者、魔物を狩りし者


という状態である。元々73と体力が弱かったのが、124となりかなり疲れなくなった。

器用に関してはジョブとしての使い道が想像つくために数値だけが300を越えて上がっていくのが逆に虚しく感じるのだった。。

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