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第57話
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「ちょっと難しい歴史の話なんだが、この島は元々1万2000年前までは地球という巨大な人間の国の中にある数多くある島の1つだったんだ!
アイルが創造主と呼んだ男はその当時、この島も含めた広大な地域を治める王だった。その国は繁栄を極めていた!
しかし、そのいき過ぎた繁栄を問題とした神々に、国ごと海に沈めて滅ぼす計画があると知った男はこの島を別の次元に飛ばすことにしたのだ!
その作戦は見事に成功し、この島を地球とは別の次元に隠すことになった。そして、万が一神々にここが見つかっても自分が関わっていると分からないように、ここには人間ではなく、エルフやドワーフなどの特別な存在を創造して暮らさせることにした。
それがお前たちの祖先だ!
そして重要なのはさっきも話したようにこの島は元々地球の一部だったということだ!」
「歴史のことは分かったが、それがどうしたというのだ?」
「俺が空の神殿で得た知識が詰まった石が、俺たちの入った空間の制御も、この島を異次元に留めるための装置にもなっていたということだ!
つまりは俺が知識を得た時点でこの島は、地球の1つの島に戻っている。」
「なんだって!?」
「そう、この島の周りには数多くの人間が暮らす国が存在している。そして人間の世界では、この島を俺の所属していた日本という国が管理することとなったんだ!
このエフロディーテは今では閉ざされた街ではないのだ!
周りにある人間の国々と上手に付き合っていかねば、滅ぼされてしまうかもしれないんだ!」
「そんなことは俺たち精霊使いがさせない!この街を守り抜いてみせる!!」
「うん!そうして欲しいんだけどね、人間の国の中に突然現れた余所者状態が今のエフロディーテなんだ。その人間の国との最初のコンタクトがいかに重要か分かるかな?
もし敵対でもしたら77億人の人間と敵対するということになる。」
「77億だと?そんなに人間は繁栄してるのか?」
「あー。現在世界にはそれくらいの人間が存在している。」
「なんて数だ…」
集まったエルフたちは顔を暗く曇らせていた。
「ということで自分等から人間と戦おうという考えは捨てて欲しい!
俺はさっき話した日本という国のトップである阿武という人に頼まれてここへ来たんだ!日本は…阿武さんは、エフロディーテと仲良くしたいと考えてるようなんだ!俺もできれば仲良くしてもらいたい!
阿武さんは、国のトップという重要な人間にも関わらず、エフロディーテが受け入れてくれるのなら、1人でここに話し合いに来ようとしている。
もちろんその時は護衛として俺も同行するがな…
俺はそれをここへ伝えに来たんだ!』
「仲良くしたいと言ってるんだ!受け入れればいいのではないか?」
「口ではいいことばかり言ってるが、本当は俺たちを騙してるのではないか?」
「そもそも地球とやらと1つになったというのが疑わしいぞ!?」
「では、俺は今回はどこからこの地に入ってきたのでしょう?迷いの森の入り口は封印されてますよね?」
「封印を破って入ってきたのではないのか?」
「そんなことはしてません。俺は今回はゴーレムの谷を抜けてここまでやって来ました。今では谷を抜けると、とても広い海という塩辛い水が大量にある場所に繋がっています。
嘘だと思うのなら、みんなで封印の状態も海も確認しに行きますか?」
結局どうしても信じられなかったようで、時間は掛かるが俺たちは皆でその2箇所を回ることとなった。
「信じられないが全て本当のことだった!!」
「では、どうする?トモヤ殿の言う日本を受け入れるのか?」
「正直どうしたらいいのかさっぱり分からない!」
「トモヤ様はその日本の…阿武というものを信じてるのですよね?」
「んー。信じてるかと聞かれると肯定できるほどの付き合いはないんだ!ただ、エフロディーテの人に悪いようにはしないとは言ってくれてる。
こうやってわざわざ俺を使って交渉しようとしてる時点でそれは事実だと思うよ!俺を欺いてエフロディーテに酷いことをしたら、俺から何をされるか分からないと考えてる筈だから…
今の俺はそれくらいの力を得てしまってるんだ。
逆にアイルは一度俺たちを裏切ってる。結果許せると思えるくらいの利益もあったから我慢できるけど、次に裏切ったら俺はエフロディーテを滅ぼすのに何の躊躇いもないのは間違いないよ!」
しばらく黙っていたアイルが口を開いた。
「ふん。それならば答えは1つしかないではないか?その日本の阿武と会おう!日程はお前らの都合に合わせてやる!!」
「そうか…じゃーちょっと待っててくれ、すぐに電話していつがいいか確認するから!」
預かっていた衛星電話を使って会話をした結果、なんと翌日にはこちらに来るスケジュールを組んでいたそうだ。
俺が交渉に失敗したらどうするつもりだったんだろう?
