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第53話
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俺とカオスが島へ戻ると、浩美が心配そうに家から出てきた。
「パパ大丈夫?」
「あー。大丈夫だよ!心配させたみたいですまない。ただあの様子だと、しばらくは他の国も襲ってくるかもしれないから気をつけていよう…」
その予想は見事に的中してしまい、その晩だけで結局3度の襲撃を受けることとなった。
どの国もイギリスと似たような対応をしておいた。ちなみに襲ってきたのは、イギリスの他、ロシア、中国だった!
本当に勘弁して欲しい。
度重なる襲撃の影響で朝から寝不足気味の俺だったが、子供たちがぐっすりと寝てご機嫌だった為、俺も自然と元気を分けてもらって元気になってくるから不思議なものだ。
朝食を食べてしばらくすると、飛行機が飛んできた。
着陸はどうするのかって?昨日のうちに俺が土魔法で滑走路を作っておいた。1機ずつしか離着陸はできないが、飛行機を置いておくスペースはそれなりに広く作っておいた。
昨日ここにやってきたのは垂直着陸のできる戦闘機やヘリなどの機体ばかりだったからだ!
降りたったジェット機から降りてきたのは、俺たちが異空間に転移される前から総理に着任していた、阿武修三(あぶしゅうぞう)総理大臣だった。
「初めまして、私は内閣総理大臣の阿武修三です。私のことご存じですか?」
「勿論です。俺たちが異空間に転移される前からあなたは日本の総理でしたから!お会いできて光栄です。」
俺たち家族は総理と次々と握手をしていった。
「この度はこの島を発見して頂き、本当にありがとうございました!あなたたちのお陰で、この島の領有権を日本が得たことで、とんでもない国益が生まれることになるでしょう。
ここは同盟国アメリカにも近く、ヨーロッパとも近い。さらに、これまで地球上に存在していなかった素材や生物が数多く存在していると聞き及んでいます。
安全性の調査や原住民との交渉などしなければならないことが山積みですが、日本とこの島双方に利益になるよう進めていくつもりです。
それと今回の発見に伴う社様へお支払する金額に関してはしばらくお時間を頂けますか?この島を調べ、その価値を定めてからのお支払となるかと思います。
金額が大き過ぎる為、一括でなく分割でお支払となると思います。」
「俺たちお金ももらえるんですか?」
「勿論です!少なくとも数億…おそらくは数十億ほどになると思われます。」
「「す、数十億!?」」
俺も浩美も目を見開き、見つめ合った。
「それならローンの心配はなさそうだな?」
「それどころか以前より豪華な新しい家が建てられるわ!」
「一応お伝えしておきますが、社様が神隠しにあった3年前、銀行により土地は差し押さえられ、競売に掛けられてます。しかし、神隠しのあったいわく付きの土地でしたので売れることなく、現在も銀行の不良物件となってます。
また社様が行方不明になって1年後、社様のお勤めになられていた会社からは正式に解雇されてます。」
「そりゃーそうですよね。逆によく1年も待ってくれたな…」
「社一家の神隠しは、一部のオカルトを扱う番組で何度も取り上げられたもので、それなりに有名な話になってました…時々取材がくる手前、すぐには解雇できなかったのではないかと。。
現在、日本では異次元へ神隠しにあっていた一家が新たな島をこの世界に顕現させて戻ってきたと大騒ぎとなってますよ。」
「マジですか?俺たちそんな有名になってるんですか?」
「それはそうですよ!一部の専門家が、この島はアトランティス文明やムー文明の時代の島でないかと騒いでますから。」
「そうなんですか?それだとすごい歴史的価値になるかもですね?」
「本当にそうだったら、大変な発見になりますね。ただそれと同時に困ったことに歴史的価値が高すぎて、この地の一切開発できなくなります。
世界中の考古学者たちが、この地を調べ終わるまでは手を加えることは許さないてしょうからね!」
「なるほど…貴重すぎてもまた問題が生じるんですね?」
「政治はどこかが得するようにすれば、必ずどこが損失を被り、その悪い部分だけを政治のせいにされますからね…何事もやり過ぎずバランスを取らないと全体が上手く回らないのです。
すいません。少し愚痴めいてましたね。」
「いえ、貴重な話を聞けました。阿武さんはもっと無口な方だと思ってましたが、俺たちみたいな一般人にもけっこう気さくな方だったんですね!」
「国会では、いつも揚げ足を取ろうとする人ばかりですからね…最低限必要なことしかなかなか話せないんですよ。」
「大変な世界ですね…」
「大変ですが、未来の日本の為に自分ができることを尽くすのはやりがいがありますよ!!」
「政治家の鏡のような言葉ですね!」
「色々と解決できてない問題が山積み過ぎて手が回ってない現状、そんなこと言うのもお恥ずかしい限りですけどね…』
阿武さんは想像していたよりずっと気さくな人で、原住民とも仲良くしていく方向で考えていた。
俺たちがエルフの街エフロディーテとの面識があることを伝えると、日本の使節団を派遣する際には同行することをお願いされた。
正直…顔を合わせるのも気まずいが、結果あの空間から出られたし、ノア一家と出会うことができたのだから、嫌みの一つくらいは言ってしまいそうだが、アイルを恨まなくてもよいかと思えている。
この件はすぐにではないとのことだったので、また改めて依頼を受けた時に考えることにした。
阿武さん一行はすぐに俺たちを乗せて日本に帰る訳でなく、2日間ここの視察をしてから、帰国するスケジュールとなっていた。
といっても、阿武さんと同行していた20名ほどの学者や各種専門家は島について調べることで忙しそうでほとんど話すこともなかった。
俺たちが接するのは、阿武さんともう1人の閣僚である国家安全保障局長山田直也(やまだなおや)さん、それと4人のSPくらいだった。
俺が土の魔法でこのメンバーが宿泊する建物をあっという間に作り、驚かれたのは言うまでもない。さすがに阿武さんと山田さんたちはジェット機の宿泊施設を利用していた。
俺たちは結局、2日後阿武さんと山田さんたちとともに日本へ帰国することとなった。もちろん、ムーもノア一家も一緒だ!
