家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。

3匹の子猫

文字の大きさ
上 下
64 / 76

第64話

しおりを挟む
「俺は正直二度と会いたくなかったがな…久しぶりだな、トモヤ。」


かなり警戒してる様子だ。



「そんなに怖がらなくていいって、マイケル!」


そう、島へ最初に訪れた3人の兵士の1人であるマイケルだった。



「お前の力を知ってるんだ!怖がるなって方が無理な話だろう?」


「お前たちにはそんなに酷い扱いした覚えはないんだがな…」


「扱いを怖がってるんじゃない!あの意味の分からない力をだ!

あれから俺たち3人がどんなにトモヤの危険性を訴えても、国も軍の上層部も大して興味を示してくれなかった…

それでもアメリカという国を無くさない為に俺は周りから白い目で見られながらも、アメリカがトモヤに害を成さないよう訴え続けてきたんだぞ!!

そのせいで…俺は出世街道を外れ、予定してた結婚まで無くなっちまったんだぞ…どうしてくれるんだ?」


「怖がってるわりに無茶苦茶言ってくるな…そんなこと言われても俺にはどうしようもないぞ?新しい彼女を探すしかないんじゃないか?」


「探すも何も、最近は軍の女たちは俺を臆病者だって相手にもしてくれないんだ!俺は臆病者じゃねー!

敵にしちゃいけねー奴への嗅覚が鋭いだけだ!」


「マイケル、どうでもいいけど…そろそろ出発しないか?俺は急いでるんだ。」


「…チックショー!俺の愚痴なんてそりゃーどうでもいいよな…分かってるよ…どうせ…ほらっ!さっさと後ろに乗れよ!超クールなタクシーだぜ!」


「それじゃーヤシロ島まで頼んだ!!」


「任せとけ!!」



 俺たちは戦闘機に乗って移動を開始した。



「トモヤ、もうすぐ到着だぜ!本部へ連絡する。」



『こちらマイケル、間もなく目的地へ到着する。』


『こちら本部、島に到着し次第、阿武が存在するかを連絡しろ!社ならば分かるとのことだ!』


「何!?トモヤ、島には世間を騒がしている阿武がいるのか?」


「マイケルはそんなことも知らずにこの件引き受けてたのか?俺はホワイトハウスで仕損じた阿武さんを倒すために島へ向かっている。」


「な、何てことだ…」



『本部、どこがちょっと行って帰ってくるだけのタクシーみたいな簡単な仕事だ!!危険手当を要求する!!!』


『分かった!お前に同情する…』


「くそっ!」



「島が見えたぞ!阿武はいるのか?」


集中しろ…島中の気配を探れ…


「いたっ!!!阿武さんは島の中心…世界樹の辺りにいる!俺から受けた傷を癒してるんだろう!

