家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。

3匹の子猫

文字の大きさ
上 下
71 / 76

第71話

しおりを挟む
 俺は今度は先に仕掛けることにした。

俺はこの戦いの為に数多く作った兵器の中から2つの兵器を収納から取り出し、そのまま両腕に身につけた!

左手に身に付けているのは、雷の魔石の力をミスリルと電気の力で増幅して放つレーザー銃。連発はできないが威力は高い。

右手に身に付けているのは、土の魔石で生み出した石の槍を風の魔石の力で超回転させ放つガトリングガンだ!一発の威力は低めだが、連射性に優れた設計となっている。先端の4つの銃口からは、1秒間に100発を越える土の槍が発射される。


ダダダダダッダダダダダダダダダダッ!


ガトリングガンで阿武さんを撃つが、素早く動かれなかなか当たらない。動きを読み、レーザー銃で狙うのだが、それも避けられないと思うと魔法を放ち相殺される。


「今回の武器はえらく弱っちーね?まだ遊んでるの?」


「やっぱりこの程度の兵器では全く効かないか…!こういう武器ってロマンあるんだがな…阿武さん相手じゃ役不足か!」



 俺は兵器を入れ換える。


今度取り出したのは、1キロを越えるような巨大な装置だ!この装置は強力なマイクロ波を生み出す兵器で、簡単にいえば強力な電子レンジである。

この兵器の存在してる範囲の上空全てを一瞬で強烈に加熱するのだ!



「今度はまたずいぶんとでっかいね?でもこんなに大きいなら使われる前に壊せばいいだけだよ!」


阿武さんはそう言いながら、強大な魔力のレーザーを兵器に向けて放った!


「かかった!その兵器は魔力を吸収して起動する!!この兵器に魔法を使っても壊すどころか起動させるだけだ!!!そして、これからがこの兵器の本領発揮だ!!」


 この装置には全面に魔力を吸収するよう作られている。阿武さんの放った魔力のレーザーが兵器に触れる直前に魔法は吸収され、兵器が起動する!

そのタイミングに合わせて、俺は更なる兵器をレンジ兵器にドッキングさせる。

これには集光器と呼ばれる鏡を内側全面に装着されており、自動で内部に存在してる異物に向けてマイクロ波を集めるようにできている。


今回の異物はもちろん阿武さんだ!!


 集められたマイクロ波は大気放電を開始し、プラズマを発生させる。プラズマはマイクロ波のエネルギーを吸収する性質がある為、さらに超高温となって爆発を繰り返し起こす。

この時の温度は数万度にも及ぶ。


阿武さんの体はマイクロ波が照射される限り、数万度の強烈な爆発を何度も何度も味わうこととなる。

この兵器は中に閉じ込めることさえ成功すれば俺の数多く作った兵器の中でもかなり殺傷能力の高い兵器である。

さすがの阿武さんもこれをもろに喰らったら、死体すら残らず消えてしまうことだろう…


「これで終わったな…阿武さんが油断して、受けに回ってくれて助かった!思ってたよりあっさりと終われて良かったよ!!」


「えー?もう終わりなの!?もっと戦いたかったのに!」


ひかりとあかりが残念そうに言ってくる。




「ズドーーン!!!!!」


という爆発音とともに俺の兵器が吹き飛んだ。



「グボガグガッガガッ!!」



歪な声とともに現れたのは、全身が焼け焦がれた姿となった阿武さんだった。



「まさかあの攻撃でも死なないのか!?みんな回復する暇を与えるな!!止めを刺すんだ!!!」



 俺は、グングニルの槍を発動させる準備をする。

カオスとレイラは、雷の鞭で阿武さんの体を縛り付け逃げられないようにしてくれている。

ノアもカオスとレイラの真似をしているが、あまり役には立ってなさそうだ。


ひかりは、光のレーザーをさらに圧縮して放つ。

あかりは、圧縮させた氷の槍を風の魔法でさらに高速回転させ次々と放つ。

浩美は、阿武さんの動きを阻害する魔法をかけていた。



 俺は準備が出来次第、間髪入れずグングニルの槍を放った!!