翌日俺は空港に阿武さんを迎えに行き、昨日と同じルートでエフロディーテへ向かうことにした。俺にとっては、ゴーレムは魔物というより、獲物と言えるくらい相性がよい魔物だと分かったので、阿武さんを護りながらも何の苦もなく戦えるからだ!
「あの周りより少し高い木がエルフの街であるエフロディーテの入り口がある場所になります。」
「あれがそうですか…いよいよですね?」
「話はしておきましたので、比較的友好的に話し合えるのではないかとは思ってるんですけどね。」
「社さんはお強いですね!道中の見たことない魔物を何をしたかも分からぬまま倒していってました。」
「あれはちょっと俺限定の裏技みたいな倒し方です。」
「はぁ…よく分かりませんがスゴいということですね?
社さんのその強さは何の為にあるのですか?」
「俺は強さに拘りはないんです!家族を守れるだけの強さが必要だった。それがこの島では、普通の人間を辞めるレベルの強さを必要としていただけなんです。」
「ではより強くなれるとしても、ご家族を守るのに必要としてなければ、その力は必要ないと?」
「極端な話、そうなのかもしれないですね。強すぎる力は時として災いの種にもなりますからね…」
「何だか…とても深いお話ですね?」
「とんでもない。大した話でもないですよ!」
「さあ、あそこにエレベーターのような装置があります。上に行きましょう!」
「少々お待ち下さい!部下に到着したら連絡するように言われていたのです。」
「はい。ごゆっくりと。」
「お待たせしました!では行きましょうか?」
俺たちは世界樹の中に入った。
「このエレベーターボタンも何もないじゃないですか?」
「はい。」
「実はこれ、呪文で上に行ったり下がったりするものなんですよ!」
「おもしろいですね!」
「上に行くのは…」
「「我神々に復讐するもの」と言えばどこに行くのですか?」
「えっ?何故その言葉を阿武さんが知ってるんだ!?」
アイルが創造主と呼んだ男はその当時、この島も含めた広大な地域を治める王だった。その国は繁栄を極めていた!
しかし、そのいき過ぎた繁栄を問題とした神々に、国ごと海に沈めて滅ぼす計画があると知った男はこの島を別の次元に飛ばすことにしたのだ!
その作戦は見事に成功し、この島を地球とは別の次元に隠すことになった。そして、万が一神々にここが見つかっても自分が関わっていると分からないように、ここには人間ではなく、エルフやドワーフなどの特別な存在を創造して暮らさせることにした。
それがお前たちの祖先だ!
そして重要なのはさっきも話したようにこの島は元々地球の一部だったということだ!」
「歴史のことは分かったが、それがどうしたというのだ?」
「俺が空の神殿で得た知識が詰まった石が、俺たちの入った空間の制御も、この島を異次元に留めるための装置にもなっていたということだ!
つまりは俺が知識を得た時点でこの島は、地球の1つの島に戻っている。」
「なんだって!?」
「そう、この島の周りには数多くの人間が暮らす国が存在している。そして人間の世界では、この島を俺の所属していた日本という国が管理することとなったんだ!
このエフロディーテは今では閉ざされた街ではないのだ!
周りにある人間の国々と上手に付き合っていかねば、滅ぼされてしまうかもしれないんだ!」
「そんなことは俺たち精霊使いがさせない!この街を守り抜いてみせる!!」
「うん!そうして欲しいんだけどね、人間の国の中に突然現れた余所者状態が今のエフロディーテなんだ。その人間の国との最初のコンタクトがいかに重要か分かるかな?
もし敵対でもしたら77億人の人間と敵対するということになる。」
「77億だと?そんなに人間は繁栄してるのか?」
「あー。現在世界にはそれくらいの人間が存在している。」
「なんて数だ…」
集まったエルフたちは顔を暗く曇らせていた。
「ということで自分等から人間と戦おうという考えは捨てて欲しい!
