理想

夢紡

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一緒にいるということ。

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理想は叶わない


私には3つ上の彼氏がいる。お互い仕事を辞め、新しい環境で新しいことを始めたばかりであった。
世の中は実にめんどくさい。生きていく上でお金を稼がなくてはいけない。学生を卒業すると、人はしたくもない労働をし、生きるために仕事をする。人間はみな、生きているだけでお金がかかる。

故郷を離れ彼と同棲生活。お金を稼ぐのは本当に大変である。新しいことを1~10まで覚えなくてはいけない。人は分からないと他の人に聞く。だが、2回3回聞くと、聞くなと無言の圧力をかけるのである。確かに、何回も聞くのは少々気が引け、覚えていない自分が悪いが、そこまで圧をかけても意味が無いと私は思う。圧をかけたからといって、何か変わる訳でもない。人にとってその圧は、精神を崩壊させる種となりうるものだと私は思う。

同棲が始まり、数週間。
お互いの時間が合わない。どちらも早番遅番がある仕事だ。片方が朝から仕事にいけば、もう片方は夜から仕事に行く。一緒の時間というものがない。休みが少ないのも理由だろう。
一緒に住めればずっと居られるというのは、夢のまた夢。お金を稼ぐためには、その時間さえも削らなくてはいけない。


私の理想
一緒にいたい。どこかに出かけて楽しみたい。
イチャイチャしたい。


休みが合わなければ無理だろうに、そんな暇はありはしない。連休なんて取れはしない。
遠くに出かける?無理だ。

明らか二人の時間が減る。
お互い仕事の辛さと、一緒にいれない寂しさが募るばかりである。


理想は理想でしかない。
一緒にいたい。そんな小さい事でさえ、叶わないのだから。
世の中不便である。こんな世の中に生まれたことに少しばかり恨んでしまう。平等ではないこの世の中に。


ただ1つ、彼に会えたことは感謝。
理想はずっと一緒にいること。
その理想は数年後にはどうなるのだろうか。
今は無理でも叶うものなのだろうか。



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