それらの攻撃は全て見事阿武さんへ命中した。


しかし俺たちの攻撃による煙が引いたその場所には、阿武さんの体はそのまま存在していた。

以前はかすっただけでも体半分が吹き飛んでいたグングニルの槍の直撃を受けたにも関わらずだ…


「どんだけ打たれ強いんだ!?」


「それだけじゃないわ!どんどん回復していってるわよ!」


浩美の声にも焦りが混じっている。


「回復の時間を与えたらヤバいかもしれないぞ!今のうちに少しでもダメージを与えるんだ!!」


俺は様々な兵器を試した。


 極小の機械の虫を大量に放ち、傷口から内部に入り、内蔵を食い破らせようとしたが、体の中に入るまでは可能だったのだが、内蔵に食いついたところ逆に弾かれてしまった。

そこで内蔵の血管の中で自爆させてみたが、大きなダメージを与えることはできなかった。


「内蔵までとんでもない耐久力だ!こんなところ鍛えようがないから、あらゆる物語で弱点になる部分なのに…!!!

高温でも中でも駄目なら、次は低温だ!」



 今度の兵器は対象を限りなく絶対零度に近づけるものである。

衝撃を与えるのではなく、対象から温度を急速に奪い取ることで、原子運動を低下させ、最後には完全に止めてしまうのだ。つまりは物として存在することを許されないのだ。

普通の人間にこんなものを放ったら3秒もかからずに、物体として存在することを許されずバラバラに崩れ落ちる。


しかし阿武さんはこれをまともに浴びてるにも関わらず、体が消滅するどころか、傷ついた体が少しずつ回復してるのだ。


他にも色々な兵器を試したが、どれも普通の人間には即死級の威力があるにも関わらず、大した効果がみられない。


この間にもカオスとレイラのW次元砲や、ひかりやあかりの極悪な魔法の連続だったのだが、確実にダメージは与えられてるようだが…それと同じくらい凄い速度で回復していってるのだ!



「これは…どうやって倒せばいいんだ?」


 今も様々な兵器を同時に稼働し、阿武さんにダメージを与え続けているが、回復が早すぎて現状維持で精一杯だ。このままでは、兵器のエネルギーが次々と切れて回復されてしまうだろう…


「まるで不死身ね…」


「きっと阿武さんの体はただの媒体であって、本体は魔力の石そのものなんだろうな…魔力の石そのものを消滅もしくは大ダメージを与えなければ今の阿武さんを倒しきることはできなさそうだな…!!」


「でも魔力の石ってどこにあるの?」


「分からないな…俺の場合は体と完全に一体化してしまってるが、阿武さんの場合はそのまま飲み込んでいたからな…下手すると胃そのものになっているとか?心臓の可能性もあるか?」


「内蔵系なのは間違いないの?」


「いや…それすらも正直自信ない!阿武さんを確実に倒すには、細胞1つ残さずに消滅してしまうことくらいしか思い付かないが…それを実現する手段が賢者の石の知識をもってしても思い付かない!」


「このままダメージを与え続ければ、そのうち魔力の石のエネルギーが切れるなんてことはないの?」


「可能性はある…体を再生するのにも魔力を相当使うだろうしな。。だが、魔力の石には1万2000年分の魔力が溜め込まれているんだ。

おそらくは…このままダメージを与え続けても100年以上は魔力切れなんて起こさないと思う!」


「100年って…そんなの無理ってことじゃない!どうするの?」


「できれば使わないに越したことなかったが…こうなったらやるしかないか!」


しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー 2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。 人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。 主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

きっと幸せな異世界生活

スノウ
ファンタジー
   神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。  そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。  時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。  異世界レメイアの女神メティスアメルの導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?  毎日12時頃に投稿します。   ─────────────────  いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。  とても励みになります。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

処理中です...