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再びの異世界、シャーシード国
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しおりを挟む「でも安心して。今はそんな考えはないから。」
その言葉に胸を撫で下ろす。
けれど、理由が知りたくて、怖かったけれど訊ねる。
「あのね僕、一昨日の夕方、就業後に執務室のドアの前に居たんだ。
リンの声が聞こえて、ドアを薄く開けば…………その、リンがシてる声が聞こえてね。てっきり浮気してると思ったんだ。」
「あ…………それは!」
「うん。今日見てわかったよ。浮気はシてないって。誤解してごめん。」
「あぁ。」
「それからもう1つ。昨日、お茶の時間に行ったら、お爺さんの怒鳴り声がして……
もう、この国には住めないと思って、子ども達と一緒に出て行……」
「それは!」
『それは、神としてわしがお仕置きしておいたので、安心するが良い。』
『天誅じゃ!ってね♪』
「ダンネス王?」
「シーシャ?」
『いや、今はこの国の男神と!』
『女神よぉ~♪』
「「神様!!」」
『それでな。わし等の初めての共同作業を…』
「ケーキ入刀か?」
『加護じゃ! そなた等の子等に、加護を与えようと思って、昨日降りて参ったのだ。
すると、リンジェルドの部屋から、女は何歳であれ国外追放だとか、わしの名をかたって言いよる者がおったのでのう、ちょいとリンジェルドの体を借りて、天誅を……』
『ドーンってね。』
「女神シーシャ、その指でそのセリフは…著作権が……」
「しかも、何かビーム出ましたよ!」
『あは。ごめぇん!』
『ん~、シーシャは女神になってもカワイイのぅ。』
「もう! 惚気は天上でどうぞ。」
「それに、加護をくださると仰るなら、子ども達と居る時にお願いします。
私達、これからチョメチョメですので。」
『ほう、チョメチョメか。』
「チョメチョメって何ですか?」
『最近使わないんじゃない? でも、それでは今日の加護はできないですねぇ、ダンネスさまぁ。』
『そうじゃのぅ、シーシャ。』
『もう! 鼻の下伸びちゃってるダンネスさま、かぁわぁゐぃいぃ!!』
むっちゅちゅちゆゆゆーーー
『あーん、こんなところで脱がさないでくださいぃ~!!』
「アレ? ついてません?」
『シーシャは、気持ちが少女だから女神でいいのだ!』
「良いんですか。」
『あぁ~~んっダンネスさまぁ。』
「ゴホゴホン……男神ダンネス様、心は女神シーシャ様。そろそろ天上へお帰りください。」
『わかった。帰るから!』
「「ありがとうございました。」」
『またね。』
ダンネスとシーシャは天上へと帰って行きました。
「ねぇ、シノダ。私はもう、我慢できないのだが……」
リンを見れば、リンのペニスが自力で反り返っているのが視界に入った。
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