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六発目 双子の花嫁

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「ひどいよー!ぼくたちの処女をもらっておいて放置とかー!」
「そうだよ!魔王を倒して冒険が終わったらぼくたちをお嫁さんとしてと貰ってくれるって約束したじゃないかー!」

 我が邸宅の庭先。例の双子の姉妹と俺と妖精のエルフィ、メイドのアリサ、我が妻ミルヒが対峙している。

  アリサが「まったくあなたという人は・・・」と言いたげに俺をジロリと睨む。しかし、そんなこと言ったっけな。

「あー、あの時の双子ね。あんたーちゃんと責任取りなさいよー」

エルフィがあくび混じりに言う。ちなみにエルフィだが庭に専用の鳥小屋をひと回りふた周り大きくした小屋に住んでいる。そこにはこいつ用の小さなベッドが置いてありそこで眠る。妖精とやらはその気になればいくらでも寝れるらしい。今日は珍しく起きて出てきたようだ。

 この双子の姉妹、アインスとエレンはまだ俺がひとりで冒険した時に魔物に襲われそうなところを助けてやったのだが成り行きでふたりとも関係を持ってしまったのだった。しかし、あのときの俺はそんな調子の良いことを言ったのか。ワインを振る舞われきっと酔っていたのだろう。

 しかしふたりとも見ないうちさらに成長したものだ。アインスとエレン。ふたりとも燃えるような情熱的な赤毛に大きな青い瞳に透き通った白い肌にと瓜二つの容姿をしている。どこで見分けるかと言うと左目の下にほくろがあるのがアインス、右目の下にほくろがあるのがエレンだ。初めて出会ったときから成長し背も高くなりその胸元も膨らみをさらに増している。

「道行く人たちに勇者シュヴァンツはどこですかって片っ端から尋ねてやっとこの王都にたどり着いんたんだよ!」  
「そうだよ!ぼくたちはどっちもシュヴァンツの婚約者なんです!教えてくださいって!」

 俺は頭を抱える。これじゃすっかり噂は広まってそうだ。

「シュヴァンツ様の奥様はミルヒ様となります」

 アリサが淡々と告げる。

「約束が違うじゃないかー!」
「そうだよ!シュヴァンツのお嫁さんはぼくたちのはずだよ!」

「あなた、どうするのよ」

 俺の隣にいるミルヒが俺の耳元でささやく。

「ぼくたちもうきずものにされてお嫁にいけないじゃないかー!責任取ってよ!」
「そうだよ!その人と別れてよ!」

「いや、そういうわけには・・・」

「第一その人と一緒になったのはいつなのさ!」
「そうだよ!」

「今年に入ってから・・・」

「ぼくたちの婚約の方が先じゃないか!」
「そうだよ!その人と別れて!」

「わかった!約束通りお前たちふたりを嫁に貰おう!」

「やったー!」
「じゃあ、その人と別れてくれるんだね!」

「いや!別れない!」

「え?ぼくたちをお嫁さんに貰ってくれるんじゃないの?」
「そうだよ!意味分かんないよ!」

「お前たちを嫁に貰う。ミルヒとも別れない。みんな俺の大事な奥さんだ」

「そんなのありなの?」
「そうだよ!お嫁さんが三人もとか」
 
「俺は勇者だからな。問題は無い!みんな幸せにしてみせる!」
 
「その言葉、信じていいんだね。シュヴァンツ」  
「今度こそ本当に貰ってもらうんだからね!」

「わかったわかったって。長旅で疲れたろう。風呂でも入ってこいよ。ここの風呂はデカくてよいぞ」


「お風呂!」

 アインスとエレンはふたり同時に目をきらつかせながら叫ぶ。




「こら!身体をろくに拭かずにうろつかないで!」

「それは奥様が大事にしてる花瓶!触らないで!」

 アリサの叫ぶ声が聞こえてくる。続いてパリィーン!と花瓶が割れる音が聞こえてくる。ここは寝室。ベッドに腰掛けたミルヒがため息交じりに言う。

「我が家も賑やかになりそうねえ。賑やかなのは嫌いじゃないけど」

「ああでも言わないと収集つかなかったんだ。わかってくれ」

「姉妹が出来たと思えば良いのかしら。あの娘たちは十七歳だったかしら」

「うちの娘とふたつしか違わないのねえ」
 
 ミルヒは宙を仰ぎながら言う。

「やっぱり若い娘の方が良いのかしら」

 ミルヒは視線を落とす。

「そんな事ないって・・・みんな大事にするから・・・」

 俺はミルヒに口づけする。



 教会で式を挙げた帰りの馬車の中。純白のドレスを着たアインスをエレンの双子の姉妹に挟まれて俺は揺られている。アインスは自ら乗り出し俺の唇を貪る。

「アインスばかりずるいよ!ぼくにも!ぼくにも!」

 エレンはこう叫び手を伸ばし俺の顔をアインスから引き剥がすと強引に俺に接吻しては舌を挿入してくる。いつの間にか大人のやり方を覚えたもんだ。と思った矢先、「ぼくも負けないよ!」とアインスは俺の下半身に手を伸ばし男根を露出させ思いきりその口で咥えて口淫を始め出す。「おい!こんなとこで何やってんだ!」と言いたいとこだが口はエレンに占領され塞がれているため言葉を出しようもない。

「おかえりなさいませ。シュヴァンツ様。何だかお疲れのようで」

 我が家にて俺たちを出迎えたアリサは言う。俺はアインス、エレンに挟まれてぜえぜえと肩で息をしている。アインスとエレンは左右から俺の両腕を掴みそのまま我が家の寝室の一室まで連行する。

「さあ!初夜といくよ!」
「さあ!シュヴァンツ!着てるものを全部脱いで!」

「お前ら窓の外を見てくれ。今は真っ昼間だ。いったん休んでまた夜にだな・・・」

「そんなの待ちきれないよ!」

 アインスとエレンは同時に叫ぶと一緒に俺の胸元に向かって飛び込み俺をベッドに押し倒すのだった。

 



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