25 / 75
温泉旅館
しおりを挟む
えっと……記憶違いでしょうか。
ここはSランクダンジョン神楽の社。
姉御の居るダンジョンで、モンスターハウスと化しているいくつかの建物と、その建物をつなぐ庭で構成されたダンジョンのはずだ。
しかし、ダンジョン内の全ての建物が何やらもうもうと湯気を立ち込めさせている。
ダンジョンの入り口には何やら達筆で、{神楽の郷}と看板が立てられていた。
そんな状況に頭が付いていかず、私はダンジョンの入り口で呆然と立ち尽くしていた。
と、
「あっレー?ドラちゃんモ招待されたノー?」
と後ろから声をかけられる。
「私も、という事はハーピィさんもですか?」
「そだヨー。少し前ニ招待状が来てネー。にしてモ私が知ってル九尾のダンジョンじゃ無くなってるよネー」二人で困惑中だったが
「なんや、まだ入ってきてへんのか。早う入りーな」
と入り口に近い建物から姉御が登場。
相変わらず下駄を鳴らし、煙管を片手に鈴の音を響かせながらの登場である。
「他の3人はもう中に入ってんで」
と言われ、姉御の後を付いていく。
建物の一つ、モンスター専用とこれまた達筆で書いてある中へ案内される。
中には、
「あら?あなた方が最後らしいですわよ?」
と言うリリスと、
「連休中もお姉さまとお過ごし出来る等感無量の極みですわー!」
と私に抱きつき頬擦りしてくるパパラと、
「やっぱり僕らだけ男の子なんですね~。まぁ気にしませんが~」
とニヘラニヘラと笑う吸血鬼と、
せっせせっせと料理を並べたりと動き回るツヅラオが居た。
やや大きめの部屋の中央に置いてあるテーブルに、煮魚や天ぷら、刺身と山の幸、川の幸、海の幸満載の料理が置いてある。
当然お酒も。
御馳走とは、こういったものの事を言うのであろうか。
「ほら、ほら、ぼーっと突っ立ってへんで座ってや」
と促されテーブルに座る。
「ほんなら、この休みは九尾の郷を利用して貰うておおきに。料理にお酒に温泉にと、ゆっくり体を休めてってや」
姉御が話している間にちょこちょこと、ツヅラオと同じくらいの妖狐達によってお酒が注がれる。
「まずは、そないな心配してへんかったけど、誰もやられてない事を祝して、乾杯!」
姉御の掛け声で全員乾杯。
清酒はあまり好きではないのですが、と思いながらも口に含むと、そんな思いは吹き飛んだ。
思わず注がれたお酒を凝視する。
他のみなも同じような反応をしているところを見ると、どうやら感想は同じのようだ。
目茶苦茶飲みすく、透き通るような味。
今まで飲んだどのお酒より、確実に美味しいと思える。
「九尾さん?このお酒は……?」
「うちが作ったで?この日みんなに振舞うために腕によりをかけてな」
姉御手作りなのか……。
「信じられないくらい美味しいんですけど~?どうやって作ったんです~?」
「どないしてって、別に普通にやけど?それより料理も食べてや。うちの子らがせっかく作ったんやさかい冷めへんうちに」
そうでした。お酒に心を奪われてました。
せっかくなので普段あまり食べない焼き魚からいただきましょう。
パリッと焼けた皮を箸で破けば中から現れるのは青いとさえ感じるほどに真っ白の身。
少し触れただけで脂が溢れてくるところを見ると完璧な火加減で焼かれているのだろう。
こんなの、美味しいに決まっているではありませんか。
魚を食べ、お酒を飲んで余韻に浸る。
周りの音すら意識に入らないほど深く、深く、自分の世界だけで堪能し、
また焼き魚へ箸を伸ばす。
幸せの時間は始まったばかりである。
*
「そういえバ、どうして急ニこんな事ヲ?」
「というかダンジョンの改修依頼、出していませんよね?」
「思い立ったさかいな。ほんで、連休終わりには元に戻すで。それなら文句あらへんやろ?戻したところで、どうせ冒険者は来いひんけどなぁ」
酒は進み、料理は食べては次から次へと運ばれてくる。
そんな中でハーピィの質問を皮切りに皆が皆、思った疑問を口にする。
