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二十七発目 銀髪の来客
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「アリサさんは一体どうしちゃったのかしら」
ミルヒは心配そうに俺にたずねる。
「ああ、具合が悪いみたいで部屋で休んでるよ」
「そうなの?あとで見舞いに行ってあげないと」
「あとで俺が様子を見ておくよ」
ここは我が家の台所である。食事はいつもアリサが作ってくれるが今日は休んでいるためミルヒが代わりを務めると言い出しひとりでは大変そうなので俺も手伝っている次第だ。元は荒くれの冒険者に料理など出来っこないという偏見はやめてもらいたい。冒険者にとって食材の確保、そして調理は非常に重要な要素である。
「いつも籠を持ち歩いていたんだ。その中に捕まえた虫を餌として適当に仕込んで川の水に入れておく。その籠は中には入りやすいが外には出にくい構造になってる。しばらく放置して中を見ると魚が捕まってる。その魚の全身に塩をすり込んで焼いて食べる」
「箱入り娘だった私にとっては知らない世界だわ」
手を動かしながらミルヒは言う。
「ゴブリンなんかも食ったよ」
「ゴブリンを?」
「ああ。首をはねて木に吊るして逆さ吊りにして血抜きをする。そして手首と足首を切り落とす。手と爪の部分は固くて食えないからな。それから腹を裂いて臓物を取り出し中を川の水で洗ったら木の棒にくくりつけて下から火で炙っていく」
「味は美味しいの?想像がつかないけど」
「塩をすり込んで焼けば大抵のものは食えるよ。ゴブリンの肉はちと固いけど。子供のやつの肉はまだ柔らかいんだが」
「そうなのね。そろそろ出来るわ。あなた、アリサさんのとこにも持っていってあげて」
アリサは自らの寝室でぐったりと横になっていた。ベットの脇の机の上にひとまず盆に乗ったパンに湯気が立った野菜スープ、それに牛肉のシチューを置く。
「アリサ、大丈夫か・・・?」
「あなた、私を殺す気ですか・・・」
「すまない・・・」
あの後、アリサは縄で吊るされ開脚した状態で俺に腟内の奥をひたすら貫かれ続け声が枯れるまで叫び続けたのだった。
「全身が筋肉痛で動けない・・・」
「すまん・・・」
アリサを介抱しこちら側を向かせる。アリサは生気の無い表情でうなだれている。ほつれ髪が口の端に絡まっているので指先で取り払ってやる。
「全身に縄の跡が残って消えないんですよ・・・」
アリサは虚ろな目でつぶやく。
「やり過ぎた。本当にすまない・・・」
「さっきから謝ってばかりですね」
「・・・。それより料理が冷める。早く食べよう」
「私もう動けない」
「そうか・・・」
「食べさせて」
アリサはこのように時々メイドからひとりの女の子になる。
「わかった」
野菜スープが入った椀を手に取りスプーンですくってアリサの口元まで持っていく。
「美味しい・・・」
「そうだろう。ミルヒと一緒に作ったんだ」
「シュヴァンツ様が?」
「ああ、俺にだって料理くらい出来る」
アリサは料理を気に入ってくれたようで全て平らげてくれた。食器を片付けて部屋を出ようとする俺の手をアリサは掴む。
「もう少し、側にいてくれますか・・・」
「ああ、もちろん・・・」
俺はベッドの端に腰掛ける。相変わらず俺の手はアリサの細い手に握り締められたままだ。肌の温もりが手から伝わってくる。
「今日は、いやらしいことは無しですよ・・・」
「もちろん、そんなんことしないさ」
アリサはそれを聞くと安堵した表情で目を閉じ俺の手を握りしめたたま眠りにつく。俺はアリサの長いその睫毛をずっと眺め続けた。
その女は唐突に現れた。俺は日中ちょうど庭園の手入れをしていた。ミルヒが来てからというもの我が庭園はよりどりみどりの花が咲き誇る庭園と化したのは良いもののしっかりと世話をしないすぐに枯れてしまう。
「シュヴァンツあんたにお客さんよ」
耳元に飛んできたエルフィが告げる。
「客?」
俺は庭の花々にじょうろで水をやりながら答える。花々に降り注ぐ水を見ながらつい先日、地下の部屋で全身を縄で縛られ女陰の奥からから身体中の水分を派手に放出するアリサの痴態を思い出して股間を膨らませているところだった。そのアリサは今も自室で休んでいるところだ。