マイケル、島の中央へ向かってくれ!」


「中央?あの辺りは降りるような場所はないぞ?」


「適当に飛び降りるから、タイミングを合わせてこの蓋を開けてくれ!!」


「ばか野郎!何キロ出てると思ってるんだ!?さすがに死ぬから止めとけ!!」


「俺は大丈夫だから心配するな!優しいんだな?」


「くっ!分かったよ!」



『本部、阿武は島の中央にいるらしい。これからトモヤを島へ降ろす!』


『ラジャー、社を降ろしたらまたすぐに連絡しろ!』


『ラジャー!』


「んー…何か今の命令臭うな。何故トモヤを降ろしたことをわざわざ報告する必要がある?トモヤを降ろしたら速やかに帰還しろ!で済む話じゃないか?」


「言われてみればそうだな。マイケル意外に鋭いな!?よし!適当に待って、俺を島へ降ろしたと嘘の報告してくれ。」


「おい!そんな嘘の報告をしたら俺が命令違反になっちまうだろーが!!」


「意外に真面目ちゃんか!?じゃーやっぱり空港に降ろしてくれ。で、俺が降りたらその場で報告をしてくれ。これなら命令違反にはならないだろ?」


「まあな…」



『今、トモヤを降ろした!これより帰還する。』


『マイケル、こちらへ帰還せず、すぐに南へ移動しろ!間もなくそちらへ核の雨が降ることになる。』


『なっ?そんな話聞いてないぞ!!』


『大統領が決めたことだ!阿武も社も化け物はまとめて始末するそうだ!!』


『なんて馬鹿なことを…直ぐに中止しろ!阿武はともかくトモヤに核の攻撃なんて効く筈がない!!トモヤを敵に回したらアメリカが滅ぶことになるぞ!!!』


『お前こそ何を馬鹿なことを言っている!さっさと逃げないとお前も巻き込まれるぞ!!』


『くそっ!ここでも俺の意見なんて聞きもしやがらねー!アメリカがどうなっても俺は知らねーからな!!!』



「マイケル、大丈夫だとは思うが、念のためお前は逃げた方がいい。間違えてもアメリカの方へは逃げるなよ!」


「どうせ今の会話も録画されてるんだろ?」


「あー!ただ今回はリアルタイムで撮ってたがな!」


「それでトモヤはどうするんだ?」


「全部発射されたところへ返すことにする。」


「何だそれは?軌道を変えてもミサイルの燃料は本国に戻せるほど残ってない筈だぞ?」


「それは大丈夫だ!物体の記憶を利用して、来た道をそのまま戻すだけだから燃料は一切必要ない!」


「言ってること無茶苦茶だ!トモヤは時間まで操ることまでできるのか!?」


「いや、正確には時間を操ってる訳ではないんだ!まあ、マイケルは科学者でもないし、細かい説明の必要はないだろう?」


「そりゃーそうだが…

よし!決めた!!俺は母国を捨ててトモヤにつくことにするぜ!」


「はっ?何だそれは?」


「だってよー!アメリカはトモヤや俺の再三の注意を無視して、またトモヤを殺そうと核まで撃ってきやがった。

トモヤが阿武を倒した後、アメリカが無事でいられるわけないだろ?俺はそれに巻き込まれたくねー!なら先にトモヤについとけば、トモヤに殺されなくて済むだろう?」


「マイケル…お前なー、俺のことをどんだけデストロイヤーだと思ってるんだ?」


「普段はトモヤがそんなタイプじゃねーのは俺も分かってるぞ!でも家族に害を成そうする奴への非情っぷりはまさに破壊神だぞ?

アメリカは今回の攻撃でトモヤに対して、引くに引けないところまできてしまっている。トモヤが生きてることが分かれば、必ず家族を人質に取ろうとする!そんなことをしようとする奴へのトモヤの対応は俺の予想通りだと思うぞ!!違うか!?」


「そうだな…マイケルの言う通りだ。まあアメリカが家族に手を出そうとしても返り討ちに合うのはほぼ間違いないがな!家族にはカオス一家もついてるしな!」


「あー、あのしゃべる狼か?」


「あー。あの夫婦は俺よりもずっと強いからな!」


「マジか!やっぱりアメリカは完全にやらかしちまったみたいだな…」


「それよりも逃げないのか?急がないと核が飛んでくるぞ!」


「俺はトモヤにつくと決めたんだ!そのトモヤだけ危険な場所に残して、俺だけ逃げるなんてカッコ悪いことはしねーよ!!トモヤが失敗したら俺も一緒に死ぬ!…だがそうはならないだろ?」


「まあここには原住民もいるし、失敗するつもりはないが…マイケルはけっこう肝が据わってんだな!じゃーそこらで見てればいいさ!!」



 数分後、西の空には無数のミサイルが近づいて来るのが目視できた。

ざっと数えても100はくだらないだろう…さらに後ろには続々と新たなミサイルが近づいて来る。


「すごい数だな!バカラ大統領の殺意をひしひしと感じるな!?」


「馬鹿なこと言ってないでまじで頼むぞ!あんなの1発でも着弾したら、俺は確実に死ぬからな!そうなったら幽霊になって文句を言いにくるからな!!」



 俺は準備していた装置を起動させる。


俺はミサイルに対して全てロックオンし、放った!


これは物体の記憶や目的を操作できる兵器で、ミサイルの目的を「発射地の破壊」に変更し、物体の記憶を巻き戻すことによりこれまで来た道筋をそのまま戻っていくこととなった。


時間差で来るミサイルにも同じように変更を施し、全てのミサイルはアメリカへ戻っていくこととなった。


「もう終わったのか?」


「あー、多分アメリカはしばらくはパニック状態に陥るだろうな。あれだけの数の核が軍事施設を直撃することになるんだ!放射能の問題もあるだろうし、しばらくは国として機能するかも怪しいな!」


「やっぱりトモヤは恐ろしい男だな!」



「さて、余計な時間を食ったし、そろそろ本来の目的の阿武さんのところへ行かないとな!マイケルはどうする?」


「俺はさすがに邪魔になるだろうから、ここで待ってるよ!」


「そうだな…阿武さん相手だとマイケルを守りながら戦うのはさすがに無理だしな。じゃー行ってくる!」



その時だ!


「ガガガカガー」


っという音と共に島の殆どを覆う巨大な空間のバリアが張られてしまった!


「バカラ大統領にお礼を言っといてよ!時間を稼いでくれたお陰で、社さんに殺されずにすんだって!できのいいしもべを持てて、僕は幸せだ♪

お礼に頑張って強くなって戻ってくるからねー!!社さんも楽しみにしといてね!今度は負けないからー!!」



楽しそうな阿武さんの声だけが響き渡っていた。

しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~

ファンタジー
 高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。 見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。 確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!? ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・ 気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。 誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!? 女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話 保険でR15 タイトル変更の可能性あり

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー 2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。 人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。 主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

処理中です...