「そもそも改修や温泉、料理にも人間のお金がかかりませんこと?あなたそんなにお金持ってますの?この前の飲み会も全員分払って貰ったみたいですし」
「あぁ、お姉さまが、麗しいお姉さまが、お酒で段々と顔が赤らんでいくのを見ながらのお酒が!こんなにも美味しいなんて……」
一人変な事を口走っているが絶対に無視。
「お金については困らへんで。うち、チビッ子達からは神様扱いされとるさかい」
「神様~?貴女が~?」
「そう疑いの目で見ーひんの。蝙蝠風情が。農業や穀物の神様と扱われてん」
初耳である。
「狐は化かす生き物ですからね~?どうやって人間を騙したのやら~」
「あんたの嘘には敵わへんよ。ま、日頃からの行いやな。そんなわけでお賽銭やらでお金は懐に入ってくるんよ」
姉御のお財布事情、把握。
姉御は毛づくろいさえお金を貰っているらしいが、人間からしたら神様に毛づくろいをしているという考えなのだろう。
御利益……があるかは定かではないが、信じる心は大事という事か。
「それにな、誰とは言わんがここ最近色々大変やったやろし、どうせ呼ぶなら思いついた全員思て声かけたんよ」
「一体どこのお姉さまでしょうかね。転醒したトロールと魔力が付きかけるまで死闘して、魔王の悪夢で無理矢理の魔力補給、死ぬ前に完全回復魔法を自分にかけて、数日後にはどこぞのSランクのマスターさんと手合わせしたなんてのは」
えぇと……パパラ?
口調が段々刺々しくなっているのですが?
「魔王の悪夢って……あれ飲むバカ居るんですね~」
チラチラ
「しかも転醒したトロールと死闘……ですか」
チラチラ
「そしテ、私達の中デ搦め手無しで純粋に強イ九尾と手合わせカー」
チラチラ
皆さんがこちらを見てくるんですが……魔王の悪夢はともかく、他は別にそんなに……
「言っておきますけどお姉さま。私でしたらどれか一つでも拒否しますわよ?」
いや、パパラはSランクのマスターではありませんし……
「僕もパスです~。どれも嘘を出し惜しみ出来ないものばかりです~。というか魔王の悪夢は状況によっては僕死んじゃいます~」
嘘でどうとでもなるにはなるが、そうまでしてやることではない、と。
「わたくしもパスですわね。九尾さんは魅了の事を知って居ますし、魔王の悪夢は論外、トロールは性欲の塊で野蛮なので近づきたくすらありませんわ」
論外とまで言われると相当危険だったんですね……あれ。
「私は九尾ト手合わせなラやってもいいかナー。九尾は魔法禁止の条件でなラだけどネー」
姉御以外には触れすらしない辺りもう察しましたよ。
「そや、一つ気になっとったんや。トロールの転醒の事やけど、あれ固有転醒かもしれへんで」
「固有?普通の転醒と違うんですか?」
「うちも見た事は少ないからからはっきりとは言えへんけど、普通の転醒は全体的に能力底上げされる感じや。対して固有やと尖ったちゅうか、何かに特化したような感じや」
パパラが言っていた魔王の悪夢を飲んだゴブリンの話。
そして固有転醒……と。
初めて知りましたね。
何かに特化する転醒ですか。
というか普通の転醒が全体的な能力底上げという情報すら初耳なんですが……
まだまだ、モンスターの事すら知らない事ばかりです。
そうこう話していれば、ツヅラオがひょっこりと部屋に顔を出し
「次が〆の品なのです!僕の料理は堪能して頂けましたのです?」
なんて聞いてくる。
姿が見えないと思えば、料理を作ってくれていたのですか。
お酒も料理も、残すことなく空になりましたよ。
「あの子がお作りになっていましたの?……今度貸してくださらない?」
「今はマデラの仕事を手伝わせてるさかいなぁ。しばらく無理や思うで」
「そんな……」
隣でがっくりリリスが項垂れる。
いや、本当に家にいて欲しいくらい美味しかったんですよ。
「〆の一品作り終えたら、片付けは壬と戊に任せてツヅラオもこっちおいで。風呂入んで」
温泉、初めて入るんですよね。
とても楽しみ……
ツヅラオや吸血鬼とも入るのですかね?