我が家の入り口に立つ華奢な姿。肩のあたりまで伸びた銀髪。その髪をかき分けて左右から尖った耳先がちょこんと出ている。その薄い唇を三日月状に吊り上げ笑みを作って彼女は言う。
「お初にお目にかかれて光栄ですわ。シュヴァンツ様。私はマギーと申します」
ミルヒは心配そうに俺にたずねる。
「ああ、具合が悪いみたいで部屋で休んでるよ」
「そうなの?あとで見舞いに行ってあげないと」
「あとで俺が様子を見ておくよ」
ここは我が家の台所である。食事はいつもアリサが作ってくれるが今日は休んでいるためミルヒが代わりを務めると言い出しひとりでは大変そうなので俺も手伝っている次第だ。元は荒くれの冒険者に料理など出来っこないという偏見はやめてもらいたい。冒険者にとって食材の確保、そして調理は非常に重要な要素である。
「いつも籠を持ち歩いていたんだ。その中に捕まえた虫を餌として適当に仕込んで川の水に入れておく。その籠は中には入りやすいが外には出にくい構造になってる。しばらく放置して中を見ると魚が捕まってる。その魚の全身に塩をすり込んで焼いて食べる」
「箱入り娘だった私にとっては知らない世界だわ」
手を動かしながらミルヒは言う。
「ゴブリンなんかも食ったよ」
「ゴブリンを?」
「ああ。首をはねて木に吊るして逆さ吊りにして血抜きをする。そして手首と足首を切り落とす。手と爪の部分は固くて食えないからな。それから腹を裂いて臓物を取り出し中を川の水で洗ったら木の棒にくくりつけて下から火で炙っていく」
「味は美味しいの?想像がつかないけど」
「塩をすり込んで焼けば大抵のものは食えるよ。ゴブリンの肉はちと固いけど。子供のやつの肉はまだ柔らかいんだが」
「そうなのね。そろそろ出来るわ。あなた、アリサさんのとこにも持っていってあげて」
アリサは自らの寝室でぐったりと横になっていた。ベットの脇の机の上にひとまず盆に乗ったパンに湯気が立った野菜スープ、それに牛肉のシチューを置く。
「アリサ、大丈夫か・・・?」
「あなた、私を殺す気ですか・・・」
「すまない・・・」
あの後、アリサは縄で吊るされ開脚した状態で俺に腟内の奥をひたすら貫かれ続け声が枯れるまで叫び続けたのだった。
「全身が筋肉痛で動けない・・・」
「すまん・・・」
アリサを介抱しこちら側を向かせる。アリサは生気の無い表情でうなだれている。ほつれ髪が口の端に絡まっているので指先で取り払ってやる。
「全身に縄の跡が残って消えないんですよ・・・」
アリサは虚ろな目でつぶやく。
「やり過ぎた。本当にすまない・・・」
「さっきから謝ってばかりですね」
「・・・。それより料理が冷める。早く食べよう」
「私もう動けない」
「そうか・・・」
「食べさせて」
アリサはこのように時々メイドからひとりの女の子になる。
「わかった」
野菜スープが入った椀を手に取りスプーンですくってアリサの口元まで持っていく。
「美味しい・・・」
「そうだろう。ミルヒと一緒に作ったんだ」
「シュヴァンツ様が?」
「ああ、俺にだって料理くらい出来る」
アリサは料理を気に入ってくれたようで全て平らげてくれた。食器を片付けて部屋を出ようとする俺の手をアリサは掴む。
「もう少し、側にいてくれますか・・・」
「ああ、もちろん・・・」
俺はベッドの端に腰掛ける。相変わらず俺の手はアリサの細い手に握り締められたままだ。肌の温もりが手から伝わってくる。
「今日は、いやらしいことは無しですよ・・・」
「もちろん、そんなんことしないさ」
アリサはそれを聞くと安堵した表情で目を閉じ俺の手を握りしめたたま眠りにつく。俺はアリサの長いその睫毛をずっと眺め続けた。
その女は唐突に現れた。俺は日中ちょうど庭園の手入れをしていた。ミルヒが来てからというもの我が庭園はよりどりみどりの花が咲き誇る庭園と化したのは良いもののしっかりと世話をしないすぐに枯れてしまう。
「シュヴァンツあんたにお客さんよ」
耳元に飛んできたエルフィが告げる。
「客?」
俺は庭の花々にじょうろで水をやりながら答える。花々に降り注ぐ水を見ながらつい先日、地下の部屋で全身を縄で縛られ女陰の奥からから身体中の水分を派手に放出するアリサの痴態を思い出して股間を膨らませているところだった。そのアリサは今も自室で休んでいるところだ。
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