調査団の一行は俺が宿泊施設を作った為、引き続きここで調査を続行することにしたらしい。魔物に襲われなければいいが…
日本に帰ったら、しばらくは病院で健康上問題がないかの検査を行わなければならないらしい。
それが済んだら放り出されるかといえば、国が用意した家でしばらくは過ごしていいらしい。
俺たちには住むとこも、現金も預貯金もないことを考慮しての配慮だった。
俺たちの貯蓄はローンの引き落としなどが失踪後も続き、ほぼ0となっており、僅かばかりの現金もゴブリンの森にある家に残されていた。
つまりは無一文、職なしなのだ!
救いは今回の国への貢献により、条件付きながら、かなり様々なことで優遇してもらえるらしい。
条件とは、様々なメディアにしばらくは自分らから率先して出ないで欲しいということだった。そして、国が依頼するものに関しては出て欲しいとのことだった。
まだ島のことは国も未確認なことが多い為、変に情報が回ることを恐れての対応だという。
その為その規制を解除するまでの期間は、家だけでなく、毎月100万円の生活費まで支給されるという破格なものだった。さらに、国の依頼で出演した番組では出演費用が別途高額で支払われるという話だ。
しかし、この時の俺たちは日本の人々がどれだけ俺たちのことを注目しているか理解していなかった。そして、この3日間の俺の軽い油断が後に世界を巻き込む大変な未来を引き起こすことになるとは、微塵も思っていなかった。
「パパ大丈夫?」
「あー。大丈夫だよ!心配させたみたいですまない。ただあの様子だと、しばらくは他の国も襲ってくるかもしれないから気をつけていよう…」
その予想は見事に的中してしまい、その晩だけで結局3度の襲撃を受けることとなった。
どの国もイギリスと似たような対応をしておいた。ちなみに襲ってきたのは、イギリスの他、ロシア、中国だった!
本当に勘弁して欲しい。
度重なる襲撃の影響で朝から寝不足気味の俺だったが、子供たちがぐっすりと寝てご機嫌だった為、俺も自然と元気を分けてもらって元気になってくるから不思議なものだ。
朝食を食べてしばらくすると、飛行機が飛んできた。
着陸はどうするのかって?昨日のうちに俺が土魔法で滑走路を作っておいた。1機ずつしか離着陸はできないが、飛行機を置いておくスペースはそれなりに広く作っておいた。
昨日ここにやってきたのは垂直着陸のできる戦闘機やヘリなどの機体ばかりだったからだ!
