家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。

3匹の子猫

文字の大きさ
上 下
36 / 76

第36話

しおりを挟む
 俺たちが再び家に戻った夜、俺がふと夜中に目覚めると、ユウナさんの気配が庭にあることに気がついた。


「こんな時間にどうしたんだ?寝れないのか?」


ユウナさんはびくっと反応し、慌てて振り返った。



「トモヤ様!?ちょっと考え事をしていたら、なかなか寝付けなくて…外で風に当たっておりました。」


「両親のことを考えていたんだね?大好きな両親と急に敵対することになったんだ…そりゃー悩むよな?」


「トモヤ様は、何もかもお見通しなのですね…父と敵対することも覚悟の上、トモヤ様たちについてくることを決断したと思っていたのですが、心の中では今さら両親と争うことは嫌だと考えてしまっております。」


「それは仕方ないことだよ。家族というのは、どんなことがあっても、つい心配してしまう存在だからね!逆にユウナさんがそんな人で安心したよ。

出来ることならば、このまま俺たちを見つけられず、諦めてくれると助かるんだけどね…」


「そうですね…願わくはそうであって欲しいです。」


「さて、もうこんな時間だ!そろそろ考えることを止めて、少しは寝ておかないとね!家に入ろうか!!」


「はい…」




この願いは予想通り、叶うことはなかった。



翌日、みんなでゆっくりと過ごしていると、気配関知に遠くに複数の気配を感じたのだ!


「みんな集まれ!敵襲だ!!!」



もう見つかったのか!?動きが予想以上に早いな!!!やはり殺すしかないのか?…俺に人を殺せるのか?

ふっ。
覚悟ができてなかったのは、俺も同じだな…!


いかん!悩むな!!殺らないと家族が殺される…俺は殺るしかないんだ!!



俺は不安そうな表情の浩美の頭を撫でながら言った。


「大丈夫だ!!俺が必ず守る!!!!」




 俺たちは家を出て、森で待ち構えた。十中八九戦闘になるだろうし、精霊使いの魔法を受ければ、家は確実に崩壊するだろう…


俺は近づいて来ている精霊使いたちに最後の警告をする為に叫んだ。


「俺たちを探すなと警告した筈だ!これは俺たちに戦争を仕掛けたということで相違ないか?それ以上少しでも近づけば、敵対したと判断する!!」


「勝手に牢から逃げ出し、娘を拐った犯罪者が何を言うか!娘はエフロディーテの重大な掟を破った!街の掟通り、しっかりと罪を償わせなければならない!!

そして人間であるお前らは、やはり存在するだけで危険過ぎる!


これより速やかに、ユウナの精霊様の試練と余所者の排除を行う!! 
散れ!」


その声と同時に7人いた精霊使いたちは散り散りに動き出した。



くっ!もう始まってしまったか…こんなことなら、先制で少しでも敵の戦力を削ぐべきだった…できれば戦いたくないという気持ちが、自分達を不利な状況に追い込んでいく。

覚悟しろ、俺!ここまできたら殺るしかない!!!



俺は2丁のハンドガンを構え、俺の方へ真っ直ぐ向かってくる精霊使いに向けて構えた。

姿を現したのは、見覚えのある子だった。たしか木の精霊のアリーだったか?



「よくも私に恥をかかせてくれたわね!!あんたは私がギッタンギッタンにぶち殺してやるわ!」



俺は呼吸を整え、ハンドガンを放った!

弾はアリーの心臓へ向け真っ直ぐと飛んでいく。


しかし、アリーも今回は攻撃が来るのを読んでいたようで対応してくる。アリーの目の前に巨大なな木が生えて、弾丸を防いだ。

しかし弾丸の勢いは、その木だけでは止まらず、木を吹き飛ばし、さらにアリーの腕を掠めた。


「痛たー!何なのよ、この威力!?」


次の瞬間にはアリーは喋ることの叶わぬ体になってしまった。


一発目は軌道を変えられたが、俺は2丁のハンドガンを構えていた。すぐに次の攻撃に備えなかったのが敗因だ。



 俺は直ぐ様、移動を開始する。


今の戦闘の僅かな間に、残る6人の精霊使いたちは俺たちを囲もうと移動していた。狙いは俺だけでなく、同時に家族やユウナさんも狙おうとしているようだ!


そんなことさせない!