俺はさっき話した日本という国のトップである阿武という人に頼まれてここへ来たんだ!日本は…阿武さんは、エフロディーテと仲良くしたいと考えてるようなんだ!俺もできれば仲良くしてもらいたい!
阿武さんは、国のトップという重要な人間にも関わらず、エフロディーテが受け入れてくれるのなら、1人でここに話し合いに来ようとしている。
もちろんその時は護衛として俺も同行するがな…
俺はそれをここへ伝えに来たんだ!』
「仲良くしたいと言ってるんだ!受け入れればいいのではないか?」
「口ではいいことばかり言ってるが、本当は俺たちを騙してるのではないか?」
「そもそも地球とやらと1つになったというのが疑わしいぞ!?」
「では、俺は今回はどこからこの地に入ってきたのでしょう?迷いの森の入り口は封印されてますよね?」
「封印を破って入ってきたのではないのか?」
「そんなことはしてません。俺は今回はゴーレムの谷を抜けてここまでやって来ました。今では谷を抜けると、とても広い海という塩辛い水が大量にある場所に繋がっています。
嘘だと思うのなら、みんなで封印の状態も海も確認しに行きますか?」
結局どうしても信じられなかったようで、時間は掛かるが俺たちは皆でその2箇所を回ることとなった。
「信じられないが全て本当のことだった!!」
「では、どうする?トモヤ殿の言う日本を受け入れるのか?」
「正直どうしたらいいのかさっぱり分からない!」
「トモヤ様はその日本の…阿武というものを信じてるのですよね?」
「んー。信じてるかと聞かれると肯定できるほどの付き合いはないんだ!ただ、エフロディーテの人に悪いようにはしないとは言ってくれてる。
こうやってわざわざ俺を使って交渉しようとしてる時点でそれは事実だと思うよ!俺を欺いてエフロディーテに酷いことをしたら、俺から何をされるか分からないと考えてる筈だから…
今の俺はそれくらいの力を得てしまってるんだ。
逆にアイルは一度俺たちを裏切ってる。結果許せると思えるくらいの利益もあったから我慢できるけど、次に裏切ったら俺はエフロディーテを滅ぼすのに何の躊躇いもないのは間違いないよ!」
しばらく黙っていたアイルが口を開いた。
「ふん。それならば答えは1つしかないではないか?その日本の阿武と会おう!日程はお前らの都合に合わせてやる!!」
「そうか…じゃーちょっと待っててくれ、すぐに電話していつがいいか確認するから!」
預かっていた衛星電話を使って会話をした結果、なんと翌日にはこちらに来るスケジュールを組んでいたそうだ。
俺が交渉に失敗したらどうするつもりだったんだろう?
翌日俺は空港に阿武さんを迎えに行き、昨日と同じルートでエフロディーテへ向かうことにした。俺にとっては、ゴーレムは魔物というより、獲物と言えるくらい相性がよい魔物だと分かったので、阿武さんを護りながらも何の苦もなく戦えるからだ!
「あの周りより少し高い木がエルフの街であるエフロディーテの入り口がある場所になります。」
「あれがそうですか…いよいよですね?」
「話はしておきましたので、比較的友好的に話し合えるのではないかとは思ってるんですけどね。」
「社さんはお強いですね!道中の見たことない魔物を何をしたかも分からぬまま倒していってました。」
「あれはちょっと俺限定の裏技みたいな倒し方です。」
「はぁ…よく分かりませんがスゴいということですね?
社さんのその強さは何の為にあるのですか?」
「俺は強さに拘りはないんです!家族を守れるだけの強さが必要だった。それがこの島では、普通の人間を辞めるレベルの強さを必要としていただけなんです。」
「ではより強くなれるとしても、ご家族を守るのに必要としてなければ、その力は必要ないと?」
「極端な話、そうなのかもしれないですね。強すぎる力は時として災いの種にもなりますからね…」
「何だか…とても深いお話ですね?」
「とんでもない。大した話でもないですよ!」
「さあ、あそこにエレベーターのような装置があります。上に行きましょう!」
「少々お待ち下さい!部下に到着したら連絡するように言われていたのです。」
「はい。ごゆっくりと。」
「お待たせしました!では行きましょうか?」
俺たちは世界樹の中に入った。
「このエレベーターボタンも何もないじゃないですか?」
「はい。」
「実はこれ、呪文で上に行ったり下がったりするものなんですよ!」
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