降りたったジェット機から降りてきたのは、俺たちが異空間に転移される前から総理に着任していた、阿武修三(あぶしゅうぞう)総理大臣だった。
「初めまして、私は内閣総理大臣の阿武修三です。私のことご存じですか?」
「勿論です。俺たちが異空間に転移される前からあなたは日本の総理でしたから!お会いできて光栄です。」
俺たち家族は総理と次々と握手をしていった。
「この度はこの島を発見して頂き、本当にありがとうございました!あなたたちのお陰で、この島の領有権を日本が得たことで、とんでもない国益が生まれることになるでしょう。
ここは同盟国アメリカにも近く、ヨーロッパとも近い。さらに、これまで地球上に存在していなかった素材や生物が数多く存在していると聞き及んでいます。
安全性の調査や原住民との交渉などしなければならないことが山積みですが、日本とこの島双方に利益になるよう進めていくつもりです。
それと今回の発見に伴う社様へお支払する金額に関してはしばらくお時間を頂けますか?この島を調べ、その価値を定めてからのお支払となるかと思います。
金額が大き過ぎる為、一括でなく分割でお支払となると思います。」
「俺たちお金ももらえるんですか?」
「勿論です!少なくとも数億…おそらくは数十億ほどになると思われます。」
「「す、数十億!?」」
俺も浩美も目を見開き、見つめ合った。
「それならローンの心配はなさそうだな?」
「それどころか以前より豪華な新しい家が建てられるわ!」
「一応お伝えしておきますが、社様が神隠しにあった3年前、銀行により土地は差し押さえられ、競売に掛けられてます。しかし、神隠しのあったいわく付きの土地でしたので売れることなく、現在も銀行の不良物件となってます。
また社様が行方不明になって1年後、社様のお勤めになられていた会社からは正式に解雇されてます。」
「そりゃーそうですよね。逆によく1年も待ってくれたな…」
「社一家の神隠しは、一部のオカルトを扱う番組で何度も取り上げられたもので、それなりに有名な話になってました…時々取材がくる手前、すぐには解雇できなかったのではないかと。。
現在、日本では異次元へ神隠しにあっていた一家が新たな島をこの世界に顕現させて戻ってきたと大騒ぎとなってますよ。」
「マジですか?俺たちそんな有名になってるんですか?」
「それはそうですよ!一部の専門家が、この島はアトランティス文明やムー文明の時代の島でないかと騒いでますから。」
「そうなんですか?それだとすごい歴史的価値になるかもですね?」
「本当にそうだったら、大変な発見になりますね。ただそれと同時に困ったことに歴史的価値が高すぎて、この地の一切開発できなくなります。
世界中の考古学者たちが、この地を調べ終わるまでは手を加えることは許さないてしょうからね!」
「なるほど…貴重すぎてもまた問題が生じるんですね?」
「政治はどこかが得するようにすれば、必ずどこが損失を被り、その悪い部分だけを政治のせいにされますからね…何事もやり過ぎずバランスを取らないと全体が上手く回らないのです。
すいません。少し愚痴めいてましたね。」
「いえ、貴重な話を聞けました。阿武さんはもっと無口な方だと思ってましたが、俺たちみたいな一般人にもけっこう気さくな方だったんですね!」
「国会では、いつも揚げ足を取ろうとする人ばかりですからね…最低限必要なことしかなかなか話せないんですよ。」
「大変な世界ですね…」
「大変ですが、未来の日本の為に自分ができることを尽くすのはやりがいがありますよ!!」
「政治家の鏡のような言葉ですね!」
「色々と解決できてない問題が山積み過ぎて手が回ってない現状、そんなこと言うのもお恥ずかしい限りですけどね…』
阿武さんは想像していたよりずっと気さくな人で、原住民とも仲良くしていく方向で考えていた。
俺たちがエルフの街エフロディーテとの面識があることを伝えると、日本の使節団を派遣する際には同行することをお願いされた。
正直…顔を合わせるのも気まずいが、結果あの空間から出られたし、ノア一家と出会うことができたのだから、嫌みの一つくらいは言ってしまいそうだが、アイルを恨まなくてもよいかと思えている。
この件はすぐにではないとのことだったので、また改めて依頼を受けた時に考えることにした。
阿武さん一行はすぐに俺たちを乗せて日本に帰る訳でなく、2日間ここの視察をしてから、帰国するスケジュールとなっていた。
といっても、阿武さんと同行していた20名ほどの学者や各種専門家は島について調べることで忙しそうでほとんど話すこともなかった。
俺たちが接するのは、阿武さんともう1人の閣僚である国家安全保障局長山田直也(やまだなおや)さん、それと4人のSPくらいだった。
俺が土の魔法でこのメンバーが宿泊する建物をあっという間に作り、驚かれたのは言うまでもない。さすがに阿武さんと山田さんたちはジェット機の宿泊施設を利用していた。
俺たちは結局、2日後阿武さんと山田さんたちとともに日本へ帰国することとなった。もちろん、ムーもノア一家も一緒だ!
調査団の一行は俺が宿泊施設を作った為、引き続きここで調査を続行することにしたらしい。魔物に襲われなければいいが…
日本に帰ったら、しばらくは病院で健康上問題がないかの検査を行わなければならないらしい。
それが済んだら放り出されるかといえば、国が用意した家でしばらくは過ごしていいらしい。
俺たちには住むとこも、現金も預貯金もないことを考慮しての配慮だった。
俺たちの貯蓄はローンの引き落としなどが失踪後も続き、ほぼ0となっており、僅かばかりの現金もゴブリンの森にある家に残されていた。
つまりは無一文、職なしなのだ!
救いは今回の国への貢献により、条件付きながら、かなり様々なことで優遇してもらえるらしい。
条件とは、様々なメディアにしばらくは自分らから率先して出ないで欲しいということだった。そして、国が依頼するものに関しては出て欲しいとのことだった。
まだ島のことは国も未確認なことが多い為、変に情報が回ることを恐れての対応だという。
その為その規制を解除するまでの期間は、家だけでなく、毎月100万円の生活費まで支給されるという破格なものだった。さらに、国の依頼で出演した番組では出演費用が別途高額で支払われるという話だ。
しかし、この時の俺たちは日本の人々がどれだけ俺たちのことを注目しているか理解していなかった。そして、この3日間の俺の軽い油断が後に世界を巻き込む大変な未来を引き起こすことになるとは、微塵も思っていなかった。
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