「みんな崖の方へ移動するぞ!相手は俺たちを囲もうとしている。四方から同時に攻められると守りきれない。

逃げ道もなくなるが、確実に守りやすくなる。」



俺はこんなこともあろうかと、家の回りをそれなりに調査していた。

後ろはイグリスの大滝の見える深い崖となっており、周りには大岩がごろごろとしている為、遠距離魔法から身を隠すことも可能な、比較的守りやすい場所となっている。


「みんな、岩の後ろに隠れているんだ!ママは油断せずいつでもシールドを使えるように構えていてくれ!!俺がダメージを受けたらヒールもよろしくね!」


「分かったわ!パパも気をつけてね。」


「ああ!行ってくるよ。」



 精霊使いたちは、俺たちを逃がさないよう崖を囲むようにポジショニングしている。


俺は比較的森の傍にある大岩の上に乗り、敢えて精霊使いたちへ姿を晒すことにした。危険なのは分かっているが、狙いを自分に集めたかったのだ。


『挑発!』


スキルレベルは、現在3レベルまで上げている。これでしばらくは俺を狙うことに集中してくれるだろう…



「ドガン!」
「シュッシュッ!!」
「ジュー!!」


案の定、殺意の籠った様々な攻撃魔法が俺に降り注ぐ。


巨大な闇魔法に、同じく巨大な炎の玉、無数の氷の槍、風の刃、岩石の塊、水のレーザー。どれも強烈な見た目で、俺は一瞬不安になるが、どの攻撃も一切避けずにその体で受けきった!そして攻撃が止んだ瞬間、狙い定めていたタークの気配を撃ち抜いた。


前の戦いで視界を奪われたことが邪魔に感じた為、早めに倒しておこうと考えたのだ。気配関知はあるのだが、今回の襲撃者の姿を見ていないので、気配だけでは体型や身長までは分からないからだ。


次の瞬間には、浩美からヒールが届いたようだ。実は全くの無傷だったんだが、ちゃんと戦闘の状況を見ているようだ。



「馬鹿な!あの攻撃を受けて、なぜ平然としているのだ!?」


アイルの声が聞こえてくる。


「ターク!?…族長!タークがやられてます!!」


「あの攻撃を受けて、反撃までしてたというのか…化け物め!
各自奴の動きを止めることに集中しろ!!」



 その命令と共に、今度は俺の動きを阻害する魔法が次々と襲い掛かってくる。

 まずは火の輪っかが俺をまるで輪投げの的のように狙ってくる。避けようと動こうとするが、足元の大岩が水のように変形をして思うように動けない。さらに、様々な方向から突風が吹き荒れ、俺の行動を邪魔してくる。

炎の輪は俺の体にはまると、まるでロープのように俺を縛り付けてきた。さらには足元は氷漬けにされ、まともに動けなくなってしまった。


しまった…先程の攻撃で無傷だったから油断してしまった!



「これで奴は攻撃を避けることはできまい!

フレイは私と共にそのまま奴を縛り上げていろ!!他の者は最大の火力で奴に止めを刺すのだ!!!」



先程と同じように…嫌、それ以上の猛攻が動けない俺に降り注いだ。

今回は小さな無数の風の刃ではなく、巨大な風の刃が俺の首へピンポイントで切り裂こうとしてくる。

さらに、同時に地面から巨大で鋭い岩の槍が俺の心臓を貫こうと襲いかかる。

後ろからは、細く圧縮された水、つまりはウォータージェットのような攻撃が襲ってきていた。



俺は避けること叶わず、それらの攻撃を全て受けてしまうのだった。



しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

魔物をお手入れしたら懐かれました -もふプニ大好き異世界スローライフ-

うっちー(羽智 遊紀)
ファンタジー
3巻で完結となっております!  息子から「お父さん。散髪する主人公を書いて」との提案(無茶ぶり)から始まった本作品が書籍化されて嬉しい限りです! あらすじ: 宝生和也(ほうしょうかずや)はペットショップに居た犬を助けて死んでしまう。そして、創造神であるエイネに特殊能力を与えられ、異世界へと旅立った。 彼に与えられたのは生き物に合わせて性能を変える「万能グルーミング」だった。

【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-

ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!! 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。 しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。 え、鑑定サーチてなに? ストレージで収納防御て? お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。 スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。 ※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。 またカクヨム様にも掲載しております。

異世界に行けるようになったんだが自宅に令嬢を持ち帰ってしまった件

シュミ
ファンタジー
高二である天音 旬はある日、女神によって異世界と現実世界を行き来できるようになった。 旬が異世界から現実世界に帰る直前に転びそうな少女を助けた結果、旬の自宅にその少女を持ち帰ってしまった。その少女はリーシャ・ミリセントと名乗り、王子に婚約破棄されたと話し───!?

【完結】投げる男〜異世界転移して石を投げ続けたら最強になってた話〜

心太
ファンタジー
【何故、石を投げてたら賢さと魅力も上がるんだ?!】 (大分前に書いたモノ。どこかのサイトの、何かのコンテストで最終選考まで残ったが、その後、日の目を見る事のなかった話) 雷に打たれた俺は異世界に転移した。 目の前に現れたステータスウインドウ。そこは古風なRPGの世界。その辺に転がっていた石を投げてモンスターを倒すと経験値とお金が貰えました。こんな楽しい世界はない。モンスターを倒しまくってレベル上げ&お金持ち目指します。 ──あれ? 自分のステータスが見えるのは俺だけ? ──ステータスの魅力が上がり過ぎて、神話級のイケメンになってます。 細かい事は気にしない、勇者や魔王にも興味なし。自分の育成ゲームを楽しみます。 俺は今日も伝説の武器、石を投げる!

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

処理中です...