ここはSランクダンジョン神楽の社。
姉御の居るダンジョンで、モンスターハウスと化しているいくつかの建物と、その建物をつなぐ庭で構成されたダンジョンのはずだ。
しかし、ダンジョン内の全ての建物が何やらもうもうと湯気を立ち込めさせている。
ダンジョンの入り口には何やら達筆で、{神楽の郷}と看板が立てられていた。
そんな状況に頭が付いていかず、私はダンジョンの入り口で呆然と立ち尽くしていた。
と、
「あっレー?ドラちゃんモ招待されたノー?」
と後ろから声をかけられる。
「私も、という事はハーピィさんもですか?」
「そだヨー。少し前ニ招待状が来てネー。にしてモ私が知ってル九尾のダンジョンじゃ無くなってるよネー」二人で困惑中だったが
「なんや、まだ入ってきてへんのか。早う入りーな」
と入り口に近い建物から姉御が登場。
相変わらず下駄を鳴らし、煙管を片手に鈴の音を響かせながらの登場である。
「他の3人はもう中に入ってんで」
と言われ、姉御の後を付いていく。
建物の一つ、モンスター専用とこれまた達筆で書いてある中へ案内される。
中には、
「あら?あなた方が最後らしいですわよ?」
と言うリリスと、
「連休中もお姉さまとお過ごし出来る等感無量の極みですわー!」
と私に抱きつき頬擦りしてくるパパラと、
「やっぱり僕らだけ男の子なんですね~。まぁ気にしませんが~」
とニヘラニヘラと笑う吸血鬼と、
せっせせっせと料理を並べたりと動き回るツヅラオが居た。
やや大きめの部屋の中央に置いてあるテーブルに、煮魚や天ぷら、刺身と山の幸、川の幸、海の幸満載の料理が置いてある。
当然お酒も。
御馳走とは、こういったものの事を言うのであろうか。
「ほら、ほら、ぼーっと突っ立ってへんで座ってや」
と促されテーブルに座る。
「ほんなら、この休みは九尾の郷を利用して貰うておおきに。料理にお酒に温泉にと、ゆっくり体を休めてってや」
姉御が話している間にちょこちょこと、ツヅラオと同じくらいの妖狐達によってお酒が注がれる。
「まずは、そないな心配してへんかったけど、誰もやられてない事を祝して、乾杯!」
姉御の掛け声で全員乾杯。
清酒はあまり好きではないのですが、と思いながらも口に含むと、そんな思いは吹き飛んだ。
思わず注がれたお酒を凝視する。
他のみなも同じような反応をしているところを見ると、どうやら感想は同じのようだ。
目茶苦茶飲みすく、透き通るような味。
今まで飲んだどのお酒より、確実に美味しいと思える。
「九尾さん?このお酒は……?」
「うちが作ったで?この日みんなに振舞うために腕によりをかけてな」
姉御手作りなのか……。
「信じられないくらい美味しいんですけど~?どうやって作ったんです~?」
「どないしてって、別に普通にやけど?それより料理も食べてや。うちの子らがせっかく作ったんやさかい冷めへんうちに」
そうでした。お酒に心を奪われてました。
せっかくなので普段あまり食べない焼き魚からいただきましょう。
パリッと焼けた皮を箸で破けば中から現れるのは青いとさえ感じるほどに真っ白の身。
少し触れただけで脂が溢れてくるところを見ると完璧な火加減で焼かれているのだろう。
こんなの、美味しいに決まっているではありませんか。
魚を食べ、お酒を飲んで余韻に浸る。
周りの音すら意識に入らないほど深く、深く、自分の世界だけで堪能し、
また焼き魚へ箸を伸ばす。
幸せの時間は始まったばかりである。
*
「そういえバ、どうして急ニこんな事ヲ?」
「というかダンジョンの改修依頼、出していませんよね?」
「思い立ったさかいな。ほんで、連休終わりには元に戻すで。それなら文句あらへんやろ?戻したところで、どうせ冒険者は来いひんけどなぁ」
酒は進み、料理は食べては次から次へと運ばれてくる。
そんな中でハーピィの質問を皮切りに皆が皆、思った疑問を口にする。
「そもそも改修や温泉、料理にも人間のお金がかかりませんこと?あなたそんなにお金持ってますの?この前の飲み会も全員分払って貰ったみたいですし」
「あぁ、お姉さまが、麗しいお姉さまが、お酒で段々と顔が赤らんでいくのを見ながらのお酒が!こんなにも美味しいなんて……」
一人変な事を口走っているが絶対に無視。
「お金については困らへんで。うち、チビッ子達からは神様扱いされとるさかい」
「神様~?貴女が~?」
「そう疑いの目で見ーひんの。蝙蝠風情が。農業や穀物の神様と扱われてん」
初耳である。
「狐は化かす生き物ですからね~?どうやって人間を騙したのやら~」
「あんたの嘘には敵わへんよ。ま、日頃からの行いやな。そんなわけでお賽銭やらでお金は懐に入ってくるんよ」
姉御のお財布事情、把握。
姉御は毛づくろいさえお金を貰っているらしいが、人間からしたら神様に毛づくろいをしているという考えなのだろう。
御利益……があるかは定かではないが、信じる心は大事という事か。
「それにな、誰とは言わんがここ最近色々大変やったやろし、どうせ呼ぶなら思いついた全員思て声かけたんよ」
「一体どこのお姉さまでしょうかね。転醒したトロールと魔力が付きかけるまで死闘して、魔王の悪夢で無理矢理の魔力補給、死ぬ前に完全回復魔法を自分にかけて、数日後にはどこぞのSランクのマスターさんと手合わせしたなんてのは」
えぇと……パパラ?
口調が段々刺々しくなっているのですが?
「魔王の悪夢って……あれ飲むバカ居るんですね~」
チラチラ
「しかも転醒したトロールと死闘……ですか」
チラチラ
「そしテ、私達の中デ搦め手無しで純粋に強イ九尾と手合わせカー」
チラチラ
皆さんがこちらを見てくるんですが……魔王の悪夢はともかく、他は別にそんなに……
「言っておきますけどお姉さま。私でしたらどれか一つでも拒否しますわよ?」
いや、パパラはSランクのマスターではありませんし……
「僕もパスです~。どれも嘘を出し惜しみ出来ないものばかりです~。というか魔王の悪夢は状況によっては僕死んじゃいます~」
嘘でどうとでもなるにはなるが、そうまでしてやることではない、と。
「わたくしもパスですわね。九尾さんは魅了の事を知って居ますし、魔王の悪夢は論外、トロールは性欲の塊で野蛮なので近づきたくすらありませんわ」
論外とまで言われると相当危険だったんですね……あれ。
「私は九尾ト手合わせなラやってもいいかナー。九尾は魔法禁止の条件でなラだけどネー」
姉御以外には触れすらしない辺りもう察しましたよ。
「そや、一つ気になっとったんや。トロールの転醒の事やけど、あれ固有転醒かもしれへんで」
「固有?普通の転醒と違うんですか?」
「うちも見た事は少ないからからはっきりとは言えへんけど、普通の転醒は全体的に能力底上げされる感じや。対して固有やと尖ったちゅうか、何かに特化したような感じや」
パパラが言っていた魔王の悪夢を飲んだゴブリンの話。
そして固有転醒……と。
初めて知りましたね。
何かに特化する転醒ですか。
というか普通の転醒が全体的な能力底上げという情報すら初耳なんですが……
まだまだ、モンスターの事すら知らない事ばかりです。
そうこう話していれば、ツヅラオがひょっこりと部屋に顔を出し
「次が〆の品なのです!僕の料理は堪能して頂けましたのです?」
なんて聞いてくる。
姿が見えないと思えば、料理を作ってくれていたのですか。
お酒も料理も、残すことなく空になりましたよ。
「あの子がお作りになっていましたの?……今度貸してくださらない?」
「今はマデラの仕事を手伝わせてるさかいなぁ。しばらく無理や思うで」
「そんな……」
隣でがっくりリリスが項垂れる。
いや、本当に家にいて欲しいくらい美味しかったんですよ。
「〆の一品作り終えたら、片付けは壬と戊に任せてツヅラオもこっちおいで。風呂入んで」
温泉、初めて入るんですよね。
とても楽しみ……
ツヅラオや吸血鬼とも入るのですかね?
0
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ポーション必要ですか?作るので10時間待てますか?
chocopoppo
ファンタジー
松本(35)は会社でうたた寝をした瞬間に異世界転移してしまった。
特別な才能を持っているわけでも、与えられたわけでもない彼は当然戦うことなど出来ないが、彼には持ち前の『単調作業適性』と『社会人適性』のスキル(?)があった。
第二の『社会人』人生を送るため、超資格重視社会で手に職付けようと奮闘する、自称『どこにでもいる』社会人のお話。(Image generation AI : DALL-E3 / Operator & Finisher : chocopoppo)
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
異世界サバイバルセットでダンジョン無双。精霊樹復活に貢献します。
karashima_s
ファンタジー
地球にダンジョンが出来て10年。
その当時は、世界中が混乱したけれど、今ではすでに日常となっていたりする。
ダンジョンに巣くう魔物は、ダンジョン外にでる事はなく、浅い階層であれば、魔物を倒すと、魔石を手に入れる事が出来、その魔石は再生可能エネルギーとして利用できる事が解ると、各国は、こぞってダンジョン探索を行うようになった。
ダンジョンでは魔石だけでなく、傷や病気を癒す貴重なアイテム等をドロップしたり、また、稀に宝箱と呼ばれる箱から、後発的に付与できる様々な魔法やスキルを覚える事が出来る魔法書やスキルオーブと呼ばれる物等も手に入ったりする。
当時は、危険だとして制限されていたダンジョン探索も、今では門戸も広がり、適正があると判断された者は、ある程度の教習を受けた後、試験に合格すると認定を与えられ、探索者(シーカー)として認められるようになっていた。
運転免許のように、学校や教習所ができ、人気の職業の一つになっていたりするのだ。
新田 蓮(あらた れん)もその一人である。
高校を出て、別にやりたい事もなく、他人との関わりが嫌いだった事で会社勤めもきつそうだと判断、高校在学中からシーカー免許教習所に通い、卒業と同時にシーカーデビューをする。そして、浅い階層で、低級モンスターを狩って、安全第一で日々の糧を細々得ては、その収入で気楽に生きる生活を送っていた。
そんなある日、ダンジョン内でスキルオーブをゲットする。手に入れたオーブは『XXXサバイバルセット』。
ほんの0.00001パーセントの確実でユニークスキルがドロップする事がある。今回、それだったら、数億の価値だ。それを売り払えば、悠々自適に生きて行けるんじゃねぇー?と大喜びした蓮だったが、なんと難儀な連中に見られて絡まれてしまった。
必死で逃げる算段を考えていた時、爆音と共に、大きな揺れが襲ってきて、足元が崩れて。
落ちた。
落ちる!と思ったとたん、思わず、持っていたオーブを強く握ってしまったのだ。
落ちながら、蓮の頭の中に声が響く。
「XXXサバイバルセットが使用されました…。」
そして落ちた所が…。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう!〜公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ〜
西園寺若葉
ファンタジー
転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。
どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。
- カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました!
- アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました!
- この話はフィクションです。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる