【完結】僕の彼氏の婚約者は、前世の恋人である僕が忘れられないらしい

325号室の住人

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再びの異世界、シャーシード国

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息苦しくて瞼を上げると、目を閉じたリンの顔が目の前にあった。

「んっ」

声を出せば、リンの顔が遠ざかる。
焦点の合う距離まで離れたリンは、とても嬉しそうな笑顔をしていた。

「おはよう。」

リンが言う。

「え? おはよう?」
「うん。朝だから。」
「え? 朝?」

僕は慌てて飛び起きようとしたけれど、体が思うように動かない。

「すまない。昨日ハメを外しすぎた。」

そこで昨日の情事を思い出して、僕は真っ赤になった。

「ふふ。すごいな。赤くなる時は首や耳までしか赤くならないと思っていたけど、胸まで赤くなるんだな。ははっ」

リンは本当に感心したように話すけれど、僕としては恥ずかしさが増した。

「わぁ!へそまで来た。裏側も見て構わないか?」

リンは私を裏返すと、

「ここまで赤い。」
と、後孔に風を感じたと思ったら、
「ひゃんっ」
舐められた。

──僕は自分で体を動かせないと言うのに、ひどい!

「意地悪。リン嫌い!」
頬を膨らませるとまた裏返されて、
「ごめん。ちょっと調子に乗った。許してくれ!」
慌てたような顔で、リンが迫る。

「久々にシノダとのんびりできて、嬉しかったんだ。調子にのって、すまない!
……………………シノダ?」

最後が疑問符になっているのは、僕が無反応だからだ。

正確には、ちゃんと話していた。
声が掠れて出てなかったのだけど。


「喉が……」
「わかった。水だな?」
言われてコクコクと頷けば、何故かグラスに注いだ水にリンが口をつける。

不思議に思っていると、抱き上げられて口移しで生温かい水が僕の口内に流れ込んできた。

「冷たいのが良かった!」

だいぶ出やすくなった声で言えば、

「シノダの世話を焼きたかったんだ!」
リンは言った。

──まったく。ウチの長男は……

仕方ないので構ってもらうことにした。

「リン、僕、子ども達のところに戻ってお世話したいんだ。早く動けるようになりたいから、お風呂で温まりたい。」
言えば、
「よし来た!」
リンは嬉しそうに僕を抱き上げ、昨晩の情事を思い起こさせる脱衣所を抜けて、お風呂へ向かった。

「昨日…いや、今日か? のうちに、風呂で清めてはあるから、安心してくれ。」
リンは言った。

「お風呂に入れてくれたなら、何か着たかった。」
僕が言えば、
「久し振りだったから、見ていたかったんだ。」
と言う。

「そんなの、寝顔だけでよくない?」
問えば、
「確かに。だから、我慢できなくてまたシて、今度は魔法で清めた。」
と言う。

「なら、この体力も魔法で回復させてくれれば良かったのに。」
言えば、
「そうしたら、シノダは子ども達のところへ帰ってしまうだろ!」

「ふぅ。かわいいこと言うね、ウチの長男は。」
「長男?」
「そう。リンは父親と言うより子ども達のだと思う。」
「そうか。」

リンは何だか嬉しそうに笑った。

「嬉しい?」
「あぁ。リンが母なら、たくさん甘えたっていいだろう?」
「でも、息子じゃエッチはしない。」
「それはイヤだ。」

そんな会話をしているうちに、体が温まって自力で動けるようになってきた。

後ろからリンに抱きしめられるようになっている僕の、お尻のわれ目辺りにリンの硬いモノの感触があるけれど、気付かないふりをして、

「それじゃ、お仕事行ってらっしゃい。」

リンを残して先に